チルノ:
『バカ=最強←→最弱=天才』という方程式を思いつき『パワーダウン・チルノ』になる。
大妖精トリル:
パワーダウン・チルノが口から出す『エクトチルズム』を戻している。意外と台詞は多い。
パチュリーと永琳:
パワーダウン・チルノに頭脳勝負を挑まれる。現在2連敗中。
ルナチャイルド:
パワーダウン・チルノの気に触れてパワーダウン・ルナチャイルドにされる。前回のラストで復活。
小悪魔リトル:
頭脳勝負の進行役になる。とても絵になる。
スカーレット姉妹:
棺桶…もとい、ベッド送りされる。
その他:
割と大パニックになる。
紫色のキノコ:
パワーダウン・チルノの発する『何かやばいもの』によって大発生。きっと影の主役。
パワーダウン・チルノ ~あたいったら天才ね~
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「それでは三回戦『数字記憶』を始めます。これから私は5桁の数字を20個読み上げますので、
何番目にどんな数字を読み上げたかを記憶してください。その後、私が『何番目の数字は?』と言いますので、
どんな数字か答えてください」
「ふふふ……このままあたいの圧勝で……終わらせて……あげるわ……」
「それはどうかしらね……記憶力には自信があるわ」
「私もよ。医学知識はもちろん、1年分のうどんげのパンティーだって覚えてるわよ」
「師匠! そんな恥ずかしいことまで覚えないで!!!!」
進行役はリトル1人となってしまったが、読み上げる数字はメモを取ってあるので問題は無かった。
あえて問題があるとすれば、スカーレット姉妹の容体ぐらいのものだった。
「それでは私が読み上げる数字と順番を覚えてください。
36845 97648 24661 16253 96181
20479 14974 73444 35692 66621
20758 37496 53251 11996 98712
49784 14633 29762 58763 99773
繰り返します。
36845 97648 24661 16253 96181
20479 14974 73444 35692 66621
20758 37496 53251 11996 98712
49784 14633 29762 58763 99773
覚えましたね?って、わああああああ!!!!」
リトルが数字を読み上げ終わったところで異変が起きた。
チルノの口から再びエクトチルズムが出てきたのだ。
驚きの声を上げるリトル。他の者達も顔に驚きが表れている。
妖精達以外はこれを見るのは初めてなので驚くのも無理は無いだろう。
すぐさまトリルはエクトチルズムを戻そうとするが、チルノがそれを止める。
しかも驚くべき方法で……
『戻さなくていいわ、作戦の一つだから』
なんとエクトチルズムがごく普通に会話したのだ。
エクトチルズムは身体の調子は関係ないらしく、声はいつもの調子に戻っていた。
でも声色が低いし、見た目もエクトプラズムなのでやっぱり不気味だった。
「これは一体……」
「思念体を活性化することで、肉体の状況を無視して行動することが出来る……
どうやらあの氷精……それで問題に答える効率を上げるつもりね」
「そんなことが出来るの?」
「ええ、理屈上では可能だわ……私も何時か実行する為に研究中よ」
「あなたがやったら笑えません、パチュリー様。話を戻して、出題しますね……」
実況・永琳、解説・パチュリーによるエクトチルズムの解説が行われた後、
リトルが気を取り直して問題を出題する。
「第1問。15番目に言った数字は?」
『はい!答えは98712よ』
「せ、正解です……」
パチュリーの言ったとおり、チルノはいつもの調子で、スピーディーに答えた。
それでいてパワーダウンすることで得た知力は全く衰えていなかった。
「パワーダウンの効果は伊達じゃないってことね。けど、あれ本当に私達の知ってるチルノなの?」
「私達にも良く分からないわ。何でも『Cの絵日記』という本を読んで勉強したようなんだけど……
呪いの術式みたいなことが書かれていたの。……ところで何してるの、ルナちゃん?」
「眠ってるサニーとスターの顔に落書きしてるの。私のこと心配しなかった仕返し」
この時点で初めてパワーダウン・チルノの実力を見ることになった鈴仙とトリル。
鈴仙もトリルが持ってきた『Cの絵日記』を読んで見たが、彼女も術式の意味は分からなかった。
そして、サニーとスターは知能対決に退屈になって本をベッドにして寝てしまったようだ。
そこへ、ルナは仕返しを行っていた。なおテーマは『私はツンデレではない』である。
「第7問。3番目に言った数字は?」
『はい!答えは24661よ』
「正解です」
「第13問。13番目に言った数字は?」
『はい!答えは53251よ』
「正解です」
「第17問。19番目に言った数字は?」
『はい!答えは58763よ』
「正解です」
その後もエクトチルズムのまま、問題に答えるチルノ。
一方、パチュリーと永琳はチルノよりも先に解答できなかった。
というよりしなかった。あることに気が気が付いたからだ。
「ねえ、あの子……だんだん薄くなってきてない?」
「ええ、あの状態だと、妖精の力の減少が早いみたいね。
でもこのままだと……」
「最終問題、第20問。
まだ言ってない数字は何番目でどんな数字?」
「はい!11番目で答えは20758よ」
「正解です。この勝負もチルノさんの勝ちです」
こうして三回戦もパワーダウン・チルノが勝利して、頭脳勝負はチルノの優勝となった。
エクトチルズムは肉体に戻り、前より弱々しくなったパワーダウン・チルノに戻った。
「やったわ……ついに幻想郷の天才2人を破ったわ……
どう……これであたいが天才だって分かったでしょ……」
頭脳勝負の勝利に歓喜するチルノ。
雰囲気が不気味なので傍から見るととてもそうは思えないが。
「それは分かったから、栄養補給をして休みなさい……」
「そうですよ、パチュリー様に心配されるほどなんですから!!」
「このままじゃ、妖精として存在することすら危なくなるわよ!!」
そして対戦相手は悔しがるどころか、心配される始末。
だが、それが逆にチルノの怒りを買ってしまった。
「何よ……そのモグラの穴に顔を突っ込んで……出られなくなった……あたいを見るような目は!!
まだ……あたいのことバカだと思っているのね……むっ…きぃ……許さないんだから」
「いやそんな具体的な説明をしても困るんだけど……っていうか実際にあったの?」
「うん……その後、レティさんに抜いてもらったんだけどね……」
「あったんだ……」
随分と具体的な過去例を挙げるチルノに呆れるルナ。いくら賢くなっても、やはり思考パターンは代わっていない。
そして彼女等にスペルカード攻撃を仕掛けた。
氷符『アイシクルフォー…
ゴポゴポゴポ……
斜めにツララを展開したあたりから、泡みたいな冷気を口に出した。
チルノは一瞬失神して、スペルは中断された。ちなみにちょっとちびった。
このスペルカードを名付けるとしたら氷符『アイシクルフォール-Peaceful-』と言ったところだろう。
なお氷符『アイシクルフォール-Genocide-』もあるというが、定かではない。
「スペルカードすら出せないなんて……やっぱり……
あたいったら……最弱ね……」
「もうやめようよ、チルノちゃん……頭脳勝負に勝ったんだから気は済んだでしょ?」
「そうよ、今のあんたならサニーでも倒せるわよ。パワーダウ○チ・ルノ」
「ルナちゃん何気に結構酷いこと言ってる。特に最後……」
「私もそう思った。下品な文句を言うのは私のキャラクターじゃないと思うの」
そんなトリルとルナのやり取りを聞いているのか聞いてないのか知らないが、
チルノはついに切り札を出す。
「こうなったら……C魔法を使うしかないわ……」
『C魔法?』
全員が驚く。チルノが見つけてきた本のタイトルと同じ名前の魔法だ。
まさかあの本に書かれている術式を使えるというのか……
「そう、CIRNO魔法……『Cの絵日記』に書かれていた……あたいの為の魔法……
見せてあげるわ……C魔法の恐怖を……」
チルノは怪しい動きをとった後、何故か十進法ポーズでC魔法の詠唱を始めた。
C魔法『ATAITTARA TENSAINE』
#include
main()
{
printf(ATAITTARA TENSAINE\n);
}
『あたいったら天才ね』がやけに印象的な術式である。
どんな大災害が起きるのかと全員の心が不安に包まれる…………
…………だが、何も起きなかった。
「何も起こらないけど?」
「ふふふ……このC魔法の恐ろしいところは、何処で何が起きるのか分からないことよ」
そのとき、CharonとNixとHydra高速回転し、何度も何度もPlutoの激突を繰り返した。
やがてPlutoは黒い核爆発を起こしていき、ものすごい勢いでSunに引き寄せられていく……
スーパーノヴァの超えるアルティメットノヴァの誕生である。
アルティメットノヴァはNeptuneとUranusを吸収し、さらに巨大化する。
そして、Saturnの小惑星を撒き散らすと同時に巻き込んでゆく。
誕生から2倍の大きさとなったアルティメットノヴァは、
その10倍の大きさを誇るJupiterを貫き、破壊した。
その頃、文明惑星であるEarthでは……
「岡崎教授、アルティメットノヴァ『MIMA』がMarsを破壊……いや、巻き込んで巨大していくぜ!!」
「Catastrophe(終焉)ね……朝倉教授、ちゆり、里香……せめて、目を瞑って安らかに眠りましょう」
MarsとEarthを巻き込みJupiterの半分ほどの大きさとなったアルティメットノヴァは、
Venus、Mercuryをも巻き込み、ついにSunに到達する……
ドッギャァァァァン!!!!
「ほっほっほ♪♪すばらしい……最高のショーだと思いませんか?
ほら見て御覧なさい、サクヤさん、メイリンさん♪♪こんな綺麗な花火ですよ♪♪
まるで星がゴミのようですね♪♪ほーーほっほっほ♪♪」
「太陽系を支配する為にやってきたけど……まさかこんな美しいものが見れるなんて♪」
「そんなこといってる場合じゃございませんよパチェリー様!メイリン!
このままだと我々も巻き込まれ……うわぁぁぁぁぁ!!!!」
こうして、一つの銀河が終焉した……
はたしてこれがC魔法の所為なのかどうかはわからない。
ただ、CIRNOもPlutoの衛星であるCharonも頭文字はCであることはわかる。
「くっ、C魔法が効かないなんて……
まあ、これはC魔法の中で……一番簡単な魔法だから……
効かないのも……無理は無いわね……ふふふ……」
「いや、何処から突っ込むかを通り越して、
突っ込むべきかどうかも分からなくなってきたんだけど?」
もはやルナでも止められなくなったチルノの暴走。
止める気がなくなったとも言うが。
「こうなったら……究極奥義よ……ついにこれを使うときが来た様ね……
決めてやるわ……これがあたいの……最強……もとい最弱の魔法よ……」
追い詰められた(と思い込んでいる)チルノはさらに強力なC魔法を詠唱し始めた。
超⑨C魔法『KAZUATE GAME』
#include
#include
#include
#define MAX_NUMBER 100
int main()
{
int n = -1;
int answer;
srand(time(NULL));
answer != (rand() % MAX_NUMBER)+1;
printf(KAZUATE GAME\n Input 1-%d \n, MAX_NUMBER);
while(n != answer)
{
scanf(%d,&n);
if(n == answer-1 || n == answer+1)
printf(Near!!\n);
else if(n >answer+1)
printf(More Small!!\n);
else if(n< answer-1)
printf(More Big!!\n);
}
printf(Congratulations!!\n);
return 0;
}
今度はさすがに究極奥義というだけあって術式が割と長い。
そして意味が分からない。『数当てゲーム』と聞こえるが、
何処が数当てゲームなのか、この場にいる全ての者が分からない。
今度こそ大災害が起きると全員の心が絶望に包まれる…………
「やだ、霧雨君……恥ずかしい……♪」
「ふふふ……可愛いぜ、霊名……♪」
「もう…誰かに見られたらどうするのよ……♪」
「一度潜水しないと来れないような洞窟に誰も来ないって。
まあ来たら来たらで見せ付けてやるさ♪」
「酷いわね、もう♪♪」
ある海岸にある洞窟の中。そこで2人の男女が水着のまま愛し合っていた。
金髪の男性……霧雨 魔沙流は黒髪の女性……博麗 霊名の水着の中に手を入れたりして、愛撫していた。
「そういえば、この洞窟ってさ……海の邪神を祭る神殿って聞いたことあるんだけど……」
「海の邪神……?」
「ええ、普段は神殿に封印されているけど、
知力の高い生物が来るとそれに取り付いて精神を食らうの。
そして肉体を乗っ取って蘇るそうよ」
「へえ……それで霊名のような美少女とか襲うんだな。
それなら俺が化け物になって先手を打ったほうがいいかな?」
「もう……怖いこと言わないでよ……」
「言いだしっぺは霊名だろうが……」
「でも……化け物でも霧雨君なら……何されてもいい気がする」
「ほお、そういうんだったら、これから化け物になろうか?」
「それは化け物じゃなくてけだもの……ああん♪♪」
2人の愛撫もクライマックスに差し掛かってきた。
そして2人はついに一つになろうとしていた。
だが、そのとき異変が起きた。
「き、霧雨君……?」
「ん? どうしタンダ、レイナ?」
魔沙流の顔は歪み、頭の部分は膨らんで烏賊のようになった。
さらに手足が軟体動物みたいにうねうねと伸び、頭部以外は全部裂けて足となった。
そう、海の邪神の復活である。
「きゃあああああああ!!いやああああああああああ!!!!」
霊名は海の邪神から逃げようとしたが、躓いてしまう。
そもそも、潜水しないと入れない洞窟なのだから逃げ道そのものがない。
海の邪神の足が、霊夢に纏わり付く。
足は水着の中にも進入してきた。余りの足の太さと量に水着が吹き飛ぶ。
このまま霊名は海の邪神の生贄となってしまうのか?
「ヒドイゼ、レイナ。オレガバケモノニナッテモ、ダイジョウブジャナカッタノカ?」
「え?霧雨君……なの?」
「アア、カラダハバケモノニナッチマッタガ、
シカエシニバケモノノセイシンヲ、ギャクニクッテヤッタゼ♪」
「そ、そうなの?
でも本当に霧雨君……はぁん♪」
「レイナノカンジルトコ、ゼンブシッテルゼ。コレデ、オレダッテワカッタダロ?」
なんと魔沙流は海の邪神に打ち勝ったのだ。
凄いぞ、魔沙流!エロいぞ、魔沙流!!
「デ、ソウダンナンダケド……」
「何?」
「バケモノノホンノウナノカナ?レイナヲタベテ、コドモヲウマセタインダ。
イイカナ?」
猟奇的な発言をする海の邪神『霧雨 魔沙流』。
これを聞くと普通は恐怖し、逃げようと必死でもがくのだが……
この霊名はエロい少女漫画のヒロイン並みの思考回路であった。
「うん……食べて霧雨君……そして、霧雨君の子供を孕ませて……
私……霧雨君と一緒に化け物になるなら……怖くないわ……」
こうして、恋人は海の邪神として永劫に生きることになった……
はたしてこれがC魔法の所為なのかどうかはわからない。
ただ、CIRNOも海の邪神とされるCthulhuも頭文字はCであることはわかる。
一方、こっちの世界でも異変が起き始めた。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…………
突如、図書館全体が揺れ始めたのだ。
本棚はひびが入り、倒れるように崩れ落ちる。そして中の本がぶちまけられる……
「そ、そんな……震度7にも耐えられる本棚がいとも簡単に壊れるなんて……」
司書のリトルはショックだった。地震はもちろん、台風、火災、雷撃。
マスタースパークやレーヴァテインすらも耐えられる本棚が震度3程度の地震で崩れたのだ。
「ほ、本棚が崩れていく……む、むきゅ~……」
そしてパチュリーもまた崩れ落ちた。全身からあの紫色のキノコが生え始め、
口からはエクトプラズムならぬ、エクトパチェズムが出てきたのだ。
エクトパチェズムを押し込むリトル。でもパチュリーは復活しない。
図書館の崩壊はリトル以上にショックだったのだろう。
『ぎゃあああ!!潰される!!!!』
一方、ルナと鈴仙は倒れてきた本棚と本の弾幕に押し潰された。
しかしそれより悲惨なのは誰もそれに気付いていなかったことである。
さすがは運の悪さワーストテンに入るキャラクターである。
「わあ凄い♪本が滝みたいね♪♪」
「きゃはは♪スターったら凄いツリ目♪♪
『40点は正当評価よ。あんただから厳しくしてるんじゃないからね!!』だって♪♪」
余りの五月蝿さにサニーとスターも目覚めて、
図書館の崩壊と互いの落書き(ルナ作)を見て楽しんでいた。
ちなみに書かれていたことと、テーマ『私はツンデレではない』との関連性は微妙だ。
念のため言っておくが、これがC魔法の所為なのかどうかは定かではない。
「これで……これで……わかったでしょ……
あたいは……天才……」
不気味に喜ぶチルノの頭上に絵本が落ちてきた。
薄っぺらい絵本だったが、パワーダウンしたチルノには致命的だった。
気を失い気絶するチルノ。しかも彼女の身体は限界に差し掛かっていた。
「永琳さん、チルノちゃんの身体が!!」
「殆ど透明になってるわね……消滅も時間の問題よ」
「そ、そんな……何とかならないんですか?!」
「とにかく、消化しやすい栄養補助食品を投与しなければ」
「い…やだ……」
「チルノちゃん!!」
「元気になりたくない……元気になったら……
天才じゃ……なくなる」
「そんなこと言ってる場合じゃないでしょ!!」
「せっかく……天才になったのに……また……バカに戻りたくない……
バカに戻るくらいなら……消えたほうがいい……」
「何が……天才よ……大馬鹿じゃない!!」
「ト…リル……?」
「天才は……自分の身体を犠牲にしてまで、天才であり続けるなんて考えないよ。
天才は……みんなを不安になんかさせないよ。
天才って言うのは……ただ頭が賢いって意味なんかじゃないよ。」
「でも、あたいは……バカって……言われたくない……」
「馬鹿でもいいじゃない!!私達は賢いけど弱々しいチルノちゃんよりも、
馬鹿でも元気でみんなを楽しませてくれるチルノちゃんのほうが好きだよ!!」
トリルのその言葉に、サニーと永琳も続く。
「そうよ。賢いけど不気味なあんたと一緒に悪戯したり、遊んだりしてもつまらないわよ。
やっぱりあんたは馬鹿で元気があって……最強な妖精じゃないと♪」
「私も昔は病弱で、それを解決する為に薬を作ったけど……それが原因で悲劇が生まれたわ。
天才も辛いのよ。あなたは馬鹿で元気なほうがちょうどいいわ」
「サニー……えーりん……」
そして、スターがまとめに入る。
「ほら、みんなそういってるんだから、また元の馬鹿なチルノに戻りましょうよ♪♪」
「スターまで……みんなしてバカバカ……言って……
でも……そんなに言うんだったら……元気になってやる……わよ……」
チルノの意識が再び落ちる。
まだ、本が崩れ落ちる中、永琳を中心にチルノに処置が施された……
「ふぁああ……今日もいい朝ね♪」
何時も通り目が覚めたチルノ。
そこには自分の顔を覗き込む妖精達と医師がいた。
「ん?どうしたの?みんなして」
「チルノちゃん……身体の調子はどう……?」
「うん、ばっちりよ。今日もあたいは絶好ちょ……あだ!!」
ベッドから飛び上がり、大いに床に激突するチルノ。
でかいたんこぶが出来たものの、その調子は紛れも無くいつものチルノだった。
「チルノちゃん、私がちょっとしたゲームをするからそれに答えなさい」
「何よ急に!まあいいわ、どーんと来なさい!!」
永琳がチルノにゲームと称して頭脳問題を出題した。
いつものチルノに戻ったかどうか確かめる為だ。
「第1問。12+34=?」
「楽勝よ♪答えは1234ね♪♪」
「第2問。この文章の読み仮名の文字数を答えなさい。
『東方紅魔郷』」
「バカにしないでよね♪答えは5文字よ♪♪」
「第3問。私が読み上げる数字と順番を覚えなさい。
5 9 2 3 1 6 4 8 0 7
繰り返します。
5 9 2 3 1 6 4 8 0 7
さて私が9番目に言った数はいくつ?」
「⑨に決まってるじゃない♪♪」
この瞬間、妖精3人と永琳は感動した。
一緒に入院していたスカーレット姉妹と美鈴、そして全メイドも感動した。
パチュリーは未だに意識は回復してない。
「なんかよく分からないけど、みんなを一斉に泣かせるなんて……
やっぱり、あたいったら最強ね♪♪♪♪」
「……そういったわけで、チルノ他今回の事件の被害者は順調に回復中である」
「良かったね、チルノちゃん達が助かって♪」
「良くないわよ!あいつ等がベッドなのに私達は未だに本棚の下敷きなのよ!!」
本と本棚の下敷きになっているルナチャイルドと鈴仙は、
文々。新聞のパワーダウン・チルノに関する記事を読んでいた。
あの事件の数日後、リトルの指示の下、復活した咲夜と新聞を届けに来た射命丸 文によって、
大図書館復旧作業が行われていた。
それにも関わらずルナと鈴仙は未だに下敷きのままであった。
何故なら……
「すいません。今、No.000000000111111の本棚を整理中なんですよ」
「そんなのよりこっちを優先させなさいよ!!」
「大図書館の本棚は始めから順番にやらないとパチュリー様が激怒しますわ」
リトル達は1から順番にやっていたからである。
ちなみに始めたの今日からである。半日で10万行けば大したものである。
「ルナさんの言うとおり、彼女達の救出を優先すべきでは?」
「ブラックホール……」
「破壊空間……」
「え?え?」
文は何気なく聞いたつもりだったが、リトルと咲夜のトラウマに触れてしまったらしい。
2人とも顔を俯けぼそりとそうつぶやいた。
「ここから先が気になるなら、2人を助けて実際に経験してみるとよろしいですわ……」
「記事のネタにもちょうどいいと思いますよ……」
「い、いえ、遠慮しておきます……」
咲夜とリトルの発言に何処となく恐怖を感じた文は、
素直にNo.000000000111111の本棚の整理を手伝った。
「ちなみに私達の本棚は何番目なの?」
恐る恐る鈴仙は自分達の本棚のナンバーをリトルに訊ねた。
すると絶望的な答えが返ってきた。
「No.123456789abcdefですね」
リトルのその言葉を聞いた瞬間、ルナと鈴仙の心の中で何かが
エンディングテーマとして『妖精燦々として』を流し始めたのだった。
ルナチャイルド・鈴仙救出まであと8京1985兆5292億1637万5785架……
END