#「ナナシコメの当てつけウマー」
#「タイトル通り、月見酒の設定そのまま持ってきたので、真面目にお読みになる方は作品集41の月見酒をお読みになってから詠んだ方がいいかと思われます」
#「この設定で無理ッスwwwwと思う方はプラウザでお戻りになる事をお勧めします」
あの出来事から数ヶ月が経った。
お酒を飲み交わし、友達になってくれと告白されたあの日から。
しかし、日常はあまり変わらない。
永遠亭で今も私は薬師の師である永琳様の元で助手を勤めている。
仮にも迷いの竹林の中で住まう兎達のリーダー格である私は、早々妖夢の元に遊びにはいけない身である。
それは、妖夢も同じようであった。
白玉楼で主である幽々子の世話や、広大な庭の手入れ等。
共に忙しい身で、休む暇は皆無の為、ちゃんとした時間を取って会う事が出来ないでいた。
「休暇が欲しいですって?」
「…はい、真に身勝手なお願いなのですが…」
このままでは会えないと思った鈴仙は、床に頭を摩り付けるように土下座をして、永琳に休暇を頼み込んだ。
「……休んで白玉楼に行くのね?」
永琳は溜息を吐きながら土下座をする鈴仙を見る。
妖夢と友人になったという話は、白玉楼から帰ってきた鈴仙の口から、輝夜と永琳は聞いていた。
「……うどんげ、落胆させるようで悪いけれど、医者の仕事はそう簡単に休めるものではないわ。ましてや、貴方は仮にもこの永遠亭で兎達を統率するリーダーなのよ?」
正論を言われ、鈴仙は床に顔を擦り付けながら落胆するが、土下座を解こうとはしなかった。
「それは…わかっています。ですが、お願いです。どうか、少しの間だけお休みをください」
土下座を解こうとしない鈴仙を見て、再び溜息を吐く永琳。
「………そんなに会いたいの?」
「会いたいです」
迷う事なく即答する。
「…………はぁ」
永琳は机に向き直り、何か、確認しているようであった。
「……そうね。後三日、後三日頑張ってくれれば、新しい患者が増えても私とてゐでどうにか出来るわ」
「じゃ、じゃあ!?」
その言葉に、鈴仙は顔を上げる。
「休めても二日よ。それ以上休もうとしたら…どうなるか覚えてなさい」
「あ、ありがとうございます!」
再び床に頭を擦りつける程に感謝する鈴仙。
そんな鈴仙を見て、再び溜息を吐きながらも、微笑んでいる永琳であった。
「……ふぅ」
庭の手入れも午前からやっていたおかげか、日が落ちる前には終わる事が出来た。
梅雨が続いていたあの時から比べて、今は夏真っ盛り。庭の雑草の増殖率は、二倍以上に増えていた。
庭の手入れから戻り、白玉楼へと戻る時に、ふと縁側を見る。
「……」
お酒で酔っていたとはいえ、友達になろうと、鈴仙に言った場所。
「………友達らしい事なんて、出来てないわよね」
あの後も何かしら人里に寄るときに来てくれるが、庭の手入れや幽々子様のお世話を止められるわけもなく、纏まった時間が取れない。
本当に友達らしい事が出来ない自分がもどかしかった。
「では、行ってきます!」
土下座をしてから三日後。
あの後鈴仙はいつになく張り切り、ノルマとなる三日間を問題なく終わらせた。
服装はいつものブレザーにスカートと同じだが、背中には大きな袋を背負っている。
「気をつけていくのよ」
「しっかりやりなさい」
永遠亭の入り口で見送りをする永琳と輝夜。
「はい!」
それに後ろを振り返りながら手を振り続ける鈴仙。
姿が見えなくなるまで、永琳と輝夜はその場に留まった。
「……所で姫、何でしっかりやりなさいなの?」
姿が見えなくなってから永琳は横にいる輝夜に問う。
「別に他意はないわよ? ただ、しっかり心を鷲掴みにしたほうが面白いじゃない」
うどんげは、面白くないんじゃと言う言葉を飲み込みつつ、横にいる輝夜が、うどんげと妖夢がちゃんとした友達の関係になるのを望んでいる事に、永琳は今の台詞で気がついた。
「………」
何も言わずに、永琳は輝夜の肩を抱く。
「? どうしたの? 永琳」
「他意は無いわ。ただ姫が愛しくなっただけよ」
「……私の台詞を真似ているのかしら? それ」
少し頬をむくれさせながらも、永琳の手を振り払おうとはしない輝夜。
本当に、不器用な事しか言えない輝夜に、永琳は愛おしさを感じたのであった。
「~♪」
いつぞやの月の日のように、飛び跳ねるように冥界への道を飛ぶ鈴仙。
妖夢に会ったら何て声をかけようか?どんな遊びをしようか?そんな事で頭がいっぱいだった。
だから知る由もない。鈴仙は大きな失念をしている事に。
冥界への入り口には前と同じく数刻で着いた。
蝉が鳴く声や、山に住まう動物達の声を背に、冥界への境界へと飛ぶ。
着地した時には、景色が山から森へと変化していた。
「……」
前と比べ、気温だけが違う暗き森は、全てが死んでいる静寂であった。
鈴仙は緊張しながら前へと歩く。
以前は冥界へと入り込んで、少し歩いたら迎撃してきた。
おそらく、今回も同じであろう。
少し歩き、音が何もしてこない森の中を歩いていくと。
ザザザ―――――――――――――
前方から、何かが駆けてくる音が聞こえた。
それを耳で聞きながら、鈴仙は息を吸い。
「ようーーーーむーーーーー!」
あらんかぎりの大声で、前方へと呼びかける。
「! 鈴仙!?」
その声が聞こえたのか。
程なくして、楼観剣と白楼剣を抜き放っていた妖夢が鈴仙の前に現れた。
「……困ったわねぇ~」
森で鈴仙と妖夢が再び出会って数分と経っていない。
いきなり鈴仙に遊びに来られた妖夢は、嬉しさが込み上げたが、困ってしまった。
迎撃に向かったはいいが、今さっきまで庭の手入れをしていたのだ。
迎撃が終わってしまえば、再び庭の手入れをしなければならない。
そう、鈴仙が失念していた事というのは、自分が休みを取ったとしても、妖夢の日常を考えていなかったのである。
とりあえず自分に会いに来て、そのまま無下に帰すわけにもいかず、妖夢は幽々子様に駄目で元々休みをもらえないものか、鈴仙と共に居間で聞いている。
「やっぱり…駄目ですよね?」
「妖夢に会いに来た子を無下に帰すのは嫌なのだけれど…いきなり来られてもねぇ~」
せめて2、3日前に言ってほしかったと言う幽々子。
「……あ、あの」
そこで妖夢の横で共に正座をしていた鈴仙が幽々子に声をかける。
「お仕事の邪魔にならなければいいんですよね?」
「? えぇ、そうね」
「なら、二日間ここにお住まいさせて頂く代わりに、妖夢と一緒に仕事をするでは…駄目でしょうか?」
その提案に幽々子と妖夢は驚く。
「な…れ、鈴仙。客人にそのような事させられるわけが…」
「客人ではないです。妖夢の友人です」
少しむっとしてその言葉に返す鈴仙であったが、妖夢は首を振って拒否する。
「友人なら尚更仕事なんてさせられるわけがない…そもそも幽々子様が承諾するわけが…」
「あら、私はいいわよ~?」
その言葉に、バッと幽々子に振り向く妖夢。
視線の先には、ニコニコと笑顔で座っている幽々子が。
「庭の手入れや私の御飯に支障がなければ問題ないわ。自分で妖夢と一緒にお仕事をしたいと言っているのならいい案だと思うわよ~」
「………本当に、それでいいの?鈴仙」
妖夢は真剣な顔で鈴仙へと向き直る。
「妖夢と一緒にいられるなら、私はそれでいいです」
少し顔を紅くしながらそう言う鈴仙に、妖夢はそれ以上、言える事がなかった。
「……本当に、ごめんなさい。手伝わせてしまって」
あの後、鈴仙の私物を妖夢の部屋へと置いてから、庭の手入れを二人で一緒にしている。
「私が望んでしている事だから謝らないでください」
妖夢に笑いながら声をかける鈴仙。
「それに…本当にどんな形でもいいから、いっぱい一緒にいたかったのは本当ですし」
「……」
その言葉に妖夢は自分がそんなに慕われているのかという嬉しさが半分、そんなに慕われているのに友人としてちゃんと持て成せない罪悪感が半分と、結局何も言えずに目の前の作業に没頭する。
鈴仙と一緒の作業は、いつもの作業時間よりかなり短縮できる形で終わっていった。
…だからと言って、短縮出来たから、遊べる時間が出来たわけではない。
「よ~む~」
幽々子の呼びかけにより、妖夢は駆け足でそちらに走る。
鈴仙もそれに釣られるように妖夢の後を走っていった。
「お呼びですか?幽々子様」
白玉楼の縁側に立つ幽々子の元に駆け寄る妖夢と鈴仙。
「お庭の手入れは終わったかしら?」
「はい、今日は、いつになく早く終わりました」
今日はという部分を強く強調しながら報告する。
「それじゃあ……蕨餅が食べたいわ~」
「……」
呼ばれた時点で言うとは思ったが、鈴仙がいようと関係なく我侭を言う幽々子を、複雑な顔で見る。
「駄目かしら?」
「いえ、人里に降りて買ってきます」
「えぇ、お願いね」
仕事の邪魔をしなければの条件だ。最初から拒否権等ない。
「あぁ、早々、妖夢」
買いに行く準備をしようとした妖夢を呼び止める幽々子。
「なんでしょうか?」
「数は多めにお願いね。今日は三人もいるのだから」
背中越しに聞いていたのを振りかえって幽々子の顔を見る。
扇子で口元を隠しながら、笑う幽々子の顔があった。
「……はい!」
力強く幽々子に頷いて、鈴仙に向き直り、一度頷いてから白玉楼の中へと入り、買い物に行く準備をする。
「ふふふ……現金な子ね~」
ニヤニヤと、笑いが止まらない幽々子だけが縁側で立っていた。
「毎度~」
人里の菓子屋で蕨餅を大量に買い込み、二人で一袋ずつ持つ。
「こ、こんなに…?」
両手で袋を持つようにして歩く鈴仙。
「えぇ、幽々子様お一人でかなりの量をお食べになるから」
「そ、そうなんですか…」
妖夢も抱えるようにして袋を持って、鈴仙の隣を歩く。
頼んだ蕨餅の数が、二桁を超えた結果だった。
「けど、亡霊なのに食べ物を食べるなんて、何だか不思議ですね」
「幽々子様のご趣味みたいなものだから。私はもう深く考えないようにしたわ」
私も半霊だし。と一言付け加える妖夢。
「……妖夢は、生まれた頃から白玉楼にいるのですか?」
初めて長く一緒にいられる時間が出来たせいか、鈴仙は歩きながら妖夢に話かけ続ける。
「えぇ、魂魄家は代々西行寺家に仕える身…というか、先代が行方知れずになっちゃったから、なし崩し的に私が正式に白玉楼の庭師になったの」
「…ということは、強制的に任せられているのですか?」
その鈴仙の質問に妖夢は首を振って答える。
「私自身が、幽々子様のお側にいたいと思ったから強制ではないわね。鈴仙はどうなの?貴方も今の主に仕えたいから仕えているのではないの?」
「……私は」
鈴仙は、思案する。
永遠亭に着く前の自分が、フラッシュバックとなって思い出される。
月の仲間たちを裏切るようにして、永遠亭に転がりこんだあの時を。
…自分の意思で、果たして永遠亭にいるのだろうか?
「……鈴仙?」
「…今は、主の為というか…みんなが好きだから仕えています」
少し思案して、鈴仙はそう答える。
引きこもり気味の姫様、色々と多忙な師匠、悪戯好きなてゐ。
本人達の前では決して言わないが、鈴仙は皆のことを家族のように思っていた。
だから、強制でもなく、なし崩しでもない、自分の意思で、あそこにいるのだ。
「…そう」
鈴仙が笑顔でそう答えるのを見て、妖夢もニコリと笑顔になる。
その後も些細な日常の話は続いた。
迷いの竹林で兎達を統率している事、人里に薬を配っている事。
人里に降りてお菓子を買いに行ったときに子供たちとすれ違った事や、博霊神社での宴会騒ぎ等。
様々な事を話しながら歩いていると、いつの間にか、冥界まで戻ってきていた。
「今日は…いつになく多く感じますね」
白玉楼へと戻った妖夢と鈴仙は、直ぐに居間でお茶の用意をした。
袋から蕨餅を取り出していき、大皿に盛り付けて行くと、三重の段を作り出す程の大きな蕨餅の塊がテーブルの上でそびえ立った。
「いいわねぇ~これだけあると、いくらでも食べれそうだわぁ~♪」
幽々子は嬉しくそう言うと、一番上にある蕨餅を取り、口に投げ入れる。
「おいしいわねぇ」
その後も口に捨てていくように食べる幽々子を見て、鈴仙は呆然とする。
「…鈴仙も早く食べないと無くなるわよ?」
崩れていく蕨餅の山の一つを妖夢は素早く取り、幽々子のように一口とはいかないが、二口程で平らげていく。
鈴仙もそれに頷いて、蕨餅の山に手を入れ頬張る。
きなこの食感と、甘い味が口内へと広がっていき、とてもおいしく感じる。
程ない時間で蕨餅の山は主に幽々子の口の中に消えていき、大皿には一つとさえ残らなかった。
「ふぅ…それじゃあ私は自室に篭っているわぁ~お夕飯になったら呼んで頂戴」
ごゆっくり~と一言残して席を立つ幽々子。
「はい、わかりました」
いつもの事なのか、妖夢は自室へと移動する幽々子に、その場で一礼して見送る。
「……いつも、こうなのですか?」
幽々子の姿が見えなくなってから鈴仙は聞く。
「えぇ、いつもこんな感じよ。ぐーたらしているように見えるけれど、冥界の管理自体は閻魔から苦言は来た事がないし…」
「…輝夜様と似たようなものなのかな?」
師匠の主である輝夜様と幽々子…境遇が似てなくもないと思った鈴仙だった。
「さてと…」
大皿や湯のみを洗い終え、妖夢は居間に置いてある2刀の愛刀を腰に差しなおす。
「? 何をするのですか?」
「お夕飯を作る時間になるまで剣の修行…というか日課をしたいのだけど…」
少し目線をそらして、床を見る妖夢。
「……その、遊びに来たのに、本当に鈴仙に構ってあげられなくなるから…今日は」
「妖夢」
最後まで言い終える前に鈴仙は妖夢の口元に人差し指を立てた。
「さっきもいったけれど、一緒にいられるだけで私はいいから。妖夢の邪魔をしに来たわけじゃないです」
笑顔でそう言われ、妖夢は顔を赤くする。
「……れ、鈴仙。そ、そういう台詞は友人に言う台詞じゃないわ」
「? そうですか?」
「そ、そうよ」
まるで恋人に言う台詞じゃないかと言いたくなったが、そういう風に意識されているように見えたら嫌なので言わない。
「と、とにかく。それなら日課をさせてもらうけれど、鈴仙はどうするの?」
「私は、見ています」
いつものように素振りをして、いつものように演舞をしていく。
「……」
それを何度も繰り返していくのだが……。
「………あの、鈴仙?」
「はい?」
庭にある大きな石に座ってこちらを見る鈴仙に声をかける。
見られる事がこんなに緊張するものだったのか。
素振りをする時からじっと見られているのは、むずかゆかった。
おまけに演舞の時には目線は動いていないのだが、いちいち鈴仙の頭に生えている耳が動いて、どうも落ち着かない。
「見ているだけなのも飽きると思うから、一緒にやらない?」
「一緒に…ですか?」
「えぇ、竹刀を持ってくるから」
だが、鈴仙は首を振る。
「妖夢の剣技は見ていて飽きませんよ?一手一手が工夫されていて、とても綺麗に見えます」
またもそう言ってにこりと笑う鈴仙に、何も言えなくなる妖夢。
どうしてこの兎妖怪はこうも可愛くこんな事を言ってくるのだと。
「…な、ならいいけど。飽きたら言ってよ?」
高鳴る心臓を落ち着けて再び演舞に戻る。
その後も鈴仙が飽きる事なく見続け、妖夢は顔を赤くしながらも続けるのであった。
二時間程鍛錬をし、日が傾きかけた所で白玉楼へと戻った。
「じゃあ私は湯を張りに行くから…何か困った事があったら呼びに来て」
「はい!」
力強く頷いて鈴仙は夕飯を作り始める。
いつもならお湯を張るのは夕飯を仕上げてしまってからなのだが、二人で作業する上で効率よく分担作業をする事にした。
「……」
まぁそれは建前で、本音は鈴仙とあれ以上いたらどうにかなってしまいそうな自分がいたわけで……。
「………馬鹿か私は。友人にこんな感情を持ってしまうなんて」
愚痴るように言いながらも、スカートを脱いで、お湯を張る前に浴場をブラシで擦る。
白玉楼のお風呂は、お客を持て成す為に作られたためか、大きな作りとなっている。
数分で全体を磨いていき、一度水で全て洗い流してから湯を張り始める。
「………よし」
後はたまっていけば入れる事だろう。
スカートを履きなおして鈴仙の方を見に行く。
「鈴仙-そっちはどう?」
トントントンと、気持ちがよい包丁の音が聞こえる台所へと入る。
「あ、もうそっちはいいんですか?」
妖夢の声に振り返る鈴仙。
「えぇ、洗ってお湯を入れただけだから」
残りの料理を仕上げてしまおうと鈴仙の横に立つ。
「…後残っているのは、冷奴ぐらいか」
そんなに時間がかかったわけでもないのに、床に置いてあった七輪には、秋刀魚が焼かれ、鍋にはお味噌汁が既に作られていた。
「短時間でよくこれだけ…」
自分より遥かに早い作業で驚く。
「いつもはもっとたくさん作りますからねぇ。三人だけと思うと早くできました」
えへへと、笑う鈴仙は、七輪で焼いていた秋刀魚をお皿に盛り付けていく。
私も豆腐を三人分に分け、葱を短く切ってその上に盛り付ける。
それをお味噌汁が入った鍋や、予め炊いておいた御飯等を居間へと運び、盛り付けた料理をテーブルに置いていく。
「それじゃあ、幽々子様を呼んでくるわ」
「はい、私は御飯とお味噌汁を盛り付けておきますね」
夕飯の準備が整ったのを確認して、幽々子様の自室へと向かう。
廊下で幽々子様の部屋の襖を二度ノックする。
「幽々子様、夕御飯の支度が出来ました」
少しの間返事を待ち、中で動くような音が聞こえるのを耳で確認する。
「…はぁ~い」
気の抜けた返事と共に襖が開く。
案の定、寝起きの顔の幽々子様が立っていた。
「ご馳走様でした~」
行儀良く手を合わせ、何も残す事なく三人は食べ終わった。
「妖夢とはまた違った味付けでおいしかったわぁ~」
夕食後のお茶を飲みながら幽々子は機嫌良く感想を述べる。
「ありがとうございます」
食べ終わった食器を、片付けながら礼をする鈴仙。
「幽々子様、お風呂ももう沸いているので入っちゃってください」
「あら?それならお先に入らせてもらうわねぇ~」
機嫌良くそのまま席を立ち、お風呂の方へと消えていく幽々子。
それを見送りながら二人で食器を洗う。
「幽々子様が入り終わったら、鈴仙が先にお風呂どうぞ」
「…それなんですけど」
食器を洗いながら鈴仙は妖夢と目を合わせずに。
「……一緒に、お風呂入りませんか?」
そんな事を、言った。
「…………え? 今、なんて?」
妖夢は自分の耳がおかしくなったのかと思い、もう一度聞きなおす。
「…お風呂、一緒に入ってはくれませんか?」
頬を紅潮させながら言う鈴仙に、妖夢は、心臓が早鐘に鳴っていく中。
「い、いいわよ」
そんな風に返した。
「「………」」
脱衣場から、既に沈黙は始まっていた。
どちらとも恥ずかしいせいか、目を合わせようとせず、服を脱ぎ、タオルで身体を隠し、身体を洗おうと浴槽の横で石鹸を泡立てる。
「あ、あの…!」
沈黙を破ったのは鈴仙だった。
「な、なに?」
声をかけられ、お風呂場に入って初めて鈴仙と目を合わせる。
「あ、あ、洗いっこしませんか!?」
「……は?」
だが、突拍子もないその言葉に、再び石化するはめになる妖夢。
「………あ、洗いっこ?」
「はい!」
鈴仙は自分で言っている事が恥ずかしいのか、頬が赤くなっているが、それは、妖夢も同じ事だ。
「…つまり、私の身体を、鈴仙に洗ってもらうという事よね?」
妖夢のその言葉に鈴仙は強く頷く。
「………駄目、ですか?」
不安げにそう言われ、妖夢は拒否をする選択肢を、断ち切られたようなものだった。
「…鈴仙が、そうしたいのなら」
「じゃ、じゃあ失礼しますね」
妖夢の後ろへと移動し、鈴仙は石鹸で泡を立てた手を妖夢の髪の上に添える。
「痛かったら、言ってくださいね」
ワシャワシャと、優しい手つきで妖夢の髪を洗っていく。
「……」
妖夢は目を閉じて自分の髪が洗われていく音を聞いていた。
「流しますねー」
湯桶を手に取り、妖夢の頭にお湯をかける。
「……ん」
首を振ったり、目を手で擦ったりしてお湯を払っていく。
「今度は身体を洗うので、タオルを取ってください」
「……」
なすがままとはこの事なのか。
妖夢は言われた通り、自分の身体にまかれたタオルを取り払い、洗われるのを待つ。
「……あの、鈴仙」
「はい?」
スポンジに石鹸の泡を染み込ませていた鈴仙に、振り向かずに声をかける。
「その…前だけ自分で洗わせてくれない?」
流石に前を洗わすのは気が引ける上に、恥ずかしいと思った妖夢であった。
「あ…そ、そうですね。じゃあ背中だけ洗います」
鈴仙もそれを察したのか、背中の方へとスポンジを滑らせていく。
「……」
妖夢も顔を紅くしながらも、スポンジを手に持ち、自分の前の方を洗っていく。
「流しますよー」
ザバーと、再び鈴仙がお湯を、今度は妖夢の背中から身体にかけて洗い終える。
「………それじゃあ、今度は鈴仙の番ね」
タオルを再び身体に巻きなおし、妖夢はその場で立ち上がると、不気味な笑みをする。
「…へ? あ、あの、私はいいですよ?」
「自分で洗いっこって言ったじゃないー……いいから、私が恥ずかしかったのを味わえー!」
洗われるのがそんなに恥ずかしかったのか、妖夢は鈴仙を無理やり座らせると、鈴仙の髪と頭に生えている耳を洗っていく。
「きゃん…!」
耳がくすぐったいのか、触られるだけで声を上げる鈴仙。
「痛かったら言いなさいよー」
それだけ言うと、妖夢も鈴仙がしたように優しく髪を洗っていく。
「い、痛くはないんですが……」
耳を触られると度々ビクリと、身体全体を震わす鈴仙。
「………」
そんな鈴仙を見て、妖夢は耳を一際強く触ってみた。
「ふあっ!?」
驚いたように声を上げて妖夢の方へと振り返る。
「…耳は、耳は本当にやめてください」
泡で目を閉じたままの状態で懇願する鈴仙。
「………ごめん、少し、調子に乗りすぎたわ」
お湯を頭の上からかけて鈴仙の髪と耳を洗い流す。
「背中、洗うわね」
まかれているタオルを取り払って、鈴仙の背中を洗っていく。
鈴仙も何も言わずに自分で前を洗っていき、程なくしてお湯を身体にかけて泡を洗いながしていった。
「ふぅ……」
身体をどちらとも洗い終えて、二人で湯船へと浸かる。
「……気持ちいいですね」
「そうね」
疲れを湯船で消すように、二人は顔まで浸かるようにして入る。
「………妖夢」
「……何?」
目線はどちらとも前方。視線を合わさないようにして話す両者。
「…明日の朝に、私、帰ります」
「………」
「その、やっぱり迷惑だったかなって。いきなり押しかけてしまって」
…何で、こんな事を言うのだろう?
「別に、迷惑だなんて思ってないけれど」
「…でも、我侭を言ってしまっているみたいで」
「………本当に」
はっきりと言わないと伝わらないのが、鈴仙の欠点だ。
「鈴仙」
「はい……?」
「私と貴方は何?」
「………友達、です」
その言葉に、妖夢は顔を鈴仙の方に向きながら、ニコリと笑う。
「わかっているじゃない…友達の我侭ぐらい、聞いてあげるわ。だからそんな悲しい事を言わないで、迷惑だなんて思ってないし、それに」
一度そこで言葉を切り。
「押しかけても、来てくれたのは嬉しかったのよ?」
それだけ言って、湯船から出る。
「……」
鈴仙はそれに何も返さない。
ただ同じように湯船から出たときの顔は、とても嬉しそうな顔だった。
楽しい時間程早く流れていくものだと、私は思う。
あのお風呂で言われた後から、一緒に寝て、一緒に起きて、朝の支度をして庭のお手入れをしたら、もうお昼時。
二日間しかお休みを貰えなかった私は、そろそろ帰らなければならない。
「お世話になりました」
白玉楼での玄関で、妖夢と幽々子に挨拶をする。
「いぇいぇ~。また今度遊びにいらっしゃい。日を言ってくれれば妖夢にもお休みを渡せるようにしてあげるから」
「はい」
私は妖夢の方へと向く。
「…今度は私が遊びに行くから」
「…はい、待っています」
妖夢と別れの抱擁をし、名残惜しかったが、白玉楼から出る。
「またねーーーーーーー! 必ず、会いに行くからーーー!」
大きな声で玄関から妖夢は手を振って私を見送り続ける。
私はその姿が見えなくなるまで、手を振り返していた。
最初は来て迷惑かな? 我侭を言っているよねと思ったが。
今は、来てよかったと思う。初めて私と妖夢は、友達らしい日常を共に味わったのだから。
#「タイトル通り、月見酒の設定そのまま持ってきたので、真面目にお読みになる方は作品集41の月見酒をお読みになってから詠んだ方がいいかと思われます」
#「この設定で無理ッスwwwwと思う方はプラウザでお戻りになる事をお勧めします」
あの出来事から数ヶ月が経った。
お酒を飲み交わし、友達になってくれと告白されたあの日から。
しかし、日常はあまり変わらない。
永遠亭で今も私は薬師の師である永琳様の元で助手を勤めている。
仮にも迷いの竹林の中で住まう兎達のリーダー格である私は、早々妖夢の元に遊びにはいけない身である。
それは、妖夢も同じようであった。
白玉楼で主である幽々子の世話や、広大な庭の手入れ等。
共に忙しい身で、休む暇は皆無の為、ちゃんとした時間を取って会う事が出来ないでいた。
「休暇が欲しいですって?」
「…はい、真に身勝手なお願いなのですが…」
このままでは会えないと思った鈴仙は、床に頭を摩り付けるように土下座をして、永琳に休暇を頼み込んだ。
「……休んで白玉楼に行くのね?」
永琳は溜息を吐きながら土下座をする鈴仙を見る。
妖夢と友人になったという話は、白玉楼から帰ってきた鈴仙の口から、輝夜と永琳は聞いていた。
「……うどんげ、落胆させるようで悪いけれど、医者の仕事はそう簡単に休めるものではないわ。ましてや、貴方は仮にもこの永遠亭で兎達を統率するリーダーなのよ?」
正論を言われ、鈴仙は床に顔を擦り付けながら落胆するが、土下座を解こうとはしなかった。
「それは…わかっています。ですが、お願いです。どうか、少しの間だけお休みをください」
土下座を解こうとしない鈴仙を見て、再び溜息を吐く永琳。
「………そんなに会いたいの?」
「会いたいです」
迷う事なく即答する。
「…………はぁ」
永琳は机に向き直り、何か、確認しているようであった。
「……そうね。後三日、後三日頑張ってくれれば、新しい患者が増えても私とてゐでどうにか出来るわ」
「じゃ、じゃあ!?」
その言葉に、鈴仙は顔を上げる。
「休めても二日よ。それ以上休もうとしたら…どうなるか覚えてなさい」
「あ、ありがとうございます!」
再び床に頭を擦りつける程に感謝する鈴仙。
そんな鈴仙を見て、再び溜息を吐きながらも、微笑んでいる永琳であった。
「……ふぅ」
庭の手入れも午前からやっていたおかげか、日が落ちる前には終わる事が出来た。
梅雨が続いていたあの時から比べて、今は夏真っ盛り。庭の雑草の増殖率は、二倍以上に増えていた。
庭の手入れから戻り、白玉楼へと戻る時に、ふと縁側を見る。
「……」
お酒で酔っていたとはいえ、友達になろうと、鈴仙に言った場所。
「………友達らしい事なんて、出来てないわよね」
あの後も何かしら人里に寄るときに来てくれるが、庭の手入れや幽々子様のお世話を止められるわけもなく、纏まった時間が取れない。
本当に友達らしい事が出来ない自分がもどかしかった。
「では、行ってきます!」
土下座をしてから三日後。
あの後鈴仙はいつになく張り切り、ノルマとなる三日間を問題なく終わらせた。
服装はいつものブレザーにスカートと同じだが、背中には大きな袋を背負っている。
「気をつけていくのよ」
「しっかりやりなさい」
永遠亭の入り口で見送りをする永琳と輝夜。
「はい!」
それに後ろを振り返りながら手を振り続ける鈴仙。
姿が見えなくなるまで、永琳と輝夜はその場に留まった。
「……所で姫、何でしっかりやりなさいなの?」
姿が見えなくなってから永琳は横にいる輝夜に問う。
「別に他意はないわよ? ただ、しっかり心を鷲掴みにしたほうが面白いじゃない」
うどんげは、面白くないんじゃと言う言葉を飲み込みつつ、横にいる輝夜が、うどんげと妖夢がちゃんとした友達の関係になるのを望んでいる事に、永琳は今の台詞で気がついた。
「………」
何も言わずに、永琳は輝夜の肩を抱く。
「? どうしたの? 永琳」
「他意は無いわ。ただ姫が愛しくなっただけよ」
「……私の台詞を真似ているのかしら? それ」
少し頬をむくれさせながらも、永琳の手を振り払おうとはしない輝夜。
本当に、不器用な事しか言えない輝夜に、永琳は愛おしさを感じたのであった。
「~♪」
いつぞやの月の日のように、飛び跳ねるように冥界への道を飛ぶ鈴仙。
妖夢に会ったら何て声をかけようか?どんな遊びをしようか?そんな事で頭がいっぱいだった。
だから知る由もない。鈴仙は大きな失念をしている事に。
冥界への入り口には前と同じく数刻で着いた。
蝉が鳴く声や、山に住まう動物達の声を背に、冥界への境界へと飛ぶ。
着地した時には、景色が山から森へと変化していた。
「……」
前と比べ、気温だけが違う暗き森は、全てが死んでいる静寂であった。
鈴仙は緊張しながら前へと歩く。
以前は冥界へと入り込んで、少し歩いたら迎撃してきた。
おそらく、今回も同じであろう。
少し歩き、音が何もしてこない森の中を歩いていくと。
ザザザ―――――――――――――
前方から、何かが駆けてくる音が聞こえた。
それを耳で聞きながら、鈴仙は息を吸い。
「ようーーーーむーーーーー!」
あらんかぎりの大声で、前方へと呼びかける。
「! 鈴仙!?」
その声が聞こえたのか。
程なくして、楼観剣と白楼剣を抜き放っていた妖夢が鈴仙の前に現れた。
「……困ったわねぇ~」
森で鈴仙と妖夢が再び出会って数分と経っていない。
いきなり鈴仙に遊びに来られた妖夢は、嬉しさが込み上げたが、困ってしまった。
迎撃に向かったはいいが、今さっきまで庭の手入れをしていたのだ。
迎撃が終わってしまえば、再び庭の手入れをしなければならない。
そう、鈴仙が失念していた事というのは、自分が休みを取ったとしても、妖夢の日常を考えていなかったのである。
とりあえず自分に会いに来て、そのまま無下に帰すわけにもいかず、妖夢は幽々子様に駄目で元々休みをもらえないものか、鈴仙と共に居間で聞いている。
「やっぱり…駄目ですよね?」
「妖夢に会いに来た子を無下に帰すのは嫌なのだけれど…いきなり来られてもねぇ~」
せめて2、3日前に言ってほしかったと言う幽々子。
「……あ、あの」
そこで妖夢の横で共に正座をしていた鈴仙が幽々子に声をかける。
「お仕事の邪魔にならなければいいんですよね?」
「? えぇ、そうね」
「なら、二日間ここにお住まいさせて頂く代わりに、妖夢と一緒に仕事をするでは…駄目でしょうか?」
その提案に幽々子と妖夢は驚く。
「な…れ、鈴仙。客人にそのような事させられるわけが…」
「客人ではないです。妖夢の友人です」
少しむっとしてその言葉に返す鈴仙であったが、妖夢は首を振って拒否する。
「友人なら尚更仕事なんてさせられるわけがない…そもそも幽々子様が承諾するわけが…」
「あら、私はいいわよ~?」
その言葉に、バッと幽々子に振り向く妖夢。
視線の先には、ニコニコと笑顔で座っている幽々子が。
「庭の手入れや私の御飯に支障がなければ問題ないわ。自分で妖夢と一緒にお仕事をしたいと言っているのならいい案だと思うわよ~」
「………本当に、それでいいの?鈴仙」
妖夢は真剣な顔で鈴仙へと向き直る。
「妖夢と一緒にいられるなら、私はそれでいいです」
少し顔を紅くしながらそう言う鈴仙に、妖夢はそれ以上、言える事がなかった。
「……本当に、ごめんなさい。手伝わせてしまって」
あの後、鈴仙の私物を妖夢の部屋へと置いてから、庭の手入れを二人で一緒にしている。
「私が望んでしている事だから謝らないでください」
妖夢に笑いながら声をかける鈴仙。
「それに…本当にどんな形でもいいから、いっぱい一緒にいたかったのは本当ですし」
「……」
その言葉に妖夢は自分がそんなに慕われているのかという嬉しさが半分、そんなに慕われているのに友人としてちゃんと持て成せない罪悪感が半分と、結局何も言えずに目の前の作業に没頭する。
鈴仙と一緒の作業は、いつもの作業時間よりかなり短縮できる形で終わっていった。
…だからと言って、短縮出来たから、遊べる時間が出来たわけではない。
「よ~む~」
幽々子の呼びかけにより、妖夢は駆け足でそちらに走る。
鈴仙もそれに釣られるように妖夢の後を走っていった。
「お呼びですか?幽々子様」
白玉楼の縁側に立つ幽々子の元に駆け寄る妖夢と鈴仙。
「お庭の手入れは終わったかしら?」
「はい、今日は、いつになく早く終わりました」
今日はという部分を強く強調しながら報告する。
「それじゃあ……蕨餅が食べたいわ~」
「……」
呼ばれた時点で言うとは思ったが、鈴仙がいようと関係なく我侭を言う幽々子を、複雑な顔で見る。
「駄目かしら?」
「いえ、人里に降りて買ってきます」
「えぇ、お願いね」
仕事の邪魔をしなければの条件だ。最初から拒否権等ない。
「あぁ、早々、妖夢」
買いに行く準備をしようとした妖夢を呼び止める幽々子。
「なんでしょうか?」
「数は多めにお願いね。今日は三人もいるのだから」
背中越しに聞いていたのを振りかえって幽々子の顔を見る。
扇子で口元を隠しながら、笑う幽々子の顔があった。
「……はい!」
力強く幽々子に頷いて、鈴仙に向き直り、一度頷いてから白玉楼の中へと入り、買い物に行く準備をする。
「ふふふ……現金な子ね~」
ニヤニヤと、笑いが止まらない幽々子だけが縁側で立っていた。
「毎度~」
人里の菓子屋で蕨餅を大量に買い込み、二人で一袋ずつ持つ。
「こ、こんなに…?」
両手で袋を持つようにして歩く鈴仙。
「えぇ、幽々子様お一人でかなりの量をお食べになるから」
「そ、そうなんですか…」
妖夢も抱えるようにして袋を持って、鈴仙の隣を歩く。
頼んだ蕨餅の数が、二桁を超えた結果だった。
「けど、亡霊なのに食べ物を食べるなんて、何だか不思議ですね」
「幽々子様のご趣味みたいなものだから。私はもう深く考えないようにしたわ」
私も半霊だし。と一言付け加える妖夢。
「……妖夢は、生まれた頃から白玉楼にいるのですか?」
初めて長く一緒にいられる時間が出来たせいか、鈴仙は歩きながら妖夢に話かけ続ける。
「えぇ、魂魄家は代々西行寺家に仕える身…というか、先代が行方知れずになっちゃったから、なし崩し的に私が正式に白玉楼の庭師になったの」
「…ということは、強制的に任せられているのですか?」
その鈴仙の質問に妖夢は首を振って答える。
「私自身が、幽々子様のお側にいたいと思ったから強制ではないわね。鈴仙はどうなの?貴方も今の主に仕えたいから仕えているのではないの?」
「……私は」
鈴仙は、思案する。
永遠亭に着く前の自分が、フラッシュバックとなって思い出される。
月の仲間たちを裏切るようにして、永遠亭に転がりこんだあの時を。
…自分の意思で、果たして永遠亭にいるのだろうか?
「……鈴仙?」
「…今は、主の為というか…みんなが好きだから仕えています」
少し思案して、鈴仙はそう答える。
引きこもり気味の姫様、色々と多忙な師匠、悪戯好きなてゐ。
本人達の前では決して言わないが、鈴仙は皆のことを家族のように思っていた。
だから、強制でもなく、なし崩しでもない、自分の意思で、あそこにいるのだ。
「…そう」
鈴仙が笑顔でそう答えるのを見て、妖夢もニコリと笑顔になる。
その後も些細な日常の話は続いた。
迷いの竹林で兎達を統率している事、人里に薬を配っている事。
人里に降りてお菓子を買いに行ったときに子供たちとすれ違った事や、博霊神社での宴会騒ぎ等。
様々な事を話しながら歩いていると、いつの間にか、冥界まで戻ってきていた。
「今日は…いつになく多く感じますね」
白玉楼へと戻った妖夢と鈴仙は、直ぐに居間でお茶の用意をした。
袋から蕨餅を取り出していき、大皿に盛り付けて行くと、三重の段を作り出す程の大きな蕨餅の塊がテーブルの上でそびえ立った。
「いいわねぇ~これだけあると、いくらでも食べれそうだわぁ~♪」
幽々子は嬉しくそう言うと、一番上にある蕨餅を取り、口に投げ入れる。
「おいしいわねぇ」
その後も口に捨てていくように食べる幽々子を見て、鈴仙は呆然とする。
「…鈴仙も早く食べないと無くなるわよ?」
崩れていく蕨餅の山の一つを妖夢は素早く取り、幽々子のように一口とはいかないが、二口程で平らげていく。
鈴仙もそれに頷いて、蕨餅の山に手を入れ頬張る。
きなこの食感と、甘い味が口内へと広がっていき、とてもおいしく感じる。
程ない時間で蕨餅の山は主に幽々子の口の中に消えていき、大皿には一つとさえ残らなかった。
「ふぅ…それじゃあ私は自室に篭っているわぁ~お夕飯になったら呼んで頂戴」
ごゆっくり~と一言残して席を立つ幽々子。
「はい、わかりました」
いつもの事なのか、妖夢は自室へと移動する幽々子に、その場で一礼して見送る。
「……いつも、こうなのですか?」
幽々子の姿が見えなくなってから鈴仙は聞く。
「えぇ、いつもこんな感じよ。ぐーたらしているように見えるけれど、冥界の管理自体は閻魔から苦言は来た事がないし…」
「…輝夜様と似たようなものなのかな?」
師匠の主である輝夜様と幽々子…境遇が似てなくもないと思った鈴仙だった。
「さてと…」
大皿や湯のみを洗い終え、妖夢は居間に置いてある2刀の愛刀を腰に差しなおす。
「? 何をするのですか?」
「お夕飯を作る時間になるまで剣の修行…というか日課をしたいのだけど…」
少し目線をそらして、床を見る妖夢。
「……その、遊びに来たのに、本当に鈴仙に構ってあげられなくなるから…今日は」
「妖夢」
最後まで言い終える前に鈴仙は妖夢の口元に人差し指を立てた。
「さっきもいったけれど、一緒にいられるだけで私はいいから。妖夢の邪魔をしに来たわけじゃないです」
笑顔でそう言われ、妖夢は顔を赤くする。
「……れ、鈴仙。そ、そういう台詞は友人に言う台詞じゃないわ」
「? そうですか?」
「そ、そうよ」
まるで恋人に言う台詞じゃないかと言いたくなったが、そういう風に意識されているように見えたら嫌なので言わない。
「と、とにかく。それなら日課をさせてもらうけれど、鈴仙はどうするの?」
「私は、見ています」
いつものように素振りをして、いつものように演舞をしていく。
「……」
それを何度も繰り返していくのだが……。
「………あの、鈴仙?」
「はい?」
庭にある大きな石に座ってこちらを見る鈴仙に声をかける。
見られる事がこんなに緊張するものだったのか。
素振りをする時からじっと見られているのは、むずかゆかった。
おまけに演舞の時には目線は動いていないのだが、いちいち鈴仙の頭に生えている耳が動いて、どうも落ち着かない。
「見ているだけなのも飽きると思うから、一緒にやらない?」
「一緒に…ですか?」
「えぇ、竹刀を持ってくるから」
だが、鈴仙は首を振る。
「妖夢の剣技は見ていて飽きませんよ?一手一手が工夫されていて、とても綺麗に見えます」
またもそう言ってにこりと笑う鈴仙に、何も言えなくなる妖夢。
どうしてこの兎妖怪はこうも可愛くこんな事を言ってくるのだと。
「…な、ならいいけど。飽きたら言ってよ?」
高鳴る心臓を落ち着けて再び演舞に戻る。
その後も鈴仙が飽きる事なく見続け、妖夢は顔を赤くしながらも続けるのであった。
二時間程鍛錬をし、日が傾きかけた所で白玉楼へと戻った。
「じゃあ私は湯を張りに行くから…何か困った事があったら呼びに来て」
「はい!」
力強く頷いて鈴仙は夕飯を作り始める。
いつもならお湯を張るのは夕飯を仕上げてしまってからなのだが、二人で作業する上で効率よく分担作業をする事にした。
「……」
まぁそれは建前で、本音は鈴仙とあれ以上いたらどうにかなってしまいそうな自分がいたわけで……。
「………馬鹿か私は。友人にこんな感情を持ってしまうなんて」
愚痴るように言いながらも、スカートを脱いで、お湯を張る前に浴場をブラシで擦る。
白玉楼のお風呂は、お客を持て成す為に作られたためか、大きな作りとなっている。
数分で全体を磨いていき、一度水で全て洗い流してから湯を張り始める。
「………よし」
後はたまっていけば入れる事だろう。
スカートを履きなおして鈴仙の方を見に行く。
「鈴仙-そっちはどう?」
トントントンと、気持ちがよい包丁の音が聞こえる台所へと入る。
「あ、もうそっちはいいんですか?」
妖夢の声に振り返る鈴仙。
「えぇ、洗ってお湯を入れただけだから」
残りの料理を仕上げてしまおうと鈴仙の横に立つ。
「…後残っているのは、冷奴ぐらいか」
そんなに時間がかかったわけでもないのに、床に置いてあった七輪には、秋刀魚が焼かれ、鍋にはお味噌汁が既に作られていた。
「短時間でよくこれだけ…」
自分より遥かに早い作業で驚く。
「いつもはもっとたくさん作りますからねぇ。三人だけと思うと早くできました」
えへへと、笑う鈴仙は、七輪で焼いていた秋刀魚をお皿に盛り付けていく。
私も豆腐を三人分に分け、葱を短く切ってその上に盛り付ける。
それをお味噌汁が入った鍋や、予め炊いておいた御飯等を居間へと運び、盛り付けた料理をテーブルに置いていく。
「それじゃあ、幽々子様を呼んでくるわ」
「はい、私は御飯とお味噌汁を盛り付けておきますね」
夕飯の準備が整ったのを確認して、幽々子様の自室へと向かう。
廊下で幽々子様の部屋の襖を二度ノックする。
「幽々子様、夕御飯の支度が出来ました」
少しの間返事を待ち、中で動くような音が聞こえるのを耳で確認する。
「…はぁ~い」
気の抜けた返事と共に襖が開く。
案の定、寝起きの顔の幽々子様が立っていた。
「ご馳走様でした~」
行儀良く手を合わせ、何も残す事なく三人は食べ終わった。
「妖夢とはまた違った味付けでおいしかったわぁ~」
夕食後のお茶を飲みながら幽々子は機嫌良く感想を述べる。
「ありがとうございます」
食べ終わった食器を、片付けながら礼をする鈴仙。
「幽々子様、お風呂ももう沸いているので入っちゃってください」
「あら?それならお先に入らせてもらうわねぇ~」
機嫌良くそのまま席を立ち、お風呂の方へと消えていく幽々子。
それを見送りながら二人で食器を洗う。
「幽々子様が入り終わったら、鈴仙が先にお風呂どうぞ」
「…それなんですけど」
食器を洗いながら鈴仙は妖夢と目を合わせずに。
「……一緒に、お風呂入りませんか?」
そんな事を、言った。
「…………え? 今、なんて?」
妖夢は自分の耳がおかしくなったのかと思い、もう一度聞きなおす。
「…お風呂、一緒に入ってはくれませんか?」
頬を紅潮させながら言う鈴仙に、妖夢は、心臓が早鐘に鳴っていく中。
「い、いいわよ」
そんな風に返した。
「「………」」
脱衣場から、既に沈黙は始まっていた。
どちらとも恥ずかしいせいか、目を合わせようとせず、服を脱ぎ、タオルで身体を隠し、身体を洗おうと浴槽の横で石鹸を泡立てる。
「あ、あの…!」
沈黙を破ったのは鈴仙だった。
「な、なに?」
声をかけられ、お風呂場に入って初めて鈴仙と目を合わせる。
「あ、あ、洗いっこしませんか!?」
「……は?」
だが、突拍子もないその言葉に、再び石化するはめになる妖夢。
「………あ、洗いっこ?」
「はい!」
鈴仙は自分で言っている事が恥ずかしいのか、頬が赤くなっているが、それは、妖夢も同じ事だ。
「…つまり、私の身体を、鈴仙に洗ってもらうという事よね?」
妖夢のその言葉に鈴仙は強く頷く。
「………駄目、ですか?」
不安げにそう言われ、妖夢は拒否をする選択肢を、断ち切られたようなものだった。
「…鈴仙が、そうしたいのなら」
「じゃ、じゃあ失礼しますね」
妖夢の後ろへと移動し、鈴仙は石鹸で泡を立てた手を妖夢の髪の上に添える。
「痛かったら、言ってくださいね」
ワシャワシャと、優しい手つきで妖夢の髪を洗っていく。
「……」
妖夢は目を閉じて自分の髪が洗われていく音を聞いていた。
「流しますねー」
湯桶を手に取り、妖夢の頭にお湯をかける。
「……ん」
首を振ったり、目を手で擦ったりしてお湯を払っていく。
「今度は身体を洗うので、タオルを取ってください」
「……」
なすがままとはこの事なのか。
妖夢は言われた通り、自分の身体にまかれたタオルを取り払い、洗われるのを待つ。
「……あの、鈴仙」
「はい?」
スポンジに石鹸の泡を染み込ませていた鈴仙に、振り向かずに声をかける。
「その…前だけ自分で洗わせてくれない?」
流石に前を洗わすのは気が引ける上に、恥ずかしいと思った妖夢であった。
「あ…そ、そうですね。じゃあ背中だけ洗います」
鈴仙もそれを察したのか、背中の方へとスポンジを滑らせていく。
「……」
妖夢も顔を紅くしながらも、スポンジを手に持ち、自分の前の方を洗っていく。
「流しますよー」
ザバーと、再び鈴仙がお湯を、今度は妖夢の背中から身体にかけて洗い終える。
「………それじゃあ、今度は鈴仙の番ね」
タオルを再び身体に巻きなおし、妖夢はその場で立ち上がると、不気味な笑みをする。
「…へ? あ、あの、私はいいですよ?」
「自分で洗いっこって言ったじゃないー……いいから、私が恥ずかしかったのを味わえー!」
洗われるのがそんなに恥ずかしかったのか、妖夢は鈴仙を無理やり座らせると、鈴仙の髪と頭に生えている耳を洗っていく。
「きゃん…!」
耳がくすぐったいのか、触られるだけで声を上げる鈴仙。
「痛かったら言いなさいよー」
それだけ言うと、妖夢も鈴仙がしたように優しく髪を洗っていく。
「い、痛くはないんですが……」
耳を触られると度々ビクリと、身体全体を震わす鈴仙。
「………」
そんな鈴仙を見て、妖夢は耳を一際強く触ってみた。
「ふあっ!?」
驚いたように声を上げて妖夢の方へと振り返る。
「…耳は、耳は本当にやめてください」
泡で目を閉じたままの状態で懇願する鈴仙。
「………ごめん、少し、調子に乗りすぎたわ」
お湯を頭の上からかけて鈴仙の髪と耳を洗い流す。
「背中、洗うわね」
まかれているタオルを取り払って、鈴仙の背中を洗っていく。
鈴仙も何も言わずに自分で前を洗っていき、程なくしてお湯を身体にかけて泡を洗いながしていった。
「ふぅ……」
身体をどちらとも洗い終えて、二人で湯船へと浸かる。
「……気持ちいいですね」
「そうね」
疲れを湯船で消すように、二人は顔まで浸かるようにして入る。
「………妖夢」
「……何?」
目線はどちらとも前方。視線を合わさないようにして話す両者。
「…明日の朝に、私、帰ります」
「………」
「その、やっぱり迷惑だったかなって。いきなり押しかけてしまって」
…何で、こんな事を言うのだろう?
「別に、迷惑だなんて思ってないけれど」
「…でも、我侭を言ってしまっているみたいで」
「………本当に」
はっきりと言わないと伝わらないのが、鈴仙の欠点だ。
「鈴仙」
「はい……?」
「私と貴方は何?」
「………友達、です」
その言葉に、妖夢は顔を鈴仙の方に向きながら、ニコリと笑う。
「わかっているじゃない…友達の我侭ぐらい、聞いてあげるわ。だからそんな悲しい事を言わないで、迷惑だなんて思ってないし、それに」
一度そこで言葉を切り。
「押しかけても、来てくれたのは嬉しかったのよ?」
それだけ言って、湯船から出る。
「……」
鈴仙はそれに何も返さない。
ただ同じように湯船から出たときの顔は、とても嬉しそうな顔だった。
楽しい時間程早く流れていくものだと、私は思う。
あのお風呂で言われた後から、一緒に寝て、一緒に起きて、朝の支度をして庭のお手入れをしたら、もうお昼時。
二日間しかお休みを貰えなかった私は、そろそろ帰らなければならない。
「お世話になりました」
白玉楼での玄関で、妖夢と幽々子に挨拶をする。
「いぇいぇ~。また今度遊びにいらっしゃい。日を言ってくれれば妖夢にもお休みを渡せるようにしてあげるから」
「はい」
私は妖夢の方へと向く。
「…今度は私が遊びに行くから」
「…はい、待っています」
妖夢と別れの抱擁をし、名残惜しかったが、白玉楼から出る。
「またねーーーーーーー! 必ず、会いに行くからーーー!」
大きな声で玄関から妖夢は手を振って私を見送り続ける。
私はその姿が見えなくなるまで、手を振り返していた。
最初は来て迷惑かな? 我侭を言っているよねと思ったが。
今は、来てよかったと思う。初めて私と妖夢は、友達らしい日常を共に味わったのだから。
甘口は大好物です。正座して待ちます。
お体におきをつけて頑張ってください
ハッピーエンドや甘々な作品が好きな私としては七氏さんの作品は楽しく読ませていただいてます。人なんて様々でいろいろのコメントがあるでしょうが全てを自分の糧にしてよりよい作品を書いていただけることを期待してます。
ところで永琳は従者なのに敬語を使わなくていんですか?
それも結構人気作家のデビュー作。過去作ぐらい検索しといた方がいいんじゃないですか? 多分、みんなあなたの態度の悪さに怒っているんだと思いますよ。カンに触ることがあったとしても、ヤクザみたいな文面を書くのはお止めなさい。
蛾雨などと他の方の名前を間違えるのは論外だと思います。
簡潔に一方的に述べさせていただきます。作品の評価とは言えないので点数は付けません。
今回の件で私はあなたが大嫌いになりました。なので二度とあなたの作品は読みません。さようなら
ところであなた最初の作品のあとがきに
「ゲーム本編とかやったことなくて超適当に書いてるけど許してちょんまげ^^;」
とか書いていらっしゃいませんでしたっけ?
誤解(?)を招いた元はそれだと思いますが。
作品の感想だけ
いやぁよかったかんどうした
>19:12:06の人
とりあえず作品集15に行って「月見酒」で検索かけてくるといい。
まして自分の悪い部分を指摘されて逆切れするなら尚更。
そもそも最初に、こういう二次創作の場ではかなりタブーとなっている
「原作まったくやってないのに書いてます」的な事を書いちゃってる以上
そういう部分を指摘されて怒るのは大分おかしいと思いますが。
あと、鈴仙は永遠亭の妖怪兎共にまったく相手にされてなく
妖怪兎の統率は全ててゐに任せている、みたいな設定がありませんでしたか?
文花帖の鈴仙の記事に。
なので独自の設定って事で良いと思います。
この二人の設定・関係は好きですし、この話はとても良かったです。
コメント等で色々ああるようですが、受流した方が無難かと。
チラシの裏で良いんじゃないかと思いました。
それと公式ブレーカーと公式を知らずに創作するのではまったく別だと思います。
ちょっと設定が違う平行世界的な物として考えれば十二分に許容範囲内。
こういう流れは好きです
しかし後書きも作品のうちと考えてますので今回はこの点数で。
独自設定も、キャラが壊れたままシリアスやったりしない限り好きにすればいい。
公式をなぞってないけど面白い作品はたくさんある。これがそうだとは言わないが。
ここまで場が荒れてるのは作品のせいじゃなく、作者の態度の問題だってのはもうわかってると思う。
叩きはやりすぎかもしれないが、作者の態度だって褒められたものじゃなかった。
あとは誠意の問題だったのを、こんな愚痴で致命的な事態にしたのはあなただ。
後書きを見るな作品を見ろ? なら後書きを書かないで欲しい。
書くにしても、読後感を台無しにするような後書きは勘弁してもらいたい。
作品を読んだあとで、後書きで嫌な気分にされて。
休みとって出かけた旅行先に、修学旅行の中高生がいた時のような気分だ。
一言二言ぐらい言いたくもなる。これは一言二言レベルじゃないけれど。
作家が見てもらいたいのは作品であって後書きじゃない。
同様に作家が語るべきなのは作品の中であって後書きじゃない。
なら後書きの存在意義は?
意見は色々あるとは思うが少なくとも、こんな糞みたいな愚痴をたれながすところじゃない。それだけは確かだ。
見るなと言ってもここまで臭ってくる。
今度から、後書きは白紙で投稿することをお薦めする、本気で。
こんなことを書くぐらいなら、よほどマシ。
内容は50、後書きで嫌な気分にされた分マイナス30。
いっそほとぼりが冷めた頃に名前も変えて、今度は姿勢を間違えずに新しくやっていく方がいいかもわからんね。
苛々の感情をぶつけるために作品・後書きを書かないで下さい。作品が可哀想。
親に望まれずに生まれてきてしまった子はとても不幸ですよ。(なお周囲から必要とされるようになれば幸せになれるが、それは非常に困難)
行動にも作品にも責任を持って下さい。コメント欄への反論は作品や後書きではなくコメント欄でできます。また、あまりに的外れな意見は特に反論など必要ありません。何故なら周りの誰も賛同していないから。
その上でいい物を書いて欲しいので、戒律の意味も込めてこの点数で。
作品自体は悪くはなかったんですけどね。
「次に期待しています」
私的にはすんなりと読めたのですが、後書きはいただけないと思います。
作品を読んだあとこういった後書きを見てしまうと、もし、作品が良くても悪い印象をもってしまいましたのでこの点。
私は評価は本文の内容のみを対象にするものだと考えておりますのでこの点数を付けさせて頂きました。“作者からのメッセージ”なのですから後書きはお好きなように。
七氏さんの書くお話の雰囲気をとても気に入っています。もしそれに影響が出るのなら、そうなってしまうような要因は無視してほしいとも勝手に思っています。
思うままにお話を書いてください。それが今までのお話のように私の好みに合う物であればこれからも応援させていただきます。
次回作も楽しみにしていますね。
評価されたくなければ自分の心の中にしまっておくように。
私の考えでは後書きとは作者様からの最後の一言のようなものなので。
ひどい意味で本編ブレイカーしてしまっているのが残念でしかたありません。
本編中身としては甘くて読むのが楽しかったです。
甘さMAXを目指して頑張って下さい。
後書きに関しては他の方がほぼ代弁なさっているので敢えて言いません。
理屈を抜いて感情だけで見れば単純に不快にさせる要素ばかりですし、感情を廃しても、やはり読者に不快感を与えてしまいます。
読むな、見るなと言えばそれまでですが、それならば投稿するなと言う話になってしまい元も子も無くなってしまいます。
怒るなとは言いませんが、指摘されていることにも耳を傾けて欲しいと思います。
次を楽しみにしていますよ。
追伸
頭のおかしい自称名門様が貴方を同胞扱いしています。
何を、と言える訳でも無いのですが、御注意を。
作品の面白さに作者の性格の良し悪しなんて関係ないぜ
でもいちいち敵を作るこた無い罠w
まぁ、きついこと書いてるヤツいるけどあんま気にすんな
でも、あとがきに愚痴を書くのはよくなかったですね。
見えるところに書いてしまったらそれも評価対象になるのは仕方のないことだと思いますよ。
作品の評価とあとがきのマイナス評価でこの点にしておきます。
ただ申し訳ないのですが、ちょっとあなたの作品全般に感じる僕の東方観とのズレやそのカップリング作品? に対する無知が手伝い、ところどころ首を傾げるところがあり客観的な評価ができそうにないので、今回は点数評価は控えさせていただきたいと思います。
(じゃあ何しに出てきたのかと……) 僕の考えはいずれ、「こうなんじゃないの?」っていうのを書いて作品で語りたいと思います。(書けたらですが…)
後はこれ、分けないでまとめてほしかったです。いや、まあその都度書いているのかもしれませんが。それからできれば、もうちょっと時間を掛けて練った長いやつが読みたいですね。
で、まあ後書きについてですが……僕もこの程度の人間臭さは隠し持っています。ただ、オブラートに包んで前面に出していないだけです。
その点から考えるとあなたは正直すぎる、感情的すぎるのかなと思いました。文章は良いのに、何で後書きはこうなるのかなあと……
話し言葉口調や2ちゃん用語? みたいなのもどうかなあと。前書きも後書きも書かないほうがいいですね。作品で全てを語る、それでいいのではと。
名無しのコメントにいらつかれているようなので、名前入りのコメントを入れさせていただきました。
最近色々空気が読めないので、変なこと言っちゃってたらごめんなさい。長文失礼いたしました。
以下コメ見て思ったことを。
思うのは過去ログに同タイトルの作品があったから何?と思うのだが・・・。
作者の方にわざわざタイトル検索して作品を書け、とでもいいたいのでしょうか?
ここでの取り決めでタイトル被りが無いように、と決められているならまだしも個人的にはタイトル被りくらいならいいのでは?と思います。
後書きは書かないほうが良いと思います。心のうちに秘めるが善いかと。
本編60点、後書きー50点と評価させて頂きました。