Coolier - 新生・東方創想話

藍のとある一日

2007/06/03 07:44:55
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最後の方がちょっと壊れてます

拙い作品ですが、楽しんでいただければ幸いです





































午前6時

目を覚まして布団から出る。
隣に居る橙はまだ寝ている
布団を蹴飛ばしていたので、元に戻しておいた。
起きて直ぐ、私は洗面台に向かう。
顔を洗って、良く目を覚ます。
式神は水に弱いが、この程度の量の水なら問題は無い。
まずは朝ご飯の用意だ。
今の時期は紫様も起きるので3人分の食事を用意する。
最近は紫様の生活サイクルが変わり、朝起きて夜寝るようになった。
が、あの方の事だ。
また前のようなサイクルに戻るだろう。
尤も、そのサイクルもまた今のようになるのかも知れないが。
まぁ、私があまり気に掛けることではない。
あの方の思考など私如きが推察できる訳など無いのだから。
ただ、私はあの方に合わせて活動すれば良い。
・・・・・・偶に疑問に思う事も無きにしも非ずだが。


午前7時

トントントン・・・・・・
まな板に包丁のリズムを刻んでいると、
「おはようございます、藍様~」
橙が起きてきた。
「ああ、おはよう橙。」
まだ眠いのか、瞼をこすっている。
パジャマをだらしなく着ながらのその行動はとても可愛く見える。
「ん~・・・・・・」
鼻をクンクンとさせている。
「今日の朝ご飯はなんですか~?」
「鮭の塩焼きと油揚げの味噌汁だよ。」
「わぁ!鮭!!」
鮭と聞いて途端に橙の顔が明るくなる。
一気に目も覚めたようだ。
「もう直ぐ出来るから、その前に顔を洗って着替えてきなさい。」
「は~い。」
橙は言われた行動をすべく、洗面台へと向かっていった。

鮭の焼き加減を見つつ味噌汁の具合を見る。
うん、良い感じだ。
つい油揚げを摘まみたくなるが、そこは我慢。
「橙!橙!!」
そろそろ出来ようかという所で私は橙を呼ぶ。
「は~い!」
ドタドタドタと橙が駆け寄ってくる。
「呼びましたか?藍さま!」
「すまないが紫様を起こしてきてくれ。」
「起きますかね?」
「橙。起きる、じゃない。起こすんだ。」
「わっかりました!」
私は橙にそう命じると朝食を食卓の上に並べ始めた。

「藍さま、紫様を起こしてきました!」
丁度朝食を並べ終えた所に橙がやって来てそう告げた。
「ん~・・・・・・」
橙同様寝巻きをだらしなく着ながら紫様がやって来られた。
「おはようございます、紫様。」
「まだ眠いわ~」
「さ、朝食の用意が出来てますので顔を洗って来て下さい。」
紫様の言葉を無視して私はそう告げる。
紫様に二度寝させると何時起きるか解かったものではない。
「は~い。」
渋々と言った感じで紫様は洗面台に向かわれる。

本来は私は式神なのだから立場は低いはずなのだが、家事に関しては立場が逆転する。
尤も、だからと言って必要以上に偉そうにするつもりは無い。
あくまで常識的な進言である。
紫様もそれを止めるよう命じる事は無い。
何だかんだと言ってもそう言う事は解かっておられる方なのだ。
食卓の場にチョコンと座っている橙がまだかまだかと入り口の方を見ている。
早く朝ご飯・・・・・・と言うより、鮭に有り付きたい様だ。
勿論、紫様が来て全員揃うまで食事に手を付ける事は許されない。
そう言う教育はちゃんと躾けてある。

「洗ってきたわよ~・・・ふわあぁぁぁ・・・・・・」
まだ眠そうな紫様が戻ってこられた。
「紫様、しっかりと寝巻きを正してください。」
「良いじゃないの、どうせ貴女達しか居ないんだし。」
「そう言う問題ではありません。」
「もう・・・藍はうるさいわねぇ・・・・・・そんなんじゃ行き遅れるわよ?」
「関係ありませんし、式神に行き遅れも何もあった物ではありません。」
「はぁ・・・・・・何時からこんなに反抗的になったのかしら?」
「失礼ですが、反抗はしていません。あくまで進言しているまでです。」
「うぅぅ・・・・・・・まぁ良いわ。早くご飯食べましょ。橙なんて待ちきれないみたいよ?」
見ると、橙が今にも食いつかんばかりに鮭を睨んでいた。
「食事を終えたらしっかり着替えてくださいね?」
「解かってるわよ。さ、ご飯にしましょ。」
そうして朝食が始まった。


午前10時

朝食を終えた後、洗濯を済ませて竿に干す。
今日は良く晴れており、絶好の洗濯日和だ。
「藍さま~!!」
洗濯物を干していると橙が呼んできた。
「ん?どうした?」
「ちょっと里まで行って来て良いですか?」

里とは人の里の事だ。
近年、里に住む人も少しずつ妖怪を受け入れるようになっていた。
今では橙も里に遊びに行くくらいだ。
と言っても、まだまだ限られた妖怪くらいしか受け入れてもらえないが、
それでも昔から比べれば格段に進歩があったと言って良いだろう。

「ああ、構わないよ。ただ、何時も言っているが、問題は起こさないようにな?」
「はい!解かってます!」
橙は元気良く返事をすると、そのまま駆けて行こうとした。
「ああ、橙。待ちなさい。」
「はい?」
走ろうとした体制を急に止めて橙はこちらを振り向く。
「今からだと昼に掛かるだろう。これでお昼を済ませなさい。」
私はそう言って橙に昼食を食べれるくらいのお小遣いを渡した。
「ありがとう藍様!!」
まさに満面の笑みという顔で橙は礼を言う。
そんな顔をされるとこちらも嬉しくなる。
「それじゃあ、行って来ま~す!」
橙はそう言うと、元気良く駆け出して行った。

因みにお金はちゃんとした物だ。
決して木の葉を変えたりはしない。
そう言う事をする位造作も無いが、そんな事をすれば今後里での行動が取り辛くなる。
何のかのと言っても、人の里は物を手に入れやすい。
無論、金は要るが、ルールさえ守れば労せず色々な物が手に入るのだ。
であるなら、そのルールに従って物資の流通ルートを確保した方が賢い選択だ。
それにしても本当に良い天気だ。
私も後で買い物がてら里に行ってみようか。


午後3時

昼食も済ませ、掃除を終え、洗濯物も取り込んだ。
因みに紫様は昼食後、何時ものお昼寝タイムだ。
まったく、これほどグータラな生活をしても全然体型が変わらない。
里の女子が聞けば間違いなく羨むであろう。
さて、では買い物がてら里にでも行くとしよう。


午後4時

里に到着した。
まずは夕飯のおかずでも歩きながら探そうか。
私は色々な店を除きながら道を歩く。
すると、

「あ、藍さん。」
突如、聞き慣れた声に呼ばれた。
「ああ、妖夢。奇遇だな。」
私を呼んだのは紫様のご親友の幽々子様の所の庭師、魂魄妖夢だった。
「ええ、奇遇ですね。藍さんも買出しですか?」
見ると妖夢は買い物袋を提げている。
「ああ、天気も良かったのでね。散歩がてら来て見たんだ。」
「なるほど。確かに今日は良い天気ですもんね。」
言って妖夢が空を仰ぐ。
つられて私も空を仰ぐ。

暑くも無く、寒くも無い気候。
程よく青空を飾る白いインテリア。
本当に良い天気だ。

「妖夢も買出しか?」
「ええ、また幽々子様のご病気が・・・・・・」
「そ、そうか・・・大変だな・・・・・・」
状況を察し、私はそうとしか返せなかった。

因みに幽々子様のご病気だが、
別に病に掛かってる訳ではない。
幽霊なのだ、病気になんて掛かる訳は無い。
では何か?
それは「気まぐれ」だ。
我が主の紫様にもしょっちゅう発現する病でもある。
が、妖夢の主である幽々子様の「ご病気」は特定の事に限ってなのだ。
その特定とは、食事。

私も何度か目にした事はあるのだが、
唐突に、本当に唐突に何の脈絡も無くいきなり、
「妖夢。今日は○○が食べたいわ。」
等と言って来るのだ。
当然、庭師兼従者でもある妖夢はそれに従う。
そして当然のごとく、それらは備蓄には無いのだ。
それ故、妖夢はこうして良く買い物に来る。
まぁ、仮に私がそのような事を言われたとしたら、
「ダメです。今日の献立はもう決まっています。」
と、バッサリと切り捨てるのだが。
実際、紫様の我侭もそうやって切り捨てている。

・・・・・・無論、食事に関してのみだ。
他の我侭まで切り捨てられるほど私に強い権限は無い。
それに、私の管轄以外での我侭は大抵何か考えがあっての我侭である筈なのだ。
例え、それが現状から見れば奇天烈な行動に思えても、最終的にはそれが最善の結果を結ぶ。
紫様はそれが出来るお方なのだ。
私もそれが解かっているから私の管轄・・・家事以外では紫様の我侭を拒否する事は無い。
仮に意を尋ねても教えてくれる事は無い。

しかし、この眼前にいる魂魄妖夢なる少女。
良くも悪くも生真面目なのだ。
文句は言いつつも結局は幽々子様の言う事に従う。
それが悪いとは言わないが、偶には意見しても言いと思う。
いや・・・・・・現状の妖夢では、恐らくその意見を却下されるだろう。
幽々子様は頭も口も回るお方だ。
まだ幼い(妖怪にとっては)妖夢が論戦で勝てる相手ではない。

「でも、藍さんも大変ですよね。」
「う・・・・・・ま、まぁ・・・否定はしない。」
そう、否定はしない。
何のかのと言っても、紫様に振り回されるのは事実なのだ。

「ん?お前達も来ていたのか。」
話していると再び聞き慣れた声が聞こえてきた。
「あ、慧音さん。」
「ああ、慧音。邪魔しているぞ。」
声を掛けて来たのはこの里に住む半妖の上白沢慧音だ。
半妖ではあるが、古くからこの里に居り、村人の信頼は厚い。
「別に私の里ではないのだ。邪魔をする、はおかしいぞ?」
「そうかもな。」

とは言え、長くこの里に住み、人間の為に尽くしている。
そして時には妖怪達から里を守っている。
実質、彼女がこの里で一番権限が強いだろう。
無論、彼女はそれを言えば間違いなく否定するが。

「私達もって事は他にも誰か?」
妖夢は慧音に尋ねた。
この里に来る妖怪は多くない。
私に妖夢に、
「ああ、橙だろう?」

それくらいのものだ。
ああ、後、妖怪ではないが森の七色の魔女もそうだな。
本来魔法使いは魔法使いになった時から睡眠も食事も不要らしいが、
彼女は未だそのどちらも摂っている。
故に、食糧を買いに来るのだろう。

「ああ。今は子供達と遊んでいるよ。」
「世話になっているようだな。今度菓子折りでも持って行かせてもらうよ。」
「気にする事は無いさ。子供達も楽しんでいる。お互い様だ。」
「そう言ってもらえると助かる。」
そんな話をしていると


ズズゥゥゥゥン・・・・・・


地響きがした。
「!?」
三人揃って、いや、その場に居た者全員が地響きがした方を見る。
その方角にあるのは、
「やれやれ・・・・・・・また何かやらかしたのか?」
博麗神社。
この幻想郷を取り巻く結界を支えている博麗の巫女が住む場所だ。

「霊夢さんはあまり加減しない人ですからねぇ・・・・・・」
博麗の巫女が里の人間に警戒されていると言うのは如何なものだろうか?
「まぁ、暫くすれば収まるだろう・・・・・・ん?」
良く見ると何かがこちらに迫って来ていた。
「流れ弾!?こっちに来ますよ!!」
恐らく弾幕の流れ弾であろう物がこっちに向かってきている。
妖夢は荷物を置いて構えようとする。
「妖夢。私がやるから君は荷物を落さないようにした方が良い。」
素材が傷むと幽々子様が何か言うかもしれないしな。
「私が無かった事にすれば直ぐに済むぞ?」
「何、偶には力を使わないと鈍るのでな。」

これは半分本当で半分嘘だ。
確かに力を使っていないと私自身が力の操り方を忘れるが、
力その物は主である紫様に依存されるのだ。
なれば、私が動かなかったからと言ってその力が衰える事はありえない。

「はっ!!」
私は少し強めの弾を撃った。
所詮は流れ弾の一つ。
それだけで弾の処理は終わった。
「まったく・・・・・・あいつらは。」
慧音は神社の方角を睨みながら呟く。
「・・・しかし、可笑しなものだな。」
そして今度は私達の方を見てそう言った。
「何がだ?」
「いや・・・お前達は妖怪でありながら信用できる。」
「そう思ってもらえるのは有難い事だな。」
「が、人間である筈の博麗の巫女やあの黒と白の魔法使いはどうにも危険視してしまう。」

まぁ無理も無い話だ。
博麗の巫女は大抵騒動の中心に居り、
あまつさえ色々な妖怪と仲が良い。
私の主の紫様も博麗の巫女の事は気に入っているようだし。

「なぜ妖怪が信用できるのに、人間であるあいつらを警戒せねばならんのだ?」
右手で頭を抑えながら慧音は呟く。
その言葉は尤もだ。
「はぁ・・・霊夢さんも色々活躍しているんですがねぇ・・・・・・」

確かに、博麗の巫女は様々な異変を解決している。
紅魔館の主が起こした紅霧異変に始まり、妖夢の主の幽々子様が起こした異変。
永夜異変に砕月異変などなど、どれも博麗の巫女が解決したものだ。
「問題は、博麗の巫女がその首謀者達と仲が良いという事だな。」
元々博麗の巫女が解決したという話も信憑性があまり高くない。
理由はそれぞれの首謀者の力だ。
最強レベルの吸血鬼に亡霊の姫君、永遠を生きる蓬莱人、そして鬼。
いくらルールを敷いたとは言え、どれも「人」が立ち向かうには過ぎた相手だ。
それらを倒したというが信憑性に欠けるのは無理ない事だ。
事後にそれらの者達と仲良くなっていると尚更。
しかし、これは現在の博麗の巫女の所為と言えなくもない。
現在の博麗の巫女、霊夢はあまり人の里に来ない。
そればかりか、妖怪退治もそれほど頻繁に行っているわけではない。
故に、里の人間が博麗の巫女がどれ程力があるか解からないのだ。
実際はかなりの力の持ち主であるが、それを認識されていない為、そう言う結果を招いている。

「やれやれ・・・少し奴等に灸を据えて来るとしよう。」
慧音の体がふわりと浮き上がる。
「ふむ。偶にはきつめに据えてやると良い。」
「ああ、そのつもりだ。」
「あまり効果ないと思いますけどね・・・・・・」
「では、行って来る。」
「ああ、気をつけてな。」
慧音はそのまま博麗神社へと向かっていった。
「さて、私も物色の続きでもするとしよう。」
「私はそろそろ帰りますね。」
「ああ、無用な心配とは思うが、道中気をつけてな。」
「はい。ありがとうございます。」
ペコリとお辞儀をすると妖夢は歩いていった。
さて、私もそろそろ今晩のおかずを決めてしまわないとな。


午後6時

里でも買い物を済まし、家で夕飯の準備をする。
今日の晩御飯は、
揚げ出し豆腐に刺身と野菜、そして油揚げと豆腐の味噌汁だ。
今日は良い油揚げが手に入ったので、ちょっと私好みの献立にしてみた。

「ただいま~!」
準備をしていると橙が帰ってきた。
ドタドタドタ・・・・・・
橙がこちらに向かってくる。
「藍さま、ただいまです~!」
「おかえり、橙。夕飯を作っているから手を洗ってきなさい。」
「は~い!あ、藍さま。私も手伝うね!」
ドタドタドタ・・・
そう言って橙は洗面台の方に走っていく。

橙は手伝う、と言うが、実質的な料理の手伝いではない。
私が必要としている物を取って貰うくらいだ。
いずれは教えようと思っているが、まぁ、暫くは私が担当でも構わないだろう。

考え事をしていると後ろに気配を感じた。
橙が手を洗ってきたのだろう。
「ああ、すまない。そこにある豆腐をとってくれないか?少し目が離せないんだ。」
私は振り向かずに催促するように手を出して橙にそう頼んだ。
橙は私が差し出した手に豆腐を乗せてくれた(勿論、容器に入っている)。
「油揚げを取ってくれ。」
再び手を出し、そしてその手に油揚げが乗る。
「次は、刺身を取ってくれ。つまみ食いなんかしちゃダメだぞ?」
味噌汁の具合を見ながら再び橙にそう頼む。
「ら・・・藍様・・・・・・・?」
橙が声を掛ける。
ん?気のせいか?声が遠いな。
「どうしたんだ?橙。」
ふと、気になって私は橙の方を見た。
すると、橙は入り口近くで青い顔をして立っていた。
何だ?私は何かまずい事でも言ったか?
食材に特に橙が苦手とするような物はない筈。

・・・・・・・・・・食材?
ふと、そこで私は考える。
橙の場所は明らかに食材が置いてある場所まで遠い。
入り口に立っているのだから当然だ。
何故さっきまで食材を渡していた橙があんな所に居る?
否、その考えはおかしいのだ。
橙は恐らくあそこからこっちに入ってきていない。
では・・・・・・・・
私が頼んでいたのは・・・・・・・・・



















































「刺身はこれで良いのかしら?藍。」




「ゆゆゆゆゆゆ、紫様ぁぁぁぁぁぁぁ!?!?!?!?」
なんと言う事だ!!
私は知らずに紫様に・・・・・・・
「それにしても藍も偉くなったものねぇ・・・・・・・」
ほぅ、と息を吐く。
それだけを見るならとても絵になるだろう。
が、私には猛牛が「ゴフゥ!!」と鼻息を荒げているようにしか映らなかった。
「私を顎で使うなんて・・・・・・・・ねぇ?」
ニッコリと笑いながら紫様は言う。
本当に笑顔だ。
目も笑っているし、とっても素敵な笑顔だ。








だが、それが怖い!!!








パニックになる私の頭に突如コマンドが現れた!




たたかう
にげる
じゅもん
どうぐ








ドラ○エか!?
しかも3か!!!


たたかう!?
論外!!式である私が紫様に戦った所で敗北は必至!!
式は主の言われたとおりに動いて初めて真価を発揮できる。
その主に歯向かう行動など力を出す為の真逆の行動だ。

にげる?
それも論外!
境界を操り、空間移動を普通にこなす紫様から逃げれる事などありえない!!
100%「しかし、まわりをかこまれた!!」に陥るに決まっている!!
一人にどう囲まれるのかは謎だが!!!
8回逃げて会心100%とか出来るかもしれないけど、8回逃げる前に絶対終わってる。
色々と。

じゅもん?
スペルカード?
だから戦うに相当する行為は無理だ!!!

どうぐ?
持ってない!!!

ダメだ・・・・・・どう足掻いてもダメだ・・・・・・・
ん?
再び私の頭にコマンドが・・・・・・・










リミットブレイク→
にげる
じゅもん
どうぐ











りみっとぶれいく!?



何だそれは!?
まぁ、確かに紫様に付き合ってると色々リミットがブレイクしそうにはなるが!!!
しかし、→とある。
何か窮地を脱するコマンドが!?








→あきらめる











うん、そうだな。
諦めよう。
抵抗するだけ無駄だって言うか、抵抗したほうがヤヴァイ事になる。
色々と。
「も、申し訳ございませんでした!!紫様とは気づかず・・・・・・・」
私は素直に頭を下げて謝る事にした。
「あらら、良いのよ藍。間違いは誰にでもあるわ。」
にこやかにそう言う紫様。
助かった・・・・・・・





と、考えるのは甘い!!!
紫様はこうやって安心させて置いてから落すのが好きなのだ!!
崖っぷちにしがみついていたのなら、
そこに手を差し伸べて、手を掴んだ瞬間に思いっきり振り払うように!!!
「藍。貴女失礼な事考えてない?」
「いえ、決してそのような事は!!」
ど、読心術!?
いや、まさか・・・そんな事は・・・・・・!!!
「私が人を安心させてから蹴落とす女だと思ってない?」
「思いっきり思ってます!!!」
いえ、そんな事は・・・・・・・・
ん?
んん??
んんん???
「ら、藍様・・・・・・」
怯えた橙の言葉が響く。
私は今、とてつもない間違いをしなかったか?
そう、例えるなら、
本音と建前を間違えて口にしたとか・・・・・・・・








思いっきりやっちまったぁぁぁぁぁぁ!!!!






「ふふ・・・ふふふふふ・・・・・・」
紫様が笑ってらっしゃる・・・・・・
あ、あれ・・・?
体が、体が勝手に動く・・・・・・
勝手にガタガタ動いて止まらない・・・・・・
ふ、震えが止まらないぃぃぃぃぃ・・・・・・

「少しお仕置きが必要かしらね?」
ニッコリと笑って紫様はそうおっしゃられた。
女神の微笑とはかくあるものだと言わんばかりの笑顔で。
そしてその背後には、
どこぞの赤髪巨乳死神の、死神としての姿を否定するかのような、
とてつもなく恐ろしい姿のモノが幻視される・・・・・・・

「とはいえ、壊れられても困るわね・・・・・・」
ええ、私も困ります!!
「しょうがない、晩御飯抜きで抑えてあげましょうかね。」
あうぅ・・・それはそれで辛い・・・・・・・・・
今日の油揚げは珍しく良い物だったのに・・・・・・・・・
「不満?」
「いえ、酌量ありがとうございます。」
私は涙を流しながらそう言った。


午後7時

夕飯の準備が出来たので食卓に並べる。
「いただきま~す。」
「い、いただきます・・・・・・」
そして紫様と橙の夕食が始まった。
私は・・・
「橙。藍は晩御飯抜きだからあげちゃダメよ?」
「は、はい・・・・・・」
同じく食卓に座らされている。
あうぅ・・・・・・油揚げが、油揚げが目の前にぃぃぃぃ!
「ん~、これ美味しい!」
揚げ出し豆腐を食べながら紫様は声を上げる。
あうぅぅぅ・・・・・・
「ああ、このお味噌汁も美味しいわ。油揚げが特に!」
はうぅぅぅぅぅ・・・・・・
「ほら、橙も遠慮しないで一杯食べなさい。」
「は、はい。」
「橙、私の事は気にせず食べなさい。私は自業自得なのだから・・・・・・」
私を気にして中々箸を付けない橙に私はそう言った。
「あ、はい。」
そして橙も漸く食事を始める。
「ん~。この油揚げは良い物ね!」
ええ、良い物です。
いまわの際に届けたくなるくらい良い物です。
そして夕食が終わるまで私に対する拷問は続いた。


午後11時

そろそろ布団を敷いて寝る準備をしよう。
紫様も今は酒を飲んでいるが、そろそろ床に付くころだろう。
そして私のお腹がグゥ~ッと鳴った。
ああ・・・お腹がすいた・・・・・・
が、仕方ない。
あの程度の仕置きで済んだのだから僥倖と言えるだろう。
あの油揚げは惜しかったが・・・・・・
あうぅ・・・・・・
「藍様、藍様。」
布団を敷き終えると、橙が呼び掛けて来た。
「ん?どうした橙。もう寝るのかい?」
「はい、藍様!」
そう言って橙が取り出したのは今日の揚げ出し豆腐が入っている皿だった。
「橙、気持ちはありがたいけど、今日のは紫様の罰だから・・・・・・」
これを受け取るわけにはいかない。
いかな理由があれど、罰は罰だ。
「あのね、さっき紫様がね。」

「藍も馬鹿ねぇ・・・・・・晩御飯は抜きだって言ったけど、夜食取っちゃダメなんて言ってないのにねぇ。」

「って。」
私は目を丸くする。
なんとも紫様らしい言い分だ。
尤も、実際にそれをやっていたなら間違いなく制裁が下っていただろうが。
わざと橙に聞こえるように言い、橙が私にこう言う風にするよう仕向けたのだ。
「そうか・・・そう言う事なら頂こう。ありがとう、橙。」
私は皿を受け取って橙の頭を撫でる。
「えへへへへ・・・」
橙は嬉しそうに目を瞑る。
「けど、夜はもう遅いから橙は寝なさい。」
「は~い。」
橙は素直に布団に潜り込んだ。
私は縁側に出て橙から貰った揚げ出し豆腐を食べる。
うん、美味しい。
紫様の事だから、さっきの一連の出来事も隙間辺りから覗いていた事だろう。
そして、それを肴に飲んでいたに違いない。
きまぐれで我侭な我が主だが、
こう言う優しい所もある。
だから、私は紫様の式で居続けている。
それすらも紫様の計算の内かもしれない。
それでも構わない。
あの方の式で居る事が私の誇りなのだから。
初投稿です。

楽しんでいただけたなら、今度慧音や美鈴の話でも書いてみようかと思います~
華月
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コメント



0.2160簡易評価
1.100名前が無い程度の能力削除
前半と後半のギャップに吹いたwww
ぜひとも他のメンバーのもお願いします

誤字訂正
×式紙
○式神
2.100名前が無い程度の能力削除
おもしろかった
3.無評価華月削除
>誤字訂正
 ×式紙
 ○式神

誤字訂正いたしました~
4.100七氏削除
前半と後半のギャップが激しすぎるのがよかったww
どっち路線でも面白く書ける人は素晴らしいですね
6.100削除
うん、ゆかりんらしいうさんくささ。そして遠まわしな優しさ。文章も噴出すところで噴出させて、残りはとろんと平坦で、このギャップがたまりません。
7.100名前が無い程度の能力削除
これはいい八雲一家
8.無評価名前が無い程度の能力削除
うーん、正直内容以前に、疑問が多すぎて読めません。まず、句読点で終わらない文には何か意味があるのでしょうか? これは歌詞か何かですか?
それから改行が多すぎて目がちかちかします。全文改行を入れるのはやりすぎだと思います。せめて、会話文と地の文の間に入れる程度にしてはどうでしょうか。
10.100ルエ削除
八雲一家はやはりいいものです

コメントレスを
↓句読点がないのは別に構わないのでは
11.100名前が無い程度の能力削除
なごんだ。
これが「紫のとある一日」だったらほとんど寝ておわりなんだろうなw
18.無評価華月削除
ご指摘のあった句読点と全文改行を修正したしました。
見づらく書いて申し訳ありませんでした。
22.無評価名前が無い程度の能力削除
ちょっと「式紙」で語句抽出してみたらいかがでしょうか。
訂正したと言っておいてこれだと正直どうかと思います。
23.無評価華月削除
>ちょっと「式紙」で語句抽出してみたらいかがでしょうか。
 訂正したと言っておいてこれだと正直どうかと思います。

全改行の修正の際に、訂正する前の原文を用いた為、訂正した文字が再び誤字に戻っていました。
こちらの確認ミスです。もうしわけありません。
25.90名前が無い程度の能力削除
これはなんともまったりとした日常ですね。全然壊れていないと思いますよ。

×騒動に中心に居り
○騒動の中心に居り
26.100名前が無い程度の能力削除
前半と後半のギャップが良いですw
和みました。
27.無評価華月削除
>×騒動に中心に居り
 ○騒動の中心に居り

誤字修正いたしました。
誤字が多くて申し訳ありません_| ̄|○
31.100欠片の屑削除
おお、見事に先越された!!
八雲藍はこれぐらいマジメな方がしっくり来ますよね。
苦労人って感じがとても素敵でした。
ご馳走様です。
34.無評価華月削除
総じて誤字脱字が多くて申し訳ありません。
同時に、初投稿の自分にこれ程の評価をして頂き、ありがとうございます。
思いつき次第色々書いていくと思いますが、宜しければご覧になってください。

後、極力誤字脱字減らします^^;
38.40名前が無い程度の能力削除
カギ括弧の終点では読点を入れない、三点リーダは「……」を使う、辺りは決まり事
面白く読ませて貰いましたが、気になって仕方がなかったので
39.無評価華月削除
>カギ括弧の終点では読点を入れない、三点リーダは「……」を使う、辺りは決まり事

ご指摘ありがとうございます。
今乗せているの全てを変えるのは大変なので、今後から気をつけて書いていきます。
機を見て修正はして見ます。
50.80名前が無い程度の能力削除
日常ものは盛り上がりに欠けるかと思いきや、紫様怖すぎますw
慧音の霊夢の評価が何気に洞察深くて素晴らしかったです。
67.80名前が無い程度の能力削除
×店を除く
○店を覗く
だと思います。
間違ってたらスミマセン。
面白かったです。八雲家和む。