「何だ・・・お宅のお宝鑑定します?」
僕の作ったチラシを見て首を傾げたのは霧雨魔理沙(僕内ランク2位)。
僕の妹弟子である。
「ああ、僕の能力が何かの役に立つんじゃないかと思ってね」
「へえ?しかし、こーりんが誰かのために働くなんてなあ。明日は雨が降りそうだぜ」
「何を言ってるんだ。僕はいつも周りのことを気にかけてるつもりなんだけどね」
尤も・・・気にかけるだけで何かしようとは思わないのだけれど。
「でも、いつも気にかけるだけで何もしないこーりんがどうしてこんな事を始めたんだ?」
・・・何故だろうか?他人に言われると無性に腹が立つ。
「ふっふっふ・・・なあに、簡単な事だよ魔理沙君。
お金が無くてこのままだと冬が越せないだけさ」
・・・言ってて悲しくなってきた。
「そう言うことなら、早速依頼・・・」
「対価を支払う意志のない人の依頼は受け付けないからな。」
「けちー」
「・・・君がそんなんだから僕は余計な苦労をだね・・・」
「・・・借りて言ってるのは品物だけだし、此処の売り上げには無関係だろ?」
ぐっ・・・
確かにそうだ。ただ愚痴りたかっただけである。
実際に問題なのは依頼品を作るのにお金が必要な上、
それを含めた品代を払っていかない霊夢(僕内ランク3位)の方なのだから。
「霖之助さーん?」
ああ、噂をすればって奴か。
「何よ、そんな会いたくなかった、みたいな顔して。失礼ね」
「君がツケを支払ってくれれば歓迎するんだけどね」
「ツケなんてあったかしら?」
・・・彼女は僕の店が慈善事業か何かだと思っているらしい。(ランク↓1。)
「私の仕事は此処の平和を守ること。つまり霖之助さんの安全にもつながってるのよ?
それに比べたら、御祓い棒の代金くらい・・・」
「ならせめて、お茶代と石炭代位は払ってくれないかな?」
「賽銭箱にお金が入ってたらね」
結局、永遠に支払う気はないらしい。(ランク更に↓1。霊夢→巫女)
「おい霊夢、お前は何しに来たんだ?遊びに来たって訳じゃ無いんだろ?」
魔理沙が、遊び道具を見つけた子供の様に目を輝かせて尋ねる。
そう言えばこの前狐のお嬢さんと一緒に来た猫の娘があんな目をしてたっけか?
「え、ああ忘れてたわ。このチラシの内容は本当なの?」
と、旧知の妖怪に頼んでばらまいてもらったビラを出す。
『お宅のお宝鑑定します!!
使い道が分からないもの、名前が分からないもの、有りませんか?
魔法の森・香霖堂店主 森近霖之助が出張鑑定いたします。
モノが多くて持ち込めない人は是非どうぞ。 代金は・・・』
「ああ、本当だが何か?」
「じゃあ早速鑑定・・・」
「代金を支払う意志のない依頼は受け付けないぞ。」
「えー。」
ぶーぶー、といった感じに唇をとがらせる巫女。
代金払わないならせめて持って来い。
「どうでも良いけど、こーりんはモノの名前と使い道は分かっても使い方は分からないだろ?」
「まあ、そこら辺は自力で何とかしてもらうさ」
・・・時々、魔理沙は鋭い。
-小休止-
「ごめんください、森近さんはいらっしゃるかしら?」
「お、咲夜じゃないか。」
「あら、魔理沙じゃない。」
「今日は、咲夜」
「霊夢も居たのね。まあ、良いわ。」
魔理沙と巫女に挨拶しながら入って来たのは、お得意様の紅魔のメイド。
「ああ、いらっしゃい。今日も何か食器を?」
「いえ・・・美鈴がこのチラシを見つけてきて・・・お嬢様が是非にと。」
おお、早速お客様が。
「ああ、そうでしたか。いえいえ、代金さえ払ってもらえれば何処へでも付いて行きます とも!!」
『代金さえ』の部分に力を込めて言う。
紅魔のメイド長は「苦労してるのね」と、優しく声をかけてくれた。
あれ・・・何だろうこの目から出てくる水は・・・。
「がんばってねー」
君のせいで頑張る羽目になってるんだ、巫女。(ランク↓2。巫女→紅白)
~こーりんの 何でもお宝?鑑定団(一人) 紅魔館編~
「あら、咲夜。遅かったわね。」
魔理沙に店を任せて、紅魔館に急ぎやってきた僕を迎えたのは幼い女の子。
尤も、此処では見た目など当てにならないが。
「申し訳ありません、お嬢様。こちらが、香霖堂の・・・」
「森近 霖之助です。初めまして」
どうも彼女が今回の依頼人らしい。
「あら、そう。で、このチラシにある『何でも鑑定』って言うのは本当なのかしら?」
「ええ。少なくとも名前と使い道はお教え出来ますが。」
と言うか、それしか分からない。
「じゃあ、ちょっとテストね。これの中身を鑑定してみなさいな
中身は見ないでね。」
「お嬢様!?」
「あら・・・何でも、と言うからにはそれくらいは簡単に出来るでしょう?」
「ええ、まあ。触れれば分かります。」
試される、というのはあまり気分のいいものではないが・・・これも冬を越すため。
渡された、袋の口を開けて、中身に触れる。
柔らかく、ほんのり暖かい何か。
「・・・ええと・・・名前は・・・?名前が二つある・・・。」
「へえ?」
「あー、この名前はホンメイリンもしくはチュウゴク
使い道は・・・おもちゃ?」
「あら、合格ね」
(ふが、ふぎゃ・・・ほんはー)
そんなー、と言いたいのだろうか・・・。
さて、テストに合格点をもらった僕は、『ツメタイチカシツ』へ案内された。
紅魔の主は周囲の棚を指さして言う。
「さて、貴方に頼むのはこれよ。」
「」
「あら、どうしたの?」
僕の目の前には、透明な容器に入った
いちめんのけつえき、いちめんのけつえき、いちめんのけつえき、いちめんのけつえき、
いちめんのけつえき、いちめんのけつえき、いちめんのけつえき、いちめんのけつえき、
いちめんのけつえき、いちめんのけつえき、いちめんのけつえき、いちめんのけつえき、
いちめんのけつえき、いちめんのけつえき、いちめんのけつえき、いちめんのけつえき、
恐る恐る一つ手に取る。
-名前:A型血液 用途:知りたくない-
世の中、知ってはいけない事が-
「どうしたの?分からないのかしら。」
「エエト・・・ナニヲカンテイスレバイイノデスカ?」
「血液型。O型は大味で嫌いだからそれだけ除いてくれれば良いわ。」
「ハイ、ワカリマシタ。」
考えないようにして、O型の血液だけ分類する。
それを、メイド長が「これは妹様用ね」
とか言ってキッチンへ・・・ハッ、僕は何も見なかった。見なかった。
-青年鑑定中-
「お、終わった・・・」
あまりの(精神的)疲労に、ドアの前に座り込む。
「お疲れ様です」
と、わざわざ僕に目線を会わせて座ってくれるメイド長。
ああ、そういえば僕に付きっきりだったか。
これはLOVE?LOVEだね?
いや、見張ってるだけだろうけど夢くらい見ても良いだろう?
まあ、窃盗を用心してるなら安心だ、少なくともこんなモノ僕は要らない。
さて・・・、僕はこれから或る質問をする
・・・分かってるさ、聞かない方が良いなんて事は。
嗚呼、でも僕の知的好奇心がそれを許さない。
「コレ、どうやって集めたんですか?」
勇気を振り絞って口にした質問に意外にもあっさり答えるメイド長。
「(美鈴が)看護師の格好をして・・・
献血と偽って集め(させ)て来ました・・・。」
思わずナース服のメイド長を想像。
あわてて上を向いて首を叩く。
そうか、大分前に買っていった服はそのための・・・
スタイルも良いし、きっと似合う事だろう。
尤も、先ほど袋に入っていた玩具ほどでは無いが・・・。
「それにしても、やけにあっさり答えてくれましたね?」
「もしレミリア様が人を殺して血を・・・なんて噂でも立ったら色々と厄介ですから。」
ああ、紅白とか、あとは家のお得意様の上白沢嬢とかか。
「あら、話し声が聞こえるっって事は終わったって事なのかしら?」
館の主が勢いよくドアを開ける。
もちろん、ドアの前に座り込んでいた僕は前のめりに転ぶ。
ふに、と手に柔らかい感触。
嗚呼、これはメイド長の・・・もう死んでも良い。
-名前:ムネパッド 用途:胸を大きく見せる-
「え、偽物?」
思わず、つぶやく。
「ナニガ、ニセモノナノカシラ・・・?」
・・・師匠、長く生きて来ましたが、今日初めて鬼という種族を見ました。
もうすぐそちらに逝きます。
本日の香霖堂売り上げ
お茶代(紅白が持って行ったらしい) -1000
鑑定代(結局、逃げるのがやっとで貰えなかった) 0
弾幕を始めた魔理沙と霊夢が壊した品代 -25210
魔理沙と霊夢が使った石炭代 -400
合計 -26610 円
僕の作ったチラシを見て首を傾げたのは霧雨魔理沙(僕内ランク2位)。
僕の妹弟子である。
「ああ、僕の能力が何かの役に立つんじゃないかと思ってね」
「へえ?しかし、こーりんが誰かのために働くなんてなあ。明日は雨が降りそうだぜ」
「何を言ってるんだ。僕はいつも周りのことを気にかけてるつもりなんだけどね」
尤も・・・気にかけるだけで何かしようとは思わないのだけれど。
「でも、いつも気にかけるだけで何もしないこーりんがどうしてこんな事を始めたんだ?」
・・・何故だろうか?他人に言われると無性に腹が立つ。
「ふっふっふ・・・なあに、簡単な事だよ魔理沙君。
お金が無くてこのままだと冬が越せないだけさ」
・・・言ってて悲しくなってきた。
「そう言うことなら、早速依頼・・・」
「対価を支払う意志のない人の依頼は受け付けないからな。」
「けちー」
「・・・君がそんなんだから僕は余計な苦労をだね・・・」
「・・・借りて言ってるのは品物だけだし、此処の売り上げには無関係だろ?」
ぐっ・・・
確かにそうだ。ただ愚痴りたかっただけである。
実際に問題なのは依頼品を作るのにお金が必要な上、
それを含めた品代を払っていかない霊夢(僕内ランク3位)の方なのだから。
「霖之助さーん?」
ああ、噂をすればって奴か。
「何よ、そんな会いたくなかった、みたいな顔して。失礼ね」
「君がツケを支払ってくれれば歓迎するんだけどね」
「ツケなんてあったかしら?」
・・・彼女は僕の店が慈善事業か何かだと思っているらしい。(ランク↓1。)
「私の仕事は此処の平和を守ること。つまり霖之助さんの安全にもつながってるのよ?
それに比べたら、御祓い棒の代金くらい・・・」
「ならせめて、お茶代と石炭代位は払ってくれないかな?」
「賽銭箱にお金が入ってたらね」
結局、永遠に支払う気はないらしい。(ランク更に↓1。霊夢→巫女)
「おい霊夢、お前は何しに来たんだ?遊びに来たって訳じゃ無いんだろ?」
魔理沙が、遊び道具を見つけた子供の様に目を輝かせて尋ねる。
そう言えばこの前狐のお嬢さんと一緒に来た猫の娘があんな目をしてたっけか?
「え、ああ忘れてたわ。このチラシの内容は本当なの?」
と、旧知の妖怪に頼んでばらまいてもらったビラを出す。
『お宅のお宝鑑定します!!
使い道が分からないもの、名前が分からないもの、有りませんか?
魔法の森・香霖堂店主 森近霖之助が出張鑑定いたします。
モノが多くて持ち込めない人は是非どうぞ。 代金は・・・』
「ああ、本当だが何か?」
「じゃあ早速鑑定・・・」
「代金を支払う意志のない依頼は受け付けないぞ。」
「えー。」
ぶーぶー、といった感じに唇をとがらせる巫女。
代金払わないならせめて持って来い。
「どうでも良いけど、こーりんはモノの名前と使い道は分かっても使い方は分からないだろ?」
「まあ、そこら辺は自力で何とかしてもらうさ」
・・・時々、魔理沙は鋭い。
-小休止-
「ごめんください、森近さんはいらっしゃるかしら?」
「お、咲夜じゃないか。」
「あら、魔理沙じゃない。」
「今日は、咲夜」
「霊夢も居たのね。まあ、良いわ。」
魔理沙と巫女に挨拶しながら入って来たのは、お得意様の紅魔のメイド。
「ああ、いらっしゃい。今日も何か食器を?」
「いえ・・・美鈴がこのチラシを見つけてきて・・・お嬢様が是非にと。」
おお、早速お客様が。
「ああ、そうでしたか。いえいえ、代金さえ払ってもらえれば何処へでも付いて行きます とも!!」
『代金さえ』の部分に力を込めて言う。
紅魔のメイド長は「苦労してるのね」と、優しく声をかけてくれた。
あれ・・・何だろうこの目から出てくる水は・・・。
「がんばってねー」
君のせいで頑張る羽目になってるんだ、巫女。(ランク↓2。巫女→紅白)
~こーりんの 何でもお宝?鑑定団(一人) 紅魔館編~
「あら、咲夜。遅かったわね。」
魔理沙に店を任せて、紅魔館に急ぎやってきた僕を迎えたのは幼い女の子。
尤も、此処では見た目など当てにならないが。
「申し訳ありません、お嬢様。こちらが、香霖堂の・・・」
「森近 霖之助です。初めまして」
どうも彼女が今回の依頼人らしい。
「あら、そう。で、このチラシにある『何でも鑑定』って言うのは本当なのかしら?」
「ええ。少なくとも名前と使い道はお教え出来ますが。」
と言うか、それしか分からない。
「じゃあ、ちょっとテストね。これの中身を鑑定してみなさいな
中身は見ないでね。」
「お嬢様!?」
「あら・・・何でも、と言うからにはそれくらいは簡単に出来るでしょう?」
「ええ、まあ。触れれば分かります。」
試される、というのはあまり気分のいいものではないが・・・これも冬を越すため。
渡された、袋の口を開けて、中身に触れる。
柔らかく、ほんのり暖かい何か。
「・・・ええと・・・名前は・・・?名前が二つある・・・。」
「へえ?」
「あー、この名前はホンメイリンもしくはチュウゴク
使い道は・・・おもちゃ?」
「あら、合格ね」
(ふが、ふぎゃ・・・ほんはー)
そんなー、と言いたいのだろうか・・・。
さて、テストに合格点をもらった僕は、『ツメタイチカシツ』へ案内された。
紅魔の主は周囲の棚を指さして言う。
「さて、貴方に頼むのはこれよ。」
「」
「あら、どうしたの?」
僕の目の前には、透明な容器に入った
いちめんのけつえき、いちめんのけつえき、いちめんのけつえき、いちめんのけつえき、
いちめんのけつえき、いちめんのけつえき、いちめんのけつえき、いちめんのけつえき、
いちめんのけつえき、いちめんのけつえき、いちめんのけつえき、いちめんのけつえき、
いちめんのけつえき、いちめんのけつえき、いちめんのけつえき、いちめんのけつえき、
恐る恐る一つ手に取る。
-名前:A型血液 用途:知りたくない-
世の中、知ってはいけない事が-
「どうしたの?分からないのかしら。」
「エエト・・・ナニヲカンテイスレバイイノデスカ?」
「血液型。O型は大味で嫌いだからそれだけ除いてくれれば良いわ。」
「ハイ、ワカリマシタ。」
考えないようにして、O型の血液だけ分類する。
それを、メイド長が「これは妹様用ね」
とか言ってキッチンへ・・・ハッ、僕は何も見なかった。見なかった。
-青年鑑定中-
「お、終わった・・・」
あまりの(精神的)疲労に、ドアの前に座り込む。
「お疲れ様です」
と、わざわざ僕に目線を会わせて座ってくれるメイド長。
ああ、そういえば僕に付きっきりだったか。
これはLOVE?LOVEだね?
いや、見張ってるだけだろうけど夢くらい見ても良いだろう?
まあ、窃盗を用心してるなら安心だ、少なくともこんなモノ僕は要らない。
さて・・・、僕はこれから或る質問をする
・・・分かってるさ、聞かない方が良いなんて事は。
嗚呼、でも僕の知的好奇心がそれを許さない。
「コレ、どうやって集めたんですか?」
勇気を振り絞って口にした質問に意外にもあっさり答えるメイド長。
「(美鈴が)看護師の格好をして・・・
献血と偽って集め(させ)て来ました・・・。」
思わずナース服のメイド長を想像。
あわてて上を向いて首を叩く。
そうか、大分前に買っていった服はそのための・・・
スタイルも良いし、きっと似合う事だろう。
尤も、先ほど袋に入っていた玩具ほどでは無いが・・・。
「それにしても、やけにあっさり答えてくれましたね?」
「もしレミリア様が人を殺して血を・・・なんて噂でも立ったら色々と厄介ですから。」
ああ、紅白とか、あとは家のお得意様の上白沢嬢とかか。
「あら、話し声が聞こえるっって事は終わったって事なのかしら?」
館の主が勢いよくドアを開ける。
もちろん、ドアの前に座り込んでいた僕は前のめりに転ぶ。
ふに、と手に柔らかい感触。
嗚呼、これはメイド長の・・・もう死んでも良い。
-名前:ムネパッド 用途:胸を大きく見せる-
「え、偽物?」
思わず、つぶやく。
「ナニガ、ニセモノナノカシラ・・・?」
・・・師匠、長く生きて来ましたが、今日初めて鬼という種族を見ました。
もうすぐそちらに逝きます。
本日の香霖堂売り上げ
お茶代(紅白が持って行ったらしい) -1000
鑑定代(結局、逃げるのがやっとで貰えなかった) 0
弾幕を始めた魔理沙と霊夢が壊した品代 -25210
魔理沙と霊夢が使った石炭代 -400
合計 -26610 円