「腹が減ったぜ、何かくれ」
「あんたは物乞いか」
「おう。だからくれ」
「うわ、開き直ってるし」
黒白の魔法使いと紅白の巫女。
二人は今、その場に縛られたように動こうとしない。
炬燵の温もりにすっかり魅了されて。
「霊夢ー。腹減ったー。飯ー」
「そんなに言うなら自分でやったら?」
「やめとくぜ。寒い」
意欲のない声で会話が飛び交う。
そして隣には、蜜柑の皮で一杯になったゴミ箱。
恐るべし、炬燵の魔力。
「のんびりするのはいいけど、もう日が暮れたわよ」
「心配するな。ここ借りるぜ」
「……今度は何をやったのよ」
「…暖かくしようとしたら、逆に風通しがよくなった」
「程々にしなさいよ」
「素敵な夜空が拝めるぜ」
右手を伸ばして座布団を掴むと、魔理沙に向かって放り投げる。
抗議の声を「枕よ。どうせそこから動く気はないんでしょ?」の一言で黙らせる。
何やらぶつぶつ呟いているようだが、聞き流す。
数分後には寝息が聞こえてくる。
どれもいつものことだ。
今年ももうすぐ終わる。この時期になると自然と思い浮かぶ言葉。
この一年を振り返ってみれば、いつも通りに何らかの騒動があった。
騒動が起こる度に、解決するしないはそっちのけで、とりあえず首を突っ込む魔理沙。
口では面倒臭がっていても、実は暇を潰せて楽しんでいたりする霊夢。
騒動を起こすのも鎮めるのも、彼女達にとってはそれこそ暇潰し程度にしかならない。
きっと来年もまた、そんな騒動ごっこが待っているのだろう。
何が待っているかを考えようとはしない。
考えなくてもやってくるものを今考えたら、やってきた時の楽しみが減ってしまうから。
前に起きたことは、もう既にその時に考えたからこれ以上考えることもない。
だから、考えるのは目の前のことになる。
「森に住んだり、夜、神社に忍び込むのは大抵、物乞いなのよね」
こうして夜は更けてゆく。
「あんたは物乞いか」
「おう。だからくれ」
「うわ、開き直ってるし」
黒白の魔法使いと紅白の巫女。
二人は今、その場に縛られたように動こうとしない。
炬燵の温もりにすっかり魅了されて。
「霊夢ー。腹減ったー。飯ー」
「そんなに言うなら自分でやったら?」
「やめとくぜ。寒い」
意欲のない声で会話が飛び交う。
そして隣には、蜜柑の皮で一杯になったゴミ箱。
恐るべし、炬燵の魔力。
「のんびりするのはいいけど、もう日が暮れたわよ」
「心配するな。ここ借りるぜ」
「……今度は何をやったのよ」
「…暖かくしようとしたら、逆に風通しがよくなった」
「程々にしなさいよ」
「素敵な夜空が拝めるぜ」
右手を伸ばして座布団を掴むと、魔理沙に向かって放り投げる。
抗議の声を「枕よ。どうせそこから動く気はないんでしょ?」の一言で黙らせる。
何やらぶつぶつ呟いているようだが、聞き流す。
数分後には寝息が聞こえてくる。
どれもいつものことだ。
今年ももうすぐ終わる。この時期になると自然と思い浮かぶ言葉。
この一年を振り返ってみれば、いつも通りに何らかの騒動があった。
騒動が起こる度に、解決するしないはそっちのけで、とりあえず首を突っ込む魔理沙。
口では面倒臭がっていても、実は暇を潰せて楽しんでいたりする霊夢。
騒動を起こすのも鎮めるのも、彼女達にとってはそれこそ暇潰し程度にしかならない。
きっと来年もまた、そんな騒動ごっこが待っているのだろう。
何が待っているかを考えようとはしない。
考えなくてもやってくるものを今考えたら、やってきた時の楽しみが減ってしまうから。
前に起きたことは、もう既にその時に考えたからこれ以上考えることもない。
だから、考えるのは目の前のことになる。
「森に住んだり、夜、神社に忍び込むのは大抵、物乞いなのよね」
こうして夜は更けてゆく。
何をやったか、だいたい想像できてしまうニヤリとさせられる言い回し。魔理沙らしさもあって良いです。
忍び込まずに堂々と入ってくる魔理沙はもうヒモの域に入っているのかもしれない…
眺める→眺められる、拝める?
こたつの魔力を存分に感じました。
でも、他の方がおっしゃられているように、ちょっと短いような…。
「あいうえお作文」という枠にとらわれすぎて
物語本来のおもしろさが損なわれてしまっている気がします。
もう少し雰囲気に浸っていたかったです。
ご指摘ありがとうございます。修正させて頂きました。
次はもう少し長くしてみます。いえ、しています。
今回は……、短いですがとりあえずこのままにしようと思います。