むか~し、むかし、あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。
おじいさんは、大変こころ優し・・・、
魔理沙「何故、そこで止めるんだ?」
・・・い性格でした。
しかし、おばあさんは、大変強欲で短気な性格でした。
妖夢「・・・・不本意だ・・・。何で私が、意地悪ばあさんの役なのよ・・・?」
まあ、その・・・。
とにかく、ある日のことです。
魔理沙「お~い、ばあさん。今日の晩飯は何だ?」
妖夢「コレ。」
食事のことを尋ねるおじいさんに、おばあさんは、あるものを見せました。
ミスティア「やめて~!私を食べても美味しくないわよ~!」
すずめでした。
魔理沙「ほほう。雀か。」
妖夢「雀よ。」
魔理沙「どう調理するんだ?」
妖夢「小骨が多いからね。皮を剥いで、それを焼こうかと。」
魔理沙「皮だけじゃ足りんな。」
妖夢「まあ、ちょっと物足りないわね。」
魔理沙「半日ぐらい煮込んでみたらどうだ?案外骨まで柔らかくなって食べやすくなるかもしれん。」
妖夢「やってみるかしら。」
ミスティア「ひえ~・・・・・。」
妖夢「まあ、調理方法は後で考えるとして、生かしたまま保存しとかないとね。」
魔理沙「生物(ナマモノ)は、鮮度が命だぜ。」
妖夢「腐っても幽霊。」
魔理沙「あ~?」
妖夢「じいさん、コレの監視は任せたわよ。」
魔理沙「合点だ。」
おばあさんはおじいさんに、すずめを閉じ込めておくよう、言いました。
魔理沙「よし、大人しくここに入ってろ。」
ミスティア「出して~・・・・。」
魔理沙「ふん、そうはいかないな。観念して、私の一時間分の栄養素となれ。」
ミスティア「私は、たった一時間分の栄養?」
魔理沙「そういうことだ。せめて、肉が硬くならないように焼いてやる。」
おじいさんは、食べる気満々です。
ミスティア「うう・・・。それじゃあせめて、辞世の歌を聴いて・・・・。」
魔理沙「あ~?私は、辞世の句しか聞かない人間だぜ?」
ミスティア「そんな硬いこと言わないで。」
魔理沙「・・・まあ、いいか。それじゃ、存分に歌え。」
すずめが辞世の歌を歌いたいとのことなので、おじいさんは、聞いてあげることにしました。
ミスティア「それでは。」
魔理沙「おお、さっさと歌え。」
さん、はい。
ミスティア「 ボ エ ェ ェ ~ ~ ~ ~ ~ ! ! ! ! ♪ 」
魔理沙「うわ!何だ、この歌は!」
ミスティア「ホゲェ~!!!♪」
魔理沙「五月蝿い!もうやめろぉ!」
ミスティア「ボエ~!!♪」
魔理沙「う・・・・、頭が・・・、いたいぜ・・・。」
ミスティア「ボゲェ~~!!♪」
魔理沙「う・・・・あ・・・・。」
ミスティア「ぼえ~・・・・♪」
歌が終わりました。
ミスティア「ご静聴、ありがとうございました。」
魔理沙「・・・・・。」
ミスティア「あれ?そんなに心地よかったのかなあ?私の歌。」
おじいさんは寝ていました。
ミスティア「じいさん、じいさん。」
魔理沙「・・・ア~?」
ミスティア「どうだった?私の歌。」
魔理沙「ア、アア、サイコーダッタ。モウイッカイタノムゼ。ヒュハハ。」
ミスティア「は~い。」
アンコールです。
ミスティア「ぼえ~!!♪」
魔理沙「イイゾ~!!ヒュ~ハハハハハ!!!」
何やらわけのわからないミニライブが行われています。
と、そのときです。
ばたん!
妖夢「五月蝿い!!」
部屋に、おばあさんが飛び込んできました。
妖夢「何なのよ、この声は!」
魔理沙「アア、コイツノウタダゼ。ヒュハハ。」
妖夢「歌?」
魔理沙「ドウダ、ウマイモンダロ?ヒュハハ。」
妖夢「上手い下手は別として、もっと静かにしてほしいわ。」
魔理沙「ジャ、キヲツケルZe!ヒュハハ!トコロデ、バアサン。」
妖夢「なに?」
魔理沙「コンナ、ウタガウマイヤツヲ、コノママタベルノモ、モッタイナイゼ。ヒュハハ。」
妖夢「あ~?」
魔理沙「ソコデ、コノママタベズニ、ペットトシテ、ウチデカオウゼ。ヒュハハ。」
おじいさんは、すずめをペットとして飼うと言い出しました。
なんと、心優しいおじいさんなのでしょう。
ミスティア「じいさん・・・・。」
すずめは、大感激です。
しかし、おばあさんは、
妖夢「そんな非生産的なこと、するだけ無駄よ。」
大反対です。
魔理沙「ジャア、ヒジョウショクデ、イイダロ?ヒュハハ。」
妖夢「まあ、それなら。太らせれば、それだけ栄養のある食物になるわけだし。」
ミスティア「結局、食べられるの?」
おじいさんの一言で、おばあさんは渋々すずめを飼うことを認めました。
おじいさんは、すずめを大変可愛がりました。
歌が大変上手なすずめは、自慢の歌を毎日のように、おじいさんに聴かせてあげました。
ミスティア「ほげ~!♪」
魔理沙「ヒュ~ヒュ~!ヒュ~ハハハハハ!!」
一方おばあさんは、結構どうでもよく思っていました。
が、
妖夢「うるさいなあ・・・・・。」
日に日に、鬱陶しいと思ってきました。
そんなこんなで、一週間後。
魔理沙「イイゾ、イイゾ!ヒュ~ハハ!」
ミスティア「ぼえ~♪」
今日も今日とて、すずめのライブです。
おじいさんはこんな感じでノリノリですが、おばあさんは・・・。
妖夢「・・・・・あ~・・・・・・。」
ノイローゼ気味です。
そりゃあ、毎日あんな感じですから。
魔理沙「オ、バアサン!キョウノバンメシハ、ナンダ!?ヒュハハ。」
妖夢「・・・・すずめの焼き鳥・・・・。」
魔理沙「ヒュハ!?マダ、ヒジョウジタイジャナイゼ!ヒュハハ。」
妖夢「・・・・そのテンション、何とかならないの・・・・?」
魔理沙「ア~?フツウ、Da・Ze!!ヒュ~ハハハハハ!!」
おじいさんは普通にしているのですが、ノイローゼ気味なおばあさんには、
おじいさんのテンションが異様に高く見えてしまうようです。
妖夢「ああ、今から作るよ・・・・・・。非常食には、手をつけずに・・・・・。」
魔理沙「ソウカ?ヒュハハ。」
おばあさんは、台所に向かいます。
妖夢「・・・・・・さて・・・・。」
そして、夕食を作り始めます。
トントントン・・・・
異様に長い、片刃の包丁で野菜を斬っていると、
ぼ え ~ ~ ! ! ♪
向こうから、歌が聴こえてきました。
ズバ!
妖夢「・・・・・・(怒)。」
おばあさんは、驚きと怒りで、野菜ごとまな板を真っ二つにしてしまいました。
妖夢「・・・・・・・。」
トントントン・・・・・
気を取り直して、野菜を斬っていると、
ヒ ュ ~ ハ ハ ハ ハ ハ ! ! !
おじいさんの笑い声も、聴こえてきました。
ズバ!!
妖夢「・・・・・・・(怒)(怒)。」
今度は、調理台ごと真っ二つに・・・・。
妖夢「・・・・・・・。」
おばあさんは心を落ち着けて、調理を続けました。
しかし、
ぼ え ~ ~ ! ! ♪
また、歌が・・・。
プ ツ ・ ・ ・ ・
何かが、切れた音がしました。
妖夢「うおおおおおおおおおお!!!!!」
ドドドドドドド!!!!
どうやら、おばあさんの、理性とかいろいろなものの紐が、切れてしまったようです。
おばあさんは、異様に長い包丁を片手に、おじいさんの所へ走って行きました。
バタン!
妖夢「その舌!!引っこ抜いてくれるわぁ!!」
おばあさんの突然の強襲!
ミスティア「わ~!何!?何!?」
魔理沙「ダンナ、ダンナ!ナンダナンダ!?ヒュハハ!」
驚くすずめと、わけのわからない様子のおじいさん。
そんな様子にはお構いなしに、
ブン!
ミスティア「うわ~!!?」
妖夢「うおりゃ~~~!!!」
おばあさんは、すずめに斬りかかります。
妖夢「死ね!!死ねぇ~~~!!!」
ブン!
ブン!
ミスティア「助けて~~!!」
おばあさんの攻撃を、必死で避けるすずめ。
妖夢「どりゃあ~~~~!!!」
ブン!
魔理沙「オウ!アブナイジャナイカ、バアサン。ヒュハハ!」
妖夢「ジジイも死ねぇ~~!!」
おばあさんはついに、おじいさんにも斬りかかりました。
その刃が、おじいさんを捕らえようとした、その瞬間!
はっし!
妖夢「むぅ!!?」
魔理沙「シラハドリ、ダ!ヒュ~ハハハハハ!!」
おじいさんは白刃取りで、おばあさんの動きを止めました。
妖夢「小癪なあああ~~~~!!!」
魔理沙「ヒュ~ハハハハハハ!!」
普通なおじいさんと、ブチ切れたおばあさんの戦いは続きます。
ミスティア「い、今のうちに・・・・。」
その隙に、すずめは逃げてしまいました。
魔理沙「オ~!ナンテコッタ!カワイイスズメガ!」
妖夢「逃がさぁ~ん!!」
逃がすまいと、二人はすずめを追いかけていきました。
・
・
・
おじいさんは、すずめを追いかけて、林の中に迷い込んでしまいました。
魔理沙「コマッタコマッタ。ヒュハハ!」
ちょっと困ったと思った、そのときです。
ミスティア「じいさん、じいさん。」
すずめの声が、聞こえてきました。
魔理沙「オウ、コンナトコニイタカ!サア、カエルゼ!ヒュハハ!」
ミスティア「いや、帰ったら食べられるでしょ?」
魔理沙「ヒジョウショクダカラナ。ヒュハハ。」
ミスティア「だから、帰らない。」
魔理沙「ソウカ。マア、イイゼ。ヒュハハ。」
ミスティア「でも、今までのお礼に、このつづらをあげたり。」
魔理沙「ンア?」
すずめは、つづらを二つ出しました。
ミスティア「この、おっきなつづらと、ちっちゃいつづら。どっちか選んでください。」
魔理沙「ワタシハゲンキダカラ、リョウホウモッテクゼ!ヒュハハ!」
ミスティア「持ってかないで~。」
魔理沙「シカタナイナ。ワタシハビョウジャクダカラ、チイサナホウヲモッテクゼ!ヒュハハ。」
ミスティア「さっきと言ってること、ちがうじゃん。」
おじいさんは、小さなほうのつづらを選んで、持ってくことにしました。
ミスティア「それじゃ、さよなら、じいさん。夜道はくれぐれも気をつけてね。」
魔理沙「オウ!ワタシハムテキダゼ!ヒュハハ!」
こうしておじいさんは、すずめと別れて、家に帰ることにしました。
・
・
・
妖夢「どこだ・・・・。どこにいる・・・・。」
一方、おばあさんも、すずめを探して、林の中に迷い込んでいました。
妖夢「ぶった斬って、やる・・・。ケヒ、ケヒヒヒヒ・・・・・。」
なんか、もう、壊れかけみたいです。
ガサ・・・・・
妖夢「ケヒ?」
何か、音が聞こえました。
妖夢「・・・そこか・・・。ケヒ、ケヒケヒケヒ・・・・・・。」
壊れかけのおばあさんは、音のほうに近づき、
妖夢「死ねぇ~~~~!!!」
いきなり斬りかかりました。
魔理沙「おや、ばあさん。ちょうどいいところに。」
妖夢「え?」
ぴた
音がした方にいたのは、おじいさんでした。
そうとわかったのが理由なのか、おばあさんは刃を収めました。
妖夢「ちょっと、じいさん?あんた・・・・。」
魔理沙「あ~、どうした?」
妖夢「おかしくなくなってる・・・?」
魔理沙「失礼な。私はいつも普通だぜ。」
どうやらおばあさんには、おじいさんの様子がおかしく見えたようです。
妖夢「ところで、それは?」
魔理沙「ん?ああ、つづらだ。」
おじいさんはおばあさんに、つづらを見せます。
魔理沙「何故か、持ってたんだよなあ。よくわからんが。」
どうやら、さっきまでの記憶が無くなってしまってるようです。
妖夢「中身は?」
魔理沙「知らん。」
妖夢「開けてないの?」
魔理沙「知りたいのか?」
妖夢「ちょっと。」
魔理沙「仕方ないな。」
おじいさんは、つづらの蓋に手をかけました。
そして、つづらを開けました。
ど っ か ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ん ! ! ! ! !
つづらが、爆発しました。
魔理沙「・・・・・・・。」
ぱた・・・・。
おじいさんは、爆発の直撃を喰らって、死んでしまいました。
妖夢「・・・・・けほ・・・。」
おばあさんも、黒こげです。
妖夢「・・・出て来い!!腐れ雀ぇ~~~~~~!!!!!」
ドドドドド!!
おばあさんは再びブチ切れて、すずめを探します。
妖夢「うおりゃああ~~~~!!!!」
ずば!
ずば!
ずば!
おばあさんは包丁を振り回し、手当たり次第に木を斬っていきます。
ぎぎぎぎぎ・・・・・・
どど~ん!!
ミスティア「わ~!?森林伐採はんた~い!」
すずめが姿を現しました。
妖夢「そこかあぁ~~~!!!!」
すかさず斬りかかるおばあさん。
ミスティア「鳥目、ふら~っしゅ!!!!」
ぴか~!!
妖夢「く!?」
しかし、すずめの反撃を喰らってしまいました。
たちまちおばあさんは、暗いところではモノがよく見えない、鳥目になってしまいました。
妖夢「どこだ!?姿を見せろ!」
ミスティア「もう、勘弁して~。」
妖夢「ぶった斬って、食べてやる!」
ミスティア「私を食べても、美味しくないってば~。」
妖夢「世の中には、すずめ料理も存在する!!」
ミスティア「何でそんなこと、知ってるのよ?」
妖夢「五月蝿い!さっさと私の栄養になれ!」
ミスティア「許して~。」
ひたすら許しを請うすずめですが、おばあさんは殺る気満々です。
そこで、すずめは、
ミスティア「じ、じゃあ、このつづらをあげる。」
モノで釣ることにしました。
すずめはおばあさんの視界に、つづらを置きました。
妖夢「はあ~・・・、はあ~・・・・・。こんなもので、騙されないわよ・・・・。」
ミスティア「違うわよ。さっきじいさんが持って行ったのは、ハズレよ。」
妖夢「あ~?」
ミスティア「これは、アタリだから。」
妖夢「それより、あんたを討ち取る・・・・。」
ミスティア「・・・・も~いや~!見かける度に、鳥目にしてやる~!!おぼえてろ~!!」
ばさ!ばさ!
どうやらすずめは、遥か彼方へ飛び去ってしまったようです。
妖夢「く・・・・・。逃がしたか・・・。」
口惜しや、と思うおばあさん。
そうこうしているうちに、視界が回復してきました。
そこでふと、つづらを見てみました。
妖夢「ふ~・・・・。で、これがアタリのつづらだって・・・?」
おじいさんが選ばなかった、おっきなつづらです。
妖夢「こんなおっきいもん、持って帰れるわけがないじゃないの・・・・。」
さっきからキレたり暴れたりで、おばあさんはすっかり疲れきっていました。
ただでさえ、ノイローゼ気味だったり寝不足だったりするに・・・。
妖夢「中開けて、いらない物を捨てて帰るか・・・・・。」
少しでも軽くしようと、おばあさんはつづらを開けました。
その中から、なんと!
幽々子「わぁぁ~~!!!」
お化けが出てきました。
妖夢「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
幽々子「わあ~!」
妖夢「・・・・・・・・・・ゆ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
ふら~・・・・・
ぱた・・・・
妖夢「・・・・・・・(・・・・何・・・このオチ・・・・)。」
驚きの余り、おばあさんは死んでしまいました。
幽々子「あれ、そんなにびっくりしたのかな?」
妖夢「・・・・・・(気が、抜けたんです・・・・・・・・・)。」
幽々子「もしもし~?」
妖夢「・・・・・・(もう、何も考えたくない・・・・・・)。」
幽々子「つんつん。」
妖夢「・・・・・・(何もやりたくない・・・・・・・・)。」
幽々子「ぷにぷに。」
妖夢「・・・・・・(コレ、捨てて帰って、いいですか・・・・・・?)。」
幽々子「びろ~ん。」
↑
コ レ
お化けは、おばあさんの死体を棒でつんつんしたり、
ほっぺたを指でぷにぷにしたり、つまんで伸ばしたりして遊んでいましたとさ。
そんなわけでその日以来、二人の姿を見たヒトは、誰も居なかったそうな・・・・・。
おしまい
キャスト
おじいさん 霧雨 魔理沙
おばあさん 魂魄 妖夢
すずめ ミスティア・ローレライ
お化け 西行寺 幽々子
おじいさんは、大変こころ優し・・・、
魔理沙「何故、そこで止めるんだ?」
・・・い性格でした。
しかし、おばあさんは、大変強欲で短気な性格でした。
妖夢「・・・・不本意だ・・・。何で私が、意地悪ばあさんの役なのよ・・・?」
まあ、その・・・。
とにかく、ある日のことです。
魔理沙「お~い、ばあさん。今日の晩飯は何だ?」
妖夢「コレ。」
食事のことを尋ねるおじいさんに、おばあさんは、あるものを見せました。
ミスティア「やめて~!私を食べても美味しくないわよ~!」
すずめでした。
魔理沙「ほほう。雀か。」
妖夢「雀よ。」
魔理沙「どう調理するんだ?」
妖夢「小骨が多いからね。皮を剥いで、それを焼こうかと。」
魔理沙「皮だけじゃ足りんな。」
妖夢「まあ、ちょっと物足りないわね。」
魔理沙「半日ぐらい煮込んでみたらどうだ?案外骨まで柔らかくなって食べやすくなるかもしれん。」
妖夢「やってみるかしら。」
ミスティア「ひえ~・・・・・。」
妖夢「まあ、調理方法は後で考えるとして、生かしたまま保存しとかないとね。」
魔理沙「生物(ナマモノ)は、鮮度が命だぜ。」
妖夢「腐っても幽霊。」
魔理沙「あ~?」
妖夢「じいさん、コレの監視は任せたわよ。」
魔理沙「合点だ。」
おばあさんはおじいさんに、すずめを閉じ込めておくよう、言いました。
魔理沙「よし、大人しくここに入ってろ。」
ミスティア「出して~・・・・。」
魔理沙「ふん、そうはいかないな。観念して、私の一時間分の栄養素となれ。」
ミスティア「私は、たった一時間分の栄養?」
魔理沙「そういうことだ。せめて、肉が硬くならないように焼いてやる。」
おじいさんは、食べる気満々です。
ミスティア「うう・・・。それじゃあせめて、辞世の歌を聴いて・・・・。」
魔理沙「あ~?私は、辞世の句しか聞かない人間だぜ?」
ミスティア「そんな硬いこと言わないで。」
魔理沙「・・・まあ、いいか。それじゃ、存分に歌え。」
すずめが辞世の歌を歌いたいとのことなので、おじいさんは、聞いてあげることにしました。
ミスティア「それでは。」
魔理沙「おお、さっさと歌え。」
さん、はい。
ミスティア「 ボ エ ェ ェ ~ ~ ~ ~ ~ ! ! ! ! ♪ 」
魔理沙「うわ!何だ、この歌は!」
ミスティア「ホゲェ~!!!♪」
魔理沙「五月蝿い!もうやめろぉ!」
ミスティア「ボエ~!!♪」
魔理沙「う・・・・、頭が・・・、いたいぜ・・・。」
ミスティア「ボゲェ~~!!♪」
魔理沙「う・・・・あ・・・・。」
ミスティア「ぼえ~・・・・♪」
歌が終わりました。
ミスティア「ご静聴、ありがとうございました。」
魔理沙「・・・・・。」
ミスティア「あれ?そんなに心地よかったのかなあ?私の歌。」
おじいさんは寝ていました。
ミスティア「じいさん、じいさん。」
魔理沙「・・・ア~?」
ミスティア「どうだった?私の歌。」
魔理沙「ア、アア、サイコーダッタ。モウイッカイタノムゼ。ヒュハハ。」
ミスティア「は~い。」
アンコールです。
ミスティア「ぼえ~!!♪」
魔理沙「イイゾ~!!ヒュ~ハハハハハ!!!」
何やらわけのわからないミニライブが行われています。
と、そのときです。
ばたん!
妖夢「五月蝿い!!」
部屋に、おばあさんが飛び込んできました。
妖夢「何なのよ、この声は!」
魔理沙「アア、コイツノウタダゼ。ヒュハハ。」
妖夢「歌?」
魔理沙「ドウダ、ウマイモンダロ?ヒュハハ。」
妖夢「上手い下手は別として、もっと静かにしてほしいわ。」
魔理沙「ジャ、キヲツケルZe!ヒュハハ!トコロデ、バアサン。」
妖夢「なに?」
魔理沙「コンナ、ウタガウマイヤツヲ、コノママタベルノモ、モッタイナイゼ。ヒュハハ。」
妖夢「あ~?」
魔理沙「ソコデ、コノママタベズニ、ペットトシテ、ウチデカオウゼ。ヒュハハ。」
おじいさんは、すずめをペットとして飼うと言い出しました。
なんと、心優しいおじいさんなのでしょう。
ミスティア「じいさん・・・・。」
すずめは、大感激です。
しかし、おばあさんは、
妖夢「そんな非生産的なこと、するだけ無駄よ。」
大反対です。
魔理沙「ジャア、ヒジョウショクデ、イイダロ?ヒュハハ。」
妖夢「まあ、それなら。太らせれば、それだけ栄養のある食物になるわけだし。」
ミスティア「結局、食べられるの?」
おじいさんの一言で、おばあさんは渋々すずめを飼うことを認めました。
おじいさんは、すずめを大変可愛がりました。
歌が大変上手なすずめは、自慢の歌を毎日のように、おじいさんに聴かせてあげました。
ミスティア「ほげ~!♪」
魔理沙「ヒュ~ヒュ~!ヒュ~ハハハハハ!!」
一方おばあさんは、結構どうでもよく思っていました。
が、
妖夢「うるさいなあ・・・・・。」
日に日に、鬱陶しいと思ってきました。
そんなこんなで、一週間後。
魔理沙「イイゾ、イイゾ!ヒュ~ハハ!」
ミスティア「ぼえ~♪」
今日も今日とて、すずめのライブです。
おじいさんはこんな感じでノリノリですが、おばあさんは・・・。
妖夢「・・・・・あ~・・・・・・。」
ノイローゼ気味です。
そりゃあ、毎日あんな感じですから。
魔理沙「オ、バアサン!キョウノバンメシハ、ナンダ!?ヒュハハ。」
妖夢「・・・・すずめの焼き鳥・・・・。」
魔理沙「ヒュハ!?マダ、ヒジョウジタイジャナイゼ!ヒュハハ。」
妖夢「・・・・そのテンション、何とかならないの・・・・?」
魔理沙「ア~?フツウ、Da・Ze!!ヒュ~ハハハハハ!!」
おじいさんは普通にしているのですが、ノイローゼ気味なおばあさんには、
おじいさんのテンションが異様に高く見えてしまうようです。
妖夢「ああ、今から作るよ・・・・・・。非常食には、手をつけずに・・・・・。」
魔理沙「ソウカ?ヒュハハ。」
おばあさんは、台所に向かいます。
妖夢「・・・・・・さて・・・・。」
そして、夕食を作り始めます。
トントントン・・・・
異様に長い、片刃の包丁で野菜を斬っていると、
ぼ え ~ ~ ! ! ♪
向こうから、歌が聴こえてきました。
ズバ!
妖夢「・・・・・・(怒)。」
おばあさんは、驚きと怒りで、野菜ごとまな板を真っ二つにしてしまいました。
妖夢「・・・・・・・。」
トントントン・・・・・
気を取り直して、野菜を斬っていると、
ヒ ュ ~ ハ ハ ハ ハ ハ ! ! !
おじいさんの笑い声も、聴こえてきました。
ズバ!!
妖夢「・・・・・・・(怒)(怒)。」
今度は、調理台ごと真っ二つに・・・・。
妖夢「・・・・・・・。」
おばあさんは心を落ち着けて、調理を続けました。
しかし、
ぼ え ~ ~ ! ! ♪
また、歌が・・・。
プ ツ ・ ・ ・ ・
何かが、切れた音がしました。
妖夢「うおおおおおおおおおお!!!!!」
ドドドドドドド!!!!
どうやら、おばあさんの、理性とかいろいろなものの紐が、切れてしまったようです。
おばあさんは、異様に長い包丁を片手に、おじいさんの所へ走って行きました。
バタン!
妖夢「その舌!!引っこ抜いてくれるわぁ!!」
おばあさんの突然の強襲!
ミスティア「わ~!何!?何!?」
魔理沙「ダンナ、ダンナ!ナンダナンダ!?ヒュハハ!」
驚くすずめと、わけのわからない様子のおじいさん。
そんな様子にはお構いなしに、
ブン!
ミスティア「うわ~!!?」
妖夢「うおりゃ~~~!!!」
おばあさんは、すずめに斬りかかります。
妖夢「死ね!!死ねぇ~~~!!!」
ブン!
ブン!
ミスティア「助けて~~!!」
おばあさんの攻撃を、必死で避けるすずめ。
妖夢「どりゃあ~~~~!!!」
ブン!
魔理沙「オウ!アブナイジャナイカ、バアサン。ヒュハハ!」
妖夢「ジジイも死ねぇ~~!!」
おばあさんはついに、おじいさんにも斬りかかりました。
その刃が、おじいさんを捕らえようとした、その瞬間!
はっし!
妖夢「むぅ!!?」
魔理沙「シラハドリ、ダ!ヒュ~ハハハハハ!!」
おじいさんは白刃取りで、おばあさんの動きを止めました。
妖夢「小癪なあああ~~~~!!!」
魔理沙「ヒュ~ハハハハハハ!!」
普通なおじいさんと、ブチ切れたおばあさんの戦いは続きます。
ミスティア「い、今のうちに・・・・。」
その隙に、すずめは逃げてしまいました。
魔理沙「オ~!ナンテコッタ!カワイイスズメガ!」
妖夢「逃がさぁ~ん!!」
逃がすまいと、二人はすずめを追いかけていきました。
・
・
・
おじいさんは、すずめを追いかけて、林の中に迷い込んでしまいました。
魔理沙「コマッタコマッタ。ヒュハハ!」
ちょっと困ったと思った、そのときです。
ミスティア「じいさん、じいさん。」
すずめの声が、聞こえてきました。
魔理沙「オウ、コンナトコニイタカ!サア、カエルゼ!ヒュハハ!」
ミスティア「いや、帰ったら食べられるでしょ?」
魔理沙「ヒジョウショクダカラナ。ヒュハハ。」
ミスティア「だから、帰らない。」
魔理沙「ソウカ。マア、イイゼ。ヒュハハ。」
ミスティア「でも、今までのお礼に、このつづらをあげたり。」
魔理沙「ンア?」
すずめは、つづらを二つ出しました。
ミスティア「この、おっきなつづらと、ちっちゃいつづら。どっちか選んでください。」
魔理沙「ワタシハゲンキダカラ、リョウホウモッテクゼ!ヒュハハ!」
ミスティア「持ってかないで~。」
魔理沙「シカタナイナ。ワタシハビョウジャクダカラ、チイサナホウヲモッテクゼ!ヒュハハ。」
ミスティア「さっきと言ってること、ちがうじゃん。」
おじいさんは、小さなほうのつづらを選んで、持ってくことにしました。
ミスティア「それじゃ、さよなら、じいさん。夜道はくれぐれも気をつけてね。」
魔理沙「オウ!ワタシハムテキダゼ!ヒュハハ!」
こうしておじいさんは、すずめと別れて、家に帰ることにしました。
・
・
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妖夢「どこだ・・・・。どこにいる・・・・。」
一方、おばあさんも、すずめを探して、林の中に迷い込んでいました。
妖夢「ぶった斬って、やる・・・。ケヒ、ケヒヒヒヒ・・・・・。」
なんか、もう、壊れかけみたいです。
ガサ・・・・・
妖夢「ケヒ?」
何か、音が聞こえました。
妖夢「・・・そこか・・・。ケヒ、ケヒケヒケヒ・・・・・・。」
壊れかけのおばあさんは、音のほうに近づき、
妖夢「死ねぇ~~~~!!!」
いきなり斬りかかりました。
魔理沙「おや、ばあさん。ちょうどいいところに。」
妖夢「え?」
ぴた
音がした方にいたのは、おじいさんでした。
そうとわかったのが理由なのか、おばあさんは刃を収めました。
妖夢「ちょっと、じいさん?あんた・・・・。」
魔理沙「あ~、どうした?」
妖夢「おかしくなくなってる・・・?」
魔理沙「失礼な。私はいつも普通だぜ。」
どうやらおばあさんには、おじいさんの様子がおかしく見えたようです。
妖夢「ところで、それは?」
魔理沙「ん?ああ、つづらだ。」
おじいさんはおばあさんに、つづらを見せます。
魔理沙「何故か、持ってたんだよなあ。よくわからんが。」
どうやら、さっきまでの記憶が無くなってしまってるようです。
妖夢「中身は?」
魔理沙「知らん。」
妖夢「開けてないの?」
魔理沙「知りたいのか?」
妖夢「ちょっと。」
魔理沙「仕方ないな。」
おじいさんは、つづらの蓋に手をかけました。
そして、つづらを開けました。
ど っ か ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ん ! ! ! ! !
つづらが、爆発しました。
魔理沙「・・・・・・・。」
ぱた・・・・。
おじいさんは、爆発の直撃を喰らって、死んでしまいました。
妖夢「・・・・・けほ・・・。」
おばあさんも、黒こげです。
妖夢「・・・出て来い!!腐れ雀ぇ~~~~~~!!!!!」
ドドドドド!!
おばあさんは再びブチ切れて、すずめを探します。
妖夢「うおりゃああ~~~~!!!!」
ずば!
ずば!
ずば!
おばあさんは包丁を振り回し、手当たり次第に木を斬っていきます。
ぎぎぎぎぎ・・・・・・
どど~ん!!
ミスティア「わ~!?森林伐採はんた~い!」
すずめが姿を現しました。
妖夢「そこかあぁ~~~!!!!」
すかさず斬りかかるおばあさん。
ミスティア「鳥目、ふら~っしゅ!!!!」
ぴか~!!
妖夢「く!?」
しかし、すずめの反撃を喰らってしまいました。
たちまちおばあさんは、暗いところではモノがよく見えない、鳥目になってしまいました。
妖夢「どこだ!?姿を見せろ!」
ミスティア「もう、勘弁して~。」
妖夢「ぶった斬って、食べてやる!」
ミスティア「私を食べても、美味しくないってば~。」
妖夢「世の中には、すずめ料理も存在する!!」
ミスティア「何でそんなこと、知ってるのよ?」
妖夢「五月蝿い!さっさと私の栄養になれ!」
ミスティア「許して~。」
ひたすら許しを請うすずめですが、おばあさんは殺る気満々です。
そこで、すずめは、
ミスティア「じ、じゃあ、このつづらをあげる。」
モノで釣ることにしました。
すずめはおばあさんの視界に、つづらを置きました。
妖夢「はあ~・・・、はあ~・・・・・。こんなもので、騙されないわよ・・・・。」
ミスティア「違うわよ。さっきじいさんが持って行ったのは、ハズレよ。」
妖夢「あ~?」
ミスティア「これは、アタリだから。」
妖夢「それより、あんたを討ち取る・・・・。」
ミスティア「・・・・も~いや~!見かける度に、鳥目にしてやる~!!おぼえてろ~!!」
ばさ!ばさ!
どうやらすずめは、遥か彼方へ飛び去ってしまったようです。
妖夢「く・・・・・。逃がしたか・・・。」
口惜しや、と思うおばあさん。
そうこうしているうちに、視界が回復してきました。
そこでふと、つづらを見てみました。
妖夢「ふ~・・・・。で、これがアタリのつづらだって・・・?」
おじいさんが選ばなかった、おっきなつづらです。
妖夢「こんなおっきいもん、持って帰れるわけがないじゃないの・・・・。」
さっきからキレたり暴れたりで、おばあさんはすっかり疲れきっていました。
ただでさえ、ノイローゼ気味だったり寝不足だったりするに・・・。
妖夢「中開けて、いらない物を捨てて帰るか・・・・・。」
少しでも軽くしようと、おばあさんはつづらを開けました。
その中から、なんと!
幽々子「わぁぁ~~!!!」
お化けが出てきました。
妖夢「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
幽々子「わあ~!」
妖夢「・・・・・・・・・・ゆ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
ふら~・・・・・
ぱた・・・・
妖夢「・・・・・・・(・・・・何・・・このオチ・・・・)。」
驚きの余り、おばあさんは死んでしまいました。
幽々子「あれ、そんなにびっくりしたのかな?」
妖夢「・・・・・・(気が、抜けたんです・・・・・・・・・)。」
幽々子「もしもし~?」
妖夢「・・・・・・(もう、何も考えたくない・・・・・・)。」
幽々子「つんつん。」
妖夢「・・・・・・(何もやりたくない・・・・・・・・)。」
幽々子「ぷにぷに。」
妖夢「・・・・・・(コレ、捨てて帰って、いいですか・・・・・・?)。」
幽々子「びろ~ん。」
↑
コ レ
お化けは、おばあさんの死体を棒でつんつんしたり、
ほっぺたを指でぷにぷにしたり、つまんで伸ばしたりして遊んでいましたとさ。
そんなわけでその日以来、二人の姿を見たヒトは、誰も居なかったそうな・・・・・。
おしまい
キャスト
おじいさん 霧雨 魔理沙
おばあさん 魂魄 妖夢
すずめ ミスティア・ローレライ
お化け 西行寺 幽々子
ほっぺたびろ~んな妖夢は萌えますな、うむ。
それにしてもやっぱり幽々子様はいいですね。