Coolier - 新生・東方創想話

東方現夢界 赤と紅 (5)

2004/04/19 20:16:49
最終更新
サイズ
1.84KB
ページ数
1
閲覧数
706
評価数
0/6
POINT
180
Rate
5.86
っあ!!

一気に目が覚めた。

どうやら寝てしまったらしい。

念のため振り返るがもちろん翼など無い。

レミリアはいまだに私の腕の中にいて、私の指をくわえている。
だからあんな夢を見たんだろうと思う。覚めてしまえばどうという事も無い。
とはいえ、さすがに安堵する。

今何時頃かしら。たいして経ってないと思うけど…。

つぶやいてドアの方を見る。隙間から漏れてくる光は、赤い。

今は、夕方。

で、血を吸われ始めたのは昼…過ぎ……。

思考が止まる。

慌ててレミリアを見る。
顔を伏せてはいるが、たしかに私の指をくわえている。

あれから、ずっと…?
だとしたら、いくらなんでも、私は…。

『正夢』という言葉が胸をよぎる。

たしかに今は翼は生えていなかったが、だからどうだと言うのだろう。
これから生えてくるかもしれないし、そもそも吸血鬼になったところで、
翼が生えてくると決まっているわけではないだろう。

いろいろな感情が渦巻く

困惑。

何で、こんなことに…。

後悔と悲しみ。

ひどいよ、私まだ人間でいたかった…。

怒り。

少しだけって、約束したじゃない!!

一瞬、レミリアを突き飛ばしそうになる。
…が。

遠く、冷めた意識。

少しだけとは言った。けど具体的な量は言ってない。
駄目というまでは構わないと思っているかもしれない。
というか、そう思っているに違いない。
だとすれば、これは私の責任か?

そして諦観。

いまさら…どうしようもない。

涙がこぼれそうになった。実際こぼれたかもしれないけど、知らない。
吸血鬼でも涙は出るんだと知る。

これからは、レミリアの従者か…。咲夜はなんていうかしら。
割とどうでもいい思考。

最後に少しだけ、得心。

私はいつも、思うとおりに行動してきた。
好きなことなら思い切り楽しんだし、嫌な事には全力で抗った。
程度はどうあれ、どうしようもない現実は受け入れてきた。

そして私は、あの時彼女をたしかに受け入れた。
自分の血を吸う少女を受け入れていた。
その時から、こういう運命になったのかもしれない。

なら…。
私は、運命を、受け入れよう。
たとえそれが、彼女の操作したものであったとしても。
5話です。ただの夢オチじゃつまらないのでこんな感じに。
段々脳内麻薬が暴走気味です。
次が一応最後です。
IC
簡易評価

点数のボタンをクリックしコメントなしで評価します。

コメント



0.180簡易評価
0. コメントなし