その日・・・館は異常なまでの殺気に包まれていた
「くっ・・・これじゃ間に合うものも間に合わないぜ・・・!」
目の前の敵と思しき物体は3つ。
紅い吸血鬼、スカーレットデビル・・・レミリア=スカーレット。
そしてその従者、この紅魔館のメイド長・・・十六夜 咲夜。
そしてさらにその下っ端の門番中国・・・紅 美り・・・なんだっけ。
囲まれているわけではない、見ようによっては四つ巴・・・とも言えるかも知れない位置だが、そうなるのはありえないであろう。
3つの殺気が一方に、私のほうに向いている。
とにかくその3人と相対しているのが・・・私、霧雨 魔理沙だ。
特に彼女らと敵になる理由があったわけではないと思う。なるべくしてなったというのが真実であり、真理だった。
「あら、考え事かしら?いつものちょこまかした速さはどこにいったのかしらね」
遅すぎるわとメイド長が不敵に微笑んだ。例えるまでもなく氷の微笑というやつである。
こっちだってお前ら3人が相手じゃなかったら余裕でひねってやるのに、くそぅ。
「ふふふ、ここからが始まりですよー」
日ごろの仕返しといわんばかりに手をわきわきさせている奴。
門番風情が調子にのっている。まるで吸血鬼の威をかる中国だな、くそぅ。
「・・・私の出番まで残しておいてくれるのかしら?」
紅い吸血鬼がつまらなそうに笑ってやがる。
こいつは1人でも厄介だって言うのに・・・くそぅ!!
「それじゃ・・・死になさい!!」
咲夜のその掛け声で緊張の塞きが切られる。賽は・・・投げられた・・・。
レミリアがまず動いた。その動きはもう勝利を確信しているかのように物憂げで、正確だった。まずは様子見か、軽くしかけてきたが難なくいなす。しかしまだ戦闘は始まったばかりだ、一切の油断はしていられない。敵は3人なのだから・・・。
向こうは中国、咲夜、レミリアの順ですばやく打ち込んできた。隙がまったく見えない。さらに3人の攻撃はコンビネーションと呼ぶのにふさわしいほど繋がっている。
中国の荒く大きく大胆な攻撃。それをカバーしこちらに致命的な一撃を与えるべく伺いつつ、恐ろしいタイミングでレミリアに繋ぐ咲夜。明らかに喰らってしまえば一発で終わってしまいそうなレミリアの凶悪な技。
正直、勝てる予感がしなかった。こちらもそこそこに反撃に手を出しているのだが、どうにも軽くいなされてしまう。守りに入るのが正しい選択といえばそうなのかもしれない。
「(だが・・・それじゃあ生き残れはしない!!)」
きっと3人を見据え、勝つための手を考える。やっているうちに大抵のパターンは見えてきた。あとはうまく打ち崩すだけだ。
中国、咲夜、レミリア・・・・・・中国・・・咲夜・・・レミリア・・・・・・中国・・・咲夜・・・レミリア・・・・・・ここだ!!
「残念、貴女の思うようにはさせないわ」
そう言って咲夜が割り込んできた。
レミリアが打ってきた後にうまく反撃をしようと思っていたのだが・・・邪魔をされた。そしてまたレミリアが続けて攻撃に入る。
明らかにこちらの手を見切って割り込んできやがった。もしかして顔に出ていたか・・・?
「くっ・・・!?」
結果としてパターンが崩されてしまい、反撃のタイミングを逃してしまう。
しかしまだ手が尽きたわけではない。今度ははずしはしない!!
ぎゅっと唇を噛み、マジックアイテムを頬り投げる。
「これでど・・・!」
「駄目ですよ魔理沙さん、それはこちらに渡していただきます!」
「何!?」
咲夜とレミリアにばかり注意を払っていたせいか、ほとんどノーマークになっていた中国がここで突っ込んできた。
すばやい動きでそれを回収する中国。やばい、今あれを使われたら・・・!!
早まったことをしたかもしれないと思った。咲夜とレミリアの威圧感に負けてつい出してしまったのだ。
単体では目くらましくらいにしかならない物だったので、戦況的にはあまり変わらないが救いだが・・・。
それでも不利な方に傾いたのは確かだった。
「あらあら、もう冷静な判断ができないのかしら?」
「うるさい、冷やかしなら帰んな」
「帰るも何もここ住んでるんですけど・・・」
くそっ・・・こっちは挑発に付き合ってる余裕なんか・・・。
もう傷は深いほどに抉られている。時間が経てば経つほど自分が不利な状況に陥っているのが解る。
「くっそぉぉぉ・・・これで・・・どうだぁぁぁぁぁぁぁあ!!!」
なりふり構わず打ったラストスペル。
それは最後の一撃。それは渾身の一撃。それはこれ以上ないほどの最高の一撃。
有無を言わさず心臓が跳ね上がる。ここで失敗すれば・・・きっと・・・終わりだ・・・!!
ドクン・・・ドクン・・・
しかし・・・
その手を振り下ろした先に見たものは・・・
ドクン・・・ドクン・・・ドクン・・・
紅い悪魔が・・・
ドクン・・・
薄く笑った姿だった・・・・・・・・・・・・
「ロン、すーあんこ単騎。あ、私親ね」
「・・・うがぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああ、やっぱりかぁぁぁぁぁあぁぁああ!!!」
で、後日談・・・
「なぁ咲夜、さすがに3対1は勝てないと思うんだ・・・レミリアに牌全部まわしてただろ。あと撹乱に中国も使ったな」
「何言ってるの、4対1だったわよあの時は」
「・・・は?だって4人打ち・・・だぜ?」
「だから・・・」
めんどくさそうに咲夜は答える。
「敵は私と、お嬢様と、門番と・・・貴女の運命よ」
「・・・おい待て」
「待たないわ、まだ掃除の途中ですもの」
「ま・・・まさか」
「麻雀やる前の日、お嬢様のおやつ盗んで食べたのあんたでしょ」
「うがぁぁぁぁぁぁ!!麻雀で運命操作は禁止って言ってるだろレミリアあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
言うや否やレミリアの部屋に猛スピードですっ飛ばす魔理沙。
「今度はおやつにネズミ捕り用の罠をちゃんと仕掛けておかないと・・・またイカサマする羽目になるわねきっと」
お嬢様のささやかな仕返しに手を貸すのもメイドとしての勤めか。
そのとき咲夜はそんなことを思ったという・・・。
「弾幕り合うより平和的な解決だったと思うんだけど・・・っと、皆さんはイカサマとかしちゃ駄目ですよ?・・・めっ!」
「誰に向かっていってるんですか?咲夜さん」
「独り言よ」
「くっ・・・これじゃ間に合うものも間に合わないぜ・・・!」
目の前の敵と思しき物体は3つ。
紅い吸血鬼、スカーレットデビル・・・レミリア=スカーレット。
そしてその従者、この紅魔館のメイド長・・・十六夜 咲夜。
そしてさらにその下っ端の門番中国・・・紅 美り・・・なんだっけ。
囲まれているわけではない、見ようによっては四つ巴・・・とも言えるかも知れない位置だが、そうなるのはありえないであろう。
3つの殺気が一方に、私のほうに向いている。
とにかくその3人と相対しているのが・・・私、霧雨 魔理沙だ。
特に彼女らと敵になる理由があったわけではないと思う。なるべくしてなったというのが真実であり、真理だった。
「あら、考え事かしら?いつものちょこまかした速さはどこにいったのかしらね」
遅すぎるわとメイド長が不敵に微笑んだ。例えるまでもなく氷の微笑というやつである。
こっちだってお前ら3人が相手じゃなかったら余裕でひねってやるのに、くそぅ。
「ふふふ、ここからが始まりですよー」
日ごろの仕返しといわんばかりに手をわきわきさせている奴。
門番風情が調子にのっている。まるで吸血鬼の威をかる中国だな、くそぅ。
「・・・私の出番まで残しておいてくれるのかしら?」
紅い吸血鬼がつまらなそうに笑ってやがる。
こいつは1人でも厄介だって言うのに・・・くそぅ!!
「それじゃ・・・死になさい!!」
咲夜のその掛け声で緊張の塞きが切られる。賽は・・・投げられた・・・。
レミリアがまず動いた。その動きはもう勝利を確信しているかのように物憂げで、正確だった。まずは様子見か、軽くしかけてきたが難なくいなす。しかしまだ戦闘は始まったばかりだ、一切の油断はしていられない。敵は3人なのだから・・・。
向こうは中国、咲夜、レミリアの順ですばやく打ち込んできた。隙がまったく見えない。さらに3人の攻撃はコンビネーションと呼ぶのにふさわしいほど繋がっている。
中国の荒く大きく大胆な攻撃。それをカバーしこちらに致命的な一撃を与えるべく伺いつつ、恐ろしいタイミングでレミリアに繋ぐ咲夜。明らかに喰らってしまえば一発で終わってしまいそうなレミリアの凶悪な技。
正直、勝てる予感がしなかった。こちらもそこそこに反撃に手を出しているのだが、どうにも軽くいなされてしまう。守りに入るのが正しい選択といえばそうなのかもしれない。
「(だが・・・それじゃあ生き残れはしない!!)」
きっと3人を見据え、勝つための手を考える。やっているうちに大抵のパターンは見えてきた。あとはうまく打ち崩すだけだ。
中国、咲夜、レミリア・・・・・・中国・・・咲夜・・・レミリア・・・・・・中国・・・咲夜・・・レミリア・・・・・・ここだ!!
「残念、貴女の思うようにはさせないわ」
そう言って咲夜が割り込んできた。
レミリアが打ってきた後にうまく反撃をしようと思っていたのだが・・・邪魔をされた。そしてまたレミリアが続けて攻撃に入る。
明らかにこちらの手を見切って割り込んできやがった。もしかして顔に出ていたか・・・?
「くっ・・・!?」
結果としてパターンが崩されてしまい、反撃のタイミングを逃してしまう。
しかしまだ手が尽きたわけではない。今度ははずしはしない!!
ぎゅっと唇を噛み、マジックアイテムを頬り投げる。
「これでど・・・!」
「駄目ですよ魔理沙さん、それはこちらに渡していただきます!」
「何!?」
咲夜とレミリアにばかり注意を払っていたせいか、ほとんどノーマークになっていた中国がここで突っ込んできた。
すばやい動きでそれを回収する中国。やばい、今あれを使われたら・・・!!
早まったことをしたかもしれないと思った。咲夜とレミリアの威圧感に負けてつい出してしまったのだ。
単体では目くらましくらいにしかならない物だったので、戦況的にはあまり変わらないが救いだが・・・。
それでも不利な方に傾いたのは確かだった。
「あらあら、もう冷静な判断ができないのかしら?」
「うるさい、冷やかしなら帰んな」
「帰るも何もここ住んでるんですけど・・・」
くそっ・・・こっちは挑発に付き合ってる余裕なんか・・・。
もう傷は深いほどに抉られている。時間が経てば経つほど自分が不利な状況に陥っているのが解る。
「くっそぉぉぉ・・・これで・・・どうだぁぁぁぁぁぁぁあ!!!」
なりふり構わず打ったラストスペル。
それは最後の一撃。それは渾身の一撃。それはこれ以上ないほどの最高の一撃。
有無を言わさず心臓が跳ね上がる。ここで失敗すれば・・・きっと・・・終わりだ・・・!!
ドクン・・・ドクン・・・
しかし・・・
その手を振り下ろした先に見たものは・・・
ドクン・・・ドクン・・・ドクン・・・
紅い悪魔が・・・
ドクン・・・
薄く笑った姿だった・・・・・・・・・・・・
「ロン、すーあんこ単騎。あ、私親ね」
「・・・うがぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああ、やっぱりかぁぁぁぁぁあぁぁああ!!!」
で、後日談・・・
「なぁ咲夜、さすがに3対1は勝てないと思うんだ・・・レミリアに牌全部まわしてただろ。あと撹乱に中国も使ったな」
「何言ってるの、4対1だったわよあの時は」
「・・・は?だって4人打ち・・・だぜ?」
「だから・・・」
めんどくさそうに咲夜は答える。
「敵は私と、お嬢様と、門番と・・・貴女の運命よ」
「・・・おい待て」
「待たないわ、まだ掃除の途中ですもの」
「ま・・・まさか」
「麻雀やる前の日、お嬢様のおやつ盗んで食べたのあんたでしょ」
「うがぁぁぁぁぁぁ!!麻雀で運命操作は禁止って言ってるだろレミリアあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
言うや否やレミリアの部屋に猛スピードですっ飛ばす魔理沙。
「今度はおやつにネズミ捕り用の罠をちゃんと仕掛けておかないと・・・またイカサマする羽目になるわねきっと」
お嬢様のささやかな仕返しに手を貸すのもメイドとしての勤めか。
そのとき咲夜はそんなことを思ったという・・・。
「弾幕り合うより平和的な解決だったと思うんだけど・・・っと、皆さんはイカサマとかしちゃ駄目ですよ?・・・めっ!」
「誰に向かっていってるんですか?咲夜さん」
「独り言よ」
かっこよかったと思います。
でも、麻雀ネタをあまり知らない方には騙せたことでしょう(・∀・)
何はともあれよかったですよー。
ともかく読んでいただきありがとうございました。すし~様ヽ(´∀`)ノモエーデス。