*注意
この物語は作者が漫画版求聞史紀を知る前に作成した物です。
その為、漫画版求聞史紀を読んだ方の中には違和感のある方もいらっしゃるかと思いますが基本的にはアナザー物としてお楽しみいただけると幸いです。
どうしても気になる方は申し訳ありませんがブラウザの戻るを押してください。
スクロールさせると本編が始まります。
Side:阿求
「……ン……ンッ……」
ぼんやりとしていた意識がゆっくりと引き上げられていく感覚。
自分が眠りから覚めようとしていることを自覚する。
私はこの感覚が好きだ。
覚醒前の自身を取り戻していく感覚、もしくは何かと一体化している所から自己を形作る感覚とでも言おうか。
自身が此処にいることをはっきりと意識させられる。
そう、私は今日も此処にいる。
今、この瞬間、私は此処にいるのだ。
ならば始めよう。
稗田阿求としての今日
「ほら~~~~~~~~っ!!!
いつまで寝てんのよ!!!起きなさ~~~~い!!!!!」
ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!
「~~~~みぎゃ~~~~っ!!!」
耳元で凄まじい轟音。
こうして朝の幸せな時間は一瞬にして緑の悪魔の手で奪い去られたのだった。
◆ ◆ ◆
「…………耳元で鍋底をお玉で叩くのはやめてくれませんか」
「あら、こういうのは起きない相手を起こす基本でしょ」
なぜか花柄エプロンを着けた風見幽香はそう言い胸を張った。
……くそっ、大きいですね……じゃなくて!
冗談はやめて欲しい。
あんな基本があってたまるか。
こっちは脳がひっくり返るかと思ったというのに。
「ほらほら、何でもいいからとりあえず顔でも洗ってシャキッとしてきなさい」
そう言うと洗い立ての手拭いを放り投げてくる。
文句が無いわけではなかったがこの場は彼女の言い分が正しいと思ったので大人しく指示に従う。
私が顔を洗い身だしなみを整え戻ってくると彼女がエプロンをたたんでいた。
いつの間に用意したのかちゃぶ台の上には朝食が用意されている。
「なに固まってるのよ。早く席に着いたら?」
「え、いえ、あれ?
…………これ、誰が用意したんですか?」
「妙な事聞くわね……
ここにはあんたと私しかいない。
あんたはさっきまで寝こけてて作った覚えなんて無い。
なら答えは一つしかないでしょうが」
確かにその通りだ。
それくらい寝起きの頭でも理解できた……認めたくないけど。
それは完璧な朝食だった。
炊き立てのご飯はピンと立っていて見るからに食欲を誘う。
おひつの使い方まで知っているようだ。
味噌汁は豆腐にねぎを……合わせ味噌!?わ、わざわざ味噌を調合したらしい。
そして焼き魚に漬物……魚なんて無かったのにわざわざとってきたんだろうか?
当然の如く魚の焼き具合も完璧だった。
何より私が朝食としてとるのにちょうどいい量なのが驚いた。
いったいいつの間に……
「そりゃあ、あんたが寝こけてる間に決まってるじゃない」
「人の思考を読まないで下さい」
そう突っ込みを入れながらも視線は自然と朝食に引きつけられる。
と次の瞬間、クウ~ッと私のお腹が音を立てた。
「――――ッ!」
よりにもよって彼女の前でとんだ失態である。
絶対馬鹿にされると思い彼女の方を伺うと……
「フフッ、しょうがないわね。
それじゃあ、お腹も空いたし頂きましょうか」
わずかに苦笑したような口調と共に彼女はこちらに――――それこそ例えるなら太陽のような――――眩しい笑顔を向けてきた。
……ああ……あんな他人の笑顔を見たのはいつの事だっただろう……
「…………どうしたのよ、そんなに呆けて?」
「あ……いやいや、何でもないんですよ!お、おいしそうですね!いただきますっ!」
なにやら自身の中から沸き上がろうとするモノをかろうじて押さえ込む。
「あ……おいしい……」
誤魔化す様に口をつけた料理は見た目通り絶品だった。
むう…………悔しいが私の作る料理とは格が違う。
「だから何故驚く。
そんなに私が料理が出来るとおかしい?」
「おかしいというか……個人的に言わせて貰うと貴女の場合、他人を使うイメージがあるんですよ。
何というかレミリア・スカーレットさんのような。だから凄い違和感があるというか……」
「まあ、メイドのようなものなら家にも居るけど」
「……って家があるんですか!?」
「どこまでも失礼な奴ね。夢幻館って言う立派な屋敷の主よ、私は」
「…………まさか、お嬢様?」
「どちらかといえば女主人かしら。
そういえばここのところ帰ってないわね……今頃屋敷どうなってるかしら?」
「あの……それでいいんですか?」
「みんな適当にやってるんじゃない。気にしない、気にしない」
何というか非常に適当である。
こうして話を聞くだけでそのメイドの苦労が忍ばれた。
我侭な主人に無理難題を突きつけられて涙ながらにそれを果たそうとするメイド。
あ、普通に想像できた。
きっと彼女の事だからそれは楽しそうにメイドを苛めるのだろう。
そう考えるとむしろ夢幻館の者は主人が帰らなくて喜んでそうな気がする。
それとも紅魔館の者の様にそれでも主人を慕っているのだろうか?
「それで味の方は…………聞くまでもなさそうね」
彼女は味噌汁の味を堪能していた私の方を見るとニヤリと意地の悪い笑みを浮かべた。
「ウグッ…………
だ、大体さっきの話じゃメイドが居るんでしょう。なのにどうして貴女が料理が出来るんですか?」
何となくそのまま認めるのが癪だったので無理矢理話を別の方に持っていく。
彼女はそのことに気付いていたようだがあえて私の話に乗ってきた。
「私に限らずある程度の長さを生きてる妖怪なら暇潰しに色々やってるから芸の十や二十できて当たり前よ。
私は一時期、料理にこっていた事があるから」
「明らかに暇潰しの範疇じゃないと思いますが、これは」
暇潰しでこんなレベルの料理を作られたら料理人は皆、首を括らなきゃいけないだろう。
「そりゃあ、あんた達人間とは時間の流れが違うもの。
人間にとって長い時間でも私達にとってはうたた寝する程度の時間なんて事は良くあるわ」
「あくまで暇潰しなんですね」
「そういうことよ。
まあ、人間のあんたには解らない感覚かもね」
(悠久の時を生きる貴方様には解らぬでしょうな……)
ズキン!
「別に知りたくありませんからいいです」
「ムッ……まあいいわ。
それで少しは考えが改まったかしら?」
「料理が得意との加筆修正くらいならすることもやぶさかではありません」
「あのね……それじゃあ、神社に入れないでしょうが。
それじゃ意味が無いっつーの」
「貴女と私の勝負なんでしょう?
簡単に勝ちを譲るつもりはありませんから」
「全く……とんだ頑固人間ね。書き直せば退散するって言うのに」
「言ったじゃないですか。
私が書き直す事があるとすればそれは貴女が私を納得させた時だけだと」
◆ ◆ ◆
「つまりあんたと勝負をしに来たのよ」
「…………諸々全て省いて結論だけ話されてもさっぱりです」
ちなみに今のはいきなり人の家敷に居座ろうとした風見幽香に説明を求めたところの第一声である。
人の家に乱入してきて説明する気ゼロですか貴女は。
「要するに書き直せと言いたい訳」
「嫌だとお断りしたと思いますが」
「まあ、確かにそう言ったわよね。
……話は変わるけど私は寝る時にナイトキャップを愛用してるのよ」
「…………は?」
私の戸惑いをよそに彼女は持ってきたバックの中をあさりだすと中から何かを取り出す。
取り出したのは……目覚まし時計?
「目覚ましはコレ。色々試したけど、どうもこれ以外はしっくりこないわ」
「は、はあ???」
いきなり話があらぬ方向へ飛んでいく。
彼女の話が理解できないのは彼女が妖怪だからかそれとも風見幽香だからか。
少なくとも自分の理解力がないからだとは思いたくない。
「だから一体何を言いたいん……
「知らなかったんじゃないかしら、こんな事は」
「…………」
そりゃあ、そんなくだらない事知りませんが……ああ、つまりは…………そういう事か。
私の考えを裏付けるように彼女は言葉を続ける。
「で、あんたは知らない私の何を知ってるの?」
「……全く知らないわけじゃありません」
「でもそれは他人から聞いた話や憶測が殆どでしょう。
そんな不確かな情報を元に作られた本をあんたは自信を持って『もう一人の自分』とまで言えるのかしらね」
「それは…………」
悔しいが彼女の言う通りだった。
特に彼女に関しては長い間、幻想郷に居るにもかかわらずおそろしく情報が少なかったのだ。
また彼女は同じ妖怪からも恐れられている為、他の妖怪からも殆ど有効な情報は聞けなかった。
となればどうしても噂や憶測が殆どになってしまう。
信憑性の高い物だけを選別したものの『幻想郷縁起』を書く際に最後まで掲載を迷ったのが彼女だったのは確かだ。
「だから自分の目で確かめなさい」
「そのために貴女を……ここに泊めろと言う訳ですか」
「あんたが私を理解するには共同生活をするのが手っ取り早いでしょう。
どうせここのところ暇だったしコレはコレで良い暇潰しになるわ。
あんたに本を書き直させる事が出来れば私の勝ち。あんたの考えを私が変える事が出来なければあんたの勝ちよ」
「貴女に一方的に不利ですよ。
考えが変わったかどうかなんて私以外判らないじゃないですか」
「まあ、それ位はハンデでいいわ。
大体、以前のやり取りでそういうことが出来るタイプじゃ無い事はわかってるもの」
確かにそんな真似をするつもりは無かったがこうも見透かされるといい気はしない。
かといいそれを理由に断る訳にもいかないのは事実だったし、何より既に私自身が彼女の提案に興味を持ってしまっている。
『好奇心は猫を殺す』と解っていても実際、日々の妖怪の生活や考え方に興味はつきなかった。
どうするか考えを巡らそうとするが、そもそも迷っている時点で私の中で結論は出てしまっているようだ。
彼女の思惑通りだと思うといささか悔しいが。
「…………いいでしょう。
貴女が私を納得させる事が出来れば書き直す事を約束します」
彼女は私の返事に満足そうに頷いた。
「ええ、それじゃあこれからしばらくよろしくね、阿求。私の事は幽香でいいわよ」
「……いきなり馴れ馴れしいですね」
今までが礼儀正しかった訳じゃありませんが。
「何言ってるの。これから一緒に暮らすのに一々敬語でも使えっての?冗談やめてよ」
「『親しき仲にも礼儀あり』という言葉がありますが」
「なら親しくない私達の間には必要ないわね」
「…………本当に悪知恵にばかり頭が回りますね。
大体今のは『にも』であり『には』じゃありません」
呆れてものが言えないとはまさにこの事だ。言ってるけど。
「さて、それじゃあ荷物を置かせてもらうわ。
ああそうそう、部屋は…………一番大きいところで良いわよ」
「ふざけるな」
いきなり先行き不安だった。
◆ ◆ ◆
なんか改めて思い返してみると…………騙されている気がしてきた。
これって互いの思惑はともかく実際は彼女の暇潰しにつき合わされているだけのような……
しかも期限は彼女が飽きるまでだし。
「ムゥ…………」
「何難しい顔してるのよ、あんたは」
私が食後の紅茶をすすっていると洗い物を済ませた彼女が戻ってきた。
「…………言っておきますがそんなあからさまな点数稼ぎに私はのりませんよ」
「あのね……人の料理綺麗に平らげた口で言うセリフじゃないでしょうが。
別に良いわよ、汚れ物がそのままになってるのが気になるだけだし。
というか阿求、昨日から気にはなっていたんだけど……」
「何ですか?」
「あんた、ずぼら過ぎ」
「…………」
「こら目を逸らすな。こっちを見ろ。
炊事場に洗い物がたまってたじゃない、それも数日前の。
料理をしようと思って炊事場を覗いて驚いたわよ……」
「…………」
「おまけに……何なのよこの居間は。
そこら中に本の山は乱立してるし、着た衣類は隅の方に寄せっぱなし。
……ってちょっと!せめて着物くらい皺にならないように掛けておきなさいよ!」
うっ……け、慧音さんのような事を……
彼女がこんなに口うるさいとは正直予想外です。
「い、いいんですよ!
私にはどこに何があるか解ってるんですから!」
「…………」
「うわ、冷たい視線。
いや解ってますってば。こんなの言い訳にもならないって言いたいんでしょう。
でも私の場合、執筆にかかると他の事は後回しになるし、今は使用人に暇を出してるし、こう、仕方の無い部分もあるんですって!」
「…………」
「それにですね、お正月にはちゃんと大掃除をしてますし……」
「…………使用人に暇を出した後は?」
「…………」
クッ、無駄に鋭い。
「…………ある意味たった数日でこうなるなんて一種の才能ね。
よーく解ったわ。今日は一日をかけてこの家を徹底的に片付けるわよ」
「いや、下手に物を動かすとかえって物の場所が判らな……
「シャーラップ!黙れ!
本日の今を以ってあんたの全人権を剥奪するわ。
あんたは黙って私の言う事を聞く掃除道具になりなさい。
聞かない場合、このガラクタごとゴミ屋敷を吹き飛ばす!」
「ちょっ……!」
「こんなゴミダメみたいな所で生活できるかっ!手伝ってやるだけありがたく思いなさい!」
ドンッ!バサバサバサッッッ!!!
彼女がそう言いちゃぶ台を叩くとその衝撃で山の一つが崩れた。
私は慣れたもので素早く回避したが……
「…………」
「…………あ、あはは……」
「……………………何か反論があるなら言ってみなさいよ…………」
崩れた本の山の直撃を喰らった彼女は幽鬼のように立ち上がった。
◆ ◆ ◆
Side:慧音
「それでは慧音殿……」
「うむ、長殿も、もしまた何か問題が起こったらいつでも私の所まで連絡を入れてくれ」
「ご迷惑をおかけします」
「なに、好きでやっている事ですから、お気になさらず。それでは、また」
私の言葉に村長は深々と頭を下げる。
相変わらず律儀な人だ。いつも通り私の姿が見えなくなるまで頭を上げぬつもりだろう。
内心苦笑をしつつ、彼が一刻も早く頭を上げれるように急ぎその場を離れる。
そのまま村の中央、広場になっている場所へ向かう。
大人しく待っていればいいが……などと本人が聞いたら怒り出しそうな事を考えつつ足を踏み入れると……
「こ、こらっ、か、髪を引っ張るな!
あててててててっ!お、お前らっ!いい加減にしろよっ!!!」
「…………大人気だなあ、妹紅」
なぜかそこには村の子供にたかられている妹紅がいた。
「け、慧音!良いところに来た!こいつらどうにかしてくれ!
引っぺがしても引っぺがしても纏わりついてくるし、かといってぶん殴るわけにもいかない!
ある意味、輝夜よりたちが悪い!」
「いや、私としてはもう少し子供と戯れるお前を観察でもしようかと……」
「戯れてるのはこいつらだけだっ!
痛い、痛い、痛い!禿げるだろうがクソガキッ!!!」
これ以上、放っておくと本気で妹紅がキレそうなので子供達を解散させると村を後にする。
普段連れのいない私が一緒にいる相手がどんな人物か気になるのだろう、子供達は名残惜しそうに私と妹紅を見送っていた。
仕方ない、明日は妹紅の話でもしてやろうか。
予定していた話し合いは思ったより時間が短くすんだ、この分だと日没までには問題なく帰れそうだな。
ふと気づくと遅れ気味の妹紅に目を向けると、不機嫌を絵に描いたような顔をしていた。
無理も無いか。かなり強引に私に引っ張ってこられた挙句、子供達に散々おもちゃにされたのだからな。
先程の光景を思い返し……思わず笑みがこぼれる。
おっと、妹紅の顔が険しくなってきたな、いかんいかん。
「そういつまでも怖い顔をするな。
ほら、土産に貰った饅頭でも食べて機嫌を直せ」
「…………で、今度は私の饅頭の食べ方でも観察するのか」
どうもへそを曲げてしまったらしい。
普段はそっけないくせにこういうところは妙に子供っぽいなコイツは。
まあ、だから放っておけないんだが。
「子供達はお前の髪の色が珍しかったんだろう。そう怒ってやるな」
「私が怒ってるのはどちらかといえば、苦境にある友人をニヤニヤ眺めてた友達がいの無い奴に対してだけどな」
……やぶへびだったか?
余計な事は言わん方がよさそうだな。
「そうだ、もう一箇所寄りたい所があるんだが構わんか?」
「……好きにすれば」
一応の許可を貰ったので方向を変え村の外れに向かう。
いまだブツブツと文句は言うものの妹紅はついて来ているようだ。
「……で、こっちに何があるんだ?」
「ん、ああ、…………少しばかり知り合いがいてな」
「ふうん、訳有りってヤツ?」
「…………まあな」
「別に説明は要らないよ、関わる気もないし。村の時みたいに適当に離れて待ってるから」
「すまんな、妹紅。
少し扱いが難しい奴でな。時期が来たら紹介する」
「いいって、さっさと済ませてきなよ。
それとも先に帰ってようか?」
「いや、今日のところは顔を見に行くだけだからな、すぐ戻る」
近くまで行くと妹紅を残し目的の家敷に向かう。
いつもの通りならそろそろだし、どの程度か確認しておかないとかかる時間が判らんからな。
と、そこに私のそんな思いを覆す信じられないものを見た。
一人の少女が家敷の中から本などを外に出し埃を払っては虫干ししていく。
近くには日に当たる布団。
それはどう贔屓目に見ても掃除風景だった。
私はこの異変を急ぎ解決すべくその家敷に降り立つと私の来訪に気付いた少女は近付いてきた。
一見すると見慣れた顔だが私は油断なく少女を待ち受ける。
「あっ、慧音さん。どうもひさしぶ……
「貴様っ!本物の阿求をどこにやった!」
「……………………は?」
「本物の阿求が自分から自主的に片付けを始める訳がないだろう!正体を現せっ!」
「……顔を合わせるなりいきなりそれですかっ、こんちくしょう!本気で泣きますよ、この野郎っ!」
言葉どおり彼女はちょっぴり涙目だった。
「まあ、冗談はともかくとしてだ……」
「慧音さんの冗談はちっとも笑えません」
ムウッ……これでも村の年長者達には「慧音ちゃんの冗談は『はいせんす』だねえ」と評判なんだぞ。
ちなみに本物かどうか確認の為、彼女の歴史をちょっぴり覗いたのは君達と先生だけの秘密だ。
「一体全体どういう風の吹き回しだ?
てっきり去年までのように私が片付けをする事を覚悟していたのだが」
「……不本意ですが、家敷を人質にとられてはどうしようもありません」
「はっ?」
家を人質?
聞きなれない単語同士の繋がりに首をかしげていると、
「こら~~~~~~~~っ!阿~~~~求~~~~っ!!!
さぼってるんじゃないわよ~~~~~~~~っ!!!」
家敷の中から声が聞こえた。
ん?どこかで聞いたような声だな?どこだったか…………
思い出そうと奮戦していると声の主が家から出てきた……って、
「なっ!?風見幽香!?」
「あら、ワーハクタクじゃない。
あんたと人里以外で会うなんて珍しいわね」
何故コイツがここに!?
反射的に構えを取る私に風見幽香は笑顔になるとおもむろに近付いてくる。
クッ、やるか!
私は懐からスペルカードを取り出そうとし……
ガッ!
「なっ?!」
その腕を背後から阿求に掴まれる。
しまった!操られてる?!
気付いた時には既に目の前に風見幽香の姿。
私は思わず目を瞑り……
ガシッ!
「…………えっ!?」
なぜか阿求の掴んだ腕と逆の手を掴まれる。
おまけに二人してその腕を脇に抱え込んできた。
「労働力確保。このまま護送するわよ」
「了解です。すみませんねえ、慧音さん」
「はっ?えっ?
ち、ちょっと待て!一体どういう事だ~~~~!?」
私の悲鳴は空しくその場に鳴り響いた。
家庭的な幽香かわいいよ
まあ、こういうほのぼのなら続き見たいね
それでもこれはアリですw
続きに期待ですね
ものすげぇ幽香に親近感がw
他の方も書かれている設定的なものですが、
漫画版求聞史紀では何人かの使用人が確認できます
家もかなり広いです。具体的には池がある庭があるぐらい
屋敷とも呼べるレベルですね
まあそのへんは上手く修正ということで
次回にも期待
幽香って実はいい人(?)ですねw
幽香が作った手料理、是非食べてみたいものです。
後、前回も読んでいて感じたことなんですが、
場面転換をしているとは言え、急に語り手が変わった事に少々違和感を感じました。
これは次回早く読みたいわ~
漫画版求聞史紀の存在、作者は未確認でした。 orz
だとすると既に話し口調で違和感を感じてる方もいるかもしれません。
修正も考えたのですが……その場合、テーマ自体の書き直しから必要になる可能性も低くない為少々迷ってます。
今からでも手に入り確認出来ればよいのですが……
>2007-01-20 12:01:51の名前が無い程度の能力様
期待していただいてありがとうございます!
>ななし様
ハイ、まだまだ続きます。
ゆうかりんにはエプロンが似合います。はい、絶対です!
>蝦蟇口咬平様
今はほのぼのですが……フフフフフ……
>2007-01-20 15:30:22の名前が無い程度の能力様
続きを期待してくださる人が多くてびっくりしています。
期待に沿えるよう頑張ります!
>KOU様
幽香ですか。作者的にはあっきゅんの部屋に親近感がw
>2007-01-20 18:52:04の名前が無い程度の能力様
楽しんでいただければ幸いです!
>おひる様
申し訳ありません!
この辺、作者の文章力不足です。(謝)
一応間を開けて分かるようにはしているのですが……読みにくかったら申し訳ないです。
頭にサイド名でも入れようかな……
>2007-01-20 21:58:21の名前が無い程度の能力様
うわ、前回より良いと言われるのはかなり嬉しいです!
次回のもできるだけ早くお届けしたいと思います!
漫画版求聞史紀の存在を教えてくださった方ありがとうございます!
違和感を与えてしまって申し訳ありません。
最後まで読んでくださった全ての読者の方ありがとうございます!
次回も読んでいただけると幸いです!
視点ですがおひるさんと同じく、慧音視点に切り替わったときにちょっと戸惑いました。多分、冒頭で「稗田阿求としての一日」とあるため終始阿求の一人称だと勘違いしちゃったんじゃないかと思います。
あと最後の引きはちょっと態とらしいというか、取って付けた感があるというか、引きとしてあんまり意味を為してないように思います。前回の場合これから共同生活が始まる!って所で切られていたのでワクワクしましたが、今回のは既に始まっている掃除イベントに慧音が参戦しただけで、インパクトが弱い気がするんですよね。続きが気になるッ!!と思わせるなら慧音が阿求・幽香と会う直前または会って第一声を発したところとかが良いんじゃないかと…。いや現状でも充分気にはなってるんですけどね。ただそれは引きの影響じゃなくてストーリーそのものが面白いせいだと思うので…。
>屋敷な主 屋敷の主かなーと。
>本日の今を持って 以てかなーと。
続きが気になる。
ですが甘えすぎると部屋ごと魔砲で吹き飛ばされます。最もそんなツンデレなところがゆうかりんクオリティ。
ぐはっ!鋭い指摘です、やっぱり気になりますか……
実は二話が長くなりそうだったので慌てて途中で切る様な真似をしてしまったのです。
どう読み返しても指摘された部分で切った方が良いし……考えなさ過ぎだ自分 orz
視点に関してはやはりサイド名を入れようかと思ってます。無しで巧く表現できれば一番良いんでしょうが。
誤字の指摘、コメント、お褒めの言葉と盛り沢山、本当にありがとうございます!
>2007-01-21 01:02:44の名前が無い程度の能力様
はい!ゆうかりん×あっきゅんです!……アレ?
考えましたが、やはり漫画版求聞史紀との兼ね合いは難しそうです。
漫画版求聞史紀が好きな方には大変申し訳ありませんが、基本的にはアナザー物としてお楽しみいただけると幸いです。
違和感を与えてしまって申し訳ありませんでした。
最後まで読んでくださった全ての読者の方ありがとうございます!
うふふ、ふふ……
やっぱり、遅いなあ、書くの……
次回は2、3日中には発表できるので気長に待っていただけると幸いです。(謝)
もう誰も待ってなかったらどうしよう。(汗)
最後まで読んでくださった全ての読者の方ありがとうございます!