「というわけなので、泊めてください」
「何がというわけなの!?」
夜も深いというのに、霊夢さんは額に汗を浮かべて叫んだ。
お嬢様からの解雇宣言を受けた私は、紅魔館にいることができなくなってしまった。
いきなりの、住居喪失。お嬢様に捨てられた事実が私を放心させた。
そして、今日の寝床だけでも探さなければいけないことに気付いたのは、日も暮れようかという時だったのだ。
とりえず、行く先を求めて彷徨った。
そして……
「お嬢様に見捨てられてしまった、哀れな小娘。どこにも行く当てが無いかわいそうな私。
ああ、せめて夜露のしのげる場所さえあれば……そこで、ふと博霊神社が頭に浮かんだんです。」
「思い浮かべるな」
「ああ、私が捨てられる原因となった霊夢さんならきっと!」
「嫌よ」
「………………」
「………………」
「泊めてください~~!」
「えーい、引っ付くな!」
腰に抱きついた私に、霊無さんは無情にも拳骨を落とした。
「そもそも、いきなりどうしたって言うのよ」
「それなんですが……」
私がレミリアお嬢様から門番の仕事を首にされたこと、泊まる所が無い事、その原因が霊夢さんにある事(それは私のせいじゃないわ:霊夢)を話すと
「はぁ……あの娘の何を考えているのかしら」
一息溜息をついた後、条件付で居候させてもらえることになった。
その条件というのが「毎日、神社の掃除とご飯の準備をするなら泊めてあげるわ」で、どう考えても霊夢さんがサボりたいからというものにしか聞こえなかった。
でも、正直に言うとまた拳骨が飛んできそうだったので黙っておいた。
「はぁ~」
深く溜息をつく。今日はいろんなことがあった。
薄い布団に潜り込みながら、考える。
何と無く、精神的に疲れた。
でも、眠気はない。眠れない。
「あなたに暫く暇を出すわ」
お嬢様の一言が、リフレインする。
不意に、涙がこぼれた。
お嬢様に捨てられた、という事実が私を涙させた。
何て情けないんだろう。こんなのだから、お嬢様に捨てられてしまうのだ。
けど、一度決壊してしまった涙腺はすぐには止まってくれなかった。
私は何て弱いんだろう。
「うぅ……うっ……!」
もう、無理にでも寝るしかなかった。明日から、また新しい生活が始まるんだから。
ふと、夢を見た。
遠い古い日の夢。
お嬢様と出会った日の夢。
「―――――――」
私の前に立ったお嬢様が、何か言っている。
何だろう、何て言ってるのだろう。
私はそれを思い出せなかった。
「何がというわけなの!?」
夜も深いというのに、霊夢さんは額に汗を浮かべて叫んだ。
お嬢様からの解雇宣言を受けた私は、紅魔館にいることができなくなってしまった。
いきなりの、住居喪失。お嬢様に捨てられた事実が私を放心させた。
そして、今日の寝床だけでも探さなければいけないことに気付いたのは、日も暮れようかという時だったのだ。
とりえず、行く先を求めて彷徨った。
そして……
「お嬢様に見捨てられてしまった、哀れな小娘。どこにも行く当てが無いかわいそうな私。
ああ、せめて夜露のしのげる場所さえあれば……そこで、ふと博霊神社が頭に浮かんだんです。」
「思い浮かべるな」
「ああ、私が捨てられる原因となった霊夢さんならきっと!」
「嫌よ」
「………………」
「………………」
「泊めてください~~!」
「えーい、引っ付くな!」
腰に抱きついた私に、霊無さんは無情にも拳骨を落とした。
「そもそも、いきなりどうしたって言うのよ」
「それなんですが……」
私がレミリアお嬢様から門番の仕事を首にされたこと、泊まる所が無い事、その原因が霊夢さんにある事(それは私のせいじゃないわ:霊夢)を話すと
「はぁ……あの娘の何を考えているのかしら」
一息溜息をついた後、条件付で居候させてもらえることになった。
その条件というのが「毎日、神社の掃除とご飯の準備をするなら泊めてあげるわ」で、どう考えても霊夢さんがサボりたいからというものにしか聞こえなかった。
でも、正直に言うとまた拳骨が飛んできそうだったので黙っておいた。
「はぁ~」
深く溜息をつく。今日はいろんなことがあった。
薄い布団に潜り込みながら、考える。
何と無く、精神的に疲れた。
でも、眠気はない。眠れない。
「あなたに暫く暇を出すわ」
お嬢様の一言が、リフレインする。
不意に、涙がこぼれた。
お嬢様に捨てられた、という事実が私を涙させた。
何て情けないんだろう。こんなのだから、お嬢様に捨てられてしまうのだ。
けど、一度決壊してしまった涙腺はすぐには止まってくれなかった。
私は何て弱いんだろう。
「うぅ……うっ……!」
もう、無理にでも寝るしかなかった。明日から、また新しい生活が始まるんだから。
ふと、夢を見た。
遠い古い日の夢。
お嬢様と出会った日の夢。
「―――――――」
私の前に立ったお嬢様が、何か言っている。
何だろう、何て言ってるのだろう。
私はそれを思い出せなかった。