もうすぐ日が沈み
幻想郷に夜がやってくる
夜といえば妖怪が活発になる時間
ここに1人
歌を歌いながら陽気に飛んでいる妖怪がいた
「ふ~ん♪ふんふ~ん♪うん、リズムはばっちし!」
彼女の名前はミスティア
「今日もいい夜、人間を襲うには絶好の日ね」
上機嫌に歌を歌いながら飛んでいる
「ら~らら~♪ラ~ラ~・・・・ん?」
ミスティアはふと下も向く
そこには道があり
その道に鳴いている子供が1人
「ほほぅ・・・さっそくいただきまーす!」
ニマァと顔を歪め一気に急降下する
別に捕って食おうというわけではない
ようは脅かしたりいじめたりするのだ
「妖怪だぞぉー!鳥目にしちゃうぞー!」
子供と向き合いバァー!と顔を覗かせる
いつもならこれで人間は
ウギャアアアアアアアアア!!!
と悲鳴を上げて逃げ惑うのだが
「・・・・グスッヒグッ」
この子供はどうみても泣きじゃくっている
「んんー?あまりの怖さに泣いちゃったのかぁー?」
「・・・グスッ・・・ここはどこぉ・・・・グスッ」
「あや?迷子で泣いているのかぁ残念!」
「グスッ・・・お姉ちゃん・・・誰・・・・?」
「誰ってあんた・・・・どうみても妖怪でしょ!ほら羽!爪も!」
少しムキになりながら特長らしい特徴を見せる
が
「ウワァァァァン」
「むぅ・・・これじゃ怖がってるんだか違うんだかわからないなぁ・・・」
「お母さん・・・・グスッ・・・・お父さん・・・・ヒグッ」
目の前の子供はただただ泣きじゃくるだけ
一方ミスティアはすっかり困り果てていた
とりあえず泣き止ませようと話しかける
「む~・・・・泣きやまないと食べちゃうぞー!」
「ウワァァァァン」
「だめか・・・・いい子だから泣き止んで~」
「ェェエエエン」
「手ごわい・・・!ならこれならどうだ!」
話してもムダだとわかり
ミスティアは深呼吸をして得意の歌を歌い始めた
するとどうだろう
さっきまで泣いていた子供が
すっかりと歌声に耳を傾けて泣き止んだのだ
1曲歌い終えるとチラリと子供の方を見る
「・・・お姉ちゃん、お歌じょうず~」
「あたりまえよー」
得意げに胸を張る
褒められたのに調子に乗ったのか
ミスティアは次々と歌い始めた
歌が1曲終わるたびに子供の拍手が響く
歌い始めてどれぐらい時間がたっただろうか
辺りは真っ暗になり
完全な夜となった
このときミスティアはある違和感に気がつく
スースー
子供の寝息に気がついたのだ
「あや~お客さんが寝ちゃったかぁ、まだ最後まで歌ってないのになぁ」
少し残念そうにため息をつく
「さてさてこの子どうしようかな。本気で食べてもいいんだけど」
チラリと子供の寝顔を見る
「・・・・・う~ん・・・・」
顔が悩み始めた
そして大きくため息をつき
「・・・・めんどうだけど・・・・」
と言うと子供を抱きかかえ人里の方向へ飛び出した
人里が近くなるとミスティアはゆっくり降りて歩き始めた
そして目指すところは人里で暮らしている妖怪
上白沢 慧音の家だった
コンコン
「はーい、どなた?」
慧音は夜分に珍しいなと思い玄関を開ける
そこには見た事のある羽を生やして少し小柄な妖怪がいた
「・・・・ミスティアか、その腕の子供はなんだ?場合によっては・・・・」
「ストップー。なんでいちいち襲うたびにあんたに報告しに来る必要があるのさ」
「それもそうだな。で、その子はどうしたんだ?」
「えーと、森で泣いてたから歌を聞かせてたら寝ちゃったから連れて来た」
「・・・・もっと詳しく説明できないのか?」
「ごめん、いろいろ忘れた」
「・・・・まぁいい、様子からして迷子の子を見つけて泣いてたから歌を聞かせて寝かしつけたってところだろう」
「正解、さすがだねぇ」
「んじゃ子供は私が預かるとしよう」
「よろしくたのんますぅー」
寝ている子供を起こさないように慧音に渡す
「よし一件落着!帰って屋台の準備でもするわ~」
「そうか、いつか寄らせていただくよ」
「まいどーおまちしておりますー。んではー」
「ああ、ありがとな」
そういうとミスティアは
軽く手を振るとパタパタと飛んで行ってしまった
そしてほどなくして静かな歌声が聞こえてくる
じつはミスティアが迷子の子供を助けたのは初めてではない
だけどミスティアは覚えていない
夜雀は覚えが悪いのだから
おそらく今夜の事も明日になれば忘れているだろう
そしてまた知らないうちに子供を助けてしまうだろう
だけどミスティアは覚えていない
覚えが悪いから
End
幻想郷に夜がやってくる
夜といえば妖怪が活発になる時間
ここに1人
歌を歌いながら陽気に飛んでいる妖怪がいた
「ふ~ん♪ふんふ~ん♪うん、リズムはばっちし!」
彼女の名前はミスティア
「今日もいい夜、人間を襲うには絶好の日ね」
上機嫌に歌を歌いながら飛んでいる
「ら~らら~♪ラ~ラ~・・・・ん?」
ミスティアはふと下も向く
そこには道があり
その道に鳴いている子供が1人
「ほほぅ・・・さっそくいただきまーす!」
ニマァと顔を歪め一気に急降下する
別に捕って食おうというわけではない
ようは脅かしたりいじめたりするのだ
「妖怪だぞぉー!鳥目にしちゃうぞー!」
子供と向き合いバァー!と顔を覗かせる
いつもならこれで人間は
ウギャアアアアアアアアア!!!
と悲鳴を上げて逃げ惑うのだが
「・・・・グスッヒグッ」
この子供はどうみても泣きじゃくっている
「んんー?あまりの怖さに泣いちゃったのかぁー?」
「・・・グスッ・・・ここはどこぉ・・・・グスッ」
「あや?迷子で泣いているのかぁ残念!」
「グスッ・・・お姉ちゃん・・・誰・・・・?」
「誰ってあんた・・・・どうみても妖怪でしょ!ほら羽!爪も!」
少しムキになりながら特長らしい特徴を見せる
が
「ウワァァァァン」
「むぅ・・・これじゃ怖がってるんだか違うんだかわからないなぁ・・・」
「お母さん・・・・グスッ・・・・お父さん・・・・ヒグッ」
目の前の子供はただただ泣きじゃくるだけ
一方ミスティアはすっかり困り果てていた
とりあえず泣き止ませようと話しかける
「む~・・・・泣きやまないと食べちゃうぞー!」
「ウワァァァァン」
「だめか・・・・いい子だから泣き止んで~」
「ェェエエエン」
「手ごわい・・・!ならこれならどうだ!」
話してもムダだとわかり
ミスティアは深呼吸をして得意の歌を歌い始めた
するとどうだろう
さっきまで泣いていた子供が
すっかりと歌声に耳を傾けて泣き止んだのだ
1曲歌い終えるとチラリと子供の方を見る
「・・・お姉ちゃん、お歌じょうず~」
「あたりまえよー」
得意げに胸を張る
褒められたのに調子に乗ったのか
ミスティアは次々と歌い始めた
歌が1曲終わるたびに子供の拍手が響く
歌い始めてどれぐらい時間がたっただろうか
辺りは真っ暗になり
完全な夜となった
このときミスティアはある違和感に気がつく
スースー
子供の寝息に気がついたのだ
「あや~お客さんが寝ちゃったかぁ、まだ最後まで歌ってないのになぁ」
少し残念そうにため息をつく
「さてさてこの子どうしようかな。本気で食べてもいいんだけど」
チラリと子供の寝顔を見る
「・・・・・う~ん・・・・」
顔が悩み始めた
そして大きくため息をつき
「・・・・めんどうだけど・・・・」
と言うと子供を抱きかかえ人里の方向へ飛び出した
人里が近くなるとミスティアはゆっくり降りて歩き始めた
そして目指すところは人里で暮らしている妖怪
上白沢 慧音の家だった
コンコン
「はーい、どなた?」
慧音は夜分に珍しいなと思い玄関を開ける
そこには見た事のある羽を生やして少し小柄な妖怪がいた
「・・・・ミスティアか、その腕の子供はなんだ?場合によっては・・・・」
「ストップー。なんでいちいち襲うたびにあんたに報告しに来る必要があるのさ」
「それもそうだな。で、その子はどうしたんだ?」
「えーと、森で泣いてたから歌を聞かせてたら寝ちゃったから連れて来た」
「・・・・もっと詳しく説明できないのか?」
「ごめん、いろいろ忘れた」
「・・・・まぁいい、様子からして迷子の子を見つけて泣いてたから歌を聞かせて寝かしつけたってところだろう」
「正解、さすがだねぇ」
「んじゃ子供は私が預かるとしよう」
「よろしくたのんますぅー」
寝ている子供を起こさないように慧音に渡す
「よし一件落着!帰って屋台の準備でもするわ~」
「そうか、いつか寄らせていただくよ」
「まいどーおまちしておりますー。んではー」
「ああ、ありがとな」
そういうとミスティアは
軽く手を振るとパタパタと飛んで行ってしまった
そしてほどなくして静かな歌声が聞こえてくる
じつはミスティアが迷子の子供を助けたのは初めてではない
だけどミスティアは覚えていない
夜雀は覚えが悪いのだから
おそらく今夜の事も明日になれば忘れているだろう
そしてまた知らないうちに子供を助けてしまうだろう
だけどミスティアは覚えていない
覚えが悪いから
End
でも独り占め禁止。みんなで愛でる事
あと貴方一人だけにはわたさない!
財産の共有を!
みすちーは
かわいい
な
ゼンコータノシーヨゼンコー
>「ごめん、いろいろ忘れた」
ミスティアまじ鳥頭。だが、そこが良い。
ミスティアが可愛かったからミスティアを書いたという貴方の信条には男として惚れるものがあります。私もミスティアが好きですから。
さて、それはともかくミスティアの可愛さを書きたかったということならある程度は成功していると思います。ただ、わがままを言わせて頂くなれば、もっと文章量があり、ミスティアの可愛らしさ、お馬鹿さがふんだんに盛り込まれていたならばもっと面白かったのになあと思います。そこが残念。