今日もレミリアは神社にやってきた。
まだ日暮れ前、いつもの日傘をさしてゆっくり歩いてくる。
私は縁側で彼女を迎える。
なぜか咲夜の姿は見当たらない。
まあそれもいつものことだ。
不思議もそれが続けば不思議ではなくなる。
非日常もそれが続けば、それは日常という。
夕暮れ時に彼女を迎え、しばらく他愛も無い話をしてすごす。
日が暮れたら、外へでて散歩。時々弾幕ごっこ。
そのまま紅魔館に送っていく事もあれば、神社でいっしょに寝る事もある。
それが今の日常。
今日もそれは変わらない。少し退屈で、だけど何にも代え難い日常。
日が落ちて外に出る。今日は空を飛びたいという。
もちろん構わない。
彼女の手をとって空へと舞い上がる。
自分でも飛べるくせに、私に引っ張ってもらうのが好きなのだ。
背にした翼が風を切る。相変わらず速度はあまり出ない。
それでも彼女はうれしそうだ。
…?
ひとしきり飛び回って、神社に戻る。
今日は泊まっていく事にしたらしい。
もちろん構わない。
布団を並べ『おやすみ』を言う。
でもその前に彼女は言う。
神社に泊まらないときは『また明日』の前に言う。
つまりは毎日、二人の時間の終わりに彼女は言う。
これも日常。
ねぇ、今日も…いい?
もちろんよ。
私は答える。
彼女が私の後ろにまわる。
顔をよせてくるのが息遣いでわかる。
じゃあ、いくよ。
彼女が私の首筋に口を当てる。
まるでそれが、当然の日常であるかのように。
いや、これも日常…だったっけ?
彼女の歯が私の皮膚を破る。
そのまま、彼女は私の血を吸う。
まるでそれが、当然の定められた運命であるかのように。
血…?
運命…?
わずかな違和感。
それと同時に、散逸した思考が集まり、形をなす。
おかしい、首をかまれてるのに痛くない。
違う、そうじゃなくて。
何で、私は血を吸われてる?
それもあるけど…。
ふと振り返る。視界に入るのは不思議そうなレミリアの顔と、
彼女とおそろいの…
深紅の…翼。
まだ日暮れ前、いつもの日傘をさしてゆっくり歩いてくる。
私は縁側で彼女を迎える。
なぜか咲夜の姿は見当たらない。
まあそれもいつものことだ。
不思議もそれが続けば不思議ではなくなる。
非日常もそれが続けば、それは日常という。
夕暮れ時に彼女を迎え、しばらく他愛も無い話をしてすごす。
日が暮れたら、外へでて散歩。時々弾幕ごっこ。
そのまま紅魔館に送っていく事もあれば、神社でいっしょに寝る事もある。
それが今の日常。
今日もそれは変わらない。少し退屈で、だけど何にも代え難い日常。
日が落ちて外に出る。今日は空を飛びたいという。
もちろん構わない。
彼女の手をとって空へと舞い上がる。
自分でも飛べるくせに、私に引っ張ってもらうのが好きなのだ。
背にした翼が風を切る。相変わらず速度はあまり出ない。
それでも彼女はうれしそうだ。
…?
ひとしきり飛び回って、神社に戻る。
今日は泊まっていく事にしたらしい。
もちろん構わない。
布団を並べ『おやすみ』を言う。
でもその前に彼女は言う。
神社に泊まらないときは『また明日』の前に言う。
つまりは毎日、二人の時間の終わりに彼女は言う。
これも日常。
ねぇ、今日も…いい?
もちろんよ。
私は答える。
彼女が私の後ろにまわる。
顔をよせてくるのが息遣いでわかる。
じゃあ、いくよ。
彼女が私の首筋に口を当てる。
まるでそれが、当然の日常であるかのように。
いや、これも日常…だったっけ?
彼女の歯が私の皮膚を破る。
そのまま、彼女は私の血を吸う。
まるでそれが、当然の定められた運命であるかのように。
血…?
運命…?
わずかな違和感。
それと同時に、散逸した思考が集まり、形をなす。
おかしい、首をかまれてるのに痛くない。
違う、そうじゃなくて。
何で、私は血を吸われてる?
それもあるけど…。
ふと振り返る。視界に入るのは不思議そうなレミリアの顔と、
彼女とおそろいの…
深紅の…翼。