Coolier - 新生・東方創想話

東方現夢界 赤と紅 (2)

2004/04/19 19:59:15
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ごめんね、遅くなっちゃった。

というレミリアの声はとても楽しげだ。まあそうだろうと思う。
なんせ私から -合意の基に- 血を吸えるなんてことは初めてだから。
いやまあ合意があろうが無かろうが、今まで血を吸わせた事は無かったけれど。

ほんっと~にっ、少しだけだからね。
それと、もう駄目って言ったらすぐ止める。

一応確認。

わかってるってば~。約束は守るよ。

彼女ほど、実年齢と外見が一致しない人も珍しい。
けど、私に接するときにはその外見以上に幼く見える。

霊夢に嫌われたくないもん。

何でそんなに気に入られたのかな。と、思う。
普通に弾幕ごっこして、撃墜(お)としただけのはずなんだけど。

ね、そっちいっていい?

う、きた。
じたばたしてもしょうがないので、今度こそ覚悟を決めてうなずく。
レミリアがとことこと歩いてきて、私の前に立つ。
その目線は、椅子に座っている私よりもっと下にある。

ねえ、やっぱり首筋からじゃダメ?

……ええいあきらめの悪い。

駄目、指からって約束でしょ。

そう、彼女は首筋から吸うのを希望した。なんでもそれが一番おいしいらしい。
とはいえ、それだけは断固拒否した。
理由は、まあ、怖いし…。

ぶ~、けち。何でもいいって言ったのに。

できる範囲でって言ったよね。これがぎりぎりのライン。
それで嫌なら吸わせてあげない。

あ~っ、ごめんごめんっ。もう言わないから。

本音としては、吸うのもやめて欲しい。

じゃ…。

と言って、彼女は私のひざの上に座った。
これは彼女の希望で、立って吸うより座って -というより抱っこしてもらって-
吸いたいということだった。

思っていたとおりに、彼女は軽い。
ただこうしているだけなら、人間の子供とそう変わらないと思う。
けれど…。

間近で微笑んでいる彼女。ほころんでいる口元には、発達した犬歯が見え隠れする。
やはり、彼女は吸血鬼だった。
第2話です。
吸血話なのに、いまだに血を吸いません。
IC
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