【注意書き】
このSSは、SS「貴女の弱点は」の番外編、後日談です。
そちらを読んでいただいていない場合、たぶんいきなり意味不明です。
そしてしょっぱなから同SSの重大なネタバレがありますので、ご注意ください。
では、たくさん改行したあと、本文です。
アリスに変身してみた。
「……成功?」
「うっわ……自分の姿を外からなんて見たくなかったわ……」
苦い顔をされた。
このまえしっかりと観察しておいたから、体つきも頭に入っている。コピーできているはずだ。……バランスが取れていて、うらやましい。何かと。
「目の高さが違いすぎて、新鮮だわ」
空を飛べばいくらでも高い視点を持てるとはいえ、通常は地面に足をつけて見る世界のほうがずっと多い。いつもは見上げないといけない本物のアリスの目が同じ高さにあるというのは、非常に不思議な感覚だった。
もにゅ。
やっぱり柔らかくていい。むにゅ、むにゅ……さわさわ
「んっ……♪」
感度良好。
さすがアリスの体、理想的。
「人の体で変なことするなっ!!」
ばっ。
残念ながら、この知的好奇心の追究行為は中断させられてしまった。腕をつかまれてしまっては無視することもできない。
「……仕方ないわね。あとで一人で存分に楽しむわ」
「や〜〜め〜〜〜て〜〜〜っ!?」
「いいじゃない。貴女が毎日していることがどんな感覚なのか知る必要があるわ」
「だっ……だから見てるかのように言わないっ! 私は、その……そんな……」
ぐぐ。アリスの手に力が入る。両腕とも押さえつけられて、身動きがとれなくなった。
ぐぐぐ。
「……」
アリスが物凄く微妙な顔で見つめてきた。顔は真っ赤にしながら、困っているような、泣きそうな顔をしている。
ふと、腕から力が抜けた。簡単に脱出できるようになった。
がくり。アリスが肩を落とす。
「う、うう……自分を襲おうとしてるみたいで、すごく、嫌な気分……」
何か葛藤しているようだった。
おかげでとりあえず自由になれた。
さて、体はなんとかなった。次はもっと高い次元でアリスになりきらなければいけない。
今こそ、アリス観察の経験が生きるとき。
(1)アリス的な座り方
ナチュラルに、しかしスタイリッシュに。
柔らかいソファに深く腰掛けて、手の甲で頬杖をつきながら、熱い紅茶を飲んで、きらきらとマイナスイオン的なものを発する。
微かに愁いを帯びた、小さなため息を一つ。
「ふう……やっぱりお茶はゴーヤとバニラビーンズの50%ブレンドに限るわね……」
「台詞もおかしいし私そんなキャラじゃないけど!?」
(2)アリス的な本の借り方
ぱら……ぱら……
きょろきょろ。ちらり。どきどき。
ぱら……
きょろきょろ。……ごくり。
「わ……すごい、こんなトコまで……」
ちら。……ちら。
……ぱたん。本を閉じて、素早く近くから適当に二冊のなるべく真面目そうな本を持ってきて、その間に今の本を挟む。
「こ、これ、借りていくわねっ……ああ最近人生について考えるのが凄く楽しいわ! カント最高!」
「そんなことしないわよっ!? ……もうちょっと、うまくやってる、つもりだし……」
(3)アリス的な挨拶
「おはよう。パチュリー愛してる」
「……」
「……じーん」
「……自分で言って浸るのって、むなしくないかしら……」
(4)アリス的なツッコミ
「何でよ!? そんなことないわよ!? いい加減にしなさいっ! 意味わからないわよ! え、この雑巾牛乳臭くない? え、この雑巾牛乳臭くない? ちゃんと人間の言葉を話しなさいよ! この豚! ドクササコ! 泥棒魔理沙! 人間の屑! 屑! 屑! 腋毛と同じくらい役立たず! ついうっかり何も着ないで寝て風邪引け!」
「そこまで言わないからー!?」
「そこまで言わないからー!?」
「だああああ真似するなっ!!」
(5)アリス的な料理
とん……とん……がつん。
……がこん。
「たかが包丁のくせに……なかなか抵抗してくれるじゃない」
「あ、あの、パチュリー、無理はしないでね。ゆっくりやれば大丈夫だから」
「今の私はアリスよ。これくらいのこと、できないはずがないわ。テーブル叩いて浮き上がった無数の皮とタネを空中で握って餃子作るくらいのことができなければアリスは名乗れないわ……!」
「いや、できるかもしれないけど。無理しないで、少しずつ慣れていけばいいのよ」
「さらりと凄いことを言うのがアリスの魅力ね。学習したわ」
********
「さて、これで私はもう完璧なアリスよ。パーフェクトアリスなんとかトロトロだわ」
「えええー……うん、まあ、いいや……なんか慣れてきたし」
「そこでスターどっきり大作戦よ。いつもどおり図書館に来た魔理沙。迎えるのは二人のアリス。さあ魔理沙はどっちのアリスの靴を舐めるかしら」
「何がどういう展開になっても舐めないと思うけど」
「さあどれだけ驚いて挙動不審になるか楽しみね。あの魔理沙が」
「私、なんとなく結果が読めるんだけど……」
「……何やってるんだ、パチュリー?」
「ええええええ」
二人が図書館で雑談しているときに、魔理沙が紅魔館にやってきたという情報を入手して、ついに作戦は実行されたのだった。
急いでアリスに変身して、いかにもアリスっぽい服を着て、あとは二人少し離れたところに座って静かに魔理沙を待った。
図書館のドアを開けた魔理沙は、一瞬だけ唖然とした顔を見せた後、偽アリスのほうに向かって実にあっさりと言い放ってくれたのだった。
どっきり大失敗。
アリスのほうは、やっぱりか、と言わんばかりの苦笑いを見せつつも、しかしある程度の驚きはあるようだった。
「何よ……もう少し、面白いリアクション取ってくれたっていいじゃない」
「いや、見事な変身で、凄いと思うけどな。そっくりだ」
「そっくりならどうしてわかったのよ。喋ってもいないのに」
「んー」
ちょい。
魔理沙はまず髪を指差した。
「髪がちょっと乱れてる。アリスはそんなのでも気にしてすぐに指ででも整えようとするからな」
次に、指を下に下ろす。
「リボンの結び目が、アリスの癖とは逆」
さらに下へ。
「座り方。アリスはもう少しだけ、内股気味になることが多い」
指がくるくるまわった。
ん、んと小さく呟いて、魔理沙は指をしまった。
「わかりやすいところだと、このあたりか?」
「ねえ……アリス、これ、ストーカーなんじゃない……?」
「あ……はは。魔理沙はいつも、見てないようでよく見てるのよ。ごめん、実は私も、今くらいの癖の違いなら魔理沙も気付くんじゃないかなって思ってた」
「微妙な違いを見分ける観察力が、勝敗を分けるからな。私もアリスにそれを思い知らされてから意識するようになったほうなんだが」
「む……なによ、二人とも目と目で通じ合うそういう仲みたいな空気。これじゃ私だけラッキーピエロじゃない」
「まあ、そう妬くなって。大丈夫、私たちは3人で友達さ、なあ。というわけで友達のよしみで本とか金属類とか持ち帰るがもちろん笑って見送ってくれるよな友達」
「いつの間にか変な商売始めてない……?」
********
ところでこの魔法を応用すれば、望むままの顔や体に造形できるということに気付いた。
試しに、顔は変えずに、アリスのような長身ないすばでぃになってみた。
アリスに見せる前に何かと実験してみる。
小悪魔に見せてみた。しばらくひきつっていたがやがて大爆笑して床を転げ回り始めた。とりあえず性的な意味でお仕置きしておいた。
レミリアに見せてみた。普通に引かれた。泣いた。
咲夜に見せてみた。あら素敵ですね、と表情一つ変えずごく当たり前のように言われた。それはそれで切ない。
アリスに見せるのはやめた。
********
調整さえうまくできれば、簡単に理想の自分になれる。
素晴らしい魔法の発明だったが、問題は効果時間だった。さんざん遊びに使っているが、魔力の消耗は異常に激しく、頑張っても20分ほどしか続かない。
やはり基本的には一時的に他人になりすまして、潜入、諜報といった活動に使うべき魔法だろう。他人の評判を簡単に落とすことができる恐怖の魔法でもある。
さて、まあ、そんなことはさておき、せっかくなので今度は思い切りロリ化してみた。
見た目は小○生、頭脳は大人、設定上18歳以上の美少女の完成である。幻想郷では珍しくもなんともないが。
小悪魔に見せてみた。きゃーきゃー言われた。抱きつかれた。撫でまくられた。
レミリアに見せてみた。ため息をつかれた。泣いた。
咲夜に見せてみた。あら可愛らしいですね、と表情一つ以下略。
アリスと魔理沙が二人でやってきたという情報があったので、二人に見せてみた。
アリスは何故か頭を抱えていた。魔理沙は撫でようと何回も手を伸ばしてきたが、そのたびに跳ね除けたら悲しそうな顔をしていた。可哀想。
「いやーでも残念だな。今日はアリスがいっぱいクッキー焼いてきたんだが、その体じゃいつもほどは食べられないだろうな」
勝ち誇ったように言われた。
つい服を着たまま変身を解いたら結構大変なことになった。
でもアリスも魔理沙も赤くなっていたから、それはそれでよしとした。
********
ちょっと嫌だったが、物は試しということで男にもなってみた。
なれた。
ウホッ
********
体の一部分だけ性別を変え
********
ロリアリス略してロリスに自分がなってみることを思いついた。
このときやはり自分は天才なのだと十七日ぶりに実感した。
もちろん、ロリスを実際に見たことはないので、想像の姿でしかない。どうしても大人のアリスの顔をベースに考えるので、体と顔がアンバランスになって最初はとても苦労した。試行錯誤の日々。ついにアリスの面影を残しつつ見事な造形の美少女が完成した。
鏡で自らの姿を見て思わず一度気を失ってしまったほどだ。完璧すぎたかもしれない。
「あ、あー。あー」
声の調整にも余念がない。アリスの声をベースに、少しずつ高さと丸さを加えていく。
「あーあー。……パチュリーおねえちゃんだいすき! およめさんにして! ……なぁんてね……ふふ……」
鼻血出た。
――しかし、幸せな日々は長くは続かない。
この幼い体も色々と探求しつくした。メイドに頼んでいろんなポーズの写真を撮りまくった。概ね思いつく限りの「ロリスに言われたい台詞・ベスト5000」も録音完了した。言うまでもないが、台詞というよりもはやアレがナニな声も多い。
そして……結局自分で自分を抱きしめることはできないという、限界を感じたとき、このプロジェクトは終わりを告げた。
でもせっかくなのでアリス本人にも見せてみた。
物凄く打ちひしがれて泣いていた。悪いことをしてしまった。
また、たまたま一緒にやってきていた魔理沙にはダメ出しされた。
「違う、違うぜ。小さいアリスはな、もっと――」
「やあああめええてええええええ」
********
アリスの姿で、アリスを揉んだり触ったり愛を囁いたり舐めたり擦ったりしてみた。
「どう? 自分に責められる気分は? この変質的な感じが貴女好みなのではなくて?」
「う、う……変な癖になりそう……」
今では定番です。
このSSは、SS「貴女の弱点は」の番外編、後日談です。
そちらを読んでいただいていない場合、たぶんいきなり意味不明です。
そしてしょっぱなから同SSの重大なネタバレがありますので、ご注意ください。
では、たくさん改行したあと、本文です。
アリスに変身してみた。
「……成功?」
「うっわ……自分の姿を外からなんて見たくなかったわ……」
苦い顔をされた。
このまえしっかりと観察しておいたから、体つきも頭に入っている。コピーできているはずだ。……バランスが取れていて、うらやましい。何かと。
「目の高さが違いすぎて、新鮮だわ」
空を飛べばいくらでも高い視点を持てるとはいえ、通常は地面に足をつけて見る世界のほうがずっと多い。いつもは見上げないといけない本物のアリスの目が同じ高さにあるというのは、非常に不思議な感覚だった。
もにゅ。
やっぱり柔らかくていい。むにゅ、むにゅ……さわさわ
「んっ……♪」
感度良好。
さすがアリスの体、理想的。
「人の体で変なことするなっ!!」
ばっ。
残念ながら、この知的好奇心の追究行為は中断させられてしまった。腕をつかまれてしまっては無視することもできない。
「……仕方ないわね。あとで一人で存分に楽しむわ」
「や〜〜め〜〜〜て〜〜〜っ!?」
「いいじゃない。貴女が毎日していることがどんな感覚なのか知る必要があるわ」
「だっ……だから見てるかのように言わないっ! 私は、その……そんな……」
ぐぐ。アリスの手に力が入る。両腕とも押さえつけられて、身動きがとれなくなった。
ぐぐぐ。
「……」
アリスが物凄く微妙な顔で見つめてきた。顔は真っ赤にしながら、困っているような、泣きそうな顔をしている。
ふと、腕から力が抜けた。簡単に脱出できるようになった。
がくり。アリスが肩を落とす。
「う、うう……自分を襲おうとしてるみたいで、すごく、嫌な気分……」
何か葛藤しているようだった。
おかげでとりあえず自由になれた。
さて、体はなんとかなった。次はもっと高い次元でアリスになりきらなければいけない。
今こそ、アリス観察の経験が生きるとき。
(1)アリス的な座り方
ナチュラルに、しかしスタイリッシュに。
柔らかいソファに深く腰掛けて、手の甲で頬杖をつきながら、熱い紅茶を飲んで、きらきらとマイナスイオン的なものを発する。
微かに愁いを帯びた、小さなため息を一つ。
「ふう……やっぱりお茶はゴーヤとバニラビーンズの50%ブレンドに限るわね……」
「台詞もおかしいし私そんなキャラじゃないけど!?」
(2)アリス的な本の借り方
ぱら……ぱら……
きょろきょろ。ちらり。どきどき。
ぱら……
きょろきょろ。……ごくり。
「わ……すごい、こんなトコまで……」
ちら。……ちら。
……ぱたん。本を閉じて、素早く近くから適当に二冊のなるべく真面目そうな本を持ってきて、その間に今の本を挟む。
「こ、これ、借りていくわねっ……ああ最近人生について考えるのが凄く楽しいわ! カント最高!」
「そんなことしないわよっ!? ……もうちょっと、うまくやってる、つもりだし……」
(3)アリス的な挨拶
「おはよう。パチュリー愛してる」
「……」
「……じーん」
「……自分で言って浸るのって、むなしくないかしら……」
(4)アリス的なツッコミ
「何でよ!? そんなことないわよ!? いい加減にしなさいっ! 意味わからないわよ! え、この雑巾牛乳臭くない? え、この雑巾牛乳臭くない? ちゃんと人間の言葉を話しなさいよ! この豚! ドクササコ! 泥棒魔理沙! 人間の屑! 屑! 屑! 腋毛と同じくらい役立たず! ついうっかり何も着ないで寝て風邪引け!」
「そこまで言わないからー!?」
「そこまで言わないからー!?」
「だああああ真似するなっ!!」
(5)アリス的な料理
とん……とん……がつん。
……がこん。
「たかが包丁のくせに……なかなか抵抗してくれるじゃない」
「あ、あの、パチュリー、無理はしないでね。ゆっくりやれば大丈夫だから」
「今の私はアリスよ。これくらいのこと、できないはずがないわ。テーブル叩いて浮き上がった無数の皮とタネを空中で握って餃子作るくらいのことができなければアリスは名乗れないわ……!」
「いや、できるかもしれないけど。無理しないで、少しずつ慣れていけばいいのよ」
「さらりと凄いことを言うのがアリスの魅力ね。学習したわ」
********
「さて、これで私はもう完璧なアリスよ。パーフェクトアリスなんとかトロトロだわ」
「えええー……うん、まあ、いいや……なんか慣れてきたし」
「そこでスターどっきり大作戦よ。いつもどおり図書館に来た魔理沙。迎えるのは二人のアリス。さあ魔理沙はどっちのアリスの靴を舐めるかしら」
「何がどういう展開になっても舐めないと思うけど」
「さあどれだけ驚いて挙動不審になるか楽しみね。あの魔理沙が」
「私、なんとなく結果が読めるんだけど……」
「……何やってるんだ、パチュリー?」
「ええええええ」
二人が図書館で雑談しているときに、魔理沙が紅魔館にやってきたという情報を入手して、ついに作戦は実行されたのだった。
急いでアリスに変身して、いかにもアリスっぽい服を着て、あとは二人少し離れたところに座って静かに魔理沙を待った。
図書館のドアを開けた魔理沙は、一瞬だけ唖然とした顔を見せた後、偽アリスのほうに向かって実にあっさりと言い放ってくれたのだった。
どっきり大失敗。
アリスのほうは、やっぱりか、と言わんばかりの苦笑いを見せつつも、しかしある程度の驚きはあるようだった。
「何よ……もう少し、面白いリアクション取ってくれたっていいじゃない」
「いや、見事な変身で、凄いと思うけどな。そっくりだ」
「そっくりならどうしてわかったのよ。喋ってもいないのに」
「んー」
ちょい。
魔理沙はまず髪を指差した。
「髪がちょっと乱れてる。アリスはそんなのでも気にしてすぐに指ででも整えようとするからな」
次に、指を下に下ろす。
「リボンの結び目が、アリスの癖とは逆」
さらに下へ。
「座り方。アリスはもう少しだけ、内股気味になることが多い」
指がくるくるまわった。
ん、んと小さく呟いて、魔理沙は指をしまった。
「わかりやすいところだと、このあたりか?」
「ねえ……アリス、これ、ストーカーなんじゃない……?」
「あ……はは。魔理沙はいつも、見てないようでよく見てるのよ。ごめん、実は私も、今くらいの癖の違いなら魔理沙も気付くんじゃないかなって思ってた」
「微妙な違いを見分ける観察力が、勝敗を分けるからな。私もアリスにそれを思い知らされてから意識するようになったほうなんだが」
「む……なによ、二人とも目と目で通じ合うそういう仲みたいな空気。これじゃ私だけラッキーピエロじゃない」
「まあ、そう妬くなって。大丈夫、私たちは3人で友達さ、なあ。というわけで友達のよしみで本とか金属類とか持ち帰るがもちろん笑って見送ってくれるよな友達」
「いつの間にか変な商売始めてない……?」
********
ところでこの魔法を応用すれば、望むままの顔や体に造形できるということに気付いた。
試しに、顔は変えずに、アリスのような長身ないすばでぃになってみた。
アリスに見せる前に何かと実験してみる。
小悪魔に見せてみた。しばらくひきつっていたがやがて大爆笑して床を転げ回り始めた。とりあえず性的な意味でお仕置きしておいた。
レミリアに見せてみた。普通に引かれた。泣いた。
咲夜に見せてみた。あら素敵ですね、と表情一つ変えずごく当たり前のように言われた。それはそれで切ない。
アリスに見せるのはやめた。
********
調整さえうまくできれば、簡単に理想の自分になれる。
素晴らしい魔法の発明だったが、問題は効果時間だった。さんざん遊びに使っているが、魔力の消耗は異常に激しく、頑張っても20分ほどしか続かない。
やはり基本的には一時的に他人になりすまして、潜入、諜報といった活動に使うべき魔法だろう。他人の評判を簡単に落とすことができる恐怖の魔法でもある。
さて、まあ、そんなことはさておき、せっかくなので今度は思い切りロリ化してみた。
見た目は小○生、頭脳は大人、設定上18歳以上の美少女の完成である。幻想郷では珍しくもなんともないが。
小悪魔に見せてみた。きゃーきゃー言われた。抱きつかれた。撫でまくられた。
レミリアに見せてみた。ため息をつかれた。泣いた。
咲夜に見せてみた。あら可愛らしいですね、と表情一つ以下略。
アリスと魔理沙が二人でやってきたという情報があったので、二人に見せてみた。
アリスは何故か頭を抱えていた。魔理沙は撫でようと何回も手を伸ばしてきたが、そのたびに跳ね除けたら悲しそうな顔をしていた。可哀想。
「いやーでも残念だな。今日はアリスがいっぱいクッキー焼いてきたんだが、その体じゃいつもほどは食べられないだろうな」
勝ち誇ったように言われた。
つい服を着たまま変身を解いたら結構大変なことになった。
でもアリスも魔理沙も赤くなっていたから、それはそれでよしとした。
********
ちょっと嫌だったが、物は試しということで男にもなってみた。
なれた。
ウホッ
********
体の一部分だけ性別を変え
********
ロリアリス略してロリスに自分がなってみることを思いついた。
このときやはり自分は天才なのだと十七日ぶりに実感した。
もちろん、ロリスを実際に見たことはないので、想像の姿でしかない。どうしても大人のアリスの顔をベースに考えるので、体と顔がアンバランスになって最初はとても苦労した。試行錯誤の日々。ついにアリスの面影を残しつつ見事な造形の美少女が完成した。
鏡で自らの姿を見て思わず一度気を失ってしまったほどだ。完璧すぎたかもしれない。
「あ、あー。あー」
声の調整にも余念がない。アリスの声をベースに、少しずつ高さと丸さを加えていく。
「あーあー。……パチュリーおねえちゃんだいすき! およめさんにして! ……なぁんてね……ふふ……」
鼻血出た。
――しかし、幸せな日々は長くは続かない。
この幼い体も色々と探求しつくした。メイドに頼んでいろんなポーズの写真を撮りまくった。概ね思いつく限りの「ロリスに言われたい台詞・ベスト5000」も録音完了した。言うまでもないが、台詞というよりもはやアレがナニな声も多い。
そして……結局自分で自分を抱きしめることはできないという、限界を感じたとき、このプロジェクトは終わりを告げた。
でもせっかくなのでアリス本人にも見せてみた。
物凄く打ちひしがれて泣いていた。悪いことをしてしまった。
また、たまたま一緒にやってきていた魔理沙にはダメ出しされた。
「違う、違うぜ。小さいアリスはな、もっと――」
「やあああめええてええええええ」
********
アリスの姿で、アリスを揉んだり触ったり愛を囁いたり舐めたり擦ったりしてみた。
「どう? 自分に責められる気分は? この変質的な感じが貴女好みなのではなくて?」
「う、う……変な癖になりそう……」
今では定番です。
どうしてくれる。
ごちそうさまでした。
あと、なにげに小悪魔・レミリア・咲夜の各々の反応が面白いー!
あ…鼻血が出て(ry
パチェGJ!
何かがアブナイ・・・・・
…失言でした。
これはいいハッピーエンド。ただ、自分の脳内ではアリスよりもパチェのほうがナイs(ドールズウォー)
できるのかアリスw
あと細かいところまで気が付く魔理沙が実にいいです。
なるほど。アリだなぁw
どこの鉄鍋のジャンだwww
アリスがアリスに責められる図…見てみたいぞコノヤローw
わ っ ふ る わ っ ふ る
イスピン氏と同じく私の脳内でもアリスよりパチェのほうがナイスバディ。
僕の中では「身長が高くて、バランスの取れた体型」という感じで、なんというかスマート? という単語のほうがあいそうな、そんなイメージなのです。特に身長重要。
そこはすみません、ご了承ください><
>アリスの姿で、アリスを揉んだり触ったり愛を囁いたり舐めたり擦ったりしてみた。
恐るべしパチュリー、ヤツは本気だ…。
胸を?
あぁ、でも元からぺったんこだからあまり違和感無いk(賢者の石
ナニコレちょうほしい。
パチェ幸せそうだなぁw
たしかに今と昔で性格が違いすぎるし(優等生と悪餓鬼的な意味で)
アリスとロリスも(突然どこからともなくドールズウォー
アリスかわいいよアリス
しかしオーフェンとキリランシェロとは
オーフェン好きの自分からすればこれ以上ない上手い例えですな
思わず感心してしまった
なんという観察眼
アリスは料理のスキルも一級なんですね。わかります。
これはうまい例えね
個人的にはアザリーかな、性格は置いておくとして自分にできない事は無いと思っていた頃と
それに失敗して(負けて)別の形でアプローチする辺り