*注意
この物語は作者が漫画版求聞史紀を知る前に作成した物です。
その為、漫画版求聞史紀を読んだ方の中には違和感のある方もいらっしゃるかと思いますが基本的にはアナザー物としてお楽しみいただけると幸いです。
どうしても気になる方は申し訳ありませんがブラウザの戻るを押してください。
スクロールさせると本編が始まります。
Side:幽香
「いやーーーー、あんた達のおかげで今日中に終わって良かったわ。おかわりいるかしら?」
結局、あの後ハクタクの悲鳴を聞きつけてきた不死人共々味方に引き入れた。
私達は新たな戦力増強により難敵の撃破に成功、こうして無事に夕食までに全て終らせる事が出来た。
その後、すっかり時間が夜になってしまったのでさすがに申し訳なく思った阿求が二人を夕食に招待したという訳だ。尤も作ったのは私だが。
その際になぜか二人に心底驚かれた。
……どいつもこいつも喧嘩売ってんなら格安で買うわよ。
「正直、始めてから二人じゃ今日中に終らなさそうな事に気付いたからねえ。
やばいかな~と思ってたから、本当助かったわ」
「…………ハアッ…………まあ、いいがな……」
なにやら疲れた様にため息をつくハクタク。
ため息つくと幸せが逃げるらしいわよ。
「まあ、大体の経緯は解った。で、阿求。お前は良いのか?」
「良いも何もあんたが口を挟むことじゃないんじゃない?」
「お前が相手じゃ言いたいこともろくに言えんだろうが」
そうかしら?
割と言いたい放題言ってる気がするけど。この私相手に。
「一応、ギブ&テイクなんで。
実際、私の本が騒ぎのきっかけになったのは事実のようですしね」
へえ……案外、殊勝な事言うじゃない、感心、感心。
「いや……しかしだなあ……おまえがよくても、もうすぐ屋敷の者の休みも終わるだろう」
「いいじゃん慧音。
本人が良いって言ってるんだ、さっきそいつも言ってたが私達が口を挟むことじゃないだろ」
「ム……」
「まあそういう事。心配しなくても取って食いやしないわよ」
頭が固すぎるのは考え物よ、ハクタク。
隣の不死人の方がまだ融通が利くじゃない。
「……知らんぞ私は。後で泣きついてくるなよ」
「大丈夫ですよ、多分。
こう見えても幽香さん、割と悪い妖怪じゃなさそうですし」
「「「はあっ?!」」」
思わず綺麗にはもる三人。
おい、突然何を言い出すつもりよ、こいつ……というか正気か?
何を根拠にそんなことを言い出すのか……謎すぎるわ。
「いかん、耳が悪くなったか妙な幻聴が……」
「いや、私にも聞こえたけど……」
「貴様!早くも阿求をおかしな術にかけたな!」
「あのね…………だったらとっくに書くこと書かせて帰ってるっつーの」
「まあ、尤もな意見だね」
私の突っ込みに即座にうなずく不死人。
だがハクタクは納得するどころかより不振げな目を向けてくる。
「じゃあ、いったい何をした!?」
「だから何もして無いわよ!
というかなんでもかんでも人のせいにするな!」
「どっちかというとなんでもかんでもやりそうなお前に原因があるんじゃないか?」
「……何か言ったかしら、そこの不死人?」
「いや、あの、私が勝手にそう思っただけなんですが……」
気まずくなったのか阿求がそう口を挟む。
「ほら見なさい!
つまりはコレこそ私の妖徳の成せる業よ」
「そこまで言うつもりはありませんけど……」
「……まあいい。
だがな阿求、言わずとも解っているだろうがこいつは妖怪でお前は人間だ。
そのことだけは……忘れるなよ」
野郎、無視かい。ばらしてホルモン鍋にするわよ、牛。
「心配性ねえ、ハクタク」
「後、そこ。人の事をハクタクと呼ぶんじゃない」
「心配性ねえ、ワーハクタク」
「ワーを付ければいいってもんじゃない!」
「心配性ねえ、慧音っち」
「……………………貴様……表に出ろ……」
うん、やっぱりこいつをからかうと面白いわ。
ちなみに阿求と不死人、爆笑中。友情とはかくも脆い物なのね。
無謀にもかかってきたハクタクを弾幕ごっこで軽く返り討ちにした後、いい加減夜も更けてきたとのことで二人は帰ることになった。
阿求は泊まっていく事を進めたがハクタクが遠慮したのと不死人の「私この後用事あるし」の一言で無かった事に。
「では戸締りに気をつけろよ」
「ええ、解ってます。まあ、どちらかと言うと家敷の中のほうが物騒なんですが」
「…………確かにな。
何かあったら大声で助けを呼ぶんだぞ」
「それが私が見た彼女の最後の姿だった。
今でも思い出す。あの時、私がもっと慎重に行動していればこの後の悲劇は避けられたのではないかと……」
「勝手に不吉なモノローグを入れるんじゃない!!!」
「あ、あははは……」
「いいか、阿求。
こいつは私が知る妖怪の中でもたちの悪さは筋金入りだからな……決して簡単に気を許すなよ」
そのまま帰るかと思いきやハクタクはその後も長々と細かい事を注意してくる。
「つか、なげえよ。いつまでいる気だよ。帰るならさっさと帰れよ。ほら後ろで不死人退屈そうだし」
「おい…………全部、口に出てるぞ……」
「出てるわけじゃないわ。出したのよ」
「自分の家でもないのにやりたい放題、言いたい放題だな、お前は」
「私の物は私の物。幻想郷の物も私の物」
「究極のジャイアニズムきたーーーー?!」
「納得したところでほれ帰りなさい」
シッシッ!
まだ言い足りない様子のハクタクを追っ払う。
「解った、解った……。
くれぐれも阿求に迷惑をかけるんじゃないぞ」
「はいはい」
「ふう、ようやく帰ったわね。全く口うるさいったらないわ。……ってなによ、その微妙な顔は」
「あ、いえ、別に……」
「別にって顔じゃないでしょうが、今のは。なんか言いたいことあるなら言いなさいよ」
「……言ったら怒るじゃないですか」
「言ったら怒るような事を考える方が悪い」
「だから言いません」
「言ったら怒るような事を考える方が悪い」
「ち、ちょっと!な、なんですかその身の危険を感じる手の動きは!」
「言ったら怒るような事を考える方が悪い」
「お、落ち着いて話し合いましょう、幽香さん……」
「言ったら怒るような事を考える方が悪い」
問答無用!さあ何を考えてたか吐け!
「ア、アハハハハハハハハッッッ!!!
ち、ちょっ……ハハハハハハハハッッッ!!!だ、め……フハハハハッッッ!!!!!
フハハッッそんなとこ触……アハハハハハッッッ!!!」
あ、見た目通りの発育不良ね、こいつ。
「ハハハッッッ!!!……ってどこ触ってるんですか!!!」
「触ると普通は気持ちいい所」
「超巨大なお世話ですよっ!いろんな意味で止め……アッ、ちょっ……」
ガラガラガラッ!!!
「どうした!阿求っ!!!」
あらまだその辺にいたのね、ハクタク。
慌てた様子で駆け込んできたハクタクだが室内の様子に凝固する。
背後から抱きすくめた格好で阿求を押し倒してる私。
手は着物の衿から入って前に回されてる。
極め付けに阿求の息は荒くてちょっと涙目。(笑いすぎたからだが)
うん、中々に素敵な状況ではある。
そのままフリーズしているかと思ったが、しばらくするとハクタクはわなわなと震え始め次の瞬間絶叫した。
「せ、先生は許さんぞ~~~~~~~~っ!!!」
先生って誰だ。
◆ ◆ ◆
「で、何の用よ。誤解は解けたでしょ」
「……お前はアレを誤解というのか」
「…………慧音っちのえっち」
「~~~~~~~~っ!」
「落ち着けって慧音。
そいつのペースに乗ってどうすんだよ」
呆れたような不死人の言葉にハクタクはなんとか落ち着きを取り戻したようだ。
「…………先程の件はもういい……。忘れる事にしよう」
「思い出すと体が火照って仕方がな……
「だが!しかし!!!
……お前を呼び出したのは別の件だ」
「やれやれ……。私は別に用なんて無いんだけどね」
先程の騒ぎの後、帰り際にハクタクが目配せをしてきたのだ。
シカトぶっこいても良かったのだが、そうすると多分戻ってきそうなんで阿求の隙を見て抜けてきた。
「そろそろ寝ようと思ってるんだから手短にね」
「短く済むかはお前次第だ」
「……ふーん」
そう言うとハクタクはこちらをじっと見つめ口を開いた。
「これ以上、阿求をからかうのはやめろ」
「そう?じゃあ代わりにいじめようかしら」
「真面目な話だ、風見幽香」
「別にふざけてる訳でもないんだけどねえ」
自然、ハクタクの表情が厳しい物になっていく。
不死人は少し離れた場所で我関せずといった態度だが私から目を逸らさない。
出来た護衛ね。
「お前は…………阿求をどう思っている?」
「んーそうねー……からかうと面白いわ」
「それは好ましい感情ととっていいのか?」
「少なくとも嫌いじゃないわね」
私の返答に奥歯を噛むハクタク。
搾り出すように次の言葉を吐く。
「では聞くが……………………少しでも阿求に友愛の情を感じているのか……?」
「まさか!」
「…………だろうな。
だとは思ったよ。多分お前にとっては面白いペットで『遊んでいる』その程度なんだろうさ……
だがなあっ!阿求をその対象にするんじゃない!!!」
「あら、私が誰で『遊ぼうが』あんたにとやかく言われる筋合いはないと思うんだけど」
何を今更。
私達、妖怪にとって人間は食料であり玩具でありペットのような物なのは今に始まった事ではないでしょうに。
本当にこいつは今更……ククッ……
「アハハハハハハッ!ゴメンもう無理!
アハハハハハハハハハッッッッッ!!!
…………ゴホッ……ゴホッ…………あー笑えるわーーーー
あんたさ、人間に肩入れしすぎ。
あんたや霊夢、最近あまり人を襲わなくなった妖怪、おかげでかなり人間も増えたでしょうに。
いいじゃない、ハクタク。
あんただけで飼ってないでさ、『あんなにいるんだから』少し位こっちに回してくれても!」
やばい、あんまりにも一所懸命なんだもん……多分、今の私最高に笑顔だわ。
「貴様っ!!!風見幽香ぁっ!!!!!」
怒号と共に瞬時に形成される弾幕。
明らかに弾幕ごっこの範疇を超えた弾幕戦のレベル。
久方ぶりに全身に感じる殺意。
…………フフフ……自然、笑みがこぼれた。
コレよこれ……暫くご無沙汰だったけどコレこそが私『風見幽香』の生きる……いえ、活きる世界。
全身に血が漲り、心が躍る。
この調子なら朝まで楽しい時間が過ごせそうね。
「「!」」
ゴッ……ズウンッ!
そう考えた矢先、二人の間に着弾する火弾。
私達は殆ど同時に後方に飛び退った。
これは……先程から様子を伺ってた不死人か。
「妹紅……」
「少し頭を冷やしたら慧音。あくまで話し合いなんだろ?」
チェッ!良いタイミングで邪魔するわね……
「…………すまん妹紅……続きを頼む。
お前の言うとおり少し頭を冷やしてこよう」
そう言うと構えを解きその場を一旦離れるハクタク。
私の顔を見ながらじゃ落ち着けないってところかしら。
「……って訳で慧音が戻るまで私が代理だ。
私はあいつとは初対面だからな。お前との話し合いは慧音よりスムーズに進むだろうぜ」
「なによ、折角面白い展開になりそうだったのに、邪魔してくれちゃって」
「そいつは悪かったな。何なら後で相手をしてやるよ」
「別に良いわ、しらけちゃったし。
……で、阿求で『遊ぶな』だっけ?」
「私も詳しくは知らないが訳有りらしいんでな。
お前みたいのに面白半分にからんで欲しくないんだとさ」
おいおい、知らないのかよ。そんなのにこの場任せるか、普通。
ハクタクの考える事は解らないわね。
「面白半分なんて失敬な」
「面白全部か?」
「あら話がわかるじゃない不死人」
「……お前みたいな性格破綻者に知り合いがいるんでな」
「友達は選んだ方が良いわよ」
「それをお前が言うか……」
閑話休題。
「どちらにせよ、返事はノーよ。ハクタクに指図される覚えは無いわ」
「だろうな。
…………ま、いいんじゃないか?」
へっ?
「どうしたよ、鳩が豆鉄砲食らったような顔して」
「ええと…………あんたハクタクの仲間でしょ。
いいの、それで?」
「私と慧音じゃ考え方が違う。
慧音の思惑とは違うかもしれないが、私はお前がどういうつもりでも関係ないと思ってるしな」
「……関係ない?」
あまり好ましい言葉じゃないわね。
少なくとも私に使われたくはないわ。
「どういう意味よ」
「重要なのはお前のつもりじゃなく、阿求がどう捉えてるかだろ。
お前がペットのように考えてようが、あいつがそのことを気にしてないならどうでもいいんだ。
本来、人と人の付き合い方なんて他人が首を突っ込む事じゃないんだからな」
「…………」
「私にはお前達なりに理想の関係を結んでるように見えたし、それがどうこうならない限り口出ししないよ」
……………………こいつ…………むかつくわ…………
「って、おい、なんで急に殺気立つ?」
「…………さあね……」
「やる気が失せた様な事言ってなかったか?」
「気が変わったわ」
「我侭な奴だな……」
……その余裕ぶった態度が…………
「一々癇に障るってのっ!!!」
瞬時に扇状に弾幕を展開、撃ち放つ。
不死人も慌てて打ち消そうと弾幕を張るが……遅い!
打ち消し損なった弾幕が不死人に殺到、爆発を起こす。
「やるじゃないか……」
「ちっ!浅いか……まあいいわ」
「やるかい?」
「何を今更」
「だな」
「さて、それじゃあ……」
「……って待て!何で今度はお前達がやりあおうとしてるんだ!?」
「「…………お早いお帰りで」」
今度はハクタクの方かよ。
どうも今日は邪魔が入る日ね……二人纏めて相手をしようかしら。
「妹紅、私が頼んだのは話し合いの続きだ。
喧嘩してくれとは頼んでないぞ」
「先に喧嘩をしかけたのは慧音じゃん」
「ウグッ!
……いや、それはそうだが……とにかくだ。
阿求には……
「あーーーーもう!阿求、阿求うるさいわね、このハクタク!
そんなに大事なものなら金庫にでも放り込んどけっ!!!」
「なっ……」
うざい、うざい、うざい!いい加減うざったいのよ!
「私は私のやりたいようにやりたいことをやる!
文句があるならかかってらっしゃい!!!」
たかが人間一人の事でこれ以上つまらない口論なんてしてられるか!
話を切り上げるべくそれだけを言い捨てると――――――――ハクタク達を捨て置き踵を返す。
ハクタクが何か言っていたようだがもう相手をする気はなかった。
◆ ◆ ◆
Side:慧音
「おいこら待て、風見幽香!」
だが、私の話を無視するかのように風見幽香は後ろを振り返ることなく去ろうとする。
チッ、なら弾幕を使ってでも……
「!妹紅?」
だが私が弾幕を放とうとするより早く妹紅が私の前に立ち塞がった。
「まあ、待ちなって慧音。ちょっと様子を見ようじゃないか」
「なっ……どういうことだ妹紅!
アレは危険な妖怪だ!奴にとっては人間など道端に落ちている石ころと何も変わらんのだぞ!」
「だろうね。
最近変わった妖怪と顔を合わせる事が多いからご無沙汰だったけど久しぶりに『らしい』妖怪を見たよ」
「そこまでわかっていて何故邪魔をするんだ」
「だから……さ」
「?」
……どういうことだ?
「気づかなかった、慧音?だからこそ今のあいつの行動には違和感がある。
ならなんであいつはあんな面倒な方法をとっているんだ?
妖怪なら妖怪らしく慧音が言った通りさっさと言う事聞かせりゃいい。別に操るんじゃなくても方法なんざいくらでもあるだろ」
「……単なる気まぐれだろう」
「かもしれない。けどさ、私にはそれだけとも思えなかったんだよ。
多分あいつは阿求の存在を認識しているんじゃないかと思う。
だからこそあんな面倒な真似をしてでも自分を認めさせようとしてるんじゃないか?
まあ、指摘したところで本人は認めないだろうけど」
なるほど……妹紅の言う通りかもしれん。
確かに言われてみれば今日の風見幽香は普段のあいつとは違う違和感があった。
あいつならばそれこそ妹紅の言うとおり手段などいくらでも思いつくだろう。
それらの手段をとらない理由が阿求を――――自分と同じ視点で――――かどうかまではともかく、一つの存在として見ているからだと考えられなくも無い。
だがそれらは可能性の問題だ、ゼロじゃないというそれだけの話。
私が言った気まぐれの方が余程信憑性があるだろう。
何故妹紅がコレほど自信を持ってそう言い切れるのか……解らん。
私の視線でおおよそ言いたい事を察したのだろう、妹紅は視線を逸らしていたがしばらくすると気まずそうに口を開いた。
「…………私には解るんだよ、なんとなくあいつの考えが。
他の奴を認めたい気持ちも認めたくない気持ちもな……
いいだろ、私も付き合うからさ、しばらく様子見って事でさ」
「……なんでお前がそこまで肩入れするのか私にはさっぱり理解できんが、そうまで言うならその言葉あてにするぞ」
「ああ、多分そんなに悪い事にはならないと思う。……さっきの様子を見る限りね」
無論、不安が無くなった訳ではない。
できれば風見幽香を阿求に関わらせたくないのは変わらなかった。
あの妖怪は古いタイプの妖怪だ。
ゆえに阿求の相手としてはふさわしいとはいえないのだ。
(下手をすれば数百年越しの予定がご破算になる……な)
今すぐ阿求から風見幽香を引き離すのがベストだろう。
だが既にそれも難しい状況にあった。
思ったよりはるかに短い時間で阿求は風見幽香を信頼しつつある。
引き離すのにはそれなりの理由が必要な段階にきていた。
同時にここまで妹紅が積極的に関わろうとしている事を無下に終わらせる事に躊躇いも生まれていた。
(…………できれば妹紅には阿求の相手として関わらせたかったのだが)
自分の予定とは大きく異なりつつあるが仕方がない。
果たして風見幽香が阿求にとって救いになるか、それは神と……
「……運命を司る吸血鬼位にしか解らんだろうがな」
後は運を天に任せるしかなかった。
◆ ◆ ◆
Side:幽香
どこに行っていたのか聞いてくる阿求を適当にあしらうと早々に自分の布団にもぐりこむ。
(…………ああ、もう、イライラするわねっ!)
結局、あの二人とは戦いになる事も無くあのまま別れる羽目になった。
つまらない事で絡んでくるハクタクに何か解ってるような口を開く不死人。
どちらも神経を逆なでする奴らだったが、今、私をいらだたせてるのはその後の事だった。
何故あの時――――私はスペルカードを使わなかったのか――――いつもの私なら迷いなく使っただろうに。
(ただの気まぐれよ……)
別に珍しい事じゃない、現に今までだってそうしたことがないわけじゃないのだ。
例えば昔、巫女や魔法使いと始めてあった時もそうだ。
確かに自分は弾幕ごっこで不覚を取った。
だが、いってしまえばそれだけだ。
あの時点で自分は余力を残していたから、本気で殺しにいけば勝利する自信もあったし今でもある。
幻想郷のルールだかなんだか知らないが別にそんな物を律儀に守るつもりもなかった。
所詮、そんな物は他の妖怪と博麗の巫女が勝手に決めた事なのだ。私が守ってやる義理もない。
だが……私はあの時、負けを認め巫女や魔法使いとの親交は代替わりした今も続いている。
あれこそ気まぐれ以外の何だというのだ。
(…………本当に?)
本当に気まぐれ――――それだけだろうか?
そこにはたいした意味はなく、思いつきだけ…………?
(馬鹿馬鹿しい――――!)
こんな事を考えるなどそれこそどうかしてる。
妖怪である自分が何かに縛られるなどあるはずがないではないか。
人間の作った法も、他の妖怪がし結んだくだらない約定も、倫理ですら自分を縛り上げる事は無いはず。
風見幽香を唯一邪魔できる物があるとしたらそれは風見幽香自身の気まぐれのみの筈だ。
他の人に混じって堕落した妖怪などとは違う、私は、
「――――孤高の妖華『風見幽香』よ」
なのに――――何故、自分はこれほど心乱れているのだろうか……?
その日、眠りにつくまで私のイライラが治まることはなかった……
期待させる描写しやがって・・・!
次回も期待。でもちょっと読みづらいと思う
『~』の多用もいいけど『-』も使ったほうがいいかと
後、『!』や『?』の後はスペース入れたほうがいいと思う
まぁなんにせよかんにせよ続きは期待。
慧音の思惑。幽香の変化。
今後も楽しみですんで期待してますw
話も佳境に入ってきたので次も期待したいと思います。
>いや~~~~
>おいおい、知らないのかよ。
>というか正気か?
>つか、なげえよ。いつまでいる気だよ。帰るならさっさと帰れよ。
この辺りの口調は狙ってやや男っぽい粗野な言葉遣いにしてるのでしょうが、どうしても受け入れられませんでした。幽香はいつでも(心の中でも)女の子言葉を使う…つまり他人にも自分にも女の子を完璧に演じているイメージがあります。ただ他の人達は違和感が殆どなく、妹紅に至ってはゼロです。というか妹紅いちいち格好いいです。
>フハハッッそんなとこ触……アハハハハハッッッ!!!
超GJ!!!!
誤字です。
>プラウザ(ブラウザ)
>最も、作ったのは(尤も)
>言うじやない(じゃない)
>最もな意見(尤も)
おお、期待させる事が出来たのなら私の勝ちですね(ニヤリ)
>2007-02-07 00:28:31の名前が無い程度の能力様
グハッ!
文章の基本的な書き方ができていない事が筒抜けのようで……読みにくくて申し訳ありません。
それでも面白いといっていただいてありがとうございます。
>2007-02-07 02:26:51の名前が無い程度の能力様
お、劣りますか。
むう、説明的な台詞が多い回は難しい……精進します。
口調は……作者のイメージがおおいに入っています。
長く生きている妖怪は女性的な部分と男性的な部分の両方を持っているというのが作者の考えにあるので……
一度書いた以上、すみませんがこのままで進めさせて貰います。
気分を害してしまったら申し訳ありません。
もこたんは男前だってけーねが言ってた。
誤字の指摘ありがとうございます。
訂正させていただきます。
最後まで読んでくださった全ての読者の方ありがとうございます!
阿求以外の視点からってのも良いと思うけど、前回までにあった
適度な背景表現が少なかったのが個人的に少し残念
これからどんな展開になるのか気になるところです。
誤字脱字らしきものを見つけたので、二つばかり指摘を。
自分の勘違いならスミマセン。
>「思い出すと体が火照って仕方がな……
『」』忘れ……?
>変わり
この場合「代わり」が正しいかと。
また続きも読ませてもらいますね。次回投稿まで気長に待ってます。
……ホントだ殆ど無い←今頃気付いた
申し訳ないです。次回こそは気をつけて書きたいと。
>おひる様
誤字の指摘、本当にありがとうございます。
訂正させていただきます。
>『」』忘れ……?
一応、台詞をさえぎった表現のつもりなのですが判り難かったら申し訳ないです。
お待たせしてすみません。気長に待っていただけると幸いです。
最後まで読んでくださった全ての読者の方ありがとうございます!