Coolier - 新生・東方創想話

東方現夢界 赤と紅 (6)

2004/04/19 20:26:47
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レミリア、もう駄目。吸うのをやめて。

彼女は動かない。

レミリア、もう駄目だったら。約束でしょ。

彼女は動かない。

…?
レミリア、レミリアってば!

少し強く言葉をかけ、体をゆする。

ん…。

彼女の口が指から離れる。
私を見上げてくるが、どうも目の焦点が合っていない。

あ…れ、霊夢、何でここに。

何でってそれは、あんたが私の血を吸いたいって言うから…。

………?

ぼやけていた目の焦点が合ってくる。

……、…。あ~~~っ!!!

っと。大きな声出さないでよ。

だって、だってわたし、あれからすぐ眠くなって…。
ほとんど霊夢の血飲んでないっ!!

はえ…。そうなの?

そう、だって霊夢あったかいから、気持ちよくなって、それで…。

ということは、私…まだ人間…?
つぶやく。

それに気付かず、レミリアが言う。

ねぇ、もう一回吸わせて。お願い!

正直ほっとしてしまった。運命を受け入れるって決めていたのに。
照れ隠しに -本当はその必要もないのだが- ちょっとだけ意地悪をする。

駄~目。

え~!お願い、もうちょっとだけ~。

駄目~。
精一杯そっけなく。

だって、だってわたしほとんどっ……。

言葉を終える前に、私は彼女を抱き寄せた。

ん…、霊夢!?

耳元でささやく。

かわりに、ずっとこうしててあげる。それじゃ、駄目?

彼女を優しく包み込みながら。

うん…。それで、いい。

彼女は私の腕の中で、再び目をとじた。
最終話です。ここまでお付き合いいただいて本当にありがとうございます。
もともとはコミカルな吸血話を目指したのですが、
最初の5行で挫折してこんな感じになりました。
途中が暗すぎるかもしれませんが、一応ハッピーエンドと言う事で。
後、余談がありますが、話の余韻を大事にしたい人は(そんなたいそうな話ではないですけどね) しばらく待ってからお読みください。

IC
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コメント



0.870簡易評価
1.無評価MDFC削除
実に素晴らしい吸血プレイでしたーッ!
えかったえかった、うん。実にえかった(感涙)←大袈裟

最近点数というものに疑問を感じているのでフリーで。