警告 むしむし ☆ ぱらだいす
村を埋め尽くさんとする虫妖怪(擬人化してます)の群れに、私と魔理沙はあらん限りの弾幕をぶつけた。
それでもなお彼らは減らない。
「りぐ! りぐ! るん! るん! りぐ! りぐ! るん! るん!」
「ああもう、何でこんなに数が多いのかしら」
「基本的に数で勝負の生き物だからな」
「りぐ! りぐ! るん! るん! りぐ! りぐ! るん! るん!」
「もぉーいい加減にしろー」
♯
事の発端はこうだった。
境内の掃除も一段落し、お茶を飲んでいたら魔理沙が来た。
彼女の箒には、私たちと同い年くらいの男の子が同乗している。
重量オーバーなのか、ふらふらと着地、男の子を先に降ろす。
霖之助さんと神主様以外の異性に会うのって新鮮。いやそれは関係ない。
「魔理沙、とうとうボーイフレンドできたの」
「ばか、そんなわけあるか、依頼人だぜ」 魔理沙の顔が真っ赤だ。
その男の子は私にお辞儀した。そんなにかしこまられると緊張してしまう。
「あなたが博麗霊夢さんですか」
「そ、そうです、なにか御用ですか」
釣られて私もお辞儀を返す。魔理沙がくすくすと笑っている。
「魔理沙、笑わないでよ」
「ははは、こう見えてもこいつ、そうそうはっちゃけた奴なんだぜ、この前なんか……」
「こらっ」
魔理沙がからかわれたお返しにいらん説明をする。お札1枚を投げつけてやった。
魔理沙は事もなげにひょいと軽くかわし、悪い悪いと言いながら本題に移った。
「実はこいつの村が妖怪に襲われて、最初は私のところに来たんだが、
どうも私一人じゃ手に余るから霊夢も一緒に来て欲しいんだ」
「魔理沙の手に余るなんて……、わかったわ、行ってみましょう」
「依頼を受けてくれるのですか、良かった」
「さあ、案内して頂戴。ええと、お名前は?」
「ああ、僕は村の子供Aといいます」
私は神社裏の池に行って玄爺を呼び、男の子を乗せて飛んでもらうことにした。
彼は人語を話す亀なのだった。むかし飛べなかった頃にさんざんお世話になり、今はこうして
ペット兼非常食として余生を送っている。こうして一緒に異変解決に乗り出すのは何年ぶりだろう。
「一体、どんな妖怪なの?」
「はあ、力自体はたいしたことないんですけど、数がすごく多くて……」
「う~ん、ちょっと大変そうね、ああ、玄爺、やけに嬉しそうね」
「不謹慎ながら、ご主人と一緒に飛べるのは嬉しく存じます、昔を思い出します」
たまには適度な運動をさせるのもいいわね。肉も美味しくなるだろうし。
道中で妖精の大群に襲われた。といっても私たちを狙っているわけではなく、何かに興奮してはしゃいでいて、ついでにたまたま飛んできた私たちに弾幕を放つ程度の物だったのだけど。
私と魔理沙は適当に避け、ときにはお札や魔法で叩き落としながら進む。
男の子を乗せた玄爺は、意外に軽やかな動きで攻撃をかわす。まだまだ現役みたい。
「この妖精達、ちょっと変わってない?」
私は妖精の一匹を素手で捕まえて訪ねた。妖精はじたばたしている。
「テヲハナセー」
「ご主人、そういえばただの妖精どもとは違うようですぞ」
「そう、頭に触角が生えてる、リグルみたいにな」
魔理沙が妖精の触覚を指でピンとはじく。
「オコルトコワイゾー」
「じゃあこの子達は虫の妖怪?」
妖精を放り投げると、泣きながらどこかへ逃げていく。
「その通り、こいつらが最近大発生しているみたいなんだ」
やがて少年の村が見えてくる。遠目には何の変化もないが、私の勘が異変を告げている。
村の広場に一本の大きな松の木があった。近くで見て、私は絶句した。
「こ、これは……虫の繭」
「……だな」
松の木には薄いベールのような膜がかかっており、大人が一人は入れそうなほどの白い繭が何十個とくっついている。まだ羽化はしていないらしい。
「あの、見た目がきついなら引き返してくれても良いですよ、自分達で何とかしますから」
いや、ここで下がれば博麗の名と明日の食費に関わるし、歯を食いしばろう。
「いいえ、退治して見せるわ」
私は松の木に歩み寄り、繭の一つをお払い棒の先でこんこんと突付く。
がさりと音がし、鳥肌が立った。玄爺が冷静に話す。
「ご主人、これが巨大な蝶や蛾だったとすると、幼虫の大きさは……」
想像しただけで気持ち悪い。
「……想像させるな」 魔理沙が言った。
「これは失礼」
「まあいいぜ」
繭が次々にぴくぴくと動き、繭の頂点に丸い穴が開いていく。
『りぐりぐ~ るんるん』
『りぐ りぐ るん! るん!』
『りぐ りぐ るん! るん!』
「お前らか!」
りぐるんことリグル=ナイトバグそっくりの虫妖怪が一斉に飛び出し、整然と隊列を組んで村中をねり歩き出した。それに触発されて、妖精サイズの虫妖怪も飛んできて一緒に騒ぐ。妖怪たちがはしゃぎまわり、弾幕をぶつけられた瓦や農具が宙を舞う。吹っ飛んだ物のなかに、玄爺の甲羅があった様な気がした。
「こらー、騒ぎは里の外で起こしなさい、夢想封印」
虫妖怪とはいえ、姿は人間風なのでさほどの生理的嫌悪感はなかったが、
逆に退治するのをためらってしまう。でも心を鬼にして針や札を乱射する。
報酬はずんでくれるかしら? などと不謹慎なことが頭に浮かばないこともない。
「霊夢、半分はまかせたぜ、スターダストレヴァリエ」
魔理沙も景気良く魔法を解き放った。頼りになる私の親友。
空を埋め尽くす虫の群れ。空いっぱいの陰陽と星屑がその黒雲をなぎ払う。
♯
そうして今に至る。
無限に湧いてくるかと思ったが、ようやく虫達の大行進に陰りが見え始めた。でもそう思ったのもつかの間、いきなり村の広場に影がさし、辺りが暗くなった。皆既日食の日だったのかと一瞬思うが、目の前にいた男の子が青ざめた顔で天を指差す、異変はまだ終わりではなかった。
指差した方向を見て私はたまげた。自分達が小さくなったかのような錯覚を覚えた。
「私の仲間をいじめるな~」
超巨大な妖怪が私たちを見下ろしていた。全長50メートルはあるかしら。
りぐるんことリグル=ナイトバグ。彼女がなぜか大きくなっていたのだ。
そいつが一歩一歩近づいてくるたびに、大地がうねり、私たちは立っていられなくなった。
「いつも芋虫や毛虫を気持ち悪いって言うくせに、綺麗な蝶を愛でるのは虫が良すぎるわ!」
「綺麗な蝶がいて、でもゴキブリやハエや蚊はいない、んな都合の良い生態系があるかー!」
「踏みつけられる側の苦しみを味わえー!」
日ごろの人間に対する不満を叫びながら、どしんどしんと跳ねた。近くの民家の屋根瓦がずり落ちる。
「彼女が中枢で決まりね」
「ああ、ちょっとお仕置きしてやるぜ」
「待って、虫達の怨念が集まってああなったのかも、だとしたら、いたずらに攻撃しても怒りを増幅させる一方だわ」
「じゃあどうする?」
巫女の真価が問われる時、怨念をなんとか静めないと。
この国では、古来からその良し悪しに関係なく、人間を越えた存在を『神』と呼び習わしてきた。
なんだかんだであの子も一種の神様、蟲の神様なのだ。本気で怒らすとこういう事になってしまう。
「私が説得してみる」
「霊夢!」
私は巨大りぐるんの耳元まで飛んでいく。この私が神を説き伏せるなんて出来るのだろうか。
でも私がやらなければ、CMの後、村人たちが大変なことに。
「蟲さま、どうかこの村を滅ぼすのをおやめ下さい」
「いやよ、人間達に思い知らせてやるんだから~」
「私はどうなっても構いません、どうかお静まりください」
「ダメ! 今日という今日はもっと暴れてやると決めたのよ」
「ああ、どうしても我々人間をお許しにならないのですか」
「そうよ」
仕方がない、私はお祓い棒を握り締め、大きく息を吸い、吐くと、巨大りぐるんの額にそれを刺した。
先端を尖らせて、火で焼き固めてある特注品だ。
「怒りをお静めください」
「いたっ、言ってる事とやってる事が……」
私はさらにお祓い棒をギリギリと刺し込んでいく。いいわ、この感触。
「お・し・ず・め・く・だ・さ・い」
「わーわかったわかった、この体をもとに戻してくれたら止めるわ」
お祓い棒をひっこ抜くと、ほとばしる体液が、陽の光を浴びて噴水のようにきらめいた。
♯
巨大虫妖怪を村はずれの原っぱに座らせ、私と魔理沙が詳しい話を聞いてあげている。
「じゃあ、あの虫妖怪の大群はあんたの仕業じゃないわけね」
「うん、今朝川の水を飲んだら、変な味がして、いきなりこんな大きさになっちゃったの、でもあんまり深く考えずに、人間をちょっとからかってやろうと思っただけ。それしか言いようがないわ」
自分の体が突然巨大化しても深く考えないのか、この虫っ子は。
まあ、巨大化した体の制御で考えるどころではないのかもしれないけれど。
「分かったわ、じゃあそれを調べてみましょ、魔理沙も来る?」
「ああ、お供するぜ。しかし、霊夢、こんな巨大な奴をおとなしくするなんて、さすがは巫女だな」
「うん、わたし、ネゴシエーターの才能あるかも」
魔理沙は地上で見ていたので、やり取りの詳細は知らなかった。巨大りぐるんが何かを言いたそうにしていたが、何も言わなかった、ちょっと『説得』が効きすぎたのかな、エヘヘ。
「じゃああなたはそこでおとなしくしていて、もとに戻す方法を見つけてくるから」
「うん、待ってる」
ちょっと面倒になりそうな予感がした。
♯
数日前のこと
「ひさびさのお使いね」
稲葉てゐ、永遠亭に住むウサギさん。
彼女が持っている一升瓶には、少々厄介なものが入っている。
その液体は永琳の薬物製造プラントで排出される廃液。普段はプラントの処理装置で無害化されるのだが、今回その機器が故障したため、高い技術力を持つ山の妖怪に処理を依頼し、今日持っていく段取りになっていたのだった。
「でも、山までいくなんて面倒くさいし、捨てちゃっても」
その一升瓶の中身については、てゐも永琳から知らされていた。しかし具体的にどんな害があるのかを尋ねたところ、永琳自身も分からないと言った。
「妹紅さんあたりにでも飲ませてみればいいのに」
もしかしたら少量ばら撒いた所で、大した影響は出ないのかも知れない。だいいち、永琳が本当に危険極まる物質を他人任せにするとは思えない。
「えいっ、どぼどぼ~」
てゐはその廃液を川に流してしまった、自分で効果音までつけて。
♯
魔理沙と2人で川をたどっていくと、案の定、私たちは竹林たどり着いた。『やっぱりな』といいたそうな顔で魔理沙が肩をすくめた。やはり永遠亭、特に八意永琳が関わっているのだろう。
とはいえ、このまま決め付けるのも良くないし、とりあえず話は聞いてみることにする。
持って来たサンプルの水を分析した永琳は、すぐに自分が作った薬の廃液が含まれている事を認めた。
さらにはた迷惑な事に、毒をもった人形が同じ川で水遊びをしていたとの証言も寄せられた。
わざとではないにしろ、それらが異変の元凶だろうという結論になった、やれやれ。
「ごめんなさいね、てゐに任せたのが失敗だったわ、メディスンにも後でお説教しておかなきゃ」
「まあこっちは妖怪退治の報酬がもらえて悪くないんだが、巨大化したリグルもなんとかしないとな」
「そうそう、また暴れださないとも限らないし」
「じゃあ、罪滅ぼしとして、役に立ちそうな妖怪を紹介するわ」
永琳はへにょ耳の鈴仙に指示し、数分たって三人の妖怪少女が連れられてきた。結構可愛いらしい。
「薬の研究に協力してもらってる妖怪さん達よ、みんな、挨拶なさい」
「どうも、私は『冬木 夏子』 菌類の妖怪です、昆虫に寄生する程度の能力です、どうぞよろしく」
「私は『青田 小繭』 寄生蜂ですっ、芋虫毛虫が増えすぎたらご一報くださいです」
「あのう、『鉤山 沙奈』です。人に寄生します。ダイエットしたい人はどうぞ」
自己紹介を聞いて、可愛くてもやっぱ妖怪なんだなと改めて認識させられた。
「多分、薬の効力が切れれば虫の大量発生も治まると思うけど、念の為この娘達を連れていっていいわ」
「ちょっと待った、最後のは役に立たないんじゃないの?」
「ふえ~ん、私に憑かれた人は痩せられるし、花粉症も防げます、そんな事言わないで」
沙奈と呼ばれた妖怪の女の子が必死になって反論した。確かにそういう説もあるのだが、
今回の異変解決には役に立ちそうにない。
その後、結局私と魔理沙は三人とも連れて行くことにした。悪いけど、夏子ちゃんと小繭ちゃんはともかく、沙奈ちゃんは少し離れて飛んでもらう。
「みんな私をいじめる~」
「沙奈ちゃん泣かないで」
「よしよし、元気出すのです」
夏子ちゃんと小繭ちゃんが引き返し、沙奈ちゃんを慰める。
「寄生生物にも友情があるんだな」
それでも離れて飛んでもらった、だって寄生されたくないし。
♯
事態は良くなかった。
村に戻るとまた虫達が暴れていた。あくまで人を食べたり刺したりするわけではなく、村中を走り回るだけだったのだが、進路上にあるあらゆる物を壊しまわっている。巨大りぐるんは何とか虫達を止めようとしているが、統制を失っているみたいだ。
村人の多くは避難していて、今のところ死人は出ていないみたいだった。
村の子供Aが箒を振り回し、必死に追い払おうとしている。
「あっ、霊夢さん、魔理沙さん。このままでは村は全滅です」
「待たせたな、救援を呼んできたぜ」
「さあ、あなた達の出番よ」
「分かりました、頑張ります」
「了解なのです」
夏子ちゃんと小繭ちゃんは嬉しそうに眷族を呼び出し、虫達に襲いかる。これで徐々に個体数のバランスが回復していくに違いない。
一方沙奈ちゃんはというと、村の隅で寂しそうにしゃがんで、指で地面に落書きしてた。
「私はいらない子なんだ、いらない子なんだ……」
「まあ、そんなに気を落とさないで」
「私たちって、別に人を死なせるわけじゃないのに、あくまで命を奪うのは、間違った宿主に憑いちゃった時だけなの」
「おーい霊夢、そんな奴に構ってないで来てくれ」
「そんな奴呼ばわりされた……」
「ま、まあ、後で宿主探し以外なら相談に乗ってあげるから」
私は少々沙奈ちゃんを気の毒に思いながらも、とりあえずその場を後にした。
「それで、結局私はどうなるの」
騒動が治まった後、待ちくたびれた巨大りぐるんがつぶやいた。
「八意永琳の話だと、過剰な妖分が蓄積されて大きくなってしまったらしいぜ」
「じゃあ、妖分を吸い取ってやればいいのね」
「はいはーい、私に任せるのです、私の眷族を総動員して寄生させるのです」
小繭ちゃんが言った。リグルの巨大な体から、次々と寄生蜂が飛び出してくる光景を想像する。却下。
「じゃあ、私の菌糸を植え付けるのはどうでしょうか」
夏子ちゃんが提案した。私がお祓い棒をブッ刺した頭の傷から、大きなきのこを生やし、虚ろな目でたたずんでいるりぐるん……、不憫だ、却下。
「妖分を吸い取る、つまり、ダイエットさせる? そうだ」
あの子は決していらない子なんかじゃない、私は急いで沙奈ちゃんを連れてくる。
「あなたにしか出来ない事があるの、この子を小さくして」
「ええ、でも、この方も虫の妖怪でしょう」
「でも、この子を殺さずに小さくするにはあなたの力が必要なのよ」
「私にしか、出来ない……」
沙奈ちゃんは巨大りぐるんを見上げ、決心する。
「分かりました、やってみます、それっ」
彼女の両手から弾幕なのか蟲なのか、はたまた使い魔なのか分からない何かが飛び出した。
正直気持ち悪くて直視できず、横目でちらっと見ただけだったんだけど、とにかく何かが放たれた。
それらは一斉に巨虫に吸い込まれていく。
しばらくすると、巨大りぐるんが元の大きさのリグル・ナイトバグに戻っている。成功だ。
ただ、代わりに沙奈ちゃんが巨大化していた。
「えへへー頑張りましたー」
ほがらかに笑った、寄生虫である事を忘れさせるくらいに愛くるしい笑顔だった。
♯
「ありがとうございます、村は半壊してますけれど」
村の子供Aくんが微妙な言葉で感謝した、報酬は3分の2だけ貰うことにした。
報酬は本来半分に減らされるはずだったんだけど、村人が特別に情けをかけてくれたのだ。
別にネゴシエーターの才能を行使したわけではない、たぶん。
まあ、村の再建は人間に協力的な妖怪の助けで何とかなるだろう。
沙奈ちゃんはこの後どうするのかと思ったが、そのまま夏子ちゃんと小繭ちゃんを肩に乗せ、地響きを鳴らしながら竹林へ帰っていった。みんなで手を振って見送ってあげた。
終わったとたん、疲れがどっとこみ上げてくる、私達も報酬を貰ったらさっさと帰ろう。
「ねえ魔理沙、虫だからといって、彼女達を侮らない方がいいかも知れないわね」
「そうだな、個体数だけは多い連中だしな」
「でも、寄生されるのと家に来るのはカンベンね」
ある意味、人と虫の関係は、人と妖怪のそれにそっくりかも知れない。
ひっくり返って気絶していた玄爺を回収しつつ家路につく。
♯
次の日の朝、やけに外が騒がしいと思ったら、昨日の寄生生物3人娘が遊びにきていた。
懐かれてしまったらしい。
なぜか元の大きさに戻っていた沙奈ちゃんは、私を見るなり頬を赤らめてもじもじしている。
見覚えのある雰囲気。
夏子ちゃんと小繭ちゃんが急かしている。
「ほら、早く言いなさいよ」
「応援しているのです」
「あのっ、私霊夢さんの事が好きです、お付き合いしてください」
「とうとう言っちゃったね」
「彼女は恋の病で痩せて元通りになったのです」
どうしようかと戸惑っていると、見知った顔が境内に飛び込んできた。
「ちょっと待った、霊夢の運命は私のものよ」 レミリアだった。
「霊夢さんの体内は私の場所です」 沙奈ちゃんもひるまない。
「だがどっちも断わる」 頭が痛くなってきた。
レミリアはしばらく、沙奈ちゃんと、お付の咲夜さんを交互に見て、フムとうなずいた。
「この寄生虫、くっつくんだったら咲夜に憑きなさい、最近体重増加で悩んでいるみたいだから」
「えっ、お嬢様、一体何を……」
「ヴァンパイアの超視力はごまかせないわよ、最近あなたの横幅が増したわ、いいカップルよ」
「咲夜さん、ですか、あなたも綺麗なひと……」
「ご遠慮しますわ」
そんな咲夜さんの顔は笑顔を保ちつつ引きつっていた。
こうなると後の運命がレミリアでなくとも読める。
その隙に神社から逃げ出した。後ろでスペルカード発動の音が聞こえた。
マヨイガにでもかくまってもらおうかしら。
りぐ りぐ るん るん
りぐ りぐ るん るん♪
表題を見てりぐるんのGネタと思ったのは私だけでいい。
…個人的に虫が大嫌いなので逐一描写を想像して悶えつつ読んでおりましたw
お話としてはおもしろかったです。
…願わくばてゐにきっつい罰があたらんことを。
>稲葉てゐ
因幡です、ここはお間違えのなきよう。
でもこれには笑いました、特に寄生生物3人娘がツボにww
しかし幻想郷にも公害が…工場(?)廃液は危険ですね。
もう笑いまくりでしたw 楽しい時間をありがとう
確かにリグルが薄かったかも。
とはいえ彼女の言葉は真理なわけで。