Coolier - 新生・東方創想話

七色の一目惚れ

2007/06/27 11:13:33
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何時からだったろう。
気づいたら気になっていた。


アリス・マーガトロイドは悩んでいた。
目の下には隈ができており、悩みの深さを窺わせた。
「どうしてかしら……。」
何度目ともつかぬ自問の問い。

それの発端は2週間前に遡る。


2週間前、アリスは魔理沙と共に紅魔館の大図書館へと向かった。
「今日もいっぱい借りていくとするか!」
「それは借りるじゃなくて強奪でしょ。」
「人聞きが悪いぜアリス。
 単に借りていくだけだ、私が死ぬまでな。」
いつものやり取り。
そしていつものように門番を吹き飛ばして進入する魔理沙。
アリスを置いて高速で奥に向かった魔理沙を目だけで追いつつ、
吹き飛ばされた門番に軽く会釈をして、中へと入った。
アリスはパチュリーから正式な客人として認められていたため、門番にも許可が下りていた。
が、その日は様子が違った。
いつもなら騒がしいほどの庭が静まり返っていた。
喧騒すら響かない。
館に目をやると、悲鳴等が聞こえてくる。
「……噂の困った妹さんかしら?」
話は聞いていた。
時折、レミリアの妹が暴れることがあると。

曰く、ありとあらゆる物を概念を無視して破壊できる。
曰く、長い間閉じ込められたことで気がふれている。
曰く、その姿を見て帰ってきた者はいない。

ろくでもない噂や話ばかりだ。
だが、495年間閉じ込められ、孤独の中で過ごした妹にアリスは少なからず興味を覚えていた。
空はいつの間にか曇っており、何時雨が降ってもおかしくは無い状態だった。
パチュリーが施した術だろう。
アリスは足早に紅魔館の中へと向かった。
アリスが中へと入ったと同時に、外では豪雨が降り始めた。


中では普段は聞こえない喧騒や怒号、悲鳴で溢れ返っていた。
気づくと見慣れた顔がアリスの目の前に現れた。
十六夜咲夜。紅魔館のメイド長だ。
「パーティのように騒がしいわね。」
「ええ、妹様が暴れに暴れてるからね。
 悪いけど、これが落ち着くまで図書館には案内できないわよ。」
「なら、助力しようかしら?」
咲夜は少し驚いた顔を浮かべた。
アリスが自分より強い相手と戦うことに助力を申し出るなど、滅多になかったからだ。
「珍しいわね。」
「気が向いたのよ。遠距離から援護すれば被害も少ないでしょうし。」
「無事に終われば今度紅茶でもご馳走するわ。
 こっちよ。」
咲夜の後ろをアリスはぴったりとついていく。

そしてそこにいる者に、アリスは目を奪われた。
おおよそ羽らしくも無い、七色に光る宝石のような羽。
小さな体が振るうにはあまりにも似つかわしくは無い巨大な炎。

その近くでは、魔理沙が必死に弾幕を避けていた。
どうやら妹様とやらを止めるために借り出されているようだ。
「今日はいつもより激しいな、フラン。
 何かうれしいことでもあったのか?」
避けながら口を利いているあたり、余裕はありそうだ。
「久しぶりに出てきたら、魔理沙がいたから嬉しいんだよ!
 さあ、もっとあそびましょう!」
極大ともいえるほどに巨大化した炎を振るう。
その剣閃からあふれた火の粉がさらに魔理沙を襲う。

「……綺麗。」

その声に、二人の動きが止まった。


「あなたは誰?」
一旦炎を消し、フランと呼ばれた少女はアリスに視線を向けた。
魔理沙は慎重に様子を見守っている。
「私はアリス。アリス・マーガトロイド。
 七色の魔法使いよ。あなたは?」
「私はフランドール・スカーレット。
 フランでいいわ。」
アリスはじっとフランの瞳を見続けた。
フランは微笑んだまま、首をかしげた。
「……遊んでくれる?」
フランが浮かべた顔は、外見相応に可愛い笑顔だった。
「何をして?」
「もちろん……。」
杖に再び炎が灯る。
「弾幕ごっこ!」
先制と言わんばかりにアリスめがけて打ち下ろされる。
「アリス!!」
魔理沙が気づいたときには、アリスのいた場所は綺麗に抉られていた。
「あれぇ……? もう壊れちゃった?」
つまらない、と言った顔でフランは魔理沙に向き直る。
「どっち向いてるの?」
魔理沙とフランは同時に声のほうを向いた。
そこには無傷のアリスがいた。
「アリス、無事だったのか……。」
「びっくりはしたわよ。いきなり打ち下ろされるんだもの。」
「ところで、咲夜は?」
「レミリアを起こしに行ったわよ。」
そう言ってフランに向き直る。
フランはとても無邪気な笑顔で、しかし視線は獲物を捕らえる獣よろしく見つめていた。
「初めてだよ。私の『レーヴァテイン』の不意打ちをよけたお人形は。」
「お人形? 私がかしら。」
アリスは物怖じすることも無く、フランを見つめ返す。
「そうよ、久しぶりに魔理沙以外で楽しいお人形さんが来てくれたわ。
 さあ……、もっと遊びましょう!?」
狂気の笑顔を浮かべ、レーヴァテインがさらに肥大化する。
「その前に、少ししつけが必要のようね。」
魔理沙とアリスは目配せすると、同時にスペルを展開する。
「恋符『マスタースパーク』!」
「魔符『アーティフルサクリファイス』!」

結果は二人の勝利で終わった。
レミリアがその場に到着するころには、アリスがフランを介抱していた。
魔理沙はいつものように図書館へ向かっていた。
もってかないでー と聞こえた気もするが。


それ以来アリスの調子はすっかり狂ってしまった。
料理を焦がしたり、魔法の実験も多数失敗するようになっていた。
普段ならひっきりなしに動いていた人形たちも、今は上海人形と蓬莱人形だけしか動いていない。
辛うじて上海人形と蓬莱人形が身世話をしてくれているので、生活上は問題なく見えた。
「あー……、ぅー……。
 本当、何だって言うの……。
 一度見ただけなのに……。」
机に突っ伏したまま、アリスは煩悶としていた。
「もう一度、会って確かめてみるべきかしらね……。」
机の上に置いてあった一つの作りたての人形を抱きかかえ、
アリスは上海人形と蓬莱人形と共に紅魔館へと飛んでいった。


「妹様に会わせろ?」
咲夜は渋い顔を隠すことなく浮かべる。
「そうよ。」
アリスは真剣な眼差しで咲夜を睨み付けた。
「……本気で言ってるならとんだ大馬鹿ね。
 妹様の実力、忘れたわけじゃないでしょう?」
ナイフを懐から取り出しつつ、咲夜は忠告する。
「それでも、確かめておきたいのよ。
 この胸のもやもやが何なのかを。」
アリスもやつれた顔とは裏腹に、ゆっくりと人形を展開していく。
「そう、残念だけどお断りね。
 お引取り願おうかしら?」
「そう、それは残念ね。
 痛い目にあってもらってでも、連れて行ってもらうわよ。」
二人の間に緊張した空間ができる。
「あなたの時間は私のもの。
 止まった時間であなたに勝ち目は無いわ。」
「あなたは所詮3色。
 7色を扱う私にかなうと思ってるのかしら?」
さまざまな色合いの美しい弾幕勝負がホール内で繰り広げられることになった。


「傷魂『ソウルスカルプチュア』!!」
「戦操『ドールズウォー』!」
咲夜の体の周りを人形たちが包み囲み、スペルカードをブレイクさせる。
ソウルスカルプチュアは若干ながらアリスに届いてはいたものの、
4つほどの切り傷をつけただけに終わった。
「さ、私の勝ちね。
 約束通り案内してもらうわよ。」
「あいたた……。もう、解ったわよ……。」
咲夜は瀟洒に立ち上がると、アリスを連れてフランのいる地下室へと向かった。

「でもなんで妹様に会おうなんて思ったの?」
地下室へと続く階段を下りながら、咲夜は振り向くことなくアリスに問いかけた。
「以前見たとき以来、なんか頭から離れなかったのよ。
 だから何故かと思って、原因を究明するためにね。」
アリスは震える上海と蓬莱をなだめながら答える。
そうするうちに、頑丈そうな鉄扉が見えてくる。
頑強な結界呪文を幾重にも張られており、アリスの体が震えた。
「本当にいいのね?」
アリスは力強く頷く。
咲夜はため息をひとつついて、扉に向き直った。
「妹様、咲夜です。
 起きていらっしゃいますか?」
「咲夜? どうしたの?」
「妹様にお客様です。」
「ふぅん。いいよ、入って。」
「失礼します。」
咲夜が扉のドアを開ける。
そこはあらゆる意味で、赤い、紅い部屋だった。
暗い部屋のはずなのだが、赤く、紅くみえてしまうのだ。
上海と蓬莱は、アリスにぴったりと張り付いて離れようとしない。
咲夜は軽く部屋を一瞥すると、フランを見た。
「妹様……、『また壊しましたね?』」
「だって退屈なんだもん。妖精のメイドはだめね。
 すぐに壊れて弾けちゃうから。」
からから、と笑ってフランが答える。
辺りをよく見ると、赤い、紅い色の正体は物言わぬ肉片だと見て取れた。
「で、お客様ってだれ?」
「こちらです。」
アリスがゆっくりと前に歩み出る。
「お久しぶりね、フラン。」
フランは少し首を傾げて考え込んでいたが、すぐに明るい笑顔に戻った。
「あのときのお人形さんね! また私と遊んでくれるの?」
「そうね、遊んであげてもいいけれど。」
そこまで言って咲夜に目配せする。
「失礼します。」
咲夜は察したように頷き、すぐに姿を消した。
それと同時に部屋が綺麗になっているあたりは流石だと言うべきである。

「プレゼントをあげるわ。」
そう言ってフランに抱きかかえてきた人形を渡す。
それはとても精巧にデフォルメされた、フランの人形だった。
「わぁ……。」
よほど嬉しいのか、フランの羽がせわしなく動く。
「気に入ってくれたかしら?」
「うん! ありがとう!」
フランは人形を抱きかかえ、ベッドに座った。
「アリスもこっちへおいで! 立ったままじゃ疲れるでしょう?」
隣を手で叩いて催促する。
それをほほえましく思いながら、アリスもゆっくりと腰を下ろす。
「弾幕ごっこはいいのかしら?」
「うん、弾幕ごっこは今日は良いや。」
物珍しい顔をしながら、人形をまじまじと見つめている。
「……ひょっとして、そういうのもらうの初めて?」
「うん。考えてみれば初めてだなぁ。
 あいつとかから何ももらった記憶ないし。」
「あいつ?」
「お姉様。」
瞬間、アリスはフランを抱きしめていた。
フランは困惑した顔をしている。
「え? え?」
「……さびしかったよね?」
フランは少し考え込んで、すぐにはっとした顔になった。
「……うん。」
フランも恐る恐る、アリスを抱擁する。
上海と蓬莱が少しだけ顔を隠していた。
もっとも、目が半分以上出ていたので、丸見えだったが。


「ごめんね、急に抱きついたりして。」
アリスは自分の目端についた涙を指でぬぐった。
いつの間にか泣いていたらしい。
自分の境遇とフランの境遇が少しだけダブったのだろう。
「ううん。暖かかったよ。
 今まで、こういう暖かさを感じたこと無かった。」
フランが少しはにかんだ笑顔を浮かべる。
「495年間ずっと地下室にいて、こんなに暖かいことがあるなんて知らなかった。
 外に行けば、もっといろんなことがあるの?」
「ええ、いっぱいあるわよ。」
「じゃあ、この扉を破壊して外に出よう!
 アリスにいっぱい教えてもらおう!」
そう言ってフランは扉に向かってレーヴァテインを構える。
「だめよ!」
フランが握っていた杖をアリスが受け止め、すんでで扉は破壊されずにすむ。
「……どうして? アリスは私にお外を見せてくれるんじゃないの?」
「見せてあげたいけど……。すぐにその破壊の能力を振るってはだめよ。」
「なんで?」
フランはあどけないまま素直に質問をしていた。
アリスは少し答えに窮した。
「お、女の子はもっとおしとやかなほうが綺麗になるのよ!」
自分の答えに対して少しアリスは自己嫌悪した。
自分がおしとやかからは程遠いと自認しているからであろうか。


それから、アリスは毎日のようにフランの元に遊びに行くようになった。
やつれた顔もすっかり元通りになった。
遊びに行くようになってから、上海と蓬莱もフランと仲良くなった。
慣れないうちはちょっとした拍子に破壊の能力を使おうとしてしまっていたが、
今ではそんなことも無く、すっかりなりを潜めていた。
そして満月の日も滞りなく過ぎて行った。

「咲夜。」
「何でしょう、お嬢様。」
音も立てず、主人の横に現れる咲夜。
「最近フランが大人しい様だけど。」
「妹様ですか?
 アリスが来るようになってから、ずいぶんと大人しいですね。」
「そうね。喜ばしいことなんだけど。」
少しだけレミリアの表情が曇る。
「いかがいたしましたか?」
「これが親の心境なのかしらね。
 少しフランが私から離れていくことがとても寂しく思えるのよ。
 もっとも、姉としての佇まいは何一つしてあげれてないから当然といえば当然なのだけど。」
「お嬢様……。」
レミリアは一口紅茶をすする。
「美味しいわ。」
「ありがとうございます。」
窓の景色を眺めて、一息入れてからレミリアは口を開いた。
「咲夜。」
「はい。」
「今度あの人形師とフランと3人でお茶を飲もうと思うの。」
「お茶会でしょうか。」
「ええ。そう伝えてくれないかしら。」
「畏まりました。」
「頼んだわよ、下がっていいわ。」
「失礼いたします。」
そうして咲夜は音もなく退室していった。
「495年、か……。」
レミリアは外にある月を見た。
奇しくもその月は十六夜の月だった。


「レミリアが一緒にお茶会ですって?」
いつものようにフランを訪ねにきたアリスは寝耳に水といった表情を浮かべた。
「ええそうよ。妹様も一緒にね。」
「ふぅん。最近大人しくなったから少し様子を見ようって事かしら。」
仕草が微妙にフランと被ってきているアリスを見て、咲夜は苦笑した。
「ずいぶんと妹様に仕草が似てきたわね。
 まぁ、お嬢様が考える事ですから、私には推察する余地はありませんわ。」
「まぁいいけど。そんなに私フランに似てきたかしら?」
「あなたらしいと言えばあなたらしいけどね。」
二人でくすくすと笑いあいながら、いつものようにフランの地下室へと向かった。


「随分コントロールできるようになってきたわね。」
アリスは笑顔でフランを見つめる。
「うん、アリスのおかげだよ。」
フランは手に持っていたレーヴァテインを即座に消す。
あれからずっと、アリスとフランは遊んだりしながら、フランの力のコントロールに勤めてきたのだ。
フランは上海や蓬莱と追いかけっこをしている。
フランの枕元には、少しいびつな人形が置いてあった。
「あら?」
アリスはその人形を持ち上げてみる。
ところどころ糸や綿が飛び出していたりするが、かなり精巧にできている。
「あ!」
すぐにフランが気づいてその人形を取り上げる。
フランが拗ねた子供の目をしながら、アリスを見つめている。
「それって……。」
「後で紹介してあげようと思ったのに……。
 アリスの人形作ってみたの……。」
服装やアクセサリーを見ればすぐにそれがアリスだと見て取れる程だった。
仲良くフランの人形と並んでいたあたり、フランにとっても会心の作だったのだろう。
「あ、ありがとう。」
アリスの顔はのぼせてしまうのではないかと思えるほど真っ赤だった。
「でも、人形つくりのコツなんて少ししか教えてないのに、よくできたわね。」
アリスはフランを撫でてやる。
気持ちよさそうにフランは目を閉じた。
「解らないところは、小悪魔や美鈴、パチュや咲夜に聞いたの。
 でも手伝ってもらってないから。聞いただけで、全部私が作ったから。」
「本当、嬉しいわ。」
抱き寄せて撫でる。
フランの顔が真っ赤になっていった。
「……そうだ。フラン、良い事思いついたんだけど。」
「何?」
アリスの表情は、魔理沙が悪巧みを思いついたときのような表情だった。


そしてお茶会の日。
テラスで3人はテーブルを囲んでいた。
お茶菓子はアリスが作って持参してきたクッキーだ。
レミリアが早速一枚手にとって食べ、舌鼓を打っている。
「それにしても。」
アリスが先に口を開いた。
「レミリアからこういうことを言い出すだなんて、思っても見なかったわ。」
「お礼も兼ねてるのよ。」
「お礼、ねぇ。」
アリスがくすくすと笑っている。
「私はフランが気に入ったから、遊んでいるだけなのに。」
「私も、アリスと遊んでたら楽しいよ。
 お姉様は違うかもしれないけど。」
「ええ、そうね。」
レミリアは憮然とした表情を浮かべた。
頃合と見て、アリスはフランをちらりと見る。
それを合図として、フランが切り出した。
「お姉様。」
「何? フラン。」
えへへ、と笑いながらフランはレミリアに袋包みを渡し、席に戻った。
レミリアは目をぱちくりさせている。
「フラン、これは何?」
「お姉様へのプレゼント。私からのね。
 あけてみてー?」
レミリアは驚きの表情で袋を開けた。
そこに入っていたのは、デフォルメされたレミリアの人形だった。
「フラン……。これは……。」
「アリスに手ほどきしてもらってがんばったんだよ。
 お姉様に喜んでもらおうって思って。」
レミリアはそっとその人形を抱きしめた。
「これは私からね。」
アリスはレミリアとフランに同じ袋包みを渡した。
フランも驚いた表情を浮かべている。
「あけていいわよ?」
二人とも袋包みをあけてみる。
そこに入っていたのは、フランとレミリアが仲良く手を繋いでいる姉妹人形だった。
縫い付けてあるわけではなく、2個の人形が入れてあるだけなのだが、手をあえて繋げてあるのだ。
「気に入っていただけたかしら?」
レミリアとフランはお互いの顔を見合わせ、同時に答えた。
「ありがとう。」
同じようなまぶしい笑顔だった。

「楽しいお茶会だったわ。」
「ええ、お互いにね。」
フランがレミリアに耳打ちをする。
いたずらっ子の笑顔がレミリアに浮かぶ。
「アリス、今日のプレゼントはとても嬉しかったよ!」
「ええそうね。だからお返しをあげるわ。」
そう言うと、フランとレミリアでアリスを挟み込む。
タイミングを合わせたように、両の頬に姉妹の唇が触れた。
「な……、な……!?」
姉妹が離れてから少し間をおいて、アリスの顔がゆでられたかのように真っ赤になる。
ほんのりと、姉妹の頬も赤らんでいる。
「また来てね。今度はお姉様と一緒に遊ぼう?」
アリスは2、3歩たたらを踏んで答えた。
「ええ、そうね。」
そういうと、すぐに空へと飛び立って行った。
「アリス!」
フランが呼び止める。
「何?」
アリスが振り向く。
「大好きだよ!」
またアリスの顔が赤くなり、すぐに飛んでいく。
「私もよ、フラン。」
そのつぶやきは、風の中に消えていった。



その日以来、紅魔館は明るくなった。
以前では見られなかった、姉と妹が遊ぶ姿が見受けられるようになったからだ。
そして、アリスもまたいつものように紅魔館へと足を向けるのだ。
大好きなフランがいる、紅魔館へ。
3度目の投稿です。

今回は少し甘めのお話に挑戦してみました。

フランとアリスと言うカップリングはあまり無いと思いましたので、
出来るだけ出来るだけ、でも一目惚れした以上は少し早い展開を広げてみようと。

フランは感受性が豊かだと思っています。
相手の感情に対して素直にそれを受け入れることが出来るんじゃないかな、と。
アリスは反対に、素直ではないので、回りくどい方法をとると思っています。
それだけあって、一目惚れしたときは反動で行動が早いのではないかなぁ、と。

甘々ではなく、微糖ぐらいの文で収めましたが、お口に合えば幸いです。
それでは、また次の作品でお会いできることを祈っております。
瞑夜
簡易評価

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コメント



0.2210簡易評価
13.80名前が無い程度の能力削除
終盤の会話で分かってはいたけど、レミリアに人形を渡すシーンでは少々目頭が熱くなりました。
15.90名前って美味しいの?削除
アリスさん姉妹丼お持ち帰り~
な展開がこの後に!
いあ、おいらには危険な甘さでした。
17.90Admiral削除
アリス、フラン、レミリアの人形テラモユス。

アリス×フランに新境地を見ました。
良い物を見せてくれた作者様には感謝。
19.90名前が無い程度の能力削除
ふおおおお、あまーい!
20.100名前が無い程度の能力削除
強いアリスに瀟洒な咲夜。かっこいいよ!フランちゃんが可愛くってもう!これが萌えってやつなのか、怖ろしいぜ。
アリスへ。つ【ロリコン認定証】
21.90名前が無い程度の能力削除
あまいあまいあまーい!
珍しい組合せだけど、これはありだと頷けました。
22.100名前が無い程度の能力削除
なんて危険な甘さなんだ…!
29.100名前が無い程度の能力削除
くそ…!これは…やられたよwwww
32.90名前が無い程度の能力削除
これはイカンwwwww 負けたwwwww
34.1003人目の名無し削除
アリス×フランのカプに新境地を見た。
しかしアリスったらモテモテだなぁww
40.100名前を忘れさせる程度の能力削除
アリフラが俺の燃え要素となってしまった

GGGJJJ
48.100名前が無い程度の能力削除
素晴らしい!
59.90名前が無い程度の能力削除
ほんわか甘くて良かった!
65.100名前が無い程度の能力削除
イイネ
67.100名前が無い程度の能力削除
このSSはのちのアリスのスカーレットサンドを予言していたのだ・・・!