「お嬢様、おはようございます」
夕方、咲夜は服装を整えてレミリアの前に立っている。
「おはよう、咲夜」
レミリアは目をこすりながら体を起こす。が、すぐベッドに倒れこみ布団にくるまる。
「咲夜、おやすみ」
そして瞳を閉じる。咲夜は笑顔で見守る。
10秒経過
「お嬢様!!」
咲夜はレミリアの布団をひっぺがす。
「だめ!もっと寝ていたいの」
「だらしないですわ」
咲夜とレミリアで布団の引っ張りあいっこになっている。
「夜の王なんだから夜ぐらい寝ていてもいいじゃない」
「言い訳になっていませんわ」
にらみ合う二人。そこで隙をみてレミリアが布団を引っ張る。
吸血鬼の力は人間をはるかに超えているので咲夜は布団から手を離してしまった。
「昨日はいっぱい遊んだから疲れたのよ、というわけでおやすみ」
レミリアは咲夜に背を向けて寝始める。
「そんなだとスキマ妖怪みたいになりますよ?」
咲夜は説教がましくこう言う。だがレミリアは知らん振りだ。
「こうなったら」
咲夜はスペルカードを取り出す。スペルカードは正しく使いましょう、と彼女に言ってはいけない。
「時符、プライヴェートスクウェ!?ゴホッ、ゴホッ」
ドサッ
「咲夜!?」
「...ただのカゼみたいだけど」
ベッドに寝ている咲夜を見てパチュリーはそう言う。だがレミリアは息苦しそうな咲夜をみてとても心配している。
「とりあえず、あの薬師を呼ばないと」
レミリアは周りを見渡す。メイドたちは咲夜の心配をしたり、世間話をしたり、いたずらの相談をしたりしている。
この部屋にいる10人以下のメイドたちでさえ全く統制が取れてない。
「役に立たないのばかりね」
パチェは本を読みながらそうこぼす。この妖精メイドたちを使いに出してもあの竹林を抜けられないだろう。
咲夜以外のメイドは役に立たない。
「私がいくわ。あの薬師のところに」
レミリアは立ち上がり、窓を開けて飛び立とうとする。
「...私も行くわ」
パチュリーが本を閉じる。そして立ち上がる。
「私一人で大丈夫よ」
「レミィに何かあったらだめでしょ」
「...」
レミリアはパチェも病人みたいなものじゃないと思いつつも友人の親切を断れない。
二人は夜の幻想郷に飛び立つ。
夜の幻想郷は静かなように感じるが、それは人間たちだけ。
幻想郷の夜空は妖怪たちが飛びまわっている。そんな中、レミリアたちは永遠亭に向かって飛んでゆく。
「うざいのに絡まれないようにしないとね、パチェ」
「そうねっゴホッ」
「パチェ?」
レミリアは結局パチェを抱えながら飛ぶ羽目になった。自分も病弱なのに無理するなよとレミリアはため息をついた。
そう思っても仕方がないと、レミリアは風を切りながら飛んでゆく。パチュリーもたまには外の空気を吸いたかったのだろう。
その様は生贄を抱えて飛んでゆく悪魔のようだ。
「いーぐる ふらい ふりー♪」
どこからかノリのいい歌声が聞こえてくる。
「夜のうざい奴の代表格ね」
レミリアは目をあわさないように高速で飛び続ける。
「れーっと ぴーぽー しー♪」
どう考えても追いかけてきている。
「無視無視無視無視」
レミリアは飛び続ける。が歌声が大きくなってゆく。そして
「じゃーす めいきゃあ♪」
目の前にミスティアがとおせんぼするかのように両腕を大きく広げている。
「あらあら、いつかしらに私をフライドチキン呼ばわりした女の子じゃない」
ミスティアは敵意のある挑戦的な目でこっちを見ている。レミリアは当然のように舌打ちをする。
病人のために急いでいたら、友人が病人になりそれを抱えながら急いでいる時に絡まれたこの状況はまさに最悪である。
パチュリーを抱えているので弾幕ごっこをするわけにもいかない。
(ここは無視ね)
レミリアは何事もなかったかのように通り過ぎてゆく。
「あら、これはこれはコウモリのお嬢さんじゃない。抱えているのは生贄?」
ミスティアは追いかけながら話しかけてくる。
(聞こえない聞こえない)
レミリアは何事もなかったかのように通り過ぎてゆく。
「今日は何でメイドはいないのかしら?」
まだまだ懲りずに追いかけてくる。
(あーもう、うざいわね)
レミリアはまだまだシカトを続けている。
ここまでちょっかいをかけても相手にされないミスティアはついに痺れを切らした。
「待ちなさいって!!鷹符...」
ミスティアが痺れを切らすと同時に、レミリアの血管が切れる音がした。らしい。
「前は弾幕ごっこだったけど今回はごっこをはずそうかしら」
レミリアは不機嫌そうにミスティアを見た。すこしミスティアが後ずさりする。
「な、な、な、何よ。脅しなんて...」
だが口先だけはまだまだ調子に乗っている。
「契約の効力で人間は襲えないけど妖怪は殺していいのよ?」
レミリアを中心に妖気が集まり始める。レミリアは悪魔の笑みを浮かべる。
ミスティアはそんなレミリアに気おされどんどん後ろに下がってゆく。
「私は夜の幻想郷で一番強いのよ?」
ミスティアは生命の危機を感じたのか、歌すら歌わずにどこかに飛び去ってしまった。
レミリアはため息をつく。
「たまにはこうしとかないと調子に乗るからね」
レミリアは永遠亭に向けて再び飛び始めた。
「ふふ、今のレミィにはカリスマがあったわね」
パチュリーがボソッと言う。レミリアは少し不機嫌な顔をした後すぐにいつもの余裕たっぷりな表情になる。
「パチェは気絶してていいのよ」
「う、うわ、あの時の悪魔だ」
レミリアたちは永遠亭についた。ウサギたちはレミリアをみて逃げ回っている。
しばらくすると奥からブレザーを着たウサギが現れる。鈴仙・優曇華院・イナバだ。
「あの薬師に会いにきたわ」
レミリアは用件を伝える。
「この前は負けたけど今回は帰ってもらうわ」
鈴仙は戦闘態勢に入る。レミリアはやれやれと言った表情になる。
「あなた人の話全く聞いてないわね」
レミリアは不満そうに言う。
「レミィもあまり人の話聞いてないけどね」
「パチェは気絶してていいの!」
「その人が病人?」
鈴仙の態度が変わる。
「パチェはもとから病人だけど...とりあえず薬師にあわせて頂戴」
「あら、この子はひどいわね」
永遠亭の薬師、八意永琳はパチュリーを見て開口一番、そういう。
「だから、パチェは誰が見たって病人だからいいの」
レミリアはここに来た意図がなかなか伝わらないので少し語調が荒くなっている。
「良くないわ。ちゃんと治療しないと」
「だからっ!咲夜...この前一緒にいたメイドがやばいのよ」
「?」
「とりあえず、うちに来て!」
「とりあえず、ただの風邪よ」
永琳は眠る咲夜をみてそういう。
「でも...」
「でも?」
レミリアは心配そうに永琳の表情を伺う。
「でも、ちょっと彼女は働きすぎね。たぶん」
「うん...」
「それで、疲労がたまちゃってたからただの風邪なのにこんなにひどくなったってことよ」
レミリアは咲夜をじっと見つめる。普段は瀟洒な笑みを絶やさない彼女、時間を止めて休んでいるけどやはり彼女は人間。
「それじゃ、薬置いとくからちゃんと飲むように言っておくのよ」
永琳は静かにレミリアの部屋を出た。
「いつもありがとね」
レミリアは咲夜の顔をなでる。そして手を握る。
次の日咲夜は目を覚ます。寝ぼけまなこの彼女は、ベッドに上半身だけ倒れこんでいるレミリアを見て驚く。
そして彼女の体にレミリアの手が当てられている。小さな手が。
咲夜が周りを見ると、水が張られた桶にタオルがかけられているのが目に入る。ベッドの上にもぬれたタオルが落ちている。
恐らく自分の額に乗っていたのが落ちてしまったのだろうと、咲夜は解釈する。
そして、レミリアがずっと看病してくれていたという結論に達する。
「うー、咲夜ぁ...。まだ寝るの...」
レミリアは寝言をこぼす。
「今日はたくさん寝ていていいですよ」
咲夜は小さくつぶやきレミリアの小さな手をにぎる。
夕方、咲夜は服装を整えてレミリアの前に立っている。
「おはよう、咲夜」
レミリアは目をこすりながら体を起こす。が、すぐベッドに倒れこみ布団にくるまる。
「咲夜、おやすみ」
そして瞳を閉じる。咲夜は笑顔で見守る。
10秒経過
「お嬢様!!」
咲夜はレミリアの布団をひっぺがす。
「だめ!もっと寝ていたいの」
「だらしないですわ」
咲夜とレミリアで布団の引っ張りあいっこになっている。
「夜の王なんだから夜ぐらい寝ていてもいいじゃない」
「言い訳になっていませんわ」
にらみ合う二人。そこで隙をみてレミリアが布団を引っ張る。
吸血鬼の力は人間をはるかに超えているので咲夜は布団から手を離してしまった。
「昨日はいっぱい遊んだから疲れたのよ、というわけでおやすみ」
レミリアは咲夜に背を向けて寝始める。
「そんなだとスキマ妖怪みたいになりますよ?」
咲夜は説教がましくこう言う。だがレミリアは知らん振りだ。
「こうなったら」
咲夜はスペルカードを取り出す。スペルカードは正しく使いましょう、と彼女に言ってはいけない。
「時符、プライヴェートスクウェ!?ゴホッ、ゴホッ」
ドサッ
「咲夜!?」
「...ただのカゼみたいだけど」
ベッドに寝ている咲夜を見てパチュリーはそう言う。だがレミリアは息苦しそうな咲夜をみてとても心配している。
「とりあえず、あの薬師を呼ばないと」
レミリアは周りを見渡す。メイドたちは咲夜の心配をしたり、世間話をしたり、いたずらの相談をしたりしている。
この部屋にいる10人以下のメイドたちでさえ全く統制が取れてない。
「役に立たないのばかりね」
パチェは本を読みながらそうこぼす。この妖精メイドたちを使いに出してもあの竹林を抜けられないだろう。
咲夜以外のメイドは役に立たない。
「私がいくわ。あの薬師のところに」
レミリアは立ち上がり、窓を開けて飛び立とうとする。
「...私も行くわ」
パチュリーが本を閉じる。そして立ち上がる。
「私一人で大丈夫よ」
「レミィに何かあったらだめでしょ」
「...」
レミリアはパチェも病人みたいなものじゃないと思いつつも友人の親切を断れない。
二人は夜の幻想郷に飛び立つ。
夜の幻想郷は静かなように感じるが、それは人間たちだけ。
幻想郷の夜空は妖怪たちが飛びまわっている。そんな中、レミリアたちは永遠亭に向かって飛んでゆく。
「うざいのに絡まれないようにしないとね、パチェ」
「そうねっゴホッ」
「パチェ?」
レミリアは結局パチェを抱えながら飛ぶ羽目になった。自分も病弱なのに無理するなよとレミリアはため息をついた。
そう思っても仕方がないと、レミリアは風を切りながら飛んでゆく。パチュリーもたまには外の空気を吸いたかったのだろう。
その様は生贄を抱えて飛んでゆく悪魔のようだ。
「いーぐる ふらい ふりー♪」
どこからかノリのいい歌声が聞こえてくる。
「夜のうざい奴の代表格ね」
レミリアは目をあわさないように高速で飛び続ける。
「れーっと ぴーぽー しー♪」
どう考えても追いかけてきている。
「無視無視無視無視」
レミリアは飛び続ける。が歌声が大きくなってゆく。そして
「じゃーす めいきゃあ♪」
目の前にミスティアがとおせんぼするかのように両腕を大きく広げている。
「あらあら、いつかしらに私をフライドチキン呼ばわりした女の子じゃない」
ミスティアは敵意のある挑戦的な目でこっちを見ている。レミリアは当然のように舌打ちをする。
病人のために急いでいたら、友人が病人になりそれを抱えながら急いでいる時に絡まれたこの状況はまさに最悪である。
パチュリーを抱えているので弾幕ごっこをするわけにもいかない。
(ここは無視ね)
レミリアは何事もなかったかのように通り過ぎてゆく。
「あら、これはこれはコウモリのお嬢さんじゃない。抱えているのは生贄?」
ミスティアは追いかけながら話しかけてくる。
(聞こえない聞こえない)
レミリアは何事もなかったかのように通り過ぎてゆく。
「今日は何でメイドはいないのかしら?」
まだまだ懲りずに追いかけてくる。
(あーもう、うざいわね)
レミリアはまだまだシカトを続けている。
ここまでちょっかいをかけても相手にされないミスティアはついに痺れを切らした。
「待ちなさいって!!鷹符...」
ミスティアが痺れを切らすと同時に、レミリアの血管が切れる音がした。らしい。
「前は弾幕ごっこだったけど今回はごっこをはずそうかしら」
レミリアは不機嫌そうにミスティアを見た。すこしミスティアが後ずさりする。
「な、な、な、何よ。脅しなんて...」
だが口先だけはまだまだ調子に乗っている。
「契約の効力で人間は襲えないけど妖怪は殺していいのよ?」
レミリアを中心に妖気が集まり始める。レミリアは悪魔の笑みを浮かべる。
ミスティアはそんなレミリアに気おされどんどん後ろに下がってゆく。
「私は夜の幻想郷で一番強いのよ?」
ミスティアは生命の危機を感じたのか、歌すら歌わずにどこかに飛び去ってしまった。
レミリアはため息をつく。
「たまにはこうしとかないと調子に乗るからね」
レミリアは永遠亭に向けて再び飛び始めた。
「ふふ、今のレミィにはカリスマがあったわね」
パチュリーがボソッと言う。レミリアは少し不機嫌な顔をした後すぐにいつもの余裕たっぷりな表情になる。
「パチェは気絶してていいのよ」
「う、うわ、あの時の悪魔だ」
レミリアたちは永遠亭についた。ウサギたちはレミリアをみて逃げ回っている。
しばらくすると奥からブレザーを着たウサギが現れる。鈴仙・優曇華院・イナバだ。
「あの薬師に会いにきたわ」
レミリアは用件を伝える。
「この前は負けたけど今回は帰ってもらうわ」
鈴仙は戦闘態勢に入る。レミリアはやれやれと言った表情になる。
「あなた人の話全く聞いてないわね」
レミリアは不満そうに言う。
「レミィもあまり人の話聞いてないけどね」
「パチェは気絶してていいの!」
「その人が病人?」
鈴仙の態度が変わる。
「パチェはもとから病人だけど...とりあえず薬師にあわせて頂戴」
「あら、この子はひどいわね」
永遠亭の薬師、八意永琳はパチュリーを見て開口一番、そういう。
「だから、パチェは誰が見たって病人だからいいの」
レミリアはここに来た意図がなかなか伝わらないので少し語調が荒くなっている。
「良くないわ。ちゃんと治療しないと」
「だからっ!咲夜...この前一緒にいたメイドがやばいのよ」
「?」
「とりあえず、うちに来て!」
「とりあえず、ただの風邪よ」
永琳は眠る咲夜をみてそういう。
「でも...」
「でも?」
レミリアは心配そうに永琳の表情を伺う。
「でも、ちょっと彼女は働きすぎね。たぶん」
「うん...」
「それで、疲労がたまちゃってたからただの風邪なのにこんなにひどくなったってことよ」
レミリアは咲夜をじっと見つめる。普段は瀟洒な笑みを絶やさない彼女、時間を止めて休んでいるけどやはり彼女は人間。
「それじゃ、薬置いとくからちゃんと飲むように言っておくのよ」
永琳は静かにレミリアの部屋を出た。
「いつもありがとね」
レミリアは咲夜の顔をなでる。そして手を握る。
次の日咲夜は目を覚ます。寝ぼけまなこの彼女は、ベッドに上半身だけ倒れこんでいるレミリアを見て驚く。
そして彼女の体にレミリアの手が当てられている。小さな手が。
咲夜が周りを見ると、水が張られた桶にタオルがかけられているのが目に入る。ベッドの上にもぬれたタオルが落ちている。
恐らく自分の額に乗っていたのが落ちてしまったのだろうと、咲夜は解釈する。
そして、レミリアがずっと看病してくれていたという結論に達する。
「うー、咲夜ぁ...。まだ寝るの...」
レミリアは寝言をこぼす。
「今日はたくさん寝ていていいですよ」
咲夜は小さくつぶやきレミリアの小さな手をにぎる。
東方はやらないと腕が落ちますね。
某シュミレーションゲームをやりこんでて久しぶりに東方やったら
中国のセラギネラで精密動作性が落ちてることが...
気合いが足りないからだ。
レミリアの存在意義が不明。
>名前が無い程度の能力さん
個人的には芋やるくらいならgoluah!!のほうがいいかな・・・
霊夢にまつげがあって奇妙だったり、
霊夢の攻撃コマンドの前・下・下斜め前+攻撃がモララーのとなんとなく似ている気がするなぁ
羨ましい…。ライヴできるなんて…
私は3つもバンドを掛け持ちしてるけど、一向にドラムの腕が上がらない…oTL
気になる・・・
パチェとレミィは大の仲良しw
>NICKELさん
レミリアは夜寝てしまったら存在価値ないですねw
>思想の狼さん
ドラムもたまに練習しますけど、最近ツーバスが下手になったと友達に言われました。体力が無くなった?
>名前が無い程度の能力さん
ミスチーは鷲じゃなくて鷹ですね。そういえば。どちらかと言うと夜雀。
マイケル・キスクはもうメタル歌うのやめた→幻想郷行き
好い話じゃ~~(涙
どうもありがとうございます。