求聞史紀ちょいネタバレ
$月○日
「弱すぎて退屈だわ。」
私は床にのびてる人間を見下ろした。
こんなのが相手じゃ暇つぶしにもなりはしない。
殺してもいいのだが、安易に約束を違えるのは私のプライドが許さない。
まったくあの妖怪の提案なんか受け入れるんじゃなかったわ。
こんな奴相手の弾幕ごっこじゃ暇つぶしにもなりはしない。
「本調子じゃないパチェはともかくこんな奴を通すなんて・・・弛んでるわよ、咲夜。」
私は背後に控える咲夜にそういった。
実際昨日は追い返したのだ、正直私の出番が来るとは思わなかった。
「申し訳ありません、お嬢様。」
咲夜は神妙に頭を下げてそう言った。
丁寧な受け答え、しかし彼女の瞳に困惑の色が浮かぶのを私は見逃さなかった。
どうやら咲夜も自身が負けたことに納得がいってないようだ。
「まあいいわ。これだけ実力差を見せ付けたのだから二度とこないでしょ。
それ、片付けといてね。」
咲夜は頷くと次の瞬間には私の前から消えていた。
さすがは完璧で瀟洒なメイド、あれに負けたのも何かの間違いに違いない。
「それにしても・・・せっかく作ったのにもったいないわね。」
私は懐から5枚のカードを取り出してつぶやいた。
戯れに作ったとはいえ一枚ぐらいは使ってみたかったな。
$月■日
紅白の周りを紅の小弾が取り囲む。
紅の包囲網は徐々にその網を狭めてゆきついに獲物を飲み込んだ。
ピチューン、間抜けな被弾音と同時にゆっくりと紅白は落ちていった。
「まさか5枚目まで粘るとは思わなかったわ。」
あれから三日。
私の予想はあっさりはずれ、紅白は毎日紅魔館にやってきた。
紅白は徐々にこちらの弾幕に適応してゆき、私は手持ちのカードを毎日切り崩していく羽目になった。
どうやら私は紅白の実力を見誤っていたらしい、レッドマジックまで使うことになるとは思わなかった。
「咲夜、あなたを叱ったのは間違いだったかもね。たしかにこいつの対応力は中々のものだわ。」
あの妖怪はこのことを見越していたのかしら。まさか私が人間風情に負けそうになるとわね。
とはいえ遊びといえど吸血鬼が人間に負けるなんて私のプライドが許さない。
「でもそろそろ茶番は御仕舞いにしましょう、明日は紅魔館の恐ろしさを教えてあげなさい。」
咲夜はゆっくりと頷いた。口元にはうっすらと笑みが浮かんでいた。
私は確信した。もう紅白に出会うことは無いだろう。
私の咲夜を超える人間なんているはずが無いのだから。
$月/日
「退屈ね。咲夜出てきなさい・・・いないの?」
「レミリア様、メイド長は紅白の相手をしていらっしゃいます。もうしばらくお待ちください。」
「なんだあいつまだあきらめていなかったのか。往生際の悪い奴。」
遊びにはルールが必要だ。弾幕ごっこにおけるそれは弾幕の抜け道を作ること。
私はスペルカードシステムを受け入れたとき人間用、妖怪用のスペルカードを用意した。
大雑把にいえば人間用のスペルカードの抜け道がトンネルだとするなら、妖怪用のそれは針の穴。
本気をだした咲夜の弾幕を抜けてこられるはずも無い。
まあ妖怪用のスペルカードを使うことになるとはおもわなかったけど。
「仕方ない、そこのお前紅茶をいれてこい。」
咲夜の紅茶が飲めないのは残念だが紅白もそのうちあきらめるだろう。
そうすればスペルカードシステムは崩壊したも同然。
あの胡散臭い妖怪の顔をつぶしたと思えば少しは溜飲も下がるというものだ。
$月凸日
あれから三日。
結論からいうと私が間違っていた。
紅白は再び私の眼前に姿を現した。
$月×日
高速で迫り来る大玉を霊夢は紙一重でかわしていた。
当然だ。この程度で落ちるはずも無い。
並みの妖怪では反応することすらできないだろうが本命はそれではない。
その後に続く無数の小玉、それこそが本命だ。
周りの空間を埋め尽くすような小玉の群れ、その速度その密度は見るものを絶望させる。
ただひとりの人間を除いては。
霊夢は一瞬にも満たない間にわずかな隙間にもぐりこみ、的確にこちらに向けて針や札が打ち込んでくる。
どうして人の身でにそんなことができるのかはわからない。
しかし彼女はここ数日何度も起こしてきた奇跡を実行するに違いない。
最後の小玉の群れの中で舞い踊る彼女が見える。
後数瞬でこのスペルも破られるだろう。
なぜだか無性に嬉しくなって私は彼女に笑いかけた。
一瞬きょとんとした後彼女も笑った。
それだけで十分だった。
「まさかあそこで被弾するなんてね。期待はずれにもほどがある。咲夜を見習って欲しいわ。」
「その割にはお嬢様嬉しそうですよ。明日がそんなに楽しみですか、ちょっと嫉妬します。」
霊夢は気持ちよさそうに床で気絶していた。
撃った本人も忘れていた超低速弾に被弾したのだ。
打ち所が悪そうだったので心配したが、たいした怪我もなさそうだ。
これなら明日もやってくるだろう。
「おいそこのお前、霊夢を神社まで送り返して来い。乱暴に扱うんじゃないぞ。」
メイドに命令した後咲夜に答える。
「明日は咲夜が止めてくれるんだろう。この頃負けっぱなしじゃないか。情けない。」
そういいながらも私は確信していた。
明日霊夢と私が対峙する運命を。
$月%日
冴え冴えとした月光が降り注ぐ中私は霊夢に語りかける。
「やっぱり人間って使えないわね。」
霊夢はいぶかしげな顔をしてこちらを見た。
それもそのはずこの会話は
「・・・さっきのメイドは人間だったのか。」
初めて会った時のものだものね、覚えていてくれて嬉しいわ。
「あなた殺人犯ね。」
「一人までなら大量殺人犯じゃないから大丈夫よ。」
どうやら霊夢もこちらの意図を察したようだ、答える顔も楽しげだ。
そうこれは儀式、特別な宴を祝うには特別な行為が必要なのよ。
会話は進む。あの時と同じように。
「あなたは強いの。」
空には月が浮かんでいる。あの時と同じように。
「さあね。あんまり外に出して貰えないの。私が日光に弱いいから。」
でもあの時とは全てが違う。
「・・・なかなか出来るわね。」
私は霊夢を知っている、霊夢も私を知っている。
私達が唯一無二のダンスパートナーであることを。
「こんなにも月が紅いから本気で殺すわよ。」
今宵は満月
「こんなにも月が紅いのに」
最高のダンスを踊りましょうか。
「楽しい夜になりそうね。」
「長い夜になりそうね。」
$月○日
「弱すぎて退屈だわ。」
私は床にのびてる人間を見下ろした。
こんなのが相手じゃ暇つぶしにもなりはしない。
殺してもいいのだが、安易に約束を違えるのは私のプライドが許さない。
まったくあの妖怪の提案なんか受け入れるんじゃなかったわ。
こんな奴相手の弾幕ごっこじゃ暇つぶしにもなりはしない。
「本調子じゃないパチェはともかくこんな奴を通すなんて・・・弛んでるわよ、咲夜。」
私は背後に控える咲夜にそういった。
実際昨日は追い返したのだ、正直私の出番が来るとは思わなかった。
「申し訳ありません、お嬢様。」
咲夜は神妙に頭を下げてそう言った。
丁寧な受け答え、しかし彼女の瞳に困惑の色が浮かぶのを私は見逃さなかった。
どうやら咲夜も自身が負けたことに納得がいってないようだ。
「まあいいわ。これだけ実力差を見せ付けたのだから二度とこないでしょ。
それ、片付けといてね。」
咲夜は頷くと次の瞬間には私の前から消えていた。
さすがは完璧で瀟洒なメイド、あれに負けたのも何かの間違いに違いない。
「それにしても・・・せっかく作ったのにもったいないわね。」
私は懐から5枚のカードを取り出してつぶやいた。
戯れに作ったとはいえ一枚ぐらいは使ってみたかったな。
$月■日
紅白の周りを紅の小弾が取り囲む。
紅の包囲網は徐々にその網を狭めてゆきついに獲物を飲み込んだ。
ピチューン、間抜けな被弾音と同時にゆっくりと紅白は落ちていった。
「まさか5枚目まで粘るとは思わなかったわ。」
あれから三日。
私の予想はあっさりはずれ、紅白は毎日紅魔館にやってきた。
紅白は徐々にこちらの弾幕に適応してゆき、私は手持ちのカードを毎日切り崩していく羽目になった。
どうやら私は紅白の実力を見誤っていたらしい、レッドマジックまで使うことになるとは思わなかった。
「咲夜、あなたを叱ったのは間違いだったかもね。たしかにこいつの対応力は中々のものだわ。」
あの妖怪はこのことを見越していたのかしら。まさか私が人間風情に負けそうになるとわね。
とはいえ遊びといえど吸血鬼が人間に負けるなんて私のプライドが許さない。
「でもそろそろ茶番は御仕舞いにしましょう、明日は紅魔館の恐ろしさを教えてあげなさい。」
咲夜はゆっくりと頷いた。口元にはうっすらと笑みが浮かんでいた。
私は確信した。もう紅白に出会うことは無いだろう。
私の咲夜を超える人間なんているはずが無いのだから。
$月/日
「退屈ね。咲夜出てきなさい・・・いないの?」
「レミリア様、メイド長は紅白の相手をしていらっしゃいます。もうしばらくお待ちください。」
「なんだあいつまだあきらめていなかったのか。往生際の悪い奴。」
遊びにはルールが必要だ。弾幕ごっこにおけるそれは弾幕の抜け道を作ること。
私はスペルカードシステムを受け入れたとき人間用、妖怪用のスペルカードを用意した。
大雑把にいえば人間用のスペルカードの抜け道がトンネルだとするなら、妖怪用のそれは針の穴。
本気をだした咲夜の弾幕を抜けてこられるはずも無い。
まあ妖怪用のスペルカードを使うことになるとはおもわなかったけど。
「仕方ない、そこのお前紅茶をいれてこい。」
咲夜の紅茶が飲めないのは残念だが紅白もそのうちあきらめるだろう。
そうすればスペルカードシステムは崩壊したも同然。
あの胡散臭い妖怪の顔をつぶしたと思えば少しは溜飲も下がるというものだ。
$月凸日
あれから三日。
結論からいうと私が間違っていた。
紅白は再び私の眼前に姿を現した。
$月×日
高速で迫り来る大玉を霊夢は紙一重でかわしていた。
当然だ。この程度で落ちるはずも無い。
並みの妖怪では反応することすらできないだろうが本命はそれではない。
その後に続く無数の小玉、それこそが本命だ。
周りの空間を埋め尽くすような小玉の群れ、その速度その密度は見るものを絶望させる。
ただひとりの人間を除いては。
霊夢は一瞬にも満たない間にわずかな隙間にもぐりこみ、的確にこちらに向けて針や札が打ち込んでくる。
どうして人の身でにそんなことができるのかはわからない。
しかし彼女はここ数日何度も起こしてきた奇跡を実行するに違いない。
最後の小玉の群れの中で舞い踊る彼女が見える。
後数瞬でこのスペルも破られるだろう。
なぜだか無性に嬉しくなって私は彼女に笑いかけた。
一瞬きょとんとした後彼女も笑った。
それだけで十分だった。
「まさかあそこで被弾するなんてね。期待はずれにもほどがある。咲夜を見習って欲しいわ。」
「その割にはお嬢様嬉しそうですよ。明日がそんなに楽しみですか、ちょっと嫉妬します。」
霊夢は気持ちよさそうに床で気絶していた。
撃った本人も忘れていた超低速弾に被弾したのだ。
打ち所が悪そうだったので心配したが、たいした怪我もなさそうだ。
これなら明日もやってくるだろう。
「おいそこのお前、霊夢を神社まで送り返して来い。乱暴に扱うんじゃないぞ。」
メイドに命令した後咲夜に答える。
「明日は咲夜が止めてくれるんだろう。この頃負けっぱなしじゃないか。情けない。」
そういいながらも私は確信していた。
明日霊夢と私が対峙する運命を。
$月%日
冴え冴えとした月光が降り注ぐ中私は霊夢に語りかける。
「やっぱり人間って使えないわね。」
霊夢はいぶかしげな顔をしてこちらを見た。
それもそのはずこの会話は
「・・・さっきのメイドは人間だったのか。」
初めて会った時のものだものね、覚えていてくれて嬉しいわ。
「あなた殺人犯ね。」
「一人までなら大量殺人犯じゃないから大丈夫よ。」
どうやら霊夢もこちらの意図を察したようだ、答える顔も楽しげだ。
そうこれは儀式、特別な宴を祝うには特別な行為が必要なのよ。
会話は進む。あの時と同じように。
「あなたは強いの。」
空には月が浮かんでいる。あの時と同じように。
「さあね。あんまり外に出して貰えないの。私が日光に弱いいから。」
でもあの時とは全てが違う。
「・・・なかなか出来るわね。」
私は霊夢を知っている、霊夢も私を知っている。
私達が唯一無二のダンスパートナーであることを。
「こんなにも月が紅いから本気で殺すわよ。」
今宵は満月
「こんなにも月が紅いのに」
最高のダンスを踊りましょうか。
「楽しい夜になりそうね。」
「長い夜になりそうね。」
霊夢スキーは怒るかもれんがw
悪くないと思いました。
具体的に何が引っかかるのかは分かりませんが及第ではないかと、個人的には思います。
と思って読み返したら霊夢負けっぱなしですね
文章力に関する指摘はもっともだと思います
SSを書くのは初めてですが地の文を書くのが
こんなに難しいとは思いませんでした
状景描写をしようにも全然言葉が浮かんできません
ぼちぼち書いていくつもりですんで気が向いたらまた見てやってください
霊夢”らしさ”が全然存在しないのに違和感を感じた。
>面白くない
そうだな。だからこそどこかに味が出ているところがないかと探す気持ちが芽生える。
霊夢厨やレミ厨からは嫌われるのだろうが、これじゃあ某半島とイコールだ。
チルノで3ミス、レミリアで1ミスで紅魔卿をクリアしたときはとても嬉しかった・・・
自分もゲームのことを思い返しながら書いてたんで
Lunaのレミリア様はなかなかデレてくれませんが
ただちょっと気になった点をふたつほど。
台詞中の最後には、句点はつけない方がよかったかと思います。
「まあいいわ。これだけ実力差を見せ付けたのだから二度とこないでしょ。
それ、片付けといてね『。』」
もうひとつは、読点が少なめに感じたところ。
読み直しながら整理してみると、文の読みやすさが向上するかもしれません。
SSを書くのは初めてとのことなので、これからにも期待しています。
会話文の最後は句点をつけないなんて初めて知りました。
読点の打ち方も考えてみます。
書く側になり、初めて気づくことが多く新鮮です。
文句を吐きながらもしっかりと相手をするレミリア。
信頼と寛容な幻想郷でした。
プレイヤーとしての視点(?)で書かれた霊夢と言うのも良いものですねぇ……