おかしな葉書が、ある土曜日の夕がた、香霖堂の戸の隙間に挟まっていました。
森近霖之助様 九月十九日
あたたは、こいきけいんよるしいほで、けつこていす。
明日、面どうなさいばんしますから、おいでください。
どうか、白黒には知らせないでください。
えんましらせないでください。
■みこ■おことわ■り。
巫女お断り。
山猫 拝
こんなのです。
一行ずつ、別の人が書いたのでしょうか?
無駄に達筆な宛先と差出人の名前以外はあまり上手な字ではありません。
所々墨で汚れている5行目も読みにくいのですが、もはや解読不能な一行目と比べればましに思えてきます。
しかも、紙から果物やら生臭い何かやらの臭いが漂っています。
当然、霖之助はめんどうでめんどうでたまりませんでした。
「ふ……む、面倒だなあ。
何処で何をするかも書かれていないし……まあ、裁判は閻魔にでも任せれば……」
そう呟いた瞬間、香霖堂のなかに殺気が奔りました。
店の暗がり(スキマ)で、二つ、瞳が輝いています。
その目を見れば、大体の言いたいことは分かってしまいます……。
つまり、あら、こんな面白そうな頼みを断るのか――と。
寝床に入ってからも、山猫のにゃあとした顔や、その面倒だという裁判の景色などを考えて、遅くまで眠りませんでした。
尤も、眠れなかったのはスキマにて輝く瞳のせいでしょうが。
けれども、霖之助が眼を覚ましたときは、もうすっかり明るくなっていました。
表に出てみるとまわりの山は、
みんなたった今出来たばかりの様にうるうるもりあがって、真っ青な空の下にならんでいました。
霖之助は何故か卓袱台の上に置いてあった朝食を食べると、いつも通り仕事に取り掛かろうとし、断念しました。
理由は言わずもがな。
まあ……偶には散歩も良いだろうと、彼は山猫たちを探すことに決めました。
外は良い天気です。
透き通った風がざあっと吹くと、バランスを崩したしましまの薬売りはばらばらと薬品をおとしました。
霖之助はしましまを見上げて、
「おーい、山猫がここを通らなかったかい」とききました。
薬売りは声の主を探して、下に居ることに気付くと、
「橙ちゃんなら、今朝早く、友達と東の方へ飛んで行きましたよ。」と答えました。
「東なら僕のいく方だねえ、おかしいな、とにかくもっと行ってみよう。しましまさん、 ありがとう」
薬売りは少し考えると、真っ赤になってスカートを押さえ込みました。
拍子に、また薬がをばらばらとこぼれ落ちます。
「見上げないでくださいよぉ~」という声を無視し、赤い液体を零しながら霖之助は歩き始めました。
また少し行きますと、そこはもう紅魔館でした。
紅魔館というのは、真っ紅な花畑の中心に、大きな紅いお屋敷がが建っていて、
そこの門の前に真っ紅な髪をした女性が、いつも紅い液体まみれになりながら、
しくしく立ち続けているのを言うのでした。
霖之助は頭からナイフ(と推測される)柄を生やした女性に向いて叫びました。
「おいおい、大丈夫か?……まあ、それはどうでも良いとして、山猫がここを通らなかったかい。」
門番がぴーぴー答えました。
「やまねこは、さっき、文字通り西の方へ飛んで行きましたよ。」
「おかしいな、西なら僕の店の方だ。けれども、まあも少し行ってみよう。門番、ありがとう。」
門番はまたもとのように涙を流しながら立ちつづけました。
霖之助がまたすこし行きますと、一本のぶなの木のしたで、三人の幽霊が、
どってこどってこどってこと、変な楽隊をやっていました。
霖之助は、軽く鬱になりながらも、
「おい、騒霊、山猫が、ここを通らなかったかい。」と聞きました。
すると騒霊は、
「山猫なら今朝早く、六人で南の方へ飛んで行きましたよ。」と答えました。
霖之助は首をひねりました。
「南なら魔法の森の中だ。おかしいな。まあもすこし行ってみよう。騒霊、ありがとう。」
騒霊はみんないそがしそうに、どってこどってこと、あの変な楽隊をつづけました。
霖之助はまたすこし行きました。すると森の手前で一本のくるみの木の梢を、人形がぴょんととんでいました。
霖之助はすぐ手まねきしてそれをとめて、
「おい、人形、やまねこがここを通らなかったかい。」とたずねました。
すると人形は、木の上から、額に手をかざして、霖之助を見ながら答えました。
「シャンハーイ、シャンハーイ」
「何を言っているのか分からないっ!!」
人形はもう居ませんでした。ただくるみのいちばん上の枝が揺れ、となりのぶなの葉がちらっと光っただけでした。
仕方がないので、霖之助が更に南へ行きましたら、道は、もう細くなって消えてしまいました。
そして南の、真っ黒な木の森の中を、真新しい獣道がついていました。
霖之助はその道をずんずん行きました。
榧の枝は真っ黒に重なりあって、青空は一きれも見えず、道は大変判りづらくなりました。
霖之助が顔を真っ赤にして、汗をぽとぽとおとしながらその道行きますと、
にわかにぱっと明るくなって、眼がちくっとしました。
そこは美しい白い花の咲き乱れる花畑で、花は風にざわざわ鳴り、目の前が暗くなってきました。
気が付くと、背の高い女性が、寝そべって手に大鎌をもって、だまってこっちをみていたのです。
霖之助はだんだんそばへ行って、びっくりして立ちどまってしまいました。
その女性が、「あんた、何で死んじまったんだい?」などと聞いて来たからです。
霖之助はぎょっとして、一足後ろに下がって、
「え、僕は死んだのか? けれど、どうしてそれを知っているんだい?」と言いました。
するとその変な女性はいよいよにやにやしてしまいました。
「ん、まあ死神だからねぇ。この位当然だよ……って、まだ仮死状態か。早く帰んな」
そう言われると、急に周囲が回り出し、気が付くと布団に寝かされていました。
「あら、気が付いたのね。」
「……紫」
目の前の女性を見て、霖之助は悟りました。
(――あー、何故か花畑で倒れたところを拾ってくれた訳か)
その時、騒がしい、子供の声が聞こえて来ました。。
霖之助はおかしいと思って、ふりかえって見ますと、そこに山猫が、眼をまん円にして立っていました。
やっぱり山猫の耳は、立って尖っているなと、霖之助がおもいましたら、山ねこはぴょ こっとおじぎをしました。
霖之助もとりあえず挨拶しました。
「いや、こんにちは、昨日は葉書をありがとう。」
山猫はひげをぴんとひっぱって、有りもしない胸をつき出して言いました。
「こんにちは~。説明は藍様から聞いてくださいです。」
隣を見れば、五人の少女と、一人の少年に混じってお店の常連の女性が立っていました。
「よくいらっしゃいました。実は少し前から、この子達が喧嘩をしてまして。
その……紫 様が、折角だから幻想郷中の人の意見をうかがいたいと仰い始めましたのです。
まあ、 適当に、意見を出しておいて下さい。じき、紫様も飽きましょう。
どうも毎年、この思 いつきで苦しみます。」
そう言ったとたん、彼女の足下にスキマが開きました。
「あら、そんなことを思ってたのね」
「げっ、聞いてらしたんですか?」
「ふふ、とりあえず、お仕置きね♪」
「あ~」こうして、家の中には五人の少女と一人の少年だけが残りました。
で、僕は何を裁けば良いのかな?
霖之助がそう訪ねますと、少女達+1は一斉に話し始めました。
「リグルがあたいをバカって言うんだもん!!」
「最初に言ったのはそっちじゃない!」
「まあ、まあ、二人とも落ちつい……「「大ちゃんはだまってて!!」」
「…………ちるのちゃんの、 ばかぁぁぁぁ!!」
「ばかってゆーなぁ!!」
「こんな調子で……白黒に頼んだら「これに耐えられた奴が一番だぜ」とか言ってまとめてふっとばされそうになるし……
閻魔様にたのんだらお説教されました。
藍様は頷いてましたけど……兎に角、この中で一番馬鹿な人を決めてくださいっ!!」
橙が、すこし心配そうに言いますと、少女達は口々に叫びました。
「あたいはバカじゃないもんっ!!」
「私だって、不要な情報はすぐに切り捨てるようにしてるだけよっ!!ついでに、私は女だ~~~!!」
「そ~なのか~。」
「私だって、少なくともチルノちゃんよりは頭いいもんっ!!」
「あ、思わぬ所で本音が。」
もうみんな、そーなのかー、そーなのかー言って、なにがなんだかわけがわからなくなりました。
そこで橙が叫びました。
「うるさーいっ!!」
橙が弾幕を張り始めたので、やっと少し変な少女達は静かになりました。
橙は、ぴんとひげをひねって言いました。
「裁判ももうきょうで九日目よ。いい加減に仲なおりしたら?」
すると、もう⑨候補達が、くちぐちに云いました。
「いやよ。あたいはバカじゃないもん」
「ふん、少なくともアンタよりは私の方が……」
「私はやっぱりチルノちゃんが……」
「あ~大ちゃんが黒く……」
へーそーなのかー、もうなにがなんだかわからなくなりました。橙が叫びました。
「うるさーいっ!!。」
橙が、スペルカードを取り出しました。橙がひげをぴんとひねって言いました。
「裁判ももうきょうで九日目よ。いい加減に仲なおりしたら?」
「あたいはバカじゃないもん」へーそーなのかー。
橙が叫びました。
「裁判ももうきょうで九日目よ。いい加減に仲なおりしたら?」
橙が、ついにEXになりかけ、⑨はみんなしずまりました。
橙が霖之助にそっと申しました。
「このとおりです。どうしたらいいでしょう。」
霖之助は笑ってこたえました。
「ふーむ、それだったらこうしましょう。」
霖之助は、⑨達を見渡すと言いました。
「強い肉体に強い精神が宿るというからね。この中で一番弱かった人が一番馬鹿なんだよ」
⑨達は、ますます騒がしくなり、ぴりぴりした空気が漂い始めました。
「まあ、まて、まて、みんなで戦っても、仲の良い娘と協力したりしてフェアじゃない。
だから、こうしようじゃないか……良いかい?
まず初めは、博霊神社の巫女を一番早く倒してきた娘が一番頭が良い。次は……紅魔館のメイドだ。」
少女達は皆、しぃんとしてしまいました。
みんな、巫女や冥土の怖さを知っているからです。
「よーし、それなら、あたいが最強で、一番頭が良いことを証明してやる!!」
ただ、⑨だけが全速力で空の彼方へと飛んで行きました。
霖之助は、⑨が見えなくなってから、静かに言うのでした。
「彼女が、一番馬鹿って事で」と。
森近霖之助様 九月十九日
あたたは、こいきけいんよるしいほで、けつこていす。
明日、面どうなさいばんしますから、おいでください。
どうか、白黒には知らせないでください。
えんましらせないでください。
■みこ■おことわ■り。
巫女お断り。
山猫 拝
こんなのです。
一行ずつ、別の人が書いたのでしょうか?
無駄に達筆な宛先と差出人の名前以外はあまり上手な字ではありません。
所々墨で汚れている5行目も読みにくいのですが、もはや解読不能な一行目と比べればましに思えてきます。
しかも、紙から果物やら生臭い何かやらの臭いが漂っています。
当然、霖之助はめんどうでめんどうでたまりませんでした。
「ふ……む、面倒だなあ。
何処で何をするかも書かれていないし……まあ、裁判は閻魔にでも任せれば……」
そう呟いた瞬間、香霖堂のなかに殺気が奔りました。
店の暗がり(スキマ)で、二つ、瞳が輝いています。
その目を見れば、大体の言いたいことは分かってしまいます……。
つまり、あら、こんな面白そうな頼みを断るのか――と。
寝床に入ってからも、山猫のにゃあとした顔や、その面倒だという裁判の景色などを考えて、遅くまで眠りませんでした。
尤も、眠れなかったのはスキマにて輝く瞳のせいでしょうが。
けれども、霖之助が眼を覚ましたときは、もうすっかり明るくなっていました。
表に出てみるとまわりの山は、
みんなたった今出来たばかりの様にうるうるもりあがって、真っ青な空の下にならんでいました。
霖之助は何故か卓袱台の上に置いてあった朝食を食べると、いつも通り仕事に取り掛かろうとし、断念しました。
理由は言わずもがな。
まあ……偶には散歩も良いだろうと、彼は山猫たちを探すことに決めました。
外は良い天気です。
透き通った風がざあっと吹くと、バランスを崩したしましまの薬売りはばらばらと薬品をおとしました。
霖之助はしましまを見上げて、
「おーい、山猫がここを通らなかったかい」とききました。
薬売りは声の主を探して、下に居ることに気付くと、
「橙ちゃんなら、今朝早く、友達と東の方へ飛んで行きましたよ。」と答えました。
「東なら僕のいく方だねえ、おかしいな、とにかくもっと行ってみよう。しましまさん、 ありがとう」
薬売りは少し考えると、真っ赤になってスカートを押さえ込みました。
拍子に、また薬がをばらばらとこぼれ落ちます。
「見上げないでくださいよぉ~」という声を無視し、赤い液体を零しながら霖之助は歩き始めました。
また少し行きますと、そこはもう紅魔館でした。
紅魔館というのは、真っ紅な花畑の中心に、大きな紅いお屋敷がが建っていて、
そこの門の前に真っ紅な髪をした女性が、いつも紅い液体まみれになりながら、
しくしく立ち続けているのを言うのでした。
霖之助は頭からナイフ(と推測される)柄を生やした女性に向いて叫びました。
「おいおい、大丈夫か?……まあ、それはどうでも良いとして、山猫がここを通らなかったかい。」
門番がぴーぴー答えました。
「やまねこは、さっき、文字通り西の方へ飛んで行きましたよ。」
「おかしいな、西なら僕の店の方だ。けれども、まあも少し行ってみよう。門番、ありがとう。」
門番はまたもとのように涙を流しながら立ちつづけました。
霖之助がまたすこし行きますと、一本のぶなの木のしたで、三人の幽霊が、
どってこどってこどってこと、変な楽隊をやっていました。
霖之助は、軽く鬱になりながらも、
「おい、騒霊、山猫が、ここを通らなかったかい。」と聞きました。
すると騒霊は、
「山猫なら今朝早く、六人で南の方へ飛んで行きましたよ。」と答えました。
霖之助は首をひねりました。
「南なら魔法の森の中だ。おかしいな。まあもすこし行ってみよう。騒霊、ありがとう。」
騒霊はみんないそがしそうに、どってこどってこと、あの変な楽隊をつづけました。
霖之助はまたすこし行きました。すると森の手前で一本のくるみの木の梢を、人形がぴょんととんでいました。
霖之助はすぐ手まねきしてそれをとめて、
「おい、人形、やまねこがここを通らなかったかい。」とたずねました。
すると人形は、木の上から、額に手をかざして、霖之助を見ながら答えました。
「シャンハーイ、シャンハーイ」
「何を言っているのか分からないっ!!」
人形はもう居ませんでした。ただくるみのいちばん上の枝が揺れ、となりのぶなの葉がちらっと光っただけでした。
仕方がないので、霖之助が更に南へ行きましたら、道は、もう細くなって消えてしまいました。
そして南の、真っ黒な木の森の中を、真新しい獣道がついていました。
霖之助はその道をずんずん行きました。
榧の枝は真っ黒に重なりあって、青空は一きれも見えず、道は大変判りづらくなりました。
霖之助が顔を真っ赤にして、汗をぽとぽとおとしながらその道行きますと、
にわかにぱっと明るくなって、眼がちくっとしました。
そこは美しい白い花の咲き乱れる花畑で、花は風にざわざわ鳴り、目の前が暗くなってきました。
気が付くと、背の高い女性が、寝そべって手に大鎌をもって、だまってこっちをみていたのです。
霖之助はだんだんそばへ行って、びっくりして立ちどまってしまいました。
その女性が、「あんた、何で死んじまったんだい?」などと聞いて来たからです。
霖之助はぎょっとして、一足後ろに下がって、
「え、僕は死んだのか? けれど、どうしてそれを知っているんだい?」と言いました。
するとその変な女性はいよいよにやにやしてしまいました。
「ん、まあ死神だからねぇ。この位当然だよ……って、まだ仮死状態か。早く帰んな」
そう言われると、急に周囲が回り出し、気が付くと布団に寝かされていました。
「あら、気が付いたのね。」
「……紫」
目の前の女性を見て、霖之助は悟りました。
(――あー、何故か花畑で倒れたところを拾ってくれた訳か)
その時、騒がしい、子供の声が聞こえて来ました。。
霖之助はおかしいと思って、ふりかえって見ますと、そこに山猫が、眼をまん円にして立っていました。
やっぱり山猫の耳は、立って尖っているなと、霖之助がおもいましたら、山ねこはぴょ こっとおじぎをしました。
霖之助もとりあえず挨拶しました。
「いや、こんにちは、昨日は葉書をありがとう。」
山猫はひげをぴんとひっぱって、有りもしない胸をつき出して言いました。
「こんにちは~。説明は藍様から聞いてくださいです。」
隣を見れば、五人の少女と、一人の少年に混じってお店の常連の女性が立っていました。
「よくいらっしゃいました。実は少し前から、この子達が喧嘩をしてまして。
その……紫 様が、折角だから幻想郷中の人の意見をうかがいたいと仰い始めましたのです。
まあ、 適当に、意見を出しておいて下さい。じき、紫様も飽きましょう。
どうも毎年、この思 いつきで苦しみます。」
そう言ったとたん、彼女の足下にスキマが開きました。
「あら、そんなことを思ってたのね」
「げっ、聞いてらしたんですか?」
「ふふ、とりあえず、お仕置きね♪」
「あ~」こうして、家の中には五人の少女と一人の少年だけが残りました。
で、僕は何を裁けば良いのかな?
霖之助がそう訪ねますと、少女達+1は一斉に話し始めました。
「リグルがあたいをバカって言うんだもん!!」
「最初に言ったのはそっちじゃない!」
「まあ、まあ、二人とも落ちつい……「「大ちゃんはだまってて!!」」
「…………ちるのちゃんの、 ばかぁぁぁぁ!!」
「ばかってゆーなぁ!!」
「こんな調子で……白黒に頼んだら「これに耐えられた奴が一番だぜ」とか言ってまとめてふっとばされそうになるし……
閻魔様にたのんだらお説教されました。
藍様は頷いてましたけど……兎に角、この中で一番馬鹿な人を決めてくださいっ!!」
橙が、すこし心配そうに言いますと、少女達は口々に叫びました。
「あたいはバカじゃないもんっ!!」
「私だって、不要な情報はすぐに切り捨てるようにしてるだけよっ!!ついでに、私は女だ~~~!!」
「そ~なのか~。」
「私だって、少なくともチルノちゃんよりは頭いいもんっ!!」
「あ、思わぬ所で本音が。」
もうみんな、そーなのかー、そーなのかー言って、なにがなんだかわけがわからなくなりました。
そこで橙が叫びました。
「うるさーいっ!!」
橙が弾幕を張り始めたので、やっと少し変な少女達は静かになりました。
橙は、ぴんとひげをひねって言いました。
「裁判ももうきょうで九日目よ。いい加減に仲なおりしたら?」
すると、もう⑨候補達が、くちぐちに云いました。
「いやよ。あたいはバカじゃないもん」
「ふん、少なくともアンタよりは私の方が……」
「私はやっぱりチルノちゃんが……」
「あ~大ちゃんが黒く……」
へーそーなのかー、もうなにがなんだかわからなくなりました。橙が叫びました。
「うるさーいっ!!。」
橙が、スペルカードを取り出しました。橙がひげをぴんとひねって言いました。
「裁判ももうきょうで九日目よ。いい加減に仲なおりしたら?」
「あたいはバカじゃないもん」へーそーなのかー。
橙が叫びました。
「裁判ももうきょうで九日目よ。いい加減に仲なおりしたら?」
橙が、ついにEXになりかけ、⑨はみんなしずまりました。
橙が霖之助にそっと申しました。
「このとおりです。どうしたらいいでしょう。」
霖之助は笑ってこたえました。
「ふーむ、それだったらこうしましょう。」
霖之助は、⑨達を見渡すと言いました。
「強い肉体に強い精神が宿るというからね。この中で一番弱かった人が一番馬鹿なんだよ」
⑨達は、ますます騒がしくなり、ぴりぴりした空気が漂い始めました。
「まあ、まて、まて、みんなで戦っても、仲の良い娘と協力したりしてフェアじゃない。
だから、こうしようじゃないか……良いかい?
まず初めは、博霊神社の巫女を一番早く倒してきた娘が一番頭が良い。次は……紅魔館のメイドだ。」
少女達は皆、しぃんとしてしまいました。
みんな、巫女や冥土の怖さを知っているからです。
「よーし、それなら、あたいが最強で、一番頭が良いことを証明してやる!!」
ただ、⑨だけが全速力で空の彼方へと飛んで行きました。
霖之助は、⑨が見えなくなってから、静かに言うのでした。
「彼女が、一番馬鹿って事で」と。
なにかほんわかとしつつもきらりと光る⑨を魅せてくれる。
原作を知ってる所為かとても面白かったです。
つぎは銀河鉄道でカンパネルラな橙を希望。相方はリグルんで。(笑)