Coolier - 新生・東方創想話

紅魔魔霊

2007/06/07 11:37:58
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#「アリ×マリ?です。こんな熱い魔理沙ミトメネェと思う方はプラウザで戻る事をお勧めします」
#「なお、今回は作者の妄想具現化により公式設定パラメータを大きく超えた偏見な思考が加わっていますので要注意」
#「美鈴に突っ込みを入れたくなるかもしれませんが、アレ以外は公式設定通りですのでご勘弁を」

























人間は愚かで、脆弱な生き物。
私はこの五百年そう思い続けてきた。
だからだろう、敗北と共に、その人間たちを欲しいと思ったのは。














豪雨という程でもない、しかし弱いわけでもない雨が、幻想郷を深く包んでいた。
紅魔館の主であるレミリアは、自室からその雨を眺めながら、あの二人を思い出していた。
一人は黒白の魔女とうたわれ、一点突破の火力に関しては賞賛に値する霧雨魔理沙。
もう一人は、博麗の神社に仕え、攻守共にパーフェクトと言える博麗霊夢。
私は初めて、「人間」という存在に負けた。
だが、負けてから数ヶ月が経った今では、人間たちと宴を交わし、様々な祭り事を交わして、私は自分が驚く程にその人間達を好きになった。
故に、思ってしまうのだ。
欲しい、と。
「・・・咲夜はいるかしら?」
呼びかければすぐに自分の元に出てくるメイド、十六夜咲夜。
人間の身でありながらも私に仕え、今までも、そしてこれからも、死ぬまで私の為に働く存在。
「お呼びでしょうか」
自室のドアを開けて中へと入ってくるその姿は、いつもと変わらず、毅然とした態度を取っていた。
「パチェ、美鈴、・・・・・・それに地下からフランも呼びなさい」
レミリアは薄く笑い。
「欲しいものは、奪うのが私よね?」
自分の本能に従う「略奪」をしようとしていた。








「今日も雨とか、ついてないぜ」
外の雨を見ながら魔理沙は溜息を吐く。
「確かに、これだけ雨が続くと嫌になるわね」
同じように溜息を吐くアリス。
二人は、アリスの家で何をするでもなく、本を読んだり、人形の製作をしていたりしていた。
「本当なら湖に遊びにいくはずだったのにな・・・」
いつもと変わらぬ日常を繰り返しているアリスと魔理沙であったが、三日前にたまには外で何かしないか?と魔理沙からの提案で、なら、日差しが強くて暑いから、準備をして明日水辺がある所にいきましょう。とアリスは言い、湖に行く事にしていたのだ。
なのにだ。その次の日は雨、その次の日も雨、そして今日もまた雨と、ずっと湖にいく約束が潰れているのである。
別にその湖に行くこと自体は、既に魔理沙はどうでもよくなっていた。
問題は、その湖に行って、隣に座るこの人形遣いの少女に言いたい言葉があったのだ。
湖で言おうと決心していたのに、それがずっと延期になってしまい、魔理沙は自分の決心が鈍ってしまいそうで嫌だった。
「・・・・・・」
魔理沙は横目で、アリスの方をちらりと見る。
アリスはいつもと変わらぬように自分の手足となる人形の製作に没頭していた。
この変わらぬ友だと思っていた少女に、告白したらどんな顔をするだろうか?
断られるだろうか?
それとも受け入れてくるだろうか?
どちらにしても、告白してしまえば、今の関係は無くなってしまう。
「友」としての関係は酷く、居心地がよかった。
けれど、その「友」としての関係を壊してでも、私は、このアリスという少女に恋をしてしまっていたのだ。
いつから?と問われればわからない。
いつの間にか私の心に入ってきて、いつの間にか私を汚染していった。
「・・・・・・?魔理沙?」
視線を感じたのか、アリスは人形の製作を一時止めて、こちらに振り向く。
「・・・いや、なんでもない」
振り向いた顔をまともに見られず、窓の方に顔を背ける魔理沙。
明日こそ、晴れてほしいと思った。
そうすれば、この少女に自分の想いを告白できる。







「・・・・・・本気で言っているの?レミィ」
地下図書室で本を読み漁っていたパチェリーは、レミリアに呼ばれ、レミリアの自室にいる。
だが、そのレミリアが言い放った言葉は、全くもって我が友人とは思えないぐらいの呆れた提案であった。
それは、私と同じように呼ばれた面々の顔つきも同様だ。
「私はいつでも本気よ、パチェ」
「・・・・・・いつもの貴方らしくない行動をしようとしているわ」
本気と言われても私は賛同するわけにはいかない。人間として生きている二人を紅魔館の従者に?馬鹿げている。
「私は本能に従って動こうとしているだけよ。吸血鬼としての本能に」
「・・・」
だが、一度言ったからには撤回しないだろう。パチュリーは友がこんな暴挙に走るとは思ってなかった事を悔やむ。
「レミリアおねえさま・・・・・・」
横で話を聞いていたフランドールは、何故、自分が地下牢から出されてここでこんな話を聞かされているのかわからなかった。
「フラン・・・貴方も、魔理沙の事は好きよね?」
真剣な顔を一転させ、ニッコリと、妹に対して優しく笑顔を向ける。
「う、うん」
フランドールはその笑顔に戸惑いつつも、力強く頷く。
魔理沙は唯一、フランを相手にしてくれる一人の友人として、嫌いではなかった。
「なら・・・・・・フラン、魔理沙は貴方の好きにしていいわ。貴方が欲しいと望めば、永遠に魔理沙を自分のものに出来る」
その言葉が、どれだけ無垢なフランに対して、魅惑的な言葉か。
「えい、えんに・・・・・・?」
「えぇ、永遠に・・・」
言い聞かすように、フランの眼を見ながら言うレミリア。
それは一種の洗脳に近い。
フランの眼に灯っていた意志は、ここに消える。
「・・・・・・!」
パチュリーは、この友人の暴挙を見てられるはずもなく、何も言わず部屋から出る。

「パチュリー様!」
それを追いかけるように出て行く美鈴。
「・・・・・・」
「貴方は追いかけないの?咲夜」
鎮痛な面持ちのまま立っている咲夜。
「・・・えぇ、私は、レミリアお嬢様の従者ですから」
自分の愛した主人が間違った事をしようとしているとわかっていても、付き従う以外に、咲夜に選択権はない。
「ありがとう。咲夜」
咲夜の心情を知ってか知らずか、フランに見せたような笑顔を咲夜にも向け、レミリアは、外で未だに降っている雨を見つめる。
「あれが止んだら・・・お祭りよ、フラン」
人形のように動かなくなったフランの頭を撫でながら、レミリアはニヤリと笑う。
外で降り続く雨は、徐々に弱くなっていた―――――――――






どうすればいい?
勢いよくレミリアの自室を出て、私は廊下を歩きながら考える。
どうすれば、レミリアの暴挙を止められる?
パチュリーが思い浮かべる理想は、明日の「満月」に霊夢と魔理沙を紅魔館に近づけさせない、レミリアが紅魔館から出ない、日をずらして霊夢と魔理沙が逆にレミリアを懲らしめる。
本能に従って行動していると言っていたが、時期も計算づくの上で、今回の暴挙を起こそうとしているだけ性質が悪い。
例え霊夢と魔理沙が同時に挑んでも、「満月」の日にレミリアに戦いを挑めば敗北は必至。
「・・・・・・待って」
なんで、明日が満月の日なのに、今日、この話をしたのだろう?
その違和感に気づき、パチュリーは考える。
レミリアは・・・何か、他に何かやろうとしているのではないだろうか?
「パチュリー様~!」
走って追いついた美鈴に、目の前を遮られる。
「・・・どきなさい、美鈴」
「いいえ、どきません。パチュリー様はレミリア様のご友人ではないですか。何で否定するような言葉ばかり・・・」
「・・・・・・貴方は、いいと思っているの?今回の事」
目の前を遮る美鈴に苛立ちを募らせながら、立ち止まる。
その言葉に、一瞬美鈴は顔を曇らせるが、厳しい面持ちにすぐに戻る。
「・・・レミリア様がやろうとしている事は確かに間違っているかもしれません。けど、それでもそれに従うのが私たちじゃないですか」
美鈴は例え主人が間違った行動をしようとも付き従うと言う。
「・・・・・・私はレミィの従者ではないわ。間違った事をしようとしているのなら、それを止めるのも、友人よ」
それだけ言って、遮っていた美鈴の横をすり抜ける。











「・・・・・・じゃあ、仕方ありませんよね」
パチュリーは何もしてこないと油断していた。
ゴッという音と共に、倒れ伏すパチュリー。
「・・・ぁ、ぐ・・・」
頭を殴られ、目の前がグラグラと揺れる
「パチュリー様がいけないんですよ・・・」
美鈴は泣きそうな顔をしながら、手を振り上げる。
・・・・・・魔理沙。
脳裏に、初めて恋い焦がれた黒白の魔女の姿をよぎらせながら、パチュリーは意識を絶たれた。















「ようやく、雨が上がってきたかしら?」
人形の製作を一通り終え、アリスは家の窓から外の景色を眺める。
さっきまで降っていた雨は途絶え、空には雲一つない夜の月が照らされていた。
「・・・これなら、明日は行けるかしら」
外に出ようと提案した魔理沙の姿を思い浮かべる。
アリスは魔理沙と一緒であれば何処でもよかったのだが、外に行くのなら涼しい所に行きたいというアリスの提案で湖に行くことにしていた。
さっきまで魔理沙も本を読みながらここにいたが、夕飯を貰いにいくとかで何処かにいってしまった。
「少し待っていてくれれば私が作ったのになぁ・・・」
そんなにお腹が空いていたのだろうか?
アリスは風のように消えていった魔理沙の姿を脳裏に思い浮かべながらため息を吐く。
・・・もし、魔理沙がいなくなってしまったら、私は一人で生きていけるだろうか?
最初の出会いは唐突だったが、私は最初からあの黒白の魔女に一目惚れしてしまった。
よく私の家に来るようになってから、その思いはより高まっていって。
何度好きだと言いたくなっただろうか?
今の「友」としての関係を壊したくない自分がいて、その一言はどうしても言えなかった。
「私は魔理沙と一緒にいられれば、それだけで幸せ・・・」
誰に言うでもなく、呟くように自分自身に言うアリス。
今までの孤独を癒してくれる存在。
今までの自分を忘れさせてくれる存在。
だから、今の関係が永遠に続いて欲しいと願う。
トントン―――――――――――
「・・・?はい?」
ドアをノックするような音が聞こえ、思いに耽っていた頭を現実に戻す。
アリスは魔理沙が戻ってきたのかと思い、そのドアを何も確認せずに開けてしまう。
「こんばんは。そして、おやすみなさい」
ドアの先に立っていたのは、赤い槍を構えた、紅の吸血鬼であった。


















「ごちそうさま」
行儀よく手を合わせ、本日の夕飯を食べ終えた魔理沙は、そのまま帰ろうとする。
「待ちなさい、せめて洗い物ぐらいしていきなさいよ」
その帰ろうとした魔理沙の肩を捕まえる霊夢。
魔理沙は夕飯の先を博麗神社に定め、丁度夕飯に来る筈であった萃香の分を頂戴し、食べ終わった所である。
「全く、人の所に来るのはいいけど、御飯が無かったらとか思わないのかしら」
ため息を吐きながら霊夢は食後のお茶を入れる。勿論、自分の湯飲みのみに。
「そのときはミスティアの屋台にでも行くさ。萃香もそっちに行っているわけだしな」
素直に食べ終わった食器を台所に持っていき、洗い物を始める魔理沙。
「・・・なら最初からそっちに行きなさいよ」
「金がかかるし、人里に降りるのはなるべく避けたいんだ」
なんて我が侭な発言と思いながらも、霊夢は魔理沙が人里に下りたくない理由を知っている為か、それ以上は言わなかった。
「・・・・・・なら、アリスの所で食べればよかったじゃない」
「ん?何だって?」
ぼそっと呟いた言葉は聞こえなかったのか。
魔理沙は洗い物をしながら首だけ霊夢に振り返る。
「何でもないわよ。とっとと洗い物終わらして、お茶入れてあげるから」
「お、りょうーかい」
ジャブジャブと食器を洗っていく魔理沙。
洗い物をする魔理沙の後ろ姿を見ながら、霊夢は素直になれない友人にため息を吐く。
アリスと魔理沙が、仲がいいのは知っていた。
だが、友人の関係から超えてはいない事も、何となくだが、わかってしまった。
例えば今日の件がいい例だ。恋人同士になっているならば私の所で御飯を食べようなんてまず思わない。
私なら、好きになったら好きだって言うのになぁ・・・。
魔理沙もそういうタイプだと思ったが、いつもの調子とは裏腹に、どうやら奥手であったようだ。
「終わったぜー」
「おつかれさま」
洗い物が終わり、自分のエプロンドレスで手を拭って居間に戻ってくる魔理沙。
私は魔理沙の湯のみを取って、緑茶を入れて魔理沙の前に湯のみを置く。
サンキュー、と言いながら置かれた湯飲みを飲む魔理沙。
そんな魔理沙を見て、霊夢は、この友人が幸せになって欲しいと思うものだから、自分も何処かおかしいと心の中で苦笑した。





「さて、と」
食後のお茶も飲み終わり、魔理沙は席を立つ。
「あら、帰るの?」
「あぁ、明日用事があるから、それの準備をしないと」
隅に立て掛けておいた愛用の箒を取り、トレードマークのトンガリ帽子を被って霊夢に手を振る。
「夕飯ありがとな、じゃ」
境内へと出て、箒にまたがり、空へと飛翔する魔理沙。
霊夢はお茶を飲みながら魔理沙を見送った。
どんどん神社が遠くに離れていく。
雨が上がり、雲一つない夜空は、明日は雨が降らないと思わせる綺麗な空であった。
少しだけ欠けた月が夜空に浮かび、輝いている。
魔理沙は明日こそ、湖に行けると嬉々する。
湖に行ったらどうするか?
アリスと一緒に何をしようか?
いつ、アリスに好きだと言おうか?
魔理沙は帰路に戻りながら明日の事でいっぱいになっていた。
「明日こそは・・・アリスに好きだって言うんだ!」
天狗が聞いていたら即スキャンダルにされそうな事を月に向かって叫ぶ魔理沙。
だが、そんな魔理沙を裏切るように着実に「異変」は、徐々に進行していた。














「おかえりなさいませ」
咲夜は主が無事戻って来たのを確認し、ホールで出迎える。
「ただいま」
レミリアは左手でアリスを引きずるようにしてその出迎えを受け入れる。
「これを最上階の所に磔にしておいて。死なないように、傷の手当てをしておきなさい」
そう言い、咲夜の前にアリスを投げる。
アリスは意識がないのか、所々から血を流しながら力なく仰向けに倒れた。
「かしこまりました」
倒れたアリスを抱え、下がろうとする咲夜。
「ああ、そういえば咲夜。パチュリーはどうしたかしら?」
美鈴が意識を失わせたとは聞いたが、その後アリスを捕縛しに行ったために、どうしたのかを聞いていなかった。
「現在、フランドール様の地下牢に入られておられます。あそこなら、魔法を使おうとも出られませんから」
「・・・そう」
友人を牢に入れてしまうのは少し心苦しかったが、仕方あるまい。全て事が終わったら出そう。
「明日が楽しみね・・・」
逃げる事は出来ない。霊夢は来ないかもしれないが、必ず魔理沙は来る。
その為に、わざわざ引き込ませる「餌」も用意したのだ。
魔理沙がもしアリスを見捨てるとするならば、それこそ私の見込み違いだろう。
その時は・・・・・・従者になんかせずに、完膚なきまでに消滅してやる。
レミリアは、明日を待ち焦がれた。




「・・・・・・・・・マスターは、地下牢」
その現場を、みているものがいるとも知らず。















小悪魔は、地下図書室に戻ってこない自分のマスターが気になり、紅魔館を徘徊していた。
そして、一階ホールの現場を見て、何かが起ころうとしているのを察知し、隠れながら地下牢へと向かっていた。
地下牢へと続く階段まで、すんなりと行け、誰とも遭遇せずに、牢の扉まで来られた。
「・・・・・・そこにいるのは誰?」
気配を感じたのか、扉の中からパチュリーの声がした。
扉に中を覗ける鉄格子があり、そこに顔を近づける形で答える。
「パチュリー様!私です!リドルです!」
中から覗いたパチュリーの姿は、何処にも怪我らしきものはないが、手と足に枷らしきものがついていて、それが壁と結合しているような状態であった。
「すぐにここからお出ししますから!待っていてください!」
「・・・待ちなさい」
すぐにドアをどうにかしようと、動こうとした子悪魔に、パチュリーは待てと言う。
「・・・このドアはそう簡単に壊れないわ。妹様を監禁していたこの牢は、いくつもの術式が施されている・・・。内側からも、外側からも壊せない」
「じゃ、じゃあ鍵を持ってくれば・・・!」
パチュリーはそれにも、首を振って答える。
「鍵を持っているのはおそらく咲夜よ・・・貴方一人じゃ、逆に返り討ちにあってしまうわ」
「じゃ、じゃあどうすればいいんですか!?パチュリー様をこのまま見捨てろって言うおつもりですか!?」
「・・・・・・その通りよ。リドル」
その言葉に、小悪魔は必死に首を振る。
「そんなの嫌です!どうしてパチュリー様がこんな仕打ちを受けなければいけないんですか!?」
「・・・どう、してかしらね」
その言葉に、パチュリーは疑問でしか返せない。
あの時にレミリアに協力をすると言えばよかったのだろうか?
パチュリーはその考えに首を振る。
どんな事があっても、魔理沙を裏切るような真似を、パチュリーはしたくなかった。
だからこうなってしまった。
「アリス様もさっき運ばれて・・・一体何があったんですかパチュリー様」
涙声で言う小悪魔。だがパチュリーは、その内容に、顔を青ざめるはめになった。
「・・・アリス、を?リドル、それはどういうこと?」
「・・・さっき、一階のホールでレミリア様に引きずられる形で運ばれてきたんです。意識がなくて、所々に傷を負っていました・・・」
「・・・・・・なる、ほど」
だから、満月の前の日に私たちに話したわけか。
パチュリーは歯噛みする。レミリアは本能何かで行動していない。
まさか、逃げられないようにここまで魔理沙達を引き込む用意をしてくるとは。
アリスを餌に、魔理沙達を誘導する気なのだ。あの「悪魔」は。
「リドル」
私は冷静に、これからどうするかを考える。
「博麗神社まで、どのぐらいの時間で行ける?」
「・・・・・・およそ、六時間弱です」
霧の湖の畔に立つ紅魔館と東の端にそびえる博麗神社とではかなりの距離があった。
高速飛翔すれば一時間弱で付くが、生憎子悪魔は常人の走る速度と同じぐらいの速度しか出せない。
「・・・今、二時か・・・」
手元の懐中時計で時間を見る。到着は約朝の八時、霊夢に事情を説明して、満月が出るまでにレミィを懲らしめることは・・・・・・出来るだろうか?
「・・・・・・・・・リドル、博麗神社に向かって、事情を説明して。貴方と魔理沙がレミリアに狙われているって。急いで」
だろうかではない。しなければならない。
そうしなければ、大切な物が消えていく。
「け、けれどパチュリー様は・・・」
「リドル」
言いよどむ小悪魔の言葉を制止する。
「・・・お願い、私の大切な物を守る為に、貴方が動いて」
「・・・・・・」
小悪魔は、少しの時間、パチュリーをじっと見て、力強く頷いた。
「すぐに・・・すぐにここからお出ししますから、待っていてください!」
そう言い、来た道へと飛んでいく子悪魔。
「・・・・・・頼んだわよ」















小悪魔はすぐに紅魔館から出ようと地下から出た。
だから、気づけなかった。
ザシュ―――――――――――――
「・・・え?」
お腹から、自分の血が付着した、ナイフの刃が見えた。
それがゆっくりと、引き抜かれる。
「あ・・・・・・ご・・・・・・・ふ」
喉にせりあがるように来る血を止めようがなく、吐く。
ナイフに刺された箇所が熱い、痛い。
力が入れられず、飛んでいた身体が地面に転がった。
「夜になる前に、行かれると困るのよ」
ナイフに付着した血を拭う咲夜。
「その傷で行くのなら止めないわ。うまく霊夢達を呼んできなさい」
とどめを刺さず、咲夜は他のパトロールへと向かう。
「・・・・・・あ、ぐ」
意識が落ちそうになる。
熱いと思った傷口が徐々に徐々に冷たくなっていく。
――――頼んだわよ
「・・・・・・・・・・ぐ!」
意識が落ちそうになったのを、必死に、腕に力を入れて、起き上がらせる。
腹部から溢れている血は止まらない。
「・・・頼まれたんだ」
起き上がらせた身体に、もう一度飛翔の魔法をかける。
動かす度に、冷たくなっていた身体が痛い痛いと叫び、徐々に熱くなっていく。
脳裏に浮かぶのは枷をつけられたパチュリーの姿。
「・・・・・・ぅ」
止まらない腹部の血を無理やり両手で圧迫して、´自身の血´で凝固させる。
目の前がグラグラと揺れて、暗くなっていく景色。
それを、身体を動かして必死に止める。
動かすたびに激痛が身体に走るが、まだ身体が動くのなら問題はない。
問題は、意思とは関係なく、動かなくなってしまった時だ。
小悪魔はフラフラと腹部を抑えながら紅魔館を出る。
博麗神社に向かう為に―――――――














「・・・・・・よし」
魔理沙は、朝早くからアリスの家の前に来ていた。
空は快晴、今までの三日間が嘘のように青空が広がり、梅雨明けと言っていいぐらいの日光が爛々と空に輝いていた。
服装はいつもの黒白のエプロンドレスに黒いトンガリ帽子と同じだが、昼食用に兎の肉を使ったサンドイッチをバスケットに詰めて持ってきていて、湖で泳ぐかもと思い水着等が入った袋なども持ってきていた。
ドキドキしながらこの日を待っただけ、用意が多い魔理沙。
ドアをノックする。
「・・・・・・・・・」
アリスの返事を待つ魔理沙。
だが、返事が返ってこない。
「・・・・・・あれ?」
もう一度、今度は強くドアをノックする。
だが、何度ノックしても反応がない。
「おかしいな・・・・・・?」
昨日もその一昨日も雨の中ノックしたときはすぐに反応があった。
なのに、これだけノックしても反応がない。
「寝ている・・・・・・わけじゃないよな?」
あれだけ言って今日という日を寝過ごすなんてアリスに関しては考えられない。
どうしたものかとドアノブを捻ってみる。
ガチャ―――――――
「・・・・・・え?」
鍵が、かかっていなかった。
ドアを開けてみる。
「・・・・・・・・・・おい?」
そこには、床が何かで焼け焦げた跡と、何かと争って部屋がぐちゃぐちゃになっている形跡が残っていた。
「アリス!」
持っていたバスケットや水着の袋を床に落としてしまったが、そんな事を気にせずに魔理沙はアリスの姿を探す。
「アリス!いたら返事しろ!」
必死に呼びかける魔理沙だが、返事は返ってこない。
二階に駆け上がって寝室のほうも見てみるがいない。
「・・・・・・くそ!」
何があったんだ?
昨日霊夢の所に行く前は、確かにアリスはここにいた。
その後に何かあったのか?
「・・・・・・・・・」
悩んでいても仕方がない。アリスが行っていそうな所に片っ端から動くしかないだろう。
アリスの家から出て、箒にまたがり、空へと飛ぶ。
まずは魔法の森の出口にある香霖堂へといってみる。
飛翔を最大限まで速度を上げて。







「アリスが家に来てないかですって?」
「あぁ・・・色々回ったんだが、何処にもいないんだよ」
既に昼を過ぎ、夕刻になろうとしている。
魔理沙は朝から色んな所を飛び回りアリスを探したが、何処にも見当たらず、もしかしたらと思い、霊夢の所に来ていた。
「昨日魔理沙が来た以外は萃香が来たぐらいよ、ここは」
「・・・・・・そうか」
肩をガクリと落とす魔理沙。
「・・・何かあったの?」
「・・・・アリスの家に、今日行ったんだ」
アリスの家の光景を話す魔理沙。
その話を聞いて、霊夢は顔を険しくしていった。
「・・・・・・何かに襲われたって事?」
「そうとしか思えないんだが・・・・・・」
魔理沙の顔は青ざめている。
そう思いたくないのだろう。襲われて姿がないということは、既に死んでいる可能性の方が高いのだ。
「・・・・・・もう一度アリスの家に行ってみる」
そんな考えを振り払うように、魔理沙は箒にまたがり飛翔していく。
「もしアリスに関してなにかあったら、伝えにいくわ」
「ああ、ありがとう」
魔理沙は空中で方向を変え、飛んでいく。
「・・・・・・嫌な予感がするわね」
霊夢は空を見上げる。既に、日は落ちかけていた。








「やっぱり、いないよな・・・・・・」
もう一度、アリスの家に戻ってきてみたが、結果は同じ。争った形跡が残っているだけだった。
「・・・何処いったんだよ、アリス」
肩をガクリと落とし、アリスの家を出る。
空を見れば、日が落ちて、代わりに月が徐々に出てこようとしている。
「・・・・・・・・・・・・ん?」
見上げて、気づく。
そこに佇む、七色の翼を翻す吸血鬼がいることに。
「・・・・・・・・・み~つけた♪」
無邪気に笑う吸血鬼。
「フラン・・・・・・?」
「魔理沙、あーそーぼ♪」
バサバサと翼をはためかせて、地上に降りるフランドール。
「今はそんな暇は・・・・・・」
だが、魔理沙はフランの眼を見て、その後の言葉を失う。
「・・・・・・・・・おい、フラン」
ピリピリと殺気を高めながら魔理沙は火炉と符をスカートの中で掴む。
「一つ、聞くが、アリスが紅魔館に行っていたりしないか?」
その質問に、ニタリ、と悪魔の笑みを返しながら。
「お姉様が連れて行ったよ。お祭りの主賓として」
意思のない、瞳を携えたフランドールが答える。
瞬間、魔理沙はフランドールにマスタースパークを放つ。
「アハハ!」
それを左手で受け止めるフランドール。
「弾幕遊びだね!勝ったら魔理沙は私の物になるんだぁ~!嬉しいな!」
ケラケラと笑う「ソレ」は、右手に紅い剣を出現させる。
「禁忌!レーヴァーテイン!」
刃となる部分が伸び、周辺にそびえていた樹林をなぎ払うように魔理沙に振りぬく。
「・・・・・・」
魔理沙はそれを「箒」で受け止め。
「ハァァァァァァ!」
受け止めたまま自身の魔力を上げていく。
放出していたマスタースパークが徐々に大きくなり――――
「え?」
フランの半身を、なぎ払った。
爆発と共に、吹き飛ばされていく。
「なん・・・・・・で?再生できないの」
半身を再生しようと力を入れるが再生されない。
「当たり前だ。まだ月は完全に上がってないからな」
半身となって倒れているフランドールに、怒気を携えた魔理沙が近づいていく。
「まだ、眼が醒めないかフラン」
「・・・醒める?なんのこと?」
必死に起き上がろうと身をよじるフランドール。
「・・・・・・わからないならいい。お前は悪くない」
だけど。
「何でアリスを連れて行ったか知らないが」
だけど。
「私は、酷く怒っているんだぜ」
だけど・・・!
「だから、消えろ」
火炉に魔力を集中させる。
無邪気に笑うフラン、自分に懐いていた吸血鬼。
それを、零距離でマスタースパークを放って消し飛ばす。
「・・・・・・・・・」
後に残ったのは、大きく穴を開けた地面だけだった。
「・・・・・・レミリア!」
フランドールは言っていた。お姉さまが連れて行ったと。
なら、あんな風にフランにしたのもレミリアだろう。
箒にまたがり、紅魔館に向け、最大全速で向かう魔理沙であった。













「・・・・・・?なにかしら、あれ?」
魔理沙が来てから数刻が経ち、私もアリスを探しに行くべきかと思っていた所に。
フラフラと、夜空に浮かぶ何かが見えていた。
それは徐々にこっちに近づいてきて。
「・・・!?」
肉眼で確認出来た時には、飛翔して、その小さな少女を抱きかかえていた。
「・・・ぁ、霊夢、さん」
「しっかりしなさい、何があったの?」
腹部から出血しているのか、小悪魔の全身は、赤黒い血液で固まっていた。
「む、無理を承知で、お願いしたい事が・・・」
呟くように言い、小悪魔は意識がある内に、紅魔館で起きている事を説明する。
「・・・本当に、無理を承知ね・・・」
既に、満月は昇りきっている。
「ご、ごめんなさい・・・本当なら・・・朝に着くはずだったのですが・・・」
何度意識が消えそうになったかわからないぐらいで、小悪魔はここに来られた事自体も奇跡に近かった。
「・・・別に、責めているわけじゃないわ。少し、´面倒´だなぁーと思っただけよ」
息も絶え絶えなリドルにニコリと笑い。
「知らせてくれてありがと。ここからは、私が受け持つわ」
闘う事を宣言した。















「・・・・・・・・・」
満月が水面に反射される静かな夜。
紅美鈴は、門に不動となって立ちながら、霧の湖の上を飛んでいる「敵」を見る。
「よぉ、中国」
その「敵」は、いつものように、地下図書室の本を奪いに来る時と同じように、気さくに私に声をかける。
距離にして、約200。
「こんばんは、魔理沙」
美鈴もいつものように挨拶を返す。
「で、いきなりで悪いんだが、そこを通してくれないか?」
いつもは何も宣言をせずに弾幕を張る魔理沙にしては珍しい事だ。
「駄目ですね。素通りさせては門番の意味がないじゃないですか」
それに、と一度言葉を切ってから、不動に立っていた姿勢から、「敵」を倒す為の構えを取る。
「魔理沙が来たら、捕縛しろとレミリアお嬢様に言われているんですよ」
それが、戦闘の合図となった。
門から離れ、一息で魔理沙の懐に入ろうと駆け走る美鈴。
「星符」
だが、それを読んでいたのか、魔理沙も突撃の構えを取り。
「ブレイジングスターー!!」
今まで止められた事がない、一つの彗星となって美鈴に突撃する。
「カァ!」
駆け走る足を急停止させ、美鈴はいつもと違う構えでブレイジングスターを待ち構える。
そう、魔理沙が知る由もない、魔系最強の武闘の構え。
その構えを取った美鈴に衝突する彗星。
「・・・な、に・・・・・・!?」
だが、確実に倒せる筈の彗星は。
「私を、甘く見ないほうがいいですよ?」
上げられていた右手によって、受け止められていた。
「っふ!」
すかさず左手で魔理沙の腹部に拳を叩き込む。
「く・・・!」
身をよじってかわそうとするが、空中で箒ごと受け止められているせいでうまく動けない。
美鈴の拳は、何の躊躇もなく、魔理沙の肋骨を破壊する。
「~~~~!」
激痛が走るが、歯を食いしばって、片手でマジックナパームをその場で爆発させる。
「・・・!」
爆発を十字にした腕でガードする美鈴。
その拍子に、もう一度距離を取る魔理沙。
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・ごほ」
口から血が溢れてくる。砕かれた骨が肺か内臓に刺さったのか、息がうまくできない。
「無茶しますねぇ。今の一撃で決まったとおもったんですけど」
美鈴は余裕を持った表情で、再びブレイジングスターを止めた構えをとる。
右手は天に、左手は地に。
ある魔王が使っていたといわれる究極の構え。
「天地魔闘の構えをして、初撃で立っていられた方は初めてですよ」
何処でそれを知ったのか、美鈴はこの武闘の構えを自分に一番合った構えとし、切り札としていつも使わずにしていた。
だが、今回は弾幕遊びではない。最初から本気で魔理沙を仕留める為に使っている。
「・・・・・・まさか、私のブレイジングスターを片手で止められるとはな・・・」
肋骨を破壊された痛みは引かないが、ようやく息は整ってきた。
「私の奥の手ですから、止まらなかったらどうしようと思いました」
実際の所、美鈴は片手で止めたわけではない。激突するまえに他の足や腕に力を加え、全身の力を右手に集めただけなのである。
美鈴はもう少し魔力が高かったら、自身の右腕が持っていかれたところだと、余裕の表情とは裏腹に、冷や汗をかいていた。
「・・・・・・少し、お前の事を甘く見てた」
魔理沙は恋符と火炉を離れた距離で構える。
「レミリアの所まで温存していきたかったが・・・どうやらそうもさせてくれないみたいだしな」
魔力が高まっていくのが、美鈴からも見て取れた。
「だから、本気でいくぜ。´美鈴´・・・!」
全てを焼かんと火炉に魔力が集中し。
「恋符!マスタースパーク!」
叫びと共に、光の閃光が美鈴に向かって放たれる。
「ハァァァ!」
真っ向から再び受け止める美鈴。
「・・・・・・グ」
さっきのブレイジングスターより遥かに重い・・・!
「グゥゥゥ・・・」
じりじりと、後ろに下がらされる美鈴の身体。
「ク・・・・・アァ!」
だが、引き下がるわけには行かないと、広げていた手を、拳に変え。
全力で振りぬいて、マスタースパークをかき消した。
「はぁ・・・はぁ・・・」
右手がブスブスと嫌な臭いと共に焼けている感覚があったが、気にしない。
マスタースパークを放射していた魔理沙の方を見る。
「・・・・・・え?」
だが、向いた方向には・・・いない。
「恋符、星府」
頭上で、魔理沙の声が聞こえ、空を見上げる。
「ドラゴン・・・・・・メテオ!」
そこには、再び極大の光の閃光を放つ魔理沙の姿が。
「・・・ぁ」
それを呆然と見上げながら、美鈴は閃光をその身に受けた。














「・・・何で、フランが倒れているのよ」
小悪魔を博麗神社で休ませ、霊夢は魔理沙を呼びに魔法の森に来ていた。
だが、魔理沙の家に行ってみたが、当の本人がいなく、アリスの家にいるのだろうかと思い、こっちに来てみたら、何かで破壊されたクレーターの上に、寝息を立てながらフランドールが倒れている始末である。
「・・・とりあえず」
霊夢はフランドールを抱き上げて、アリスの家の中に入れる。
日が昇ってしまえば、フランドールは太陽に焼かれてしまう。
安らかな顔で寝息を立てるフランドールを2階の寝室のベッドに寝かせ、霊夢は、さっきのクレーターの事を考える。
「って、どう考えても魔理沙のマスタースパークよね・・・あれ」
フランドールと闘って、そのまま紅魔館に向かったのか。
「・・・全く、私じゃないんだから無茶しないでよ」
アリスの家へと出て、霊夢も紅魔館へと急ぎ飛ぶ。
戦闘が、既にどれぐらい進んでいるかも知らず。



















「・・・・・・今度は、アンタか」
痛む肋骨を腕で押さえながら魔理沙は紅魔館の中へと入った。
そこには、一階のホールに何百とナイフを´止めて´いる、一人のメイドが二階に続くテラスに立っていた。
「まさか本気の中国を倒してくるとは。流石と、言うべきかしら」
「咲夜、何でレミリアはこんな事をした」
戦いながらも思った事がある。
何でこんな馬鹿な真似をあの紅の吸血鬼は仕組んだのだろうと。
「それは本人に聞けばわかることよ・・・もっとも」
止まっていた数百のナイフが、魔理沙の方に向き。
「ここで貴方は意識を失う事になるわ!」
的を刺さんと魔理沙に迫る!
「星符!」
魔理沙は箒を翻し、上に向かって飛びながら発動させる。
「スターダストレヴァリエ!」
流星のごとく大小様々な星が魔理沙の通った後から出現し、ナイフと相殺していく。
「甘いわね」
いつ移動したのか、横から出現してきた咲夜自身のナイフの攻撃が、魔理沙に向かって放たれる。
「く・・・!」
それを必死にマジックミサイルで撃ち落す魔理沙。
「貴方がこの空間に入った時点で、私の負けはないのよ!」
声は後ろから聞こえてくる。
「な・・・・・・!?」
時間を操る能力によって高速移動する咲夜の身体を眼で負えない・・・!
いつ放たれたかもわからない左右上下から来るナイフ。
「・・・儀符!オーラレーリーズサン!」
星の結界を展開させ、周囲一体から来るナイフを防ぎきる魔理沙。
「幻符」
そこに。
「殺人ドール!」
咲夜によって光速で放たれる銀の刃。
星の結界を一点突破し、魔理沙の右足に何本か突き刺さる。
「が・・・!」
飛んでいた身体がぐらつく。
「落ちなさい。星の魔女」
そこに、何の躊躇もなく、咲夜の飛び蹴りが放たれた。













「ぐあ!」
蹴りの衝撃に耐えられなく、地面へと叩きつけられる。
倒れた拍子に、箒が自分の手元から転がっていった。
「チェックメイトね、魔理沙」
頭上からは、ナイフを周辺に展開させる咲夜の姿が。
「・・・・・・」
魔理沙は自分の足に刺さっているナイフを引き抜こうとナイフの柄に手をかける。
「・・・っつ!」
傷口から溢れる自分の血液、流れていく自分の血液、最後に刺さっていたナイフを引き抜いた時には、右足の黒いエプロンドレスは、赤く染まっていた。
無理やり立ち上がる。
痛い痛いと身体中が叫んでいる。
「・・・・・・天儀」
だが、引くわけにはいかない、倒れるわけにもいかなかった。
「オーラレーリーズ・・・ソーラーシステム!」
大切な人を、取り返す為に。













あれだけ負傷しながらも、未だに動ける魔理沙に、咲夜は内心、驚愕していた。
どうして立ち上がってくるのか。
どうして未だに、そんな眼で私に歯向かってくるのか。
「・・・ク」
咲夜は展開していたナイフを魔理沙に全て放つ。
だが、それが一本たりとも、魔理沙に届く事はなかった。
「な・・・!?」
展開された五つの星が、魔理沙を守るように動き、多重結界を張っていた。
「な、なら・・・!」
放つナイフが当たらないのならばと思い、咲夜は時間を操って自身を加速させ、高速で魔理沙の横からナイフを突き刺さんと、ナイフを振り上げる。
ザシュ――――――――――
それは、魔理沙の右肩に突き刺さった、が。
ガシ―――――――――――
同時に、魔理沙は突き刺した咲夜の腕を左腕で捕まえる。
「・・・・・・恋符!」
ナイフが突き刺さったままの右肩を無理やり動かし、零距離で咲夜に向けてそれは放たれる。
「マスタースパーク!」
閃光は咲夜を吹き飛ばし、ホールを吹き飛ばしながら、全てを破壊していった。













「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
右肩に突き刺されたナイフを抜いて、魔理沙は地面に転がっていた箒を、左手で取る。
マスタースパークを直撃させる為とはいえ、無理をしすぎた。
右足を引きずるようにして上へと向かう。
残るは・・・パチュリーとレミリア・・・か?
魔力消費が激しい天儀まで使ってしまい、魔理沙は自身に残っている魔力が残り少ない事に舌打ちせざるを得ない。
景色が暗くなっていく感じがし、首を横に振って必死に止める。
「寝るには・・・・・・まだ早いだろ・・・・・・」
一歩一歩前へと進む。
いつもなら妖精メイドが徘徊する廊下も、無人になっており、魔理沙の息遣い以外、何も聞こえてこない。
二階の廊下を進んでいき、三階の階段も上って、大広間へと続く扉を開ける。
そこに、いた。
頭上に十字架に磔にされているアリスと、その下で、腕組をしながら待つレミリアが。
















「待っていたわよ。魔理沙」
「恋符・・・!」
レミリアが歓迎の意を取る時には、魔理沙は火炉に魔力を集中していた。
「マスタースパーク!」
放たれる光の閃光。
「もう、そんなに焦ることもなくてよ?」
そのマスタースパークを、何の構えもなしに、左手で受け止めるレミリア。
「日が昇るまでまだ大分時間があるわ」
受け止めたまま、レミリアは右手を上げ、頭上に赤い光弾を作り上げる。
「だから、楽しみましょう?」
ヘルズ、カタストロフィ―――
赤い光弾は魔理沙を飲み込まんとレミリアの元から放たれる。
「・・・!チィ!」
マスタースパークの放射を止め、横に転がってかわす魔理沙。
走ってかわそうとしたが、全身に激痛が走り、もはやちゃんと動くことさえ出来ずにいた。
「アハハハ!ほらほら!ちゃんと避けなさい!」
球体から何度も何度も赤い光弾が放たれる。
それをゴロゴロと転がりながら、魔理沙は頭上にいるアリスの様子を見る、
鎖で十字架に磔にされているみたいで、意識を失っているみたいだ。
せめて、意識を戻せれば・・・・・・。
赤い光弾を転がってかわしながら、再び火炉に魔力を集中させ。
「マスタースパーク!」
起き上がり、迫ってくる光弾を全てマスタースパークで吹き飛ばす。
魔力と魔力の衝突で爆発が起こり、辺り一面煙で見えなくなった。
「・・・アリス!」
箒にまたがり、アリスの元へと飛ぼうとし。










「余所見はいけないと思うわ。魔理沙」














煙から、一筋の赤い槍が、右肩をえぐった。
「が・・・・・・!?」
えぐられた衝撃そのままに、地面へと転がりこむ魔理沙。
その拍子に、トレードマークのトンガリ帽子が地面に落ちる。
「敵を目の前にして他の物に気をとられていたら、貴方死ぬわよ?」
煙が晴れた先には、光弾ではなく、赤い槍を携えたレミリアが立っていた。
ブスブスと、咲夜に刺された傷口を上書きするように肌を焦がしていた。
「く・・・・・・そ」
まだ動いていた右肩が、それで完全に動かなくなる。
必死に左手だけで起き上がり、火炉を構える。
両手で放つドラゴンメテオは、これで使えない。マスタースパークも後何発撃てるかもわからない。
他二つの符も、レミリアを打倒出来るか?と言われると、無理に近かった。
絶体絶命というやつだ。
「まだ起き上がれるだけたいしたものね。流石私の見込んだ人間」
「・・・・・・どういう意味だそれは?」
何か打倒出来る手段はないものかと、時間稼ぎの上で、その口上に乗る魔理沙。
「あら?フランから聞かされてないの?わざわざあの子を貴方の所に出向かせたというのに」
しょうがないわね、とため息を吐きつつ、レミリアは私を値踏みするように見る。
「私は貴方と霊夢が欲しいのよ」
「・・・・・・・・・は?」
何を言ってるんだ・・・この吸血鬼は。
「あの紅霧異変以来・・・・・・ずっと思っていたの、貴方たち二人を私の僕に出来たらって」
うっとりと、自分の考えに酔うレミリア。
「特に霊夢よ。あの巫女を従者に出来たらどれだけ楽しくなるか・・・その為にも、まずは貴方から従者にする事にしたの」
「・・・・・・つまり、あれか?」
その答えに、魔理沙は身体を震わせ。
「自分の勝手気ままな事に、アリスを巻き込んだのか・・・?」
怒りで全身が熱くなっていった。
「ええ、そうよ」
私はその言葉に切れて、火炉に、残っている魔力全てをつぎ込んでいく・・・!
「恋符・・・!」
マスタースパークじゃこの吸血鬼を打倒できない。
「ファイナル・・・!」
ならば、マスタースパークを放射する為の魔力を、何重にも上乗せして撃てば・・・!
「スパーーーーーーーーーーーク!!」
火炉がバチバチと嫌な音を立てるが、マスタースパークの何倍もの威力を持った光の閃光は、確実にレミリアの元に放たれた。
「・・・!?スピア・ザ・グングニル!」
慌てて赤い魔槍を放つレミリア。
だが、相殺も拮抗もせずに、その魔槍は、光の閃光に呑み込まれていった。
「な・・・!」
レミリアは両手でそれを受け止める。
だが、抗えるはずもなく。
「ぐ、あああああああ!」
光の閃光に飲まれながら、大広間ごと吹き飛んだ。
















「・・・・・・上で決着がついたのかしら?」
地響きを地下牢で聞きながら、霊夢は小悪魔から聞いていた情報を元に、テラスで転がっていた咲夜から鍵を奪ってパチュリーを牢屋から出していた。
「・・・・・・いえ、急ぎましょう。レミリアは、今日は絶対に消滅しない」
走りながら、未だに続く戦場へと急ぐ二人。











「なん・・・・・・だと?」
渾身のファイナルスパークを撃ち、うつぶせに倒れながら、煙が晴れていくところを見守っていた魔理沙は、そこに無傷のレミリアが、狂気の笑みをしながら立っているのをみて、驚愕した。
「アッハッハッハッハ!まさか!まさかここまで私に膝をつかせるなんて!満月の日を選んでなかったら負けていた所よ!魔理沙!」
高らかに笑うレミリア。
大広間はファイナルスパークで開けられた穴によって、月の光がレミリアの後ろから入ってきていた。
魔理沙は今日が満月等と考えずに挑み、レミリアに敗北したのである。
どれほど高らかに笑っていただろうか。
「アッハッハ・・・・・・さて、と」
うつぶせに倒れている私を見て、再び赤い槍を出現させ、構えるレミリア。
「もう、動けないみたいね?」
ニヤリと、悪魔らしい笑みをしながらレミリアは投光の構えに入る。
「くそ・・・・・・」
意識はあるのに身体が言うことを聞かない。
「気に病む事はないわ。貴方を従者にしたら、アリスを貴方にあげるぐらいはしてあげる」
赤い槍に徐々に徐々に魔力が高まってきて。
「それじゃあ、おやすみなさい。魔理沙」
私の意識を奪う、魔の槍が放たれた。
アリス・・・・・・!
ぎゅっと目を閉じながら、アリスを助けられなかった事を悔やむ。
















・・・・・・・・・・・・?
だが、いつまで経ってもスピア・ザ・グングニルの衝撃は来ず。
「ヒーローってのは、遅れて登場するものよね?」
代わりに、ここにはいないはずの、紅白の巫女の声が聞こえてきた。
眼を開ける。
そこには、魔理沙を守るようにレミリアの前に立ちはだかる、霊夢の姿があった。

















「霊、夢」
本能では一番来て欲しいと思い、理性は、この巫女は今日、ここには来させてはいけないと思った人物。
「こんばんは。レミリア。早速で悪いのだけど、私、それなりに怒っているのよね」
懐から札を取り出し。
「人の恋路を邪魔なんかしてくれちゃって、あげくのはてに自分の我が侭とおす為に色んな人を傷つけて」
笑みをかたどりながら、どう消滅させようかと考え。
「だから、失せなさい」
タン、と。人とは思えない速度でレミリアの懐に入る。
「な・・・!?」
それはレミリアでさえも知覚出来ない速度。
「封魔陣」
すべるようにレミリアの周囲を駆け抜け、発動させる。
「が・・・!?」
周囲が圧迫されていく。
「まだ終わらないわよ。封魔陣、封魔陣、封魔陣!」
更に三つ、札を発動させ。
「あああ!?」
レミリアの身体を崩壊させていく。
「けど、それじゃあ貴方は死なないのよね」
結界を張った所から更に霊夢は、レミリアの顔を蹴り飛ばして距離を取った。
「だから仕留められる準備が出来るまで、´遊んで´あげるわ」











「・・・・・・」
それを唖然として見ている魔理沙。
ここまで、ここまで次元が違うのか。
レミリアの爪や翼、赤い魔槍や光弾でさえも、霊夢にはかすりもしない。
あげくのはてにカウンターで封魔陣と蹴り飛ばしたり殴ったりの物理攻撃でレミリアを文字通り、弄んでいる状態なのだ。
「・・・魔理沙」
後ろから声がして振り返る。
そこには、私の傷を見て、険しい顔をするパチュリーがいた。
「すぐに直すから・・・待っていて」
魔理沙を抱き起こして、傷口にそっと触れていく。
浄化の「水」と目覚めの「木」の複合魔法を使い、右肩から治していく。
感覚がなかった右肩に、徐々に神経が回復していったのか、痛みと共に、動かせるようになった。
「貴方が完全に回復したら、レミリアを止めるわ」
治しながらパチュリーは魔理沙に言う。
「と、止めるって言ったって、ファイナルスパークでも消滅できなかった奴をどうやって止めるんだ?」
日が昇るまでまだ随分とある。その間に、レミリアを動けなくする事を出来るのか?
「私と・・・魔理沙と霊夢がいれば・・・出来なくもないわ」
パチュリーは治しながらその´秘策´を説明する。






「グ・・・!」
どの攻撃も空振り、霊夢は息を乱す事なく攻撃を加えてくる。
「この・・・調子に乗るな!」
周囲一体を赤く染めていく。
「レッドマジック!」
大広間周辺全てを焼かんと、赤い魔力の波が襲い掛かる!
「怒った所で、当たらないものが余計当たらなくなるわよ」
だが、それを見越していたのか、射程外ぎりぎりに身を置く霊夢は何だと言うのか。
あの時の紅霧異変より遥かに強く感じる。
あの時は手加減していたと言うのか?
「・・・・・・・・・ハハ」
手加減されるほど、私は弱いのか。
「・・・・・・・ハハハ」
否・・・・・・・・・否、否!
「アッハッハッハッハッハ!」
私こそ、最強の吸血鬼、レミリア・スカーレットだ!
「・・・・・・哀れね、レミリア」
笑うレミリアをいつの間にか、悲しい顔で見ている霊夢。
「・・・何故、哀れだと思うのかしら?」
こんなに笑いながら楽しんでいると言うのに、何故?
「貴方、自分でわかってないのかしら」
だから、何をよ!
















「泣いているわよ」
「・・・・・・・・・え?」
自分の頬に触れる。
確かに、私は泣いていた。
「なん・・・・・・で?」
何故、泣いているのか。
「・・・いいわ。遊ぶのは、やめにしましょう」
霊夢は後ろの二人が、行動出来るのを見て、パチュリーに言われた通りにレミリアの横に動く。
「・・・!なにを」
するのと言う前に、自身に張られた結界に気づく。
「レミリア・・・・・・」
目の前には、悲しい顔をしている友人。
「頭を、冷やしましょう?」
私は、貴方の味方でいるから――――――――
魔理沙と霊夢が、横から挟むように星と霊の結界を張る。
パチュリーは、自ら友人であるレミリアに、この闘いの´終止符´を放つ。
「ロイヤル、フレア」
まばゆい、擬似的な太陽の業火が、辺り一面を焼いた。






















「ん・・・・・・」
ゆっくりと、アリスは目を開けた。
最初に見えたのは見慣れない木製の天井。
「お、目が覚めたか」
横からそんな声が聞こえてきた。
振り向けば、本を片手に椅子に座っている魔理沙がいた。
「魔理沙・・・?」
身体を起き上がらせようと、腕に力を入れる。
「おいおい、もう動いても平気なのか?」
「・・・なに、が?」
その言葉に何か引っかかる。そもそも、私はどうしてこんな所で寝ている・・・?
「・・・あ」
脳裏によぎったのはあの紅の吸血鬼がいきなり攻撃してきた光景。
「そ、そうよ!魔理沙!あの吸血鬼はどうしたの!?」
「あぁ、それに関しては解決済みだぜ。おかげさんで痛い目にあったもんだ」
右腕に巻いていた包帯を見せて、終わったんだと言う魔理沙。
「・・・・・・魔理沙が、助けてくれたの?」
その質問に、魔理沙は苦笑する。
「私が助けたというか・・・全部、最後は霊夢にいいとこもっていかれたけどな」
魔理沙はそう言うが、実際のところ霊夢が来ていなければ魔理沙は今頃レミリアの僕として永遠を生きるはめになっていたところだ。
それが霊夢にもわかっていたせいか、紅魔館で、帰り際に貸し1ねと言われる始末。
あの後、レミリアを結界の中で再生できなくさせたが、消滅させる気にはなれなかった。
あいつは決して悪いわけじゃない。ただ単に、自分以上の存在を認められなかったんだろう。
皆の見解一致により、頭を冷やすという意味でパチュリーが側について見守る事になった。
まぁ、私の傷も大抵治してもらったわけだしな。
後一箇所って所でむきゅーとパチュリーがぶっ倒れたけど。久しぶりに魔力を消費しすぎたとかで。
「・・・・・・・・・」
アリスは私の包帯の傷を見て、少し落ち込んだような顔をしていた。
「その・・・ごめんなさい」
寝台で謝るアリスに私は首を振る。
「自分で好きな人を助けたいと思ったんだ。謝るなよ」
そんな謝るアリスに、さらっと湖で言おうとした告白を言った。
「・・・・・・・・・え?」
だが、当の本人はポカンとした顔をしたまま硬直してしまう。
「・・・・・今、魔理沙、何て言ったの?」
もう一度聞かなければ、わからないと言ったように、聞き返してくる。
「・・・・・・好きだって言ったんだよ。アリス、お前のことが、誰よりも好きだ」
顔を紅潮させながら魔理沙は二度目の告白をする。
恥ずかしいとは思ったがこれぐらい言わないと伝わらないのなら何度だって言ってみせる。
その告白に、アリスも赤面する。
「・・・・・・・・・」
「・・・私は言ったからな、アリス、後はお前の返事を聞きたい」
もしこれで断られたらどうしようかと緊張するが、顔には出さない。
「私は・・・・・・」
アリスは、深呼吸しながら答える。
「・・・・・・私も、魔理沙の事が好きよ、誰よりも、貴方の事を愛してる」
その言葉を聞いて、魔理沙は寝台で身体を起こしてアリスを抱きしめる。
「ちょ・・・魔理沙!?」
いきなり抱きつかれて慌てるアリスだったが、無理に振りほどこうとは思わなかった。
むしろ抱きついてきた魔理沙の背中に手を回し、抱き返す。







「・・・・・・ずっと、不安だったんだ」
抱きしめながら魔理沙は告白する。
「アリスの事が欲しくて、けれど友達以上に私は想われているのかって。不安で、口に出せなかった」
魔理沙の顔は見えなかったが、肩に、水滴が落ちてきている。
「アリスが、紅魔館に連れて行かれたって知ったとき、私はわけがわからなくなった。ずっと、湖で好きだって言おうとしていたのに、それをあんな形で、アリスを失うかもしれないって思わされて」
顔は隠せていても、涙声と肩にかかる水滴で、泣いているのが隠せていない。
「だから、湖でなんてもう待たない。アリス、お前の事が誰よりも好きだ。もう二度と、離さない」
三度目の告白は誓いと共に。
アリスはその誓いに答えるように強く抱きかえした。
「えぇ・・・私もよ。二度と、離しはしないわ」















「・・・・・・ふふ、おめでとう。魔理沙」
アリスと魔理沙が熱い告白に熱い抱擁を繰り返している中、廊下では、霊夢がそれを聞き耳していた。
霊夢は純粋に、魔理沙の恋が成就したことを心の中で祝う。
「さてと、お邪魔虫は帰るかしら」
音を立てないようにして霊夢はアリスの家を出て、神社へと飛ぶ。
私も大切な人が出来るといいなぁという甘い願望を抱きながら。






後日、湖には行った。魔理沙とアリスだけではなかったが。
だが、そこで天狗に撮られた写真は、あの闘いが嘘のような、皆がはしゃぎ回っている写真であった。  ~fin
美鈴に天地魔闘の構えをさせたくて書いた。後悔はしていない。
・・・・・・の一言じゃ流石に歯切れが悪いので、どうも。こんばんは。
何でダイの大○険ネタ・・・?と思われる方もいるかも知れませんが、何を思ったのか、頭の中に出てきてしまったのでそのままネタにしてしまいました。
月見酒では感想どうもありがとうございます。東方の変換フリーソフトなんて便利なものあったんですねぇ。サイトを開いたらその感想を見たので今後の作品で使ってみます~。
後は実は妖夢好き??と書かれていましたが、アハハ。下手したら一番嫌いです。ええ。
ただ、嫌いと言っても憎めないんですけどねぇ。幽々子の事を思う一途な半霊剣士・・・それだけで一作綺麗な作品を書けそうな程良い子ですし。
一番好きなのは魔理沙ですけどね。

で、今回の作品ですが、最近ようやく東方萃夢想をストーリーモードallクリアを果たし、記念にという気分もかねて書かせていただきました。
萃香ストーリーでしか出さない魔理沙のドラゴンメテオ等、画面外からどうやって撃ってるんだろうなぁと自分でその撃っているのをイメージして書いていたりしたときはとても楽しかったです。
それでリクエストがそういえば紅魔館勢の話を~という昔のを思い出して、じゃあアリ×マリと合体させてしまおうと、そこまで言ったら、これはもうレミリア様にまた「悪魔」になってもらうしかないと思ったわけです。
まぁ、「並行世界」という言葉を使ってしまえば、起こるかもしれない話です。起こってほしくはないですが。
霊夢も魔理沙スキーにしてもよかったのですが、それじゃあ魔理沙を取り合った四つ関係になってしまうと気づいて、爽やかに霊夢を書いたりと、こういう霊夢もありかなと。
後悩んだのは小悪魔が刺されてしまう所で分割するべきか?と思ったぐらいですかね。私はリドルという呼び名の方がしっくりと来るので呼び方もそちらを使わせていただきましたが。
まぁ分割は辞める事にしました。起承転結をもっとうに書いてる自分としては最後の結まで書かないととも思いましたので。
次回は多分妖夢×幽々子、、ですかね?ありがちですが綺麗な作品を書けるというのはこれかなと
では、少しグダグダと語ってしまいましたが、この辺で。お目汚しなければ感想批評お願いします。
PS:友はオーラレーリーズをバケツと言い、私はあれを星と見ているのですが、実際の所どっちなんでしょうね?
七氏
[email protected]
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コメント



0.380簡易評価
3.30名前が無い程度の能力削除
アリマリは好きなんだけど…今作は…。違和感を感じた部分が多かった。
レミリアがフランを簡単に洗脳できたことや、ひとりで外出させたこと。「お前は悪くない」と言いつつ平気で消そうとした魔理沙。
従者にと望む我侭なお嬢様は想像できるけど、そもそもどうやって従者にしようと?小食だから同族にも出来ず、言ったところで聞くたまじゃないし。考えなしに行動するバカじゃないから、方法まで述べてほしかった。
魔理沙が霊夢に食われちゃってるのも残念。後日談は物足りないと思った。
タラタラ書いてすみません。次回作も期待してます。
8.無評価七氏削除
批評ども。今回2作目の「願い」払拭もかねて書いたのですが、うーんと、魔理沙の消し飛ばしたシーンはなんていうんですかね、私的には好きな人がいきなりいなくなってそれの原因がいたとして、口で言って自分でわかってても、やり場のない怒りをとりあえずぶちかます。って感じに思ってしまい、消し飛ばしたのですが、で、満月設定が表記されているのなら消し飛ばした所でフランとレミリアは消滅できない。なら魔理沙がここで消し飛ばした所でも霊夢が後で見つけるフラグを立てれば救いはあると思ったのですがどうにも、評判悪いようで。 で、そうですねぇ、説明分というか、最初は自主的にフランを魔理沙の所に行かせる。アリスを運んだことをフランが言ってしまうという感じに書いていたのですが、インパクトないかなぁと思い、レミリアの運命操作で操り人形状態にしてしまえばいいと思って書いたのですが、説明文入れるべきでしたねぇ。で、従者にする→単純に吸血→僕完了。 吸血鬼ならこの流れで読んでもらえるかなぁと思ったのですがそこも説明が必要でしたかぁ。
で、霊夢をあそこまで強くした理由は、読んでもらうとわかると思うのですが、あくまでレミリアは魔理沙しか呼ぼうとしてないんですよね。というか、ここらへんの説明文を逆に削ったのが失敗だったのかなぁ。レミリアは馬鹿じゃないだけ、あくまで最初は魔理沙をつる。次に霊夢をつるという展開で行きたかったわけで、誤算はパチュリーが賛同してくれなかった事、咲夜は、レミリアは同時に魔理沙と霊夢を相手にする気だと思い、小悪魔を逃した。
こういう風に霊夢を近づけたらヤバイというのを設定で持ってきて、最後にああいう風にやらせたわけなのですが。
うーん、今以上に説明臭くなるから削ったんですが裏目にでたのかなぁホントに。
後日談もレミリアがあの後どうなったのかとか、湖で遊ぶ場面とか最初はあったのですが、最後なのにグダグダと書いてるかなぁ・・・とか思ってしまい、全カットで後日云々で綺麗に二行で纏めたのですが。
今回全部裏目に出た予感。誰かを傷つける作品は難しいものですねぇ。
9.無評価名前が無い程度の能力削除
補完ありがとうございました。説明させてしまって。運命操作で操り人形状態に~と書かれると、あぁ、なるほどな、と。
単純に吸血→僕って流れが頭から抜け落ちていました。なんだろう、レミリアが僕を作るってこと自体に違和感を持っていたからだと思います。
吸血鬼なんだから当たり前のことなのに、そう思えなかった。私だけかも知れません、そんな変な思い込みを持ってたのは。
魔理沙についても、後日談についても、どうもでした。
11.60SETH削除
優しいパチュリーだわ
13.70空気を読めない程度の能力削除
我侭じゃなきゃレミリア様じゃないよ!とまでは言えませんが、紅魔郷の頃のレミリア様は今作のようだったんだろうと思いながら読みました。
パチェはやっぱりレミィの友達ですね。彼女がいないとw
18.-20名前が無い程度の能力削除
アリマリと期待していたのですが…
魔理沙が強すぎる気がする。
他の言いたい事は既に言われているのであえては書きませんが。