西行寺のお屋敷にて。
幽々子「ねえ、妖夢。」
妖夢「はい?」
幽々子「最近、私はボケキャラとして扱われてるみたいよ。」
妖夢「みたいですね。」
ずずっとお茶をすすりながら、幽々子は妖夢に語る。
幽々子「・・・・・・わね。」
妖夢「は?」
幽々子「不本意だわ。納得できない。」
妖夢「はあ・・・・。」
真剣に語る幽々子と、何を言ってるんだか、いつも以上に理解できない妖夢。
幽々子「そこで、妖夢。」
妖夢「はい?」
幽々子「たまには、あなたがボケなさい。」
妖夢「・・・・・・・・・・。」
幽々子「聞こえなかったかしら?」
妖夢「え・・・、あ、はい。」
幽々子「あなたがボケるの。」
妖夢「言ってることが、理解できませんけど・・・・・。」
幽々子「あなたがボケで、私がツッコミ。」
妖夢「え?え?え?」
幽々子「明日、みんなの前でやってみるわよ。」
妖夢「いや、だから・・・・・。」
幽々子「それまでに、ボケれるようになっておいてね。」
それだけ言うと、幽々子は奥に引っ込んでいった。
妖夢「え~と・・・・・。」
妖夢は、しばらく考えた後、
妖夢「えぇ~~~~~~!!?」
絶叫した。
・
・
・
妖夢「・・・と、いうわけで。」
魔理沙「あ~?」
妖夢は、霧雨邸に来ていた。
魔理沙「何で、私のところなんだ?」
妖夢「他に、当てがなかったから。」
魔理沙「そ~かそ~か。つまり、私が一番頼りになるってことだな。」
妖夢「まあ、そういうことで。」
魔理沙「で、用件は何だ?」
妖夢「ちゃんと聞いててよ・・・・。」
かくかくしかじか、と妖夢は事情を話す。
妖夢「・・・と、いうわけ。」
魔理沙「なるほど、な。」
妖夢「どうすればいいのやら・・・。」
魔理沙「ふむ。」
魔理沙は、少し考えた後、
ぽん
と、妖夢の肩をたたき、
魔理沙「ま、がんばりな。」
とだけ言った。
妖夢「いや、だから、どうすればいいのかを聞いてるんだけど・・・・。」
魔理沙「いやいや、だから、がんばればいいんだよ。」
妖夢「いやいやいや、だから、どうがんばればいいのかを聞きたいのよ。」
魔理沙「いやいやいやいや、だから、適当に頑張ればいいんだよ。」
妖夢「いやいやいやいやいや・・・・・・・。」
魔理沙「いやいやいやいやいやいや・・・・・・・・。」
少し省略。
妖夢「・・・・・これじゃあ、きりが無いじゃないの。」
魔理沙「あー?つまりあんたは、具体的にどう頑張れば聞きたいわけか。」
妖夢「そうよ。」
魔理沙「最初っから、そう言え。」
妖夢「最初っから、そう理解してよ。」
魔理沙「最初っから、そう理解してたぜ。」
妖夢「じゃあ最初っから、話をその方向に持っていってよ。」
魔理沙「最初っから、その方向に持っていくつもりだったぜ。私はな。」
妖夢「最初っから、ほんとにそう思ってたの?」
魔理沙「当然、最初っからそのつもりだったぜ。」
妖夢「最初っから・・・・・・。」
・・・・ちょっと省略。
妖夢「・・・・・も~、いいから、具体的にどうすればいいのか、早く教えてよ。」
魔理沙「急かすな。」
妖夢「明日まで、あんまり時間がないわ。」
魔理沙「ふむ。それじゃあ、具体的にどうすればいいか、教えてやろう。」
妖夢「お願いね。」
魔理沙「そうだな・・・・・。」
魔理沙は、少し考えて。
魔理沙「ま、がんばりな。」
と、言った。
妖夢「・・・・・・・・(怒)。」
魔理沙「と、言ってしまうのは簡単だ。さて、どうすればいいかだが・・・。」
妖夢「・・・・・。」
魔理沙「あきらめろ。」
妖夢「・・・・・・・(怒)(怒)。」
す・・・・・
妖夢は、静かに刀を抜いた。
魔理沙「待て待て。あんたが聞きたいのは、どうすればいいか、だろ?」
妖夢「そうよ。」
魔理沙「だったら、あきらめて命令に従うんだな。それが従者ってもんだぜ。」
妖夢「私が聞きたいのは、そんなんじゃなくて・・・。」
魔理沙「咲夜を見習えよ。あいつは、ボケもツッコミも立派にこなしてるじゃないか。」
妖夢「だから、私は・・・・・・。」
妖夢が言葉を続けようとした、そのとき、
魔理沙「おっと、時間だ。」
魔理沙が、話をぶった切る。
妖夢「何の?」
魔理沙「今日は、百年に一度の記念すべき日だ。これから出かけるから、あんたも帰れ。」
妖夢「え?」
魔理沙「じゃあな。」
ぴゅ~!
魔理沙はあっという間に外へ出て、あっという間にどっかに飛んでいってしまった。
妖夢「・・・・・で、私はどうすれば・・・・・・。」
結局、何の解決方法も得られないまま、妖夢は冥界に帰っていった・・・・・。
・
・
・
そして、翌日。
西行寺のお屋敷にて。
幽々子「あ~、今から楽しみね~。」
妖夢「・・・・・・・。」
幽々子「どうしたの?目が赤いわよ。」
妖夢「夕べは、一睡も出来ませんでした・・・・・。」
幽々子「そんなに楽しみだったの?」
妖夢「違いま・・・・・。」
幽々子「あ、時間ね。行くわよ、妖夢。」
一人と半人は、会場である宴会場に向かった。
一方、宴会場では・・・、
霊夢「で?ここはどこ?」
魔理沙「あの世。」
霊夢「何で、連れてこられなくちゃいけないのよ。まだ生きてるわよ。」
紫「あら、生きていようが死んでいようが、あの世には来られるものよ。」
霊夢「好き好んで来たくないって言ってるの。」
咲夜「ほんとね。私、仕事があるんだけど。」
レミリア「有給休暇扱いにしてあげるわよ。」
咲夜「それは、有難いですね。」
アリス「給金とか貰ってないでしょ。それより、何が始まるって言うのよ?」
魔理沙「何でも、冥界組が面白いことをやるらしいぜ。」
咲夜「面白いことって・・・。あの二人、いつもじゃないの。」
魔理沙「いやいや。どうやら、役割を変えてみたらしいぜ。」
レミリア「役割って?」
咲夜「あ、なるほど。お嬢様、きっと、ボケとツッコミですよ。」
魔理沙「その通りだ。昨日、あいつを私の弟子にしてやったぜ。」
アリス「まあ、あんたはボケだしね。」
魔理沙「あー?私がいつ、ボケをかましたって言うんだ?」
霊夢「今。」
アリス「さっき。」
レミリア「つい、先ほど。」
咲夜「ほんの1秒前。」
紫「っていうか、いつも。」
魔理沙「ひどいぜ。」
紫「でも、それは面白そう。ねえ、私たちも変えてみない?」
霊夢「何をどう、変えようっていうのよ・・・・。」
アリス「あなた達の場合、両方ボケで両方ツッコミでしょう?」
お客たちによって、こんな感じの話が繰り広げられていた。
そして、
魔理沙「お、始まるみたいだぜ。」
宴会場、その少し高い位置にある舞台に、屋敷の主人と従者が現れた。
リリカ「おまたせしました~。」
ルナサ「どうも。」
メルラン「レディースアンドモンスターズ!これより、西行寺のお嬢様と庭師による、漫才がはじまりま~す!」
もとい、騒霊三姉妹が現れた。
レミリア「『モンスターズ』って。」
紫「私たちのことよねえ。」
レミリア「私の場合、『ヴァンパイア』だと思うんだけど。」
アリス「それを言ったら、私は『ウィッチ』かしら?」
紫「まあ、細かいことは気にするなってことよ。」
三姉妹そっちのけで、どーでもいいことで議論する妖怪たち。
ルナサ「はい、そこ。私語をしない。」
リリカ「みんな~!のってるか~い!」
メルラン「いえ~い!」
ルナサ「そこも。あんまりぶっ飛ばないの。」
多少テンションが高い司会者達。
ルナサ「えー、これより、ルールを説明します。」
霊夢「ルール?」
咲夜「漫才なのに?」
ルナサ「まず、庭師の妖夢さんがボケます。そこをお嬢様がツッコミます。」
リリカ「ここでみんなに、妖夢さんのボケが面白いか面白くないか、判定してもらいま~す。」
レミリア「判定?」
アリス「私達は、観客って言うより審査員っていうところかしら。」
メルラン「で、その判定によって、お嬢様のツッコミの威力が変化します。」
ルナサ「まあ、面白くなかったら、トンでもないのが飛ぶっていうことで。」
メルラン「と、いうわけで、あくまで公平に、審査をお願いします。」
ルナサ「ルールは以上。何か質問は?」
魔理沙「ほい。」
ルナサ「はい、そこのモノクロ。」
魔理沙「どうやって、それを判断するんだ?」
ルナサ「ここに都合よく、スイッチがあります。これを押すと、前のパネルに明かりがつきます。」
リリカ「面白かったら、押してね~。」
メルラン「ちなみに、これはどういう原理で動いているかっていう質問は、なしよ。」
ルナサ「まあ、ご都合主義なんてそんなもので。」
紫「まあ、そんなもんね。」
何やら、ルールを説明する三姉妹。
一方、舞台の袖では、
妖夢「ゆ、幽々子様!」
幽々子「ん、なあに?」
妖夢「聞いてませんよ!そんなルール!」
幽々子「だって、聞かせてないし。」
妖夢「何で、言ってくれないんですか!」
幽々子「自信満々だって、言ってたじゃない。」
妖夢「言ってません!」
幽々子「大丈夫よ。五機設定にしてきたし。」
妖夢「弾幕飛ぶんですか!?」
妖夢が幽々子に抗議をするも、全部流される。
そうこうしているうちに、
ルナサ「他に質問が無いようなので、さっさと進めます。」
リリカ「それでは、両名のご登場~!」
開始の合図が。
幽々子「ついに、始まったわね・・・。行くわよ、妖夢。」
妖夢「とほほ・・・・・。」
二人が、舞台に立つ。
幽々子「どうもどうも、『今逝くよ・もうあの世』で~す!」
妖夢「どーも・・・・・・。」
見るからに対照的な二人。
魔理沙「何か、限りなくヤバいネーミングだな。コンビ名。」
咲夜「そうね。何故かわからないけど、限りなくヤバいネーミングね。」
なんて思う人もいたが、気にしてはいけない。
幽々子「いや~、私の相方の『逝くよ』がね~、ボケをやってみたいって聞かないのよ。ね?」
妖夢「え?私、『逝くよ』ですか?」
すぱ~ん!
妖夢「痛!」
幽々子「も~、自分の芸名を忘れないの!」
扇子の代わりに、ハリセンで妖夢をぶっ叩く幽々子。
幽々子「本題に戻るけど、この子がボケをやってみたいって言って、聞かないのよ~。」
妖夢「い、いや、そんなことは言ってない・・・。」
すぱ~ん!
幽々子「またまた~、そんなこと言って~。」
妖夢「痛い・・・。」
幽々子「そんなわけで、そのボケっぷりをみんなに見てもらおうと思って。ね?」
妖夢「あうう・・・・・・。」
幽々子は、大変楽しそうである。
妖夢「あ、あの・・・・、幽々子様・・・?」
幽々子「(来た!?)ん、なあに、妖夢?」
妖夢「幽々子様って、幽霊ですよね?」
幽々子「ええ、そうね。100%幽霊よ。」
妖夢「お・・・、お・・・・。」
恐らく、ボケをかますつもりであろう。
妖夢は、緊張を隠せない。
霊夢「(・・・・さて)。」
魔理沙「(どうくる?)。」
そして、
妖夢「OH~。YOU、霊!(ゆー、れい)」
・・・・・・・。
妖夢「・・・・・ユー、霊・・・・・。」
しーん・・・・・
幽々子「・・・・・・・。」
霊夢「・・・・・・・。」
魔理沙「・・・・・・・。」
咲夜「・・・・・・・。」
アリス「・・・・・・・。」
レミリア「・・・・・・・。」
紫「・・・・・・・。」
・・・・静まり返る会場。
妖夢「あ、いや、だから・・・、あなた、幽霊・・・、YOU、霊って・・・・。」
ルナサ「・・・・・判定を。」
ルナサが、審査員達に判定を求める。
ぴ・・・・
六つあるパネルのうち、一つだけ明かりがついた。
ルナサ「一個だけ。亡我郷、自尽。」
妖夢「え?」
ルナサが判定結果を言った瞬間、
亡 郷 「 亡 我 郷 - 自 尽 - 」
が発動した。
妖夢「わ~~~!!?」
妖夢に向かって。
妖夢「うわ~!うわ~!!」
必死で弾幕を避ける妖夢。
霊夢「あ~あ・・・・。」
咲夜「ふ~ん。あのレーザーみたいなのが、ハリセンみたいに見えるわね。」
紫「あ。」
どど~ん!
妖夢「あ~・・・・・・・。」
レーザーがハリセンのごとく、妖夢をとらえる。
妖夢、残機マイナス1。
紫「落ちちゃった。」
魔理沙「まあ、仕方ないぜ。主人公成り立てだしな。」
のん気に見物する審査員たち。
妖夢「う、うう・・・・・。」
妖夢、復活。
そして、制限時間終了。
幽々子「だから~、幽霊だっていってるじゃない。」
妖夢「そ、それだけの台詞のために・・・・。」
何事も無かったかのようにツッコミの台詞を言う幽々子と、体力を大分消耗した妖夢。
幽々子「ねえねえ、妖夢。折角だから、みんなにお話してあげて。」
妖夢「な、何をですか・・・・?」
幽々子「それは、あなたが考えることよ。」
妖夢「うう・・・・・。」
そして、何事も無かったかのように漫才が進行する。
霊夢「っていうか、これ、漫才って言えるのかしら?」
アリス「知らない。」
多少疑問を持つ者もいたが、すぐに忘れることにした。
妖夢「そ、それじゃあ、この、冥界のことについて、お話します。」
幽々子「ぱちぱちぱち~。」
妖夢、ボケる準備が出来たらしい。
レミリア「(さて・・・・)。」
紫「(次は・・・?)。」
そして、
妖夢「あのよ~・・・・・・。(あの世)」
・・・・・・・・。
妖夢「あの、よ・・・・・。」
しーーーーーん・・・・・・・
幽々子「・・・・・・・。」
霊夢「・・・・・・・。」
魔理沙「・・・・・・・。」
咲夜「・・・・・・・。」
アリス「・・・・・・・。」
レミリア「・・・・・・・。」
紫「・・・・・・・。」
・・・・静まり返る会場。
妖夢「あ~、その、ほら、あの世のことを、あのよ~、って・・・・・。」
ルナサ「・・・・・・判定を。」
ルナサが、判定を求める。
・・・・・・・・・・・
今度は、一つもつかない。
ルナサ「墨染、開花。」
妖夢「ええ!?」
ルナサが判定結果を言った瞬間、
桜 符「 完 全 な る 墨 染 の 桜 - 開 花 - 」
が、発動した。
妖夢「うわ~!!」
当然、妖夢に向かって。
妖夢「うわわわわ!!」
必死で弾幕を避ける妖夢。
レミリア「大変ね、彼女。」
咲夜「お嬢様は、私にあんなことやらせようなんて、考えてませんよね?」
レミリア「もちろんよ。誰かさんにやらせるわ。誰かさんと一緒に。」
咲夜「ああ、誰かさんと、誰かさんですね。たいそう、ひどいことになりそうですわ。」
レミリア「誰かさんは地味だし、誰かさんは容赦ないから。」
ど~ん!
妖夢「あ~・・・・・・。」
妖夢、撃墜。
残機マイナス1。
霊夢「何で、攻撃しないかしら?」
アリス「相手が自分のご主人だからでしょ?」
紫「やあねえ。下っ端になるのは。」
やっぱり、のん気な審査員たち。
妖夢「うぐ・・・・・・・。」
妖夢、復活。
そして、すかさず、
幽々子「それじゃ、お話になってないじゃな~い。」
妖夢「あうあう・・・・・・。」
幽々子のツッコミ。
何事も無かったかのように、漫才を続ける幽々子。
幽々子「さて、そろそろお時間となりましたので。」
妖夢「・・・・。」
どうやら、終了するらしい。
幽々子「妖夢、最後に、皆に一言。」
妖夢「え・・・、あ、はい・・・・。」
妖夢は、呼吸を整える。
妖夢「あ~、こほん。そこのメイド!」
舞台から咲夜を指差す妖夢。
咲夜「ん、私?」
レミリア「みたいよ。この場にメイドは、あなたしかいないわ。」
咲夜「まあ、それはそうですけど。で、どうしたのよ?」
咲夜は妖夢に視線を送る。
妖夢「め・・・・・。」
咲夜「め?」
やはり妖夢は、緊張しているようだ。
そして、
妖夢「本日は冥土(メイド)に来てくれて・・・・・・。め、メイドどうも・・・・。(まいどどうも)」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
妖夢「メイドに来て・・・、メイド・・・、どうも・・・・・。」
しーーーーん・・・・・
幽々子「・・・・・・・。」
霊夢「・・・・・・・。」
魔理沙「・・・・・・・。」
咲夜「・・・・・(怒)。」
アリス「・・・・・・・。」
レミリア「・・・・・・・。」
紫「・・・・・・・。」
・・・・静まり返る会場。
妖夢「ほ、ほら、まいどとメイドって、何となく似て・・・・・。」
ルナサ「・・・・・判定を。」
ルナサが、判定を求める。
ぴ・・・・
また、一つだけついた。
ルナサ「八分咲。」
妖夢「うぇ!?」
ルナサが判定結果を言った瞬間、
「 反 魂 蝶 八 分 咲 」 (BGM・ボーダーオブライフ)
が発動した。
妖夢「わ~~~!!?」
無論、妖夢に向かって。
妖夢「うわ~!うわ~!!」
必死で弾幕を避ける妖夢。
が、体力は消耗したままである。
魔理沙「おー、粘るじゃないか。」
アリス「でも、動きにキレがないわね。」
レミリア「もう、限界かしらね。」
やっぱりのん気に見ている審査員達。
メルラン「う~ん、そろそろ・・・・。」
リリカ「あ、堕ちた。」
どか~ん!
妖夢「あ~れ~・・・・・・・。」
妖夢撃墜。
残機、マイナス1。
妖夢「も、もういや・・・・・。」
どか~ん!
妖夢「うあ~・・・・・・・。」
復活し、あっさり撃墜される。
残機、マイナス1。
魔理沙「なにやってるんだ!この馬鹿弟子!スペルカード使え!」
なんて言葉もとんだが、
どか~ん!
妖夢「あ~・・・・・・・。」
撃墜。
ゲームオーバー。
幽々子「みんなにって、言ったじゃないの~。」
すかさず、幽々子のツッコミ。
幽々子「どうも、失礼しました~。」
ずるずる・・・・・
妖夢の遺体を引きずり、幽々子は舞台から姿を消した。
ルナサ「ありがとうございました。ちなみに、アンコールは不可で。」
霊夢「だれもしないわよ。」
ルナサ「あとは、無礼講でどんちゃんさわいでください、とのこと。司会は、プリズムリバー三姉妹でした。」
魔理沙「まあ、せっかくだから、騒ぐか。」
咲夜「まあ、せっかくだし。」
レミリア「せっかくだし。」
審査員達は、せっかくなので騒いでいくことにした。
魔理沙「ところで。」
霊夢「なに?」
魔理沙「あのボケを面白いと判定したのって、誰だ?」
霊夢「私じゃないわよ。」
魔理沙「私でもないぜ。」
咲夜「同じく。」
レミリア「右に同じ。」
アリス「以下同文。」
紫「てんてん。」
魔理沙「じゃ、誰だ?」
霊夢「いいじゃない。どうでも。」
魔理沙「そうだな。もうどうでもいいぜ。」
細かいことは気にするな、である。
・
・
・
アリス「あんなのが、面白かったの?」
人形「うん。」
アリス「っていうか、私の分、押したでしょ。」
人形「だって。」
アリス「まあ、あの子の運命は、あのお嬢様でも変えられなかったでしょうね。」
人形「そーね。」
・
・
・
幽々子「とりあえず、大成功ね。」
妖夢「どこがですか・・・・・。」
幽々子「今後は、この形を維持していくわよ!」
妖夢「絶対にいやです!」
幽々子「え~・・・・。」
続かない
幽々子「ねえ、妖夢。」
妖夢「はい?」
幽々子「最近、私はボケキャラとして扱われてるみたいよ。」
妖夢「みたいですね。」
ずずっとお茶をすすりながら、幽々子は妖夢に語る。
幽々子「・・・・・・わね。」
妖夢「は?」
幽々子「不本意だわ。納得できない。」
妖夢「はあ・・・・。」
真剣に語る幽々子と、何を言ってるんだか、いつも以上に理解できない妖夢。
幽々子「そこで、妖夢。」
妖夢「はい?」
幽々子「たまには、あなたがボケなさい。」
妖夢「・・・・・・・・・・。」
幽々子「聞こえなかったかしら?」
妖夢「え・・・、あ、はい。」
幽々子「あなたがボケるの。」
妖夢「言ってることが、理解できませんけど・・・・・。」
幽々子「あなたがボケで、私がツッコミ。」
妖夢「え?え?え?」
幽々子「明日、みんなの前でやってみるわよ。」
妖夢「いや、だから・・・・・。」
幽々子「それまでに、ボケれるようになっておいてね。」
それだけ言うと、幽々子は奥に引っ込んでいった。
妖夢「え~と・・・・・。」
妖夢は、しばらく考えた後、
妖夢「えぇ~~~~~~!!?」
絶叫した。
・
・
・
妖夢「・・・と、いうわけで。」
魔理沙「あ~?」
妖夢は、霧雨邸に来ていた。
魔理沙「何で、私のところなんだ?」
妖夢「他に、当てがなかったから。」
魔理沙「そ~かそ~か。つまり、私が一番頼りになるってことだな。」
妖夢「まあ、そういうことで。」
魔理沙「で、用件は何だ?」
妖夢「ちゃんと聞いててよ・・・・。」
かくかくしかじか、と妖夢は事情を話す。
妖夢「・・・と、いうわけ。」
魔理沙「なるほど、な。」
妖夢「どうすればいいのやら・・・。」
魔理沙「ふむ。」
魔理沙は、少し考えた後、
ぽん
と、妖夢の肩をたたき、
魔理沙「ま、がんばりな。」
とだけ言った。
妖夢「いや、だから、どうすればいいのかを聞いてるんだけど・・・・。」
魔理沙「いやいや、だから、がんばればいいんだよ。」
妖夢「いやいやいや、だから、どうがんばればいいのかを聞きたいのよ。」
魔理沙「いやいやいやいや、だから、適当に頑張ればいいんだよ。」
妖夢「いやいやいやいやいや・・・・・・・。」
魔理沙「いやいやいやいやいやいや・・・・・・・・。」
少し省略。
妖夢「・・・・・これじゃあ、きりが無いじゃないの。」
魔理沙「あー?つまりあんたは、具体的にどう頑張れば聞きたいわけか。」
妖夢「そうよ。」
魔理沙「最初っから、そう言え。」
妖夢「最初っから、そう理解してよ。」
魔理沙「最初っから、そう理解してたぜ。」
妖夢「じゃあ最初っから、話をその方向に持っていってよ。」
魔理沙「最初っから、その方向に持っていくつもりだったぜ。私はな。」
妖夢「最初っから、ほんとにそう思ってたの?」
魔理沙「当然、最初っからそのつもりだったぜ。」
妖夢「最初っから・・・・・・。」
・・・・ちょっと省略。
妖夢「・・・・・も~、いいから、具体的にどうすればいいのか、早く教えてよ。」
魔理沙「急かすな。」
妖夢「明日まで、あんまり時間がないわ。」
魔理沙「ふむ。それじゃあ、具体的にどうすればいいか、教えてやろう。」
妖夢「お願いね。」
魔理沙「そうだな・・・・・。」
魔理沙は、少し考えて。
魔理沙「ま、がんばりな。」
と、言った。
妖夢「・・・・・・・・(怒)。」
魔理沙「と、言ってしまうのは簡単だ。さて、どうすればいいかだが・・・。」
妖夢「・・・・・。」
魔理沙「あきらめろ。」
妖夢「・・・・・・・(怒)(怒)。」
す・・・・・
妖夢は、静かに刀を抜いた。
魔理沙「待て待て。あんたが聞きたいのは、どうすればいいか、だろ?」
妖夢「そうよ。」
魔理沙「だったら、あきらめて命令に従うんだな。それが従者ってもんだぜ。」
妖夢「私が聞きたいのは、そんなんじゃなくて・・・。」
魔理沙「咲夜を見習えよ。あいつは、ボケもツッコミも立派にこなしてるじゃないか。」
妖夢「だから、私は・・・・・・。」
妖夢が言葉を続けようとした、そのとき、
魔理沙「おっと、時間だ。」
魔理沙が、話をぶった切る。
妖夢「何の?」
魔理沙「今日は、百年に一度の記念すべき日だ。これから出かけるから、あんたも帰れ。」
妖夢「え?」
魔理沙「じゃあな。」
ぴゅ~!
魔理沙はあっという間に外へ出て、あっという間にどっかに飛んでいってしまった。
妖夢「・・・・・で、私はどうすれば・・・・・・。」
結局、何の解決方法も得られないまま、妖夢は冥界に帰っていった・・・・・。
・
・
・
そして、翌日。
西行寺のお屋敷にて。
幽々子「あ~、今から楽しみね~。」
妖夢「・・・・・・・。」
幽々子「どうしたの?目が赤いわよ。」
妖夢「夕べは、一睡も出来ませんでした・・・・・。」
幽々子「そんなに楽しみだったの?」
妖夢「違いま・・・・・。」
幽々子「あ、時間ね。行くわよ、妖夢。」
一人と半人は、会場である宴会場に向かった。
一方、宴会場では・・・、
霊夢「で?ここはどこ?」
魔理沙「あの世。」
霊夢「何で、連れてこられなくちゃいけないのよ。まだ生きてるわよ。」
紫「あら、生きていようが死んでいようが、あの世には来られるものよ。」
霊夢「好き好んで来たくないって言ってるの。」
咲夜「ほんとね。私、仕事があるんだけど。」
レミリア「有給休暇扱いにしてあげるわよ。」
咲夜「それは、有難いですね。」
アリス「給金とか貰ってないでしょ。それより、何が始まるって言うのよ?」
魔理沙「何でも、冥界組が面白いことをやるらしいぜ。」
咲夜「面白いことって・・・。あの二人、いつもじゃないの。」
魔理沙「いやいや。どうやら、役割を変えてみたらしいぜ。」
レミリア「役割って?」
咲夜「あ、なるほど。お嬢様、きっと、ボケとツッコミですよ。」
魔理沙「その通りだ。昨日、あいつを私の弟子にしてやったぜ。」
アリス「まあ、あんたはボケだしね。」
魔理沙「あー?私がいつ、ボケをかましたって言うんだ?」
霊夢「今。」
アリス「さっき。」
レミリア「つい、先ほど。」
咲夜「ほんの1秒前。」
紫「っていうか、いつも。」
魔理沙「ひどいぜ。」
紫「でも、それは面白そう。ねえ、私たちも変えてみない?」
霊夢「何をどう、変えようっていうのよ・・・・。」
アリス「あなた達の場合、両方ボケで両方ツッコミでしょう?」
お客たちによって、こんな感じの話が繰り広げられていた。
そして、
魔理沙「お、始まるみたいだぜ。」
宴会場、その少し高い位置にある舞台に、屋敷の主人と従者が現れた。
リリカ「おまたせしました~。」
ルナサ「どうも。」
メルラン「レディースアンドモンスターズ!これより、西行寺のお嬢様と庭師による、漫才がはじまりま~す!」
もとい、騒霊三姉妹が現れた。
レミリア「『モンスターズ』って。」
紫「私たちのことよねえ。」
レミリア「私の場合、『ヴァンパイア』だと思うんだけど。」
アリス「それを言ったら、私は『ウィッチ』かしら?」
紫「まあ、細かいことは気にするなってことよ。」
三姉妹そっちのけで、どーでもいいことで議論する妖怪たち。
ルナサ「はい、そこ。私語をしない。」
リリカ「みんな~!のってるか~い!」
メルラン「いえ~い!」
ルナサ「そこも。あんまりぶっ飛ばないの。」
多少テンションが高い司会者達。
ルナサ「えー、これより、ルールを説明します。」
霊夢「ルール?」
咲夜「漫才なのに?」
ルナサ「まず、庭師の妖夢さんがボケます。そこをお嬢様がツッコミます。」
リリカ「ここでみんなに、妖夢さんのボケが面白いか面白くないか、判定してもらいま~す。」
レミリア「判定?」
アリス「私達は、観客って言うより審査員っていうところかしら。」
メルラン「で、その判定によって、お嬢様のツッコミの威力が変化します。」
ルナサ「まあ、面白くなかったら、トンでもないのが飛ぶっていうことで。」
メルラン「と、いうわけで、あくまで公平に、審査をお願いします。」
ルナサ「ルールは以上。何か質問は?」
魔理沙「ほい。」
ルナサ「はい、そこのモノクロ。」
魔理沙「どうやって、それを判断するんだ?」
ルナサ「ここに都合よく、スイッチがあります。これを押すと、前のパネルに明かりがつきます。」
リリカ「面白かったら、押してね~。」
メルラン「ちなみに、これはどういう原理で動いているかっていう質問は、なしよ。」
ルナサ「まあ、ご都合主義なんてそんなもので。」
紫「まあ、そんなもんね。」
何やら、ルールを説明する三姉妹。
一方、舞台の袖では、
妖夢「ゆ、幽々子様!」
幽々子「ん、なあに?」
妖夢「聞いてませんよ!そんなルール!」
幽々子「だって、聞かせてないし。」
妖夢「何で、言ってくれないんですか!」
幽々子「自信満々だって、言ってたじゃない。」
妖夢「言ってません!」
幽々子「大丈夫よ。五機設定にしてきたし。」
妖夢「弾幕飛ぶんですか!?」
妖夢が幽々子に抗議をするも、全部流される。
そうこうしているうちに、
ルナサ「他に質問が無いようなので、さっさと進めます。」
リリカ「それでは、両名のご登場~!」
開始の合図が。
幽々子「ついに、始まったわね・・・。行くわよ、妖夢。」
妖夢「とほほ・・・・・。」
二人が、舞台に立つ。
幽々子「どうもどうも、『今逝くよ・もうあの世』で~す!」
妖夢「どーも・・・・・・。」
見るからに対照的な二人。
魔理沙「何か、限りなくヤバいネーミングだな。コンビ名。」
咲夜「そうね。何故かわからないけど、限りなくヤバいネーミングね。」
なんて思う人もいたが、気にしてはいけない。
幽々子「いや~、私の相方の『逝くよ』がね~、ボケをやってみたいって聞かないのよ。ね?」
妖夢「え?私、『逝くよ』ですか?」
すぱ~ん!
妖夢「痛!」
幽々子「も~、自分の芸名を忘れないの!」
扇子の代わりに、ハリセンで妖夢をぶっ叩く幽々子。
幽々子「本題に戻るけど、この子がボケをやってみたいって言って、聞かないのよ~。」
妖夢「い、いや、そんなことは言ってない・・・。」
すぱ~ん!
幽々子「またまた~、そんなこと言って~。」
妖夢「痛い・・・。」
幽々子「そんなわけで、そのボケっぷりをみんなに見てもらおうと思って。ね?」
妖夢「あうう・・・・・・。」
幽々子は、大変楽しそうである。
妖夢「あ、あの・・・・、幽々子様・・・?」
幽々子「(来た!?)ん、なあに、妖夢?」
妖夢「幽々子様って、幽霊ですよね?」
幽々子「ええ、そうね。100%幽霊よ。」
妖夢「お・・・、お・・・・。」
恐らく、ボケをかますつもりであろう。
妖夢は、緊張を隠せない。
霊夢「(・・・・さて)。」
魔理沙「(どうくる?)。」
そして、
妖夢「OH~。YOU、霊!(ゆー、れい)」
・・・・・・・。
妖夢「・・・・・ユー、霊・・・・・。」
しーん・・・・・
幽々子「・・・・・・・。」
霊夢「・・・・・・・。」
魔理沙「・・・・・・・。」
咲夜「・・・・・・・。」
アリス「・・・・・・・。」
レミリア「・・・・・・・。」
紫「・・・・・・・。」
・・・・静まり返る会場。
妖夢「あ、いや、だから・・・、あなた、幽霊・・・、YOU、霊って・・・・。」
ルナサ「・・・・・判定を。」
ルナサが、審査員達に判定を求める。
ぴ・・・・
六つあるパネルのうち、一つだけ明かりがついた。
ルナサ「一個だけ。亡我郷、自尽。」
妖夢「え?」
ルナサが判定結果を言った瞬間、
亡 郷 「 亡 我 郷 - 自 尽 - 」
が発動した。
妖夢「わ~~~!!?」
妖夢に向かって。
妖夢「うわ~!うわ~!!」
必死で弾幕を避ける妖夢。
霊夢「あ~あ・・・・。」
咲夜「ふ~ん。あのレーザーみたいなのが、ハリセンみたいに見えるわね。」
紫「あ。」
どど~ん!
妖夢「あ~・・・・・・・。」
レーザーがハリセンのごとく、妖夢をとらえる。
妖夢、残機マイナス1。
紫「落ちちゃった。」
魔理沙「まあ、仕方ないぜ。主人公成り立てだしな。」
のん気に見物する審査員たち。
妖夢「う、うう・・・・・。」
妖夢、復活。
そして、制限時間終了。
幽々子「だから~、幽霊だっていってるじゃない。」
妖夢「そ、それだけの台詞のために・・・・。」
何事も無かったかのようにツッコミの台詞を言う幽々子と、体力を大分消耗した妖夢。
幽々子「ねえねえ、妖夢。折角だから、みんなにお話してあげて。」
妖夢「な、何をですか・・・・?」
幽々子「それは、あなたが考えることよ。」
妖夢「うう・・・・・。」
そして、何事も無かったかのように漫才が進行する。
霊夢「っていうか、これ、漫才って言えるのかしら?」
アリス「知らない。」
多少疑問を持つ者もいたが、すぐに忘れることにした。
妖夢「そ、それじゃあ、この、冥界のことについて、お話します。」
幽々子「ぱちぱちぱち~。」
妖夢、ボケる準備が出来たらしい。
レミリア「(さて・・・・)。」
紫「(次は・・・?)。」
そして、
妖夢「あのよ~・・・・・・。(あの世)」
・・・・・・・・。
妖夢「あの、よ・・・・・。」
しーーーーーん・・・・・・・
幽々子「・・・・・・・。」
霊夢「・・・・・・・。」
魔理沙「・・・・・・・。」
咲夜「・・・・・・・。」
アリス「・・・・・・・。」
レミリア「・・・・・・・。」
紫「・・・・・・・。」
・・・・静まり返る会場。
妖夢「あ~、その、ほら、あの世のことを、あのよ~、って・・・・・。」
ルナサ「・・・・・・判定を。」
ルナサが、判定を求める。
・・・・・・・・・・・
今度は、一つもつかない。
ルナサ「墨染、開花。」
妖夢「ええ!?」
ルナサが判定結果を言った瞬間、
桜 符「 完 全 な る 墨 染 の 桜 - 開 花 - 」
が、発動した。
妖夢「うわ~!!」
当然、妖夢に向かって。
妖夢「うわわわわ!!」
必死で弾幕を避ける妖夢。
レミリア「大変ね、彼女。」
咲夜「お嬢様は、私にあんなことやらせようなんて、考えてませんよね?」
レミリア「もちろんよ。誰かさんにやらせるわ。誰かさんと一緒に。」
咲夜「ああ、誰かさんと、誰かさんですね。たいそう、ひどいことになりそうですわ。」
レミリア「誰かさんは地味だし、誰かさんは容赦ないから。」
ど~ん!
妖夢「あ~・・・・・・。」
妖夢、撃墜。
残機マイナス1。
霊夢「何で、攻撃しないかしら?」
アリス「相手が自分のご主人だからでしょ?」
紫「やあねえ。下っ端になるのは。」
やっぱり、のん気な審査員たち。
妖夢「うぐ・・・・・・・。」
妖夢、復活。
そして、すかさず、
幽々子「それじゃ、お話になってないじゃな~い。」
妖夢「あうあう・・・・・・。」
幽々子のツッコミ。
何事も無かったかのように、漫才を続ける幽々子。
幽々子「さて、そろそろお時間となりましたので。」
妖夢「・・・・。」
どうやら、終了するらしい。
幽々子「妖夢、最後に、皆に一言。」
妖夢「え・・・、あ、はい・・・・。」
妖夢は、呼吸を整える。
妖夢「あ~、こほん。そこのメイド!」
舞台から咲夜を指差す妖夢。
咲夜「ん、私?」
レミリア「みたいよ。この場にメイドは、あなたしかいないわ。」
咲夜「まあ、それはそうですけど。で、どうしたのよ?」
咲夜は妖夢に視線を送る。
妖夢「め・・・・・。」
咲夜「め?」
やはり妖夢は、緊張しているようだ。
そして、
妖夢「本日は冥土(メイド)に来てくれて・・・・・・。め、メイドどうも・・・・。(まいどどうも)」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
妖夢「メイドに来て・・・、メイド・・・、どうも・・・・・。」
しーーーーん・・・・・
幽々子「・・・・・・・。」
霊夢「・・・・・・・。」
魔理沙「・・・・・・・。」
咲夜「・・・・・(怒)。」
アリス「・・・・・・・。」
レミリア「・・・・・・・。」
紫「・・・・・・・。」
・・・・静まり返る会場。
妖夢「ほ、ほら、まいどとメイドって、何となく似て・・・・・。」
ルナサ「・・・・・判定を。」
ルナサが、判定を求める。
ぴ・・・・
また、一つだけついた。
ルナサ「八分咲。」
妖夢「うぇ!?」
ルナサが判定結果を言った瞬間、
「 反 魂 蝶 八 分 咲 」 (BGM・ボーダーオブライフ)
が発動した。
妖夢「わ~~~!!?」
無論、妖夢に向かって。
妖夢「うわ~!うわ~!!」
必死で弾幕を避ける妖夢。
が、体力は消耗したままである。
魔理沙「おー、粘るじゃないか。」
アリス「でも、動きにキレがないわね。」
レミリア「もう、限界かしらね。」
やっぱりのん気に見ている審査員達。
メルラン「う~ん、そろそろ・・・・。」
リリカ「あ、堕ちた。」
どか~ん!
妖夢「あ~れ~・・・・・・・。」
妖夢撃墜。
残機、マイナス1。
妖夢「も、もういや・・・・・。」
どか~ん!
妖夢「うあ~・・・・・・・。」
復活し、あっさり撃墜される。
残機、マイナス1。
魔理沙「なにやってるんだ!この馬鹿弟子!スペルカード使え!」
なんて言葉もとんだが、
どか~ん!
妖夢「あ~・・・・・・・。」
撃墜。
ゲームオーバー。
幽々子「みんなにって、言ったじゃないの~。」
すかさず、幽々子のツッコミ。
幽々子「どうも、失礼しました~。」
ずるずる・・・・・
妖夢の遺体を引きずり、幽々子は舞台から姿を消した。
ルナサ「ありがとうございました。ちなみに、アンコールは不可で。」
霊夢「だれもしないわよ。」
ルナサ「あとは、無礼講でどんちゃんさわいでください、とのこと。司会は、プリズムリバー三姉妹でした。」
魔理沙「まあ、せっかくだから、騒ぐか。」
咲夜「まあ、せっかくだし。」
レミリア「せっかくだし。」
審査員達は、せっかくなので騒いでいくことにした。
魔理沙「ところで。」
霊夢「なに?」
魔理沙「あのボケを面白いと判定したのって、誰だ?」
霊夢「私じゃないわよ。」
魔理沙「私でもないぜ。」
咲夜「同じく。」
レミリア「右に同じ。」
アリス「以下同文。」
紫「てんてん。」
魔理沙「じゃ、誰だ?」
霊夢「いいじゃない。どうでも。」
魔理沙「そうだな。もうどうでもいいぜ。」
細かいことは気にするな、である。
・
・
・
アリス「あんなのが、面白かったの?」
人形「うん。」
アリス「っていうか、私の分、押したでしょ。」
人形「だって。」
アリス「まあ、あの子の運命は、あのお嬢様でも変えられなかったでしょうね。」
人形「そーね。」
・
・
・
幽々子「とりあえず、大成功ね。」
妖夢「どこがですか・・・・・。」
幽々子「今後は、この形を維持していくわよ!」
妖夢「絶対にいやです!」
幽々子「え~・・・・。」
続かない
…いや冗談ですけどね。かわいくておっけーです。
八部咲→八分咲ですよね。
ボタンを押したのがアリス人形だった、というのは面白かったです。
幽々子も好きなのでこのくらいで、
読んでいて舞台裏で泣く妖夢を思い浮かべました・・・。
にしても誰かさんってだれ?