※独自の解釈が部分的に含まれています。2次創作ネタを使用しています。
※妄想で書き上げました。
実験者 パチュリー・ノーレッジ
実験題目 物理学実験(基礎)
◇
先日、とある褌・・・道具屋の主から外界の本を購入した。
本の表紙には、「物理ⅠB」と書いてあった。
どうやらこの本はいろいろな理論を書き記した技術書のようだ。
正直な話、外界の技術には興味がある。
この本の内容が幻想郷でも通用するのかどうか、早速試してみたいと思う。
が、内容がいささか難解だったので、簡単そうな理論の実証だけに留めることにする。
一応知識人のレポートであるから、堅苦しく書く。
◇
慣性の法則
ある物体が静止しているとき、その物体はその場に留まろうとする。運動しているときは運動し続けようとする。
この、状態を維持しようとする傾向が慣性の法則と呼ばれるものらしい。
今回の実験では被験者を観察する。
体のいたるところには筋肉がついているので、筋肉で動かせない、要するに意思とは関係なく動いてくれるところを見れば良い。
被験者を運動させて、その胸部について慣性の法則が成り立つことを確認する。
というかそういう動きを確認できればそれでいい。
・被験者
十六夜咲夜
紅美鈴(中国)
小悪魔
ほか適宜追加
さすがに自分の揺れを確認するなんて行為はしたくないので、上記のメンバーを観察することにした。
◇
早速門の陰にやってきた。
折りよく黒白の魔法使いが中国と弾幕ごっこを展開していたので、観察に移る。
黒白もついでに見ておこう。
弾幕の美しさを見ながらというのもなかなかこれで、失礼筆が乱れた。
まず中国の動きを観察する。
「彩符「彩雨」!」
いいぞいいぞ、もっと動いて。
ああ、完璧だ。音が聞こえてきそうだ。
なかなかやるじゃない中国、見直したわ。弾幕はともかく。
しかし、私より大きいかもしれない。ちょっとグノーシス波動を送った。
中国についてはものの見事に法則が成り立ったとしか言いようがない。
右に左に上に下に、見事だった。なんというか、跳ね返ってるような動きね。
一方黒白は確認不可能だった。
「恋符「マスタースパーク」!」
中国が撃墜されてしまった。
すぐさま2人目の観察に移ることにする。
◇
今度は柱の陰に潜んだ。
小悪魔には、入り口付近で迎撃体制に入るように指示してあった。
ここでは時間との勝負だ。
小悪魔はスペルカードを持ってないので、早く確認しないと確認前にやられてしまう可能性が高い。
よく考えたらここで実験していると私が本を守れないじゃない。なんとか隙を見て撃退しないと。
「魔理沙さん、今日こそは手ぶらでお帰りいただきますよ!」
「おいおい、私は本を借りに来ただけだぜ?いつか返すんだからいいじゃないか」
いつかっていつだ。すぐさま返せ。
「ううう、借りるというか狩りそのものじゃないですか!私のかわいい本たちが奪われていくのは見過ごせません!」
いいこと言った。でも私のよ。
「そうかい、それじゃあ言葉遊びついでに弾幕で遊ぼうか!」
どういう理屈だ。
小悪魔の観察部位はあまり大きくないため、確認はなかなか難しかった。
が、よくよく見ると小悪魔の運動方向とは違う運動の向きが確認できた。
小さいのもこれはこれで、ではなく、まあ小悪魔でも成り立つことが実証できた。
実験がうまくいってちょっと興奮してきてしまったため、多少文が荒れているかもしれないことをあらかじめ断っておく。
一応保険のために。
黒白は相変わらず、というかそもそも動くべきものがないようだ。
あ、小悪魔が撃墜された。
介抱してあげたいけど、今は実験の最中。心を鬼にするわ。
後で助けてあげるから。
◇
こうして胸部だけを観察するというのは初めての経験だった。新鮮な気分だ。
視点を変えるだけでこんなにも変わるとは。
さて、いよいよ最終観察対象者だ。
咲夜はいれば必ず侵入者の撃退に出てくれるから安心ね。
場所が十字路の中央というのがまたいいわね。両者をドアの影から見ていられるし。
ただの通路だとかたっぽは背中しか見せてくれない。
「美鈴・・・またしくじったのね」
またお仕置きする気なんだろうか。
「メイド長、紅茶飲みたいんだが」
「家に帰ってお飲み」
「じゃあ本借りるだけにするから」
まだ借りると言うか。
「図書館には進入させるなとのお達しが出てるからダメ」
「いいじゃないか、ちょっとくらい」
ちょっとの量ではない。断じて。いつも列単位で持っていく。
「こっちもいろいろと忙しいし、さっさとお帰りください」
この2人ならしばらく観察していても大丈夫だろう。
すぐに戦闘が終わったりはしないはず。
咲夜はかなりの実力者だし、見たところ胸部の膨らみも小悪魔より大きいようだ。これなら確認も容易だろう・・・
が。
少しして異変に気づく。
咲夜の胸部は、なぜか本人の動きとほぼ一致して運動している。
私を混乱させるのには十分な材料だった。
うう、げほげほ。どうしてなの?
3人中2人で法則が実証されているのに。そうするとやはり見間違いだったのだろうか。
それとも、法則が成り立つ人と成り立たない人がいる?
しかし法則と言うからには、万人に成り立たないとおかしい。
それに見間違いはまずありえない。あんなに動いていたのだから。実際そこまでは動いていないが。
なら、なぜあんな動きをする。
はっ、私は知識人じゃない。こういうときは落ち着いて素数、いや原因を考えて問題に対処しなくてはならないのよ。
記憶を辿ってみる。
比較的近い小悪魔のときはどうだった?よく思い出して・・・
・・・
・・・・・・
あれ、何か違和感が・・・
咲夜の観察部位を見る。じっと、動きを目で追う。
瞬間、フラッシュバックのごとく美鈴の動きが蘇ってくる。
弾む、ように動く。それは、一定の質量があるから。
軽ければ、慣性の法則の影響も少ない。エネルギーも小さいから。
そういうことだったのね。
自分の該当セクションと服を持ち上げるように動かしてみる。
服は軽い。
間違いない。
あまりの衝撃に喘息の発作が起こってしまったわ。ゲホ、ゴホ、ゴホ、ううぅ。
苦しいけど、実験はまだ終わっていない。確認を急がないと。
ふと、咲夜と目が合った。
なんか目がだんだん赤くなってるように見えるわ。
今の私を客観的に見たらどうなるんだろう。
咲夜の胸部を見て。
悩んで。
はっとなって。
比較してみて。
確信した顔になって。
これはまずいわね。非常に良くない。
ナイフは魔理沙に向かって投げてるのに、目はこっちをじっと見ているってどういう手品なのかしら。
対戦相手に対して首がほぼ垂直の向きになっているなんて。
逃げなくては。
とりあえず、慌てて駆け出すしかなかった。
どこへ?
外は危険。魔理沙が戦っているうちに図書館に行かないと・・・
◇
「やむをえない事情で即効かたをつけることにするわ」
「お前・・・こっち見ないでよく戦えるな」
「奇術「エターナルミーク」」
「ちょ、ちょっと、これ速すぎだろ、おい!うわ、あああぁぁぁぁ!!」
ぴちゅーん。
◇
図書館になんとか逃げ込めた。自分の椅子に座るのとほぼ同時に悲鳴のような声が聞こえてきた。
焦りすぎている。落ち着け、クールになりなさい。
ああでも時間がない、早く扉を封鎖しないと!
扉を閉める直前、私はドアの隙間に無数の、銀色の何かが挟まるのを見た。
これで私の決心は固まった。せめて、真相だけは伝えておきたい。
あなたがこれを見ているとき、私はもう無事ではないでしょう。
私は真相を知ってしまいました。むしろ、真相の上に隠し事がされています。
つまり、パッ
◇
《文々。新聞》
以上が、突如喘息の発作で永遠亭に入院することになったパチュリー・ノーレッジさんの残したレポートです。
発見現場の紅魔館の図書館では入り口付近を中心に争ったような形跡が確認されたとの情報が入っていますが、発作の影響かは確認されていません。
現在は清掃されているため、詳細は確認中です。
第一発見者である紅魔館メイド長の十六夜咲夜さんは
「気がついたら図書館にいて、パチュリー様が倒れていました。とても苦しんでおられたので、急ぎ永遠亭へと搬送いたしました。」と述べています。
上記のレポートはノーレッジさんの本の中に挟まれており、司書の小悪魔さんが発見したものです。
現在ノーレッジさんは快方に向かっていますが、先端恐怖症の兆候が見られるとのことです。
なぜ発作を起こしたかは覚えていないと話してくれました。
この影響で、しばらく図書館の蔵書貸し出しに制限が加えられることとなりました。
※妄想で書き上げました。
実験者 パチュリー・ノーレッジ
実験題目 物理学実験(基礎)
◇
先日、とある褌・・・道具屋の主から外界の本を購入した。
本の表紙には、「物理ⅠB」と書いてあった。
どうやらこの本はいろいろな理論を書き記した技術書のようだ。
正直な話、外界の技術には興味がある。
この本の内容が幻想郷でも通用するのかどうか、早速試してみたいと思う。
が、内容がいささか難解だったので、簡単そうな理論の実証だけに留めることにする。
一応知識人のレポートであるから、堅苦しく書く。
◇
慣性の法則
ある物体が静止しているとき、その物体はその場に留まろうとする。運動しているときは運動し続けようとする。
この、状態を維持しようとする傾向が慣性の法則と呼ばれるものらしい。
今回の実験では被験者を観察する。
体のいたるところには筋肉がついているので、筋肉で動かせない、要するに意思とは関係なく動いてくれるところを見れば良い。
被験者を運動させて、その胸部について慣性の法則が成り立つことを確認する。
というかそういう動きを確認できればそれでいい。
・被験者
十六夜咲夜
紅美鈴(中国)
小悪魔
ほか適宜追加
さすがに自分の揺れを確認するなんて行為はしたくないので、上記のメンバーを観察することにした。
◇
早速門の陰にやってきた。
折りよく黒白の魔法使いが中国と弾幕ごっこを展開していたので、観察に移る。
黒白もついでに見ておこう。
弾幕の美しさを見ながらというのもなかなかこれで、失礼筆が乱れた。
まず中国の動きを観察する。
「彩符「彩雨」!」
いいぞいいぞ、もっと動いて。
ああ、完璧だ。音が聞こえてきそうだ。
なかなかやるじゃない中国、見直したわ。弾幕はともかく。
しかし、私より大きいかもしれない。ちょっとグノーシス波動を送った。
中国についてはものの見事に法則が成り立ったとしか言いようがない。
右に左に上に下に、見事だった。なんというか、跳ね返ってるような動きね。
一方黒白は確認不可能だった。
「恋符「マスタースパーク」!」
中国が撃墜されてしまった。
すぐさま2人目の観察に移ることにする。
◇
今度は柱の陰に潜んだ。
小悪魔には、入り口付近で迎撃体制に入るように指示してあった。
ここでは時間との勝負だ。
小悪魔はスペルカードを持ってないので、早く確認しないと確認前にやられてしまう可能性が高い。
よく考えたらここで実験していると私が本を守れないじゃない。なんとか隙を見て撃退しないと。
「魔理沙さん、今日こそは手ぶらでお帰りいただきますよ!」
「おいおい、私は本を借りに来ただけだぜ?いつか返すんだからいいじゃないか」
いつかっていつだ。すぐさま返せ。
「ううう、借りるというか狩りそのものじゃないですか!私のかわいい本たちが奪われていくのは見過ごせません!」
いいこと言った。でも私のよ。
「そうかい、それじゃあ言葉遊びついでに弾幕で遊ぼうか!」
どういう理屈だ。
小悪魔の観察部位はあまり大きくないため、確認はなかなか難しかった。
が、よくよく見ると小悪魔の運動方向とは違う運動の向きが確認できた。
小さいのもこれはこれで、ではなく、まあ小悪魔でも成り立つことが実証できた。
実験がうまくいってちょっと興奮してきてしまったため、多少文が荒れているかもしれないことをあらかじめ断っておく。
一応保険のために。
黒白は相変わらず、というかそもそも動くべきものがないようだ。
あ、小悪魔が撃墜された。
介抱してあげたいけど、今は実験の最中。心を鬼にするわ。
後で助けてあげるから。
◇
こうして胸部だけを観察するというのは初めての経験だった。新鮮な気分だ。
視点を変えるだけでこんなにも変わるとは。
さて、いよいよ最終観察対象者だ。
咲夜はいれば必ず侵入者の撃退に出てくれるから安心ね。
場所が十字路の中央というのがまたいいわね。両者をドアの影から見ていられるし。
ただの通路だとかたっぽは背中しか見せてくれない。
「美鈴・・・またしくじったのね」
またお仕置きする気なんだろうか。
「メイド長、紅茶飲みたいんだが」
「家に帰ってお飲み」
「じゃあ本借りるだけにするから」
まだ借りると言うか。
「図書館には進入させるなとのお達しが出てるからダメ」
「いいじゃないか、ちょっとくらい」
ちょっとの量ではない。断じて。いつも列単位で持っていく。
「こっちもいろいろと忙しいし、さっさとお帰りください」
この2人ならしばらく観察していても大丈夫だろう。
すぐに戦闘が終わったりはしないはず。
咲夜はかなりの実力者だし、見たところ胸部の膨らみも小悪魔より大きいようだ。これなら確認も容易だろう・・・
が。
少しして異変に気づく。
咲夜の胸部は、なぜか本人の動きとほぼ一致して運動している。
私を混乱させるのには十分な材料だった。
うう、げほげほ。どうしてなの?
3人中2人で法則が実証されているのに。そうするとやはり見間違いだったのだろうか。
それとも、法則が成り立つ人と成り立たない人がいる?
しかし法則と言うからには、万人に成り立たないとおかしい。
それに見間違いはまずありえない。あんなに動いていたのだから。実際そこまでは動いていないが。
なら、なぜあんな動きをする。
はっ、私は知識人じゃない。こういうときは落ち着いて素数、いや原因を考えて問題に対処しなくてはならないのよ。
記憶を辿ってみる。
比較的近い小悪魔のときはどうだった?よく思い出して・・・
・・・
・・・・・・
あれ、何か違和感が・・・
咲夜の観察部位を見る。じっと、動きを目で追う。
瞬間、フラッシュバックのごとく美鈴の動きが蘇ってくる。
弾む、ように動く。それは、一定の質量があるから。
軽ければ、慣性の法則の影響も少ない。エネルギーも小さいから。
そういうことだったのね。
自分の該当セクションと服を持ち上げるように動かしてみる。
服は軽い。
間違いない。
あまりの衝撃に喘息の発作が起こってしまったわ。ゲホ、ゴホ、ゴホ、ううぅ。
苦しいけど、実験はまだ終わっていない。確認を急がないと。
ふと、咲夜と目が合った。
なんか目がだんだん赤くなってるように見えるわ。
今の私を客観的に見たらどうなるんだろう。
咲夜の胸部を見て。
悩んで。
はっとなって。
比較してみて。
確信した顔になって。
これはまずいわね。非常に良くない。
ナイフは魔理沙に向かって投げてるのに、目はこっちをじっと見ているってどういう手品なのかしら。
対戦相手に対して首がほぼ垂直の向きになっているなんて。
逃げなくては。
とりあえず、慌てて駆け出すしかなかった。
どこへ?
外は危険。魔理沙が戦っているうちに図書館に行かないと・・・
◇
「やむをえない事情で即効かたをつけることにするわ」
「お前・・・こっち見ないでよく戦えるな」
「奇術「エターナルミーク」」
「ちょ、ちょっと、これ速すぎだろ、おい!うわ、あああぁぁぁぁ!!」
ぴちゅーん。
◇
図書館になんとか逃げ込めた。自分の椅子に座るのとほぼ同時に悲鳴のような声が聞こえてきた。
焦りすぎている。落ち着け、クールになりなさい。
ああでも時間がない、早く扉を封鎖しないと!
扉を閉める直前、私はドアの隙間に無数の、銀色の何かが挟まるのを見た。
これで私の決心は固まった。せめて、真相だけは伝えておきたい。
あなたがこれを見ているとき、私はもう無事ではないでしょう。
私は真相を知ってしまいました。むしろ、真相の上に隠し事がされています。
つまり、パッ
◇
《文々。新聞》
以上が、突如喘息の発作で永遠亭に入院することになったパチュリー・ノーレッジさんの残したレポートです。
発見現場の紅魔館の図書館では入り口付近を中心に争ったような形跡が確認されたとの情報が入っていますが、発作の影響かは確認されていません。
現在は清掃されているため、詳細は確認中です。
第一発見者である紅魔館メイド長の十六夜咲夜さんは
「気がついたら図書館にいて、パチュリー様が倒れていました。とても苦しんでおられたので、急ぎ永遠亭へと搬送いたしました。」と述べています。
上記のレポートはノーレッジさんの本の中に挟まれており、司書の小悪魔さんが発見したものです。
現在ノーレッジさんは快方に向かっていますが、先端恐怖症の兆候が見られるとのことです。
なぜ発作を起こしたかは覚えていないと話してくれました。
この影響で、しばらく図書館の蔵書貸し出しに制限が加えられることとなりました。
相手を見ずに戦うとは瀟洒だぜ!
あれ?
咲夜さん!胸から何かお(殺人ドール