「咲夜、なんか変な物が落ちてるわ」
紅魔館の主従は博麗神社での花見の帰りに変なものを二つ発見した。
咲夜はレミリアに傘を渡してそれを調べに行った。とがったフォルム、そして細い金属の線が六本張られている。
「私にも良くわからないのですが」
「外のものかもね。なんだか面白そうだわ」
いつものようにレミリアは興味を示し始めた。
「とりあえず、香霖堂で鑑定でもしてもらいます?」
「これは、外の世界のエレクトリックギターというものだね」
「電気ギターですか...」
「ようは楽器だね。一応それぞれに名前があるようだよ」
「ギターに名前?刀で言う銘みたいな物かしら」
「ケリースター、そしてデストロイヤーというみたいだ」
「ケリースターにデストロイヤーねぇ」
二人は紅魔館に帰っていた。レミリアは二本のうち、突起が激しいケリースターをいじくり回している。
「それにしても変ですね、こんなに音が小さいなんて」
咲夜は適当に爪弾くが音が小さい。
「こんなんじゃ楽器にならないわ」
レミリアは音の小ささに不満を持っているようだ。
「デストロイヤー、破壊するものって言う名前の割には、ですわね」
咲夜はレミリアの方を見る。取っ手のようなものを回したりカチカチ倒れるレバーをいじっている。
そしてため息をつく。
「レミィ、何ため息ついているの?」
パチュリーが本を抱えてレミリアの部屋に入ってきた。
咲夜はパチュリーに電気ギターを渡す。
「パチェ、電気ギターの音を出してみてよ」
レミリアはニヤニヤし始めた。パチェに頼めば意地でも使用法を発見するだろう。
そんな意図丸出しのレミリアを見て、咲夜は少し笑った。
「出たわ」
パチュリーは適当に指ではじいて金属の線を揺らした。とたんにレミリアの顔は不機嫌になる。
「そんな小さい音じゃないわよ、パチェは分からず屋ね」
「今入ってきたばっかのパチュリー様にそれはひどいですわ」
咲夜は最近見せるようになった半笑いの表情でそう言う。内心、レミリアを子供扱いしているのだろう。
「どういうこと?」
パチュリーは首をかしげる。
「そいうことね」
咲夜の説明を聞き、パチュリーは納得する。
「とりあえず、ちょっと構造を調べてみるわ」
彼女の性格上調べないと気がすまないのだろう。彼女は図書館に向かった。
「ふふ」
そんな彼女を見送りながら、レミリアはしたり顔をしている。
「やはり知識人は必要ですわね、お嬢様」
「あら、あなたいつかパチェのこと必要ないとか言ってなかったかしら?」
「記憶にございません、ですわ」
咲夜はいつもの瀟洒な笑みを浮かべる。
次の日。
「レミィ」
紅茶を飲んでいるレミリアのもとにパチュリーがやってきた。
「なぁに、パチェ」
「月の兎に会いたいんだけど」
「月の兎ってあの変な名前の子?」
レミリアは突然何を言い出すんだという表情をしている。
「そうよ」
「何のために会うのよ」
「説明してもレミィにはわからないと思うわ」
「なによ、バカにして!!」
レミリアはぷんぷん怒り出した。そんなレミリアを見て咲夜はやさしく微笑んだ。
「ほら、説明しなさいよ」
完全に喧嘩腰だ。
「仕方ないわね。図書館にあった外の世界の本でMaxwellの電磁気学という本を読んだのよ。それでMaxwell方程式の中でも...」
しばらくするとレミリアが口をポカンとして静止してしまった。
「それで恐らく磁石と金属線のグルグル巻きの物体がその本に書いてあった電磁誘導を...」
咲夜の表情が明らかにいやそうになっている。その場に小声でかつ早口のパチュリーの声が延々と響き渡る。
レミリアは完全に思考停止しているようだ。その場に小声でかつ早口のパチュリーの声がまだまだ響き渡る。
「それで、あの電気ギターのゴホッ...」
「もういいわ、パチェ。ウドンとかイナバとか言うのを呼べばいいんでしょ」
レミリアはやれやれという表情でコウモリを飛び立たせた。
次の日。紅魔館の正門に二人の少女がたっている。ウサギのような耳を持った少女、鈴仙・優曇華院・イナバ。そして派手なツートンカラーの服を着た少女、八意永琳。
「師匠、あのコウモリみたいな女の子がいるんでしょうか」
どうやら紅魔館が怖いのでついて来てもらったようだ。
「大丈夫よ、ウドンゲ。あの子は見た目がかわいいから中身もかわいいはずよ」
「なんですかその適当な理論は」
「とりあえず、そこの寝てる門番に話しかけるわよ」
そこには幸せそうに寝る美鈴の姿が。
「すいません」
鈴仙が話しかけるが反応はない。ふと館の方を見ると咲夜の姿が。満面の笑みだが口元がピクピクしている。
「師匠、この館怖いです。だってあの門番...」
「あのコウモリ少女の言うこと聞かなくて暴れられるほうが怖いわ」
咲夜の後ろをついて歩きながら二人はボソボソ話している。
「何か問題でもありますか?」
咲夜が笑顔で振り向く。
「待ってたわ、電波ウサギ」
パチュリーは鈴仙が部屋に入ってくると、すぐ本を読むのをやめた。
「電波ウサギって」
「いいじゃないウドンゲ、いつも気が狂ったように目が赤いじゃない」
「誰?」
パチュリーは呼んでもいない人物の登場に疑いの目を向けている。
「インチキ薬師」
レミリアが口を挟む。
「インチキじゃないわ。ちゃんとした薬師よ」
「まぁどうでもいいわ」
パチュリーは興味なさげにそういう。彼女は早速、鈴仙に電気ギターを持って近づく。
「何ですか、それ」
鈴仙は珍しいものを見るように電気ギターを見る。(実際珍しいのだが)
「レミィから聞いたんだけど、あなた波長と周波数がわかるのよね?」
パチュリーが興味津々に質問する。鈴仙を研究対象のような目で捉え、近づく。
「え、え、え、え、え、そうですけど」
正直なところ鈴仙はひいている。
「それなら、話が早いわ。ここを見てちょうだい」
パチュリーは電気ギターの木でできている部分に開いた金属の穴を指差す。
「私の理論が正しければ...」
レミリアと咲夜はパチュリーから離れて会話をし始めた。
「そういえば、インチキ薬師さん?」
永琳もその場に呼ばれる。永琳もなんとなく察しはついているようだ。
~少女講義中~
「...とりあえず、この穴から流れる電流の周波数と聞こえてくる音の周波数を言えばいいんですね?」
鈴仙はケロッとした顔で電気ギターを指差す。パチュリーはうなずく。
鈴仙はまず、適当に金属の線を振動させる。そして軽くうなずく。
次に、金属の穴に指を突っ込み金属の線を振動させる。そして目を見開く。
「すごい」
何に驚いたのか遠巻きで見てたレミリアたちにはわからなかった。
「ほんとに周波数と波の形がほとんど一緒だ」
この発言を聞いてもパチュリーの話を聞き流したレミリアたちにはわからなかった。
「私の言ったとおりね、じゃあ帰っていいわよ」
パチュリーはすぐに図書館に向かった。そんなパチュリーを見て鈴仙は口を開けて立ち尽くしている。
「電波ウサギが固まっているわよ」
レミリアはそんな鈴仙に気がつき、永琳に話しかける。
「ウドンゲ、用事が終わったみたいだし里に行くわよ」
永琳の声により、鈴仙は気を取り戻した。
「さ、里に行くって、師匠、さっきの人何なんですかー」
「パチュリーさんがどうかしたの?」
「折角怖い思いして時間を割いてまでここに来たのにあの態度何なんですかー」
鈴仙が不満を言っているのを見て、レミリアが近づいていく。
「すまないわね。パチェは少し変な性格なのよ」
「お嬢様は人の事言えませんわ」
遠くから咲夜の声がする。
「咲夜の方が人のこと言えないわ」
レミリアは永琳と鈴仙がニヤニヤしているのに気づき少しムッとした。だがすぐに表情を直しこう言う。
「話がそれたけど、とりあえずありがと」
だが頭は下げない。どちらかと言うとふんぞり返っている。
そんなレミリアを見て咲夜がクスクス笑っている。
「紅茶でも飲んでく?」
「すぐ里に薬売りに行かないといけないから気持ちだけにしとくわ」
鈴仙たちが来てから何日か過ぎた。レミリアはいつものように紅茶を飲んでくつろいでいる。
「やっぱり静かな午後のティータイムっていいわねー」
彼女は花畑の手入れをしている美鈴を見ている。
「なんか年寄りみたいですわ」
咲夜も美鈴を眺める。
「実際咲夜より年上だわ」
ズガガガガガッガガガガガガ!!!!!!!!
ドシャー!!!!!!
ピー!!!!!!!
鼓膜が破れるような爆音。
花畑にいた美鈴は思いっきりしりもちをつき花を潰してしまっている。
「図書館のほうよ」
レミリアはすぐさま立ち上がり図書館へ向かう。
「黒白かしら」
咲夜も後に続く。不穏な空気が紅魔館に漂い始める。
廊下に出ると妖精メイドたちがあまりの爆音に驚いたのかパニック状態になっている。
「こら、静まりなさい」
咲夜はレミリアの後についていきつつパニック状態になっているメイドを沈静させている。
「敵襲よ!!!」
「神様が怒ってるのよ!!!!」
「妹様が暴れてるのよ!!!!」
メイドたちは好き勝手に叫び回っている。
「いやいや雷が落ちたのよ」
咲夜の口元がピクピクし始める。
「黙りなさい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
咲夜の雷が落ちた。その音量はさっきの爆音に近いものだったとか。
そのおかげでみんな静かになったのは言うまでもないが。
二人は図書館についた。早速、泣いている小悪魔が目に入る。
「耳がいたいですうぅ」
「何があったの?」
咲夜が尋ねる。
「パチュリー様がぁぁぁぁ」
二人は奥に急ぐ。
「レミィじゃない」
いつもどおりのパチュリーが電気ギターを持って立っている。
二人は盛大にずっこけた。
「あんな爆音出しておきながら」
レミリアは立ち上がる。
「あの爆音は電気ギターのものよ。一応どれくらいの音量が出るのかわからなかったから魔法の耳栓してたから大丈夫だったのよ」
「それじゃパチェは電気ギターの使用法がわかったのね?」
「当然よ、今から原理を説明するわ」
「その前に私に魔法の耳栓つけてよ」
「ふーん、ちょっと貸してみて」
レミリアは電気ギターを手にする。
「それで、ここから出ている電流を音に増幅する...と」
レミリアは魔力を軽く高める。もちろん、さっきのパチェみたいにならないように。
ガガガ!!!と歪んだ音が鳴る。
「あ、音が出るじゃない」
レミリアの顔が明るくなる。
「でもどうしてももとの音にならないのよね。外の世界ではどうやって使ってるのかしら」
パチュリーは考え始める。レミリアはそんなことどうでもいいかのように適当に鳴らしまくる。
「咲夜、見て見て」
レミリアは咲夜に近づき電気ギターを鳴らす。楽しそうなレミリアを見て咲夜の表情も楽しそうな笑顔に変わる。
「今度あのプリズムリバーと共演しようかしら」
「それもいいですね」
そんな時だった。
「お姉様、何か起きたの?」
その音は地下まで聞こえていたようだ。
「パチェがこれの使い方を発見したのよ。フランもやる?」
「うん」
「フランはこっちね」
レミリアはフランドールにデストロイヤーを手渡す。
「こうやってね、こうするとね...」
咲夜は仲がよさそうな姉妹を見て微笑んでいる。
だがあることに気付き、すぐに表情が必死なものに変わり、耳を押さえて走り始める。
フランドールが金属の線を弾こうとして手を振り下ろす
「それっ!」
ZUZUZUGAGAGAGAGAGAGAGAGAGAGAGAGAGAGAGAGAGAGA!!!!!!!!!!!!!!!!!!
この耳をつんざく様なギターサウンドは、幻想郷のトラウマになる。
紅魔館の主従は博麗神社での花見の帰りに変なものを二つ発見した。
咲夜はレミリアに傘を渡してそれを調べに行った。とがったフォルム、そして細い金属の線が六本張られている。
「私にも良くわからないのですが」
「外のものかもね。なんだか面白そうだわ」
いつものようにレミリアは興味を示し始めた。
「とりあえず、香霖堂で鑑定でもしてもらいます?」
「これは、外の世界のエレクトリックギターというものだね」
「電気ギターですか...」
「ようは楽器だね。一応それぞれに名前があるようだよ」
「ギターに名前?刀で言う銘みたいな物かしら」
「ケリースター、そしてデストロイヤーというみたいだ」
「ケリースターにデストロイヤーねぇ」
二人は紅魔館に帰っていた。レミリアは二本のうち、突起が激しいケリースターをいじくり回している。
「それにしても変ですね、こんなに音が小さいなんて」
咲夜は適当に爪弾くが音が小さい。
「こんなんじゃ楽器にならないわ」
レミリアは音の小ささに不満を持っているようだ。
「デストロイヤー、破壊するものって言う名前の割には、ですわね」
咲夜はレミリアの方を見る。取っ手のようなものを回したりカチカチ倒れるレバーをいじっている。
そしてため息をつく。
「レミィ、何ため息ついているの?」
パチュリーが本を抱えてレミリアの部屋に入ってきた。
咲夜はパチュリーに電気ギターを渡す。
「パチェ、電気ギターの音を出してみてよ」
レミリアはニヤニヤし始めた。パチェに頼めば意地でも使用法を発見するだろう。
そんな意図丸出しのレミリアを見て、咲夜は少し笑った。
「出たわ」
パチュリーは適当に指ではじいて金属の線を揺らした。とたんにレミリアの顔は不機嫌になる。
「そんな小さい音じゃないわよ、パチェは分からず屋ね」
「今入ってきたばっかのパチュリー様にそれはひどいですわ」
咲夜は最近見せるようになった半笑いの表情でそう言う。内心、レミリアを子供扱いしているのだろう。
「どういうこと?」
パチュリーは首をかしげる。
「そいうことね」
咲夜の説明を聞き、パチュリーは納得する。
「とりあえず、ちょっと構造を調べてみるわ」
彼女の性格上調べないと気がすまないのだろう。彼女は図書館に向かった。
「ふふ」
そんな彼女を見送りながら、レミリアはしたり顔をしている。
「やはり知識人は必要ですわね、お嬢様」
「あら、あなたいつかパチェのこと必要ないとか言ってなかったかしら?」
「記憶にございません、ですわ」
咲夜はいつもの瀟洒な笑みを浮かべる。
次の日。
「レミィ」
紅茶を飲んでいるレミリアのもとにパチュリーがやってきた。
「なぁに、パチェ」
「月の兎に会いたいんだけど」
「月の兎ってあの変な名前の子?」
レミリアは突然何を言い出すんだという表情をしている。
「そうよ」
「何のために会うのよ」
「説明してもレミィにはわからないと思うわ」
「なによ、バカにして!!」
レミリアはぷんぷん怒り出した。そんなレミリアを見て咲夜はやさしく微笑んだ。
「ほら、説明しなさいよ」
完全に喧嘩腰だ。
「仕方ないわね。図書館にあった外の世界の本でMaxwellの電磁気学という本を読んだのよ。それでMaxwell方程式の中でも...」
しばらくするとレミリアが口をポカンとして静止してしまった。
「それで恐らく磁石と金属線のグルグル巻きの物体がその本に書いてあった電磁誘導を...」
咲夜の表情が明らかにいやそうになっている。その場に小声でかつ早口のパチュリーの声が延々と響き渡る。
レミリアは完全に思考停止しているようだ。その場に小声でかつ早口のパチュリーの声がまだまだ響き渡る。
「それで、あの電気ギターのゴホッ...」
「もういいわ、パチェ。ウドンとかイナバとか言うのを呼べばいいんでしょ」
レミリアはやれやれという表情でコウモリを飛び立たせた。
次の日。紅魔館の正門に二人の少女がたっている。ウサギのような耳を持った少女、鈴仙・優曇華院・イナバ。そして派手なツートンカラーの服を着た少女、八意永琳。
「師匠、あのコウモリみたいな女の子がいるんでしょうか」
どうやら紅魔館が怖いのでついて来てもらったようだ。
「大丈夫よ、ウドンゲ。あの子は見た目がかわいいから中身もかわいいはずよ」
「なんですかその適当な理論は」
「とりあえず、そこの寝てる門番に話しかけるわよ」
そこには幸せそうに寝る美鈴の姿が。
「すいません」
鈴仙が話しかけるが反応はない。ふと館の方を見ると咲夜の姿が。満面の笑みだが口元がピクピクしている。
「師匠、この館怖いです。だってあの門番...」
「あのコウモリ少女の言うこと聞かなくて暴れられるほうが怖いわ」
咲夜の後ろをついて歩きながら二人はボソボソ話している。
「何か問題でもありますか?」
咲夜が笑顔で振り向く。
「待ってたわ、電波ウサギ」
パチュリーは鈴仙が部屋に入ってくると、すぐ本を読むのをやめた。
「電波ウサギって」
「いいじゃないウドンゲ、いつも気が狂ったように目が赤いじゃない」
「誰?」
パチュリーは呼んでもいない人物の登場に疑いの目を向けている。
「インチキ薬師」
レミリアが口を挟む。
「インチキじゃないわ。ちゃんとした薬師よ」
「まぁどうでもいいわ」
パチュリーは興味なさげにそういう。彼女は早速、鈴仙に電気ギターを持って近づく。
「何ですか、それ」
鈴仙は珍しいものを見るように電気ギターを見る。(実際珍しいのだが)
「レミィから聞いたんだけど、あなた波長と周波数がわかるのよね?」
パチュリーが興味津々に質問する。鈴仙を研究対象のような目で捉え、近づく。
「え、え、え、え、え、そうですけど」
正直なところ鈴仙はひいている。
「それなら、話が早いわ。ここを見てちょうだい」
パチュリーは電気ギターの木でできている部分に開いた金属の穴を指差す。
「私の理論が正しければ...」
レミリアと咲夜はパチュリーから離れて会話をし始めた。
「そういえば、インチキ薬師さん?」
永琳もその場に呼ばれる。永琳もなんとなく察しはついているようだ。
~少女講義中~
「...とりあえず、この穴から流れる電流の周波数と聞こえてくる音の周波数を言えばいいんですね?」
鈴仙はケロッとした顔で電気ギターを指差す。パチュリーはうなずく。
鈴仙はまず、適当に金属の線を振動させる。そして軽くうなずく。
次に、金属の穴に指を突っ込み金属の線を振動させる。そして目を見開く。
「すごい」
何に驚いたのか遠巻きで見てたレミリアたちにはわからなかった。
「ほんとに周波数と波の形がほとんど一緒だ」
この発言を聞いてもパチュリーの話を聞き流したレミリアたちにはわからなかった。
「私の言ったとおりね、じゃあ帰っていいわよ」
パチュリーはすぐに図書館に向かった。そんなパチュリーを見て鈴仙は口を開けて立ち尽くしている。
「電波ウサギが固まっているわよ」
レミリアはそんな鈴仙に気がつき、永琳に話しかける。
「ウドンゲ、用事が終わったみたいだし里に行くわよ」
永琳の声により、鈴仙は気を取り戻した。
「さ、里に行くって、師匠、さっきの人何なんですかー」
「パチュリーさんがどうかしたの?」
「折角怖い思いして時間を割いてまでここに来たのにあの態度何なんですかー」
鈴仙が不満を言っているのを見て、レミリアが近づいていく。
「すまないわね。パチェは少し変な性格なのよ」
「お嬢様は人の事言えませんわ」
遠くから咲夜の声がする。
「咲夜の方が人のこと言えないわ」
レミリアは永琳と鈴仙がニヤニヤしているのに気づき少しムッとした。だがすぐに表情を直しこう言う。
「話がそれたけど、とりあえずありがと」
だが頭は下げない。どちらかと言うとふんぞり返っている。
そんなレミリアを見て咲夜がクスクス笑っている。
「紅茶でも飲んでく?」
「すぐ里に薬売りに行かないといけないから気持ちだけにしとくわ」
鈴仙たちが来てから何日か過ぎた。レミリアはいつものように紅茶を飲んでくつろいでいる。
「やっぱり静かな午後のティータイムっていいわねー」
彼女は花畑の手入れをしている美鈴を見ている。
「なんか年寄りみたいですわ」
咲夜も美鈴を眺める。
「実際咲夜より年上だわ」
ズガガガガガッガガガガガガ!!!!!!!!
ドシャー!!!!!!
ピー!!!!!!!
鼓膜が破れるような爆音。
花畑にいた美鈴は思いっきりしりもちをつき花を潰してしまっている。
「図書館のほうよ」
レミリアはすぐさま立ち上がり図書館へ向かう。
「黒白かしら」
咲夜も後に続く。不穏な空気が紅魔館に漂い始める。
廊下に出ると妖精メイドたちがあまりの爆音に驚いたのかパニック状態になっている。
「こら、静まりなさい」
咲夜はレミリアの後についていきつつパニック状態になっているメイドを沈静させている。
「敵襲よ!!!」
「神様が怒ってるのよ!!!!」
「妹様が暴れてるのよ!!!!」
メイドたちは好き勝手に叫び回っている。
「いやいや雷が落ちたのよ」
咲夜の口元がピクピクし始める。
「黙りなさい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
咲夜の雷が落ちた。その音量はさっきの爆音に近いものだったとか。
そのおかげでみんな静かになったのは言うまでもないが。
二人は図書館についた。早速、泣いている小悪魔が目に入る。
「耳がいたいですうぅ」
「何があったの?」
咲夜が尋ねる。
「パチュリー様がぁぁぁぁ」
二人は奥に急ぐ。
「レミィじゃない」
いつもどおりのパチュリーが電気ギターを持って立っている。
二人は盛大にずっこけた。
「あんな爆音出しておきながら」
レミリアは立ち上がる。
「あの爆音は電気ギターのものよ。一応どれくらいの音量が出るのかわからなかったから魔法の耳栓してたから大丈夫だったのよ」
「それじゃパチェは電気ギターの使用法がわかったのね?」
「当然よ、今から原理を説明するわ」
「その前に私に魔法の耳栓つけてよ」
「ふーん、ちょっと貸してみて」
レミリアは電気ギターを手にする。
「それで、ここから出ている電流を音に増幅する...と」
レミリアは魔力を軽く高める。もちろん、さっきのパチェみたいにならないように。
ガガガ!!!と歪んだ音が鳴る。
「あ、音が出るじゃない」
レミリアの顔が明るくなる。
「でもどうしてももとの音にならないのよね。外の世界ではどうやって使ってるのかしら」
パチュリーは考え始める。レミリアはそんなことどうでもいいかのように適当に鳴らしまくる。
「咲夜、見て見て」
レミリアは咲夜に近づき電気ギターを鳴らす。楽しそうなレミリアを見て咲夜の表情も楽しそうな笑顔に変わる。
「今度あのプリズムリバーと共演しようかしら」
「それもいいですね」
そんな時だった。
「お姉様、何か起きたの?」
その音は地下まで聞こえていたようだ。
「パチェがこれの使い方を発見したのよ。フランもやる?」
「うん」
「フランはこっちね」
レミリアはフランドールにデストロイヤーを手渡す。
「こうやってね、こうするとね...」
咲夜は仲がよさそうな姉妹を見て微笑んでいる。
だがあることに気付き、すぐに表情が必死なものに変わり、耳を押さえて走り始める。
フランドールが金属の線を弾こうとして手を振り下ろす
「それっ!」
ZUZUZUGAGAGAGAGAGAGAGAGAGAGAGAGAGAGAGAGAGAGA!!!!!!!!!!!!!!!!!!
この耳をつんざく様なギターサウンドは、幻想郷のトラウマになる。
エレキギターって誘導電流をアンプで増幅して鳴らしてたんですね。考えてみたこともなかった…。
これはプチ向きじゃあないだろうかとイチャモンを付けてみる。
イチャモンつけたけど嫌いじゃない、むしろもっとやってくれ(゚∀゚)
>内容や文章量によって差別化しているものではありません。
>ですので、感想レス等でそういう指摘はなさらないようお願いします。
たぶん電磁気学の単位の取れなかった俺の登場です
>名前ガの兎
確かにいつも短編書くのでそうかもしれないですね
これからもこんなほのぼのを書くつもりなんでこれからもよろしく
http://www.nicovideo.jp/watch/sm648787