Coolier - 新生・東方創想話

日常。

2007/05/02 07:57:33
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紅魔館、地下、大図書館。

そこでパチュリーはいつものようにいつもの椅子に座り、いつものように本を広げ、いつものように読書に没頭していた。

幼い頃から何十年、何百年と続けてきた事である。パチュリーにとって、これが日常。午後の洒落たティータイムと、たまにくるスカーレット姉妹の相手以外、変わらぬ事の無い、日常。

しかしそれも最近、―――といっても数年前からだが、その日常が崩されてきていた。・・・あの、「普通の魔法使い」によって。

「よぉ。また来たぜ。」

噂をすれば・・・だ。パチュリーの日常を崩す張本人、霧雨魔理沙は、いつもの帽子、いつもの服装でパチュリーの前に立つ。

「・・・門番はどうしたの?」

「ん?・・・ああ、中国か?あんな奴はマスタースパークで一発だぜ」

「・・・・・」

今ごろは「説教」の名目上で咲夜のナイフの的にでもなってるのだろう。・・・御愁傷様。

ここ最近―――今度は数週間前の意義だ。パチュリーは本を借りる(強奪する)のを止めなくなった。どうせ止めても持って帰るし、戦うと書庫が崩れるし、この前なんかこの図書館自体を別の場所に移動したが、結局のこのこ現れて持って行ってしまった。・・・という事で、あきらめたのである。死んだら返すと言ってたし、じゃあ死んだら回収しましょう、と。・・・開き直った、とも言える。

「じゃあいつものように持ってくぜ」

「・・・勝手にすれば。」

「つれないなあ。もうちょっと止めるとかしてくれよ。」

「止めても持って行くんでしょう?」

「持ってくぜ。」

「戦っても持って行くんでしょう?」

「持ってくぜ。」

「・・・じゃあ意味が無いじゃない。」

ぷいっと顔を本に戻してしまうパチュリー。その後魔理沙が話しかけても、迷惑がるだけだった。魔理沙もあきらめ、すごすごと退散していった。

無論、本は持って行ったが。





「うーん。最近パチュリーが構ってくれないんだが、どうすればいいと思う?」

ところ変わって博麗神社。魔理沙はさっそく霊夢に相談した。

「簡単よ。あんたが盗みすぎね。本を。」

きっぱりと霊夢は言い切った。

「そうなのかなあ・・・。やっぱし。・・・ところで、この神社は来客者にお茶も出せないのか?」

そう言うと、とたんに霊夢の顔が険しくなる。

「ざ・い・せ・い・な・ん!」

「あぁ。すまなかったぜ。」

この正月、お盆と博麗神社には来客者も少なく、財政源であるはずの賽銭箱にもはいっている金額も少ない。とてもではないが、普通の来客者ならともかく、ただの厄介ものにお茶を出す余裕がある訳がない。

「あんた、一体何冊奪って来たのよ。」

「ここんとこ毎日行ってるからなぁ。一日数冊。一週間で三十、一ヶ月、一年・・・・・おぉ。たったの数百冊程度だぜ。」

「それは『たったの~程度』とは絶対に言わないわ。」

霊夢は魔理沙ににじり寄る。

「そうなのか?」

魔理沙はにじり寄る霊夢に戸惑いつつ言葉を返した。

「間違いなく、ね。たまには返しに行ってもいいんじゃない?」

ほらほら、と霊夢は魔理沙を促す。

「そうか・・・・・。」





「ほらパチュリー、本でも返しに来たぜ。」

「・・・・・珍しいわね。どういう風の吹き回し?」

翌日、魔理沙は家から適当に数十冊を風呂敷に包み、地下に持ってきた。門番やメイドは、主旨を伝えると、好奇の目で魔理沙を見つめ、おとがめ無しで通してくれた。

「やっぱり本を持ってると他の態度が違うね。これからはこうしたほうがいいのかもな。」

「そうしてもらうとこちらも有り難いわ。・・・とっても。」

すると魔理沙はまた本棚を見つめ始める。

「さて、今度は何を借りてくかな・・・と。」

その言葉にパチュリーは呆れた目で魔理沙を見る。

「・・・・・・。」

「・・・・・・何だ?」

パチュリーの呆れた目に気づき、魔理沙はパチュリーに聞いた。

「何冊借りてくつもりよ・・・。」

「あ?数十冊は借りてくぜ。返した分な。」

「・・・意味無いじゃない。」

「意味無いなぁ。」

「・・・・・。」

「・・・・・。」

図書館に流れる沈黙。パチュリーは本に目を戻し、呟いた。

「・・・勝手にしなさいよ。まったく・・・」

「おう。じゃあ勝手にするぜ。」

魔理沙は適当に本を見繕うと、

「じゃあなパチュリー。また来るぜ。」

「・・・・・さよなら。」

箒に乗って窓から飛んで行った。

「・・・・・。ふぅ。」

パチュリーは窓を見つめてため息をついた。パチュリーは思う。魔理沙が来る事によってパチュリーの日常は崩された。しかし、部屋からあまり出ないパチュリーにとって、魔理沙の明るく元気な性格は新たな刺激となる。これが新たな日常か。こういうのも悪くはない。パチュリーは軽く微笑むと、また本に没頭し始めた。





だが、本は返してほしいと切実に願いつつ。
どうでもいい話をつれづれと。
なんだか主人公がどっちだかワカラン文章ですが、これを読んでくださっているということは、読んでくれたのか、後書き先読み派か。
どちらにせよ、ありがとうございます。
この好奇な文章に付き合ってくれる方は今後もよろしくお願いします。
こんなの駄文だという方は、盛大に無視してくださると。
ではまた。

クーリエさんには多大なる感謝を。
ふぃじっくす
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コメント



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3.60名前が無い程度の能力削除
魔理沙はパチュリーに構って欲しかったのですかねぇ。
で、結局返した分と同じ量を持っていって意味無しと。w
ほんわかですね。この話に続きがあるなら是非読みたいです。