ここは紅魔館…の別館の図書館。
そして私はこの図書館の主、パチュリー・ノーレッジ。
趣味は読書と小悪魔いじり。マイブームは香霖堂で外の品を見てまわること。
そんな私だが、最近あることで悩んでいる。
「パチュリー、また来たぜ」
こいつ ― 霧雨 魔理沙 ― が悩みの元凶だ。
「もしかして、私が来るのは嫌だったか?」
「本さえ返してくれれば別に嫌じゃないけど…。このまま本を返さないと、図書館の出入りを禁止するわよ」
そう。こいつは私から借りた本を返さないのだ。
でもその点以外ではいい奴なので、特に罰則は与えていなかった。
が、そろそろ本にかけた保存用魔法が限界に近いのでなんとしてでも返してもらわないと。
「ええっ、そいつは困るぜ!それだけは勘弁してくれ!」
「あら、そんなに動揺するなんて思わなかったわ」
まさかこんなに効き目があるとは…。
「魔理沙ってば本当に好きなのね」
まあ本が好きじゃなければ借りるなんてことしないでしょうけど。
「ああ。私は大好きだぜ。そういうお前はどうなんだ?」
「馬鹿ね、そんなの大好きに決まってるじゃない。じゃなきゃ一緒に住もうなんて考えないわよ」
他にも紅茶をいれてくれる小悪魔や、面白い吸血鬼の友人もいるしね。
「え…?」
「なによ、私何か変なこと言った?」
「べべべべ別にそそそんなことはないぜ。いきなり言うもんだから、少しびっくりしただけだ」
特にびっくりするようなことを言った覚えは無いんだけど…。
「魔理沙、どうしたの?何か様子がおかしいわよ?熱でもあるのかしら」
「パ、パチュリー、顔をそんなに近づけたら…」
「何を言っているの、こうしないと熱が計れないじゃない」
額をくっつけてみる。
少し熱いかな。
「ちょっと熱っぽいわよ魔理沙。体の具合でも悪い?」
「いや、あの、その…」
「なんだか顔も赤いし風邪かもしれないわ。客人用のベッドがあるから少し休めば?」
さっきより更に顔が赤くなった気がする。
これは結構危ないかもしれない。
「そんな…いきなりベッドだなんて…で、でも別に嫌っていうわけじゃなくて…こういうことはお互いをもっとよく知ってから…」
「ますますおかしくなってきたわね。仕方ないわ、私がベッドまで運んであげる」
どうやら重症みたい。急いでベッドで休ませなくちゃ。
「!!!!」
ピチューン
「あら、倒れちゃった。そんなに体調悪いなら早く言えばいいのに…。とりあえずベッドに運びましょうか」
まさか倒れるとは思わなかったが、おかげで運び易くはなった。
「ぷしゅ~」
魔理沙の顔から湯気がでている。
一体どういう病気になったらこんな症状になるんだろうか。後で調べておこう。
「よいしょっと。あら、結構軽いのね」
私より健康そうな彼女の体はかなり軽かった。
なるほど、これがあの飛行速度の秘訣か…。
「それにしても、寝顔だけ見るとまるでみたいだわ」
いつも元気いっぱいな彼女の意外な一面を見ることができて、少し嬉しくなる。
「いつもこうだと可愛いのに…」
後ろで小悪魔が笑う声がした。
あいつは後でお仕置きしてやろう。
「ふぅ。本を奪いに来たと思ったら、いきなり倒れるなんて」
そう言いながら、私は魔理沙をベッドに寝かせる。
「まったく、世話が焼けるんだから」
そういう猫っぽいところがいいんだけどね。今の彼女の猫度は百点かしら。
「パチュリーさまー?あっ」
パチュリーさまは魔理沙さんの横で眠っていました。
看病しているうちに寝てしまったのでしょう。
そのまま寝てしまうなんて、とても可愛らしいじゃないですか。
「結構満更でもないようですねー。私が出る幕はないようです。じゃあ頑張って下さいね、魔理沙さん」
私はパチュリーさまに毛布をかけてから、蔵書の整理に戻った。
願わくば、あの二人によき未来が待っていますように…。
fin
そして私はこの図書館の主、パチュリー・ノーレッジ。
趣味は読書と小悪魔いじり。マイブームは香霖堂で外の品を見てまわること。
そんな私だが、最近あることで悩んでいる。
「パチュリー、また来たぜ」
こいつ ― 霧雨 魔理沙 ― が悩みの元凶だ。
「もしかして、私が来るのは嫌だったか?」
「本さえ返してくれれば別に嫌じゃないけど…。このまま本を返さないと、図書館の出入りを禁止するわよ」
そう。こいつは私から借りた本を返さないのだ。
でもその点以外ではいい奴なので、特に罰則は与えていなかった。
が、そろそろ本にかけた保存用魔法が限界に近いのでなんとしてでも返してもらわないと。
「ええっ、そいつは困るぜ!それだけは勘弁してくれ!」
「あら、そんなに動揺するなんて思わなかったわ」
まさかこんなに効き目があるとは…。
「魔理沙ってば本当に好きなのね」
まあ本が好きじゃなければ借りるなんてことしないでしょうけど。
「ああ。私は大好きだぜ。そういうお前はどうなんだ?」
「馬鹿ね、そんなの大好きに決まってるじゃない。じゃなきゃ一緒に住もうなんて考えないわよ」
他にも紅茶をいれてくれる小悪魔や、面白い吸血鬼の友人もいるしね。
「え…?」
「なによ、私何か変なこと言った?」
「べべべべ別にそそそんなことはないぜ。いきなり言うもんだから、少しびっくりしただけだ」
特にびっくりするようなことを言った覚えは無いんだけど…。
「魔理沙、どうしたの?何か様子がおかしいわよ?熱でもあるのかしら」
「パ、パチュリー、顔をそんなに近づけたら…」
「何を言っているの、こうしないと熱が計れないじゃない」
額をくっつけてみる。
少し熱いかな。
「ちょっと熱っぽいわよ魔理沙。体の具合でも悪い?」
「いや、あの、その…」
「なんだか顔も赤いし風邪かもしれないわ。客人用のベッドがあるから少し休めば?」
さっきより更に顔が赤くなった気がする。
これは結構危ないかもしれない。
「そんな…いきなりベッドだなんて…で、でも別に嫌っていうわけじゃなくて…こういうことはお互いをもっとよく知ってから…」
「ますますおかしくなってきたわね。仕方ないわ、私がベッドまで運んであげる」
どうやら重症みたい。急いでベッドで休ませなくちゃ。
「!!!!」
ピチューン
「あら、倒れちゃった。そんなに体調悪いなら早く言えばいいのに…。とりあえずベッドに運びましょうか」
まさか倒れるとは思わなかったが、おかげで運び易くはなった。
「ぷしゅ~」
魔理沙の顔から湯気がでている。
一体どういう病気になったらこんな症状になるんだろうか。後で調べておこう。
「よいしょっと。あら、結構軽いのね」
私より健康そうな彼女の体はかなり軽かった。
なるほど、これがあの飛行速度の秘訣か…。
「それにしても、寝顔だけ見るとまるでみたいだわ」
いつも元気いっぱいな彼女の意外な一面を見ることができて、少し嬉しくなる。
「いつもこうだと可愛いのに…」
後ろで小悪魔が笑う声がした。
あいつは後でお仕置きしてやろう。
「ふぅ。本を奪いに来たと思ったら、いきなり倒れるなんて」
そう言いながら、私は魔理沙をベッドに寝かせる。
「まったく、世話が焼けるんだから」
そういう猫っぽいところがいいんだけどね。今の彼女の猫度は百点かしら。
「パチュリーさまー?あっ」
パチュリーさまは魔理沙さんの横で眠っていました。
看病しているうちに寝てしまったのでしょう。
そのまま寝てしまうなんて、とても可愛らしいじゃないですか。
「結構満更でもないようですねー。私が出る幕はないようです。じゃあ頑張って下さいね、魔理沙さん」
私はパチュリーさまに毛布をかけてから、蔵書の整理に戻った。
願わくば、あの二人によき未来が待っていますように…。
fin
誤解が解けても、一歩か半歩くらいは進展してそうな、そんな感じがしました。
これならプチの方でもいい気がします。
もう少し長い文を期待します