『ドクダミハザード5-エピローグ-』
第三次ドクダミファンタジアから数日後……。
耳に心地良い小鳥達のさえずりを聞きながら……自室側の専用浴場で輝夜は贅沢に朝風呂を楽しんでいた。
その湯船には布袋に包んだドクダミがぷかぷかと浮かんでいる。
「んふふ~、お肌がすべすべになった気がするわ」
汗疹や湿疹、アトピー、水虫、ニキビなど……いろいろ効くらしい。
輝夜は元々肌がすべすべのもち肌なので、気分的な要素が大きいかもしれないが、その表情や声からすこぶるご機嫌なことが窺える。
だが乾燥させていないので風呂場には異臭が漂っていた。輝夜は気にならないらしいが、本来は乾燥させて用いるのである。
乾燥させなくても良いらしい、諸説ある。とにかくすごい薬草なのだ。永琳特製なのでその効果はさらに素晴らしい。
「ほふぅ……慣れればこの臭い、良い匂いにさえ感じる」
芯から温まった身体には、秋の爽やかな風が心地良い事だろう。
風呂に入る前に縁側から空を見上げたら素晴らしい秋晴れだった、うろこ雲なんかも浮かんでいたりして……。
浴槽の側面にもたれかかり、少し身体を横に揺すると更に体の奥まで熱が伝わる気がする。
「はぁ~……」
流石は永遠亭当主、外は大変だというのに腰が落ち着いている。
その外。永遠亭の廊下では、十一人のイナバ達が白いワンピースを迷彩柄に塗ってイナバゾンビ殲滅のために戦っていた。
鈴仙、てゐ、そして残り八人は絞り隊と……何故か混ぜられて地上兎スタンダードのもち型付け耳とワンピースを装着した魔理沙。
絞り隊は流石にDを投与されてるだけあって丈夫で、SFマスタースパークに巻き込まれてもすぐに復活したのだった。
魔理沙の普段の白黒服は臭すぎるのでずっと干していた。丁度良く晴れが続いているのでいずれ臭いも消えるだろう。
「八意消臭『クサクサG』!! 設置!!」
一人のイナバが小さな筒を、まるでラグビーの「トライ」をするように永遠亭の床に設置した。
それを見たリーダーのてゐがコクリと頷き、振り返って他の面子にも指示を出す。
「よし、引き返すわよ!! 次は『イ-17』ポイント!!」
「了解しました因幡様!!」
「おい、てゐ!! 後ろからイナバゾンビの大群だ、引き返せないぜ!! 飛べばいけるけど!!」
魔理沙イナバが後ろから迫り来るイナバゾンビの大群を指差しててゐに状況を伝えた。
てゐは「ふん」と鼻で笑うと、不敵な笑顔で大胆な作戦を指示した。
「飛ぶなんて無粋よ!! 強行突破するわ!! 鈴仙と魔理沙、突破口を開きなさい!!」
「わかった! 鈴仙、遅れるなよ!!」
「そっちこそね!」
絞り隊とリーダー二人、そして魔理沙に永琳、輝夜を除いた永遠亭の全イナバは既にイナバゾンビと化していた。
「消臭剤を置いてしばらくすれば治る」という永琳の指示の下、
生き残ったイナバスペシャルフォースは、永琳特製の強力消臭剤を永遠亭中に設置する任務を背負う。
「スターダストレヴァリエだーっ!! おりゃおりゃおりゃーっ!!」
「でぃ~……」
「魔理沙、後ろ!!」
魔理沙イナバに後ろから抱き付こうとしていたイナバゾンビに回し蹴りを見舞った鈴仙。
ふわりと流れるその美しい長髪からは、やはりドクダミ臭が漂って台無し。
「おっと!? 助かったぜ鈴仙」
「あんたまだまだ脇が見えてないわね、ふふっ」
「へぇへぇ」
あの後、全身ぬらぬらにされてボロクズにように捨てられ、地下室で三人呆けていた。
責任を感じた永琳は事態の収拾に動き、もちろん鈴仙はそれに協力。
そして魔理沙は暴れたいという理由だけで永琳への協力を申し出た。
魔法を使えなくなってしまったのはそれほどにショックだったのだろう。
弾幕を放つ魔理沙の額には汗のしずくが宝石のように輝いていた。
「手始めにここで暴れてやるぜ」その表情に疲れは無く、生き生きとしている。
八雲邸では、ぼろぼろにされた家の周辺を藍が一人で掃除している。
家そのものを魔理沙に攻撃されなかったのは不幸中の幸いだったろう。流れ弾で壊れた部分は少しあるが、そこまで深刻ではない。
「紫様はどこまで飛んで行かれたのだろう……スキマで帰ってこられないようなところまで飛んだのか?」
もちろん橙も居ない。藍にしてみればこういうときこそ側に居てほしいものなのに、まったく気ままなものだ。
藍はあの後……魔理沙がタンクごとDをかけられている頃に目を覚まし、急いで逃げ帰ったのだった。
しかし紫は行方不明だわ、橙も行方不明だわ、家と家の周りはぼろぼろだわ……。
霊夢の説教で意気消沈しているのもあって、最悪の気分だった。
「修行不足なのだろうか……」
頭と共に垂れ下がる尻尾には毛が無い。
ただでさえ力無げなのに、尻尾の毛が無いだけでその光景は悲しさを倍増させる。
「紫様が帰るまで藍はいつまでも待ちます……」
毛無げ、いや健気。
倒れた木々を一箇所に集め、飛び散っている土くれを箒で集めてクレーターの中に詰め込んで踏み固め……。
箒を見ていると魔理沙を思い出して不愉快だった。
考えてみれば、全ての原因は紫にあるので藍は完全にとばっちりを食ったことになる。
しかし霊夢の言うように、紫が珍事を起こす前に阻止できる存在は身近にあって尚且つ、ある程度の発言権も持つ藍ぐらいだろう。
気絶している間に巻き込まれてばかりだった今回はともかく、今まで紫を放置していた藍にまったく責任が無いというわけでもない。
(魔理沙いじめをするときに少し止めにかかるべきだったかもしれない……)
そんな取り留めのない自責の念が胸を押しつぶし、藍の目から一粒の涙がこぼれ落ちた。
だがそれを笑う者も、慰める者も居ない。
「精進します……」
寂しくて仕方がなくなったとき……藍の式神である橙の気配を感じた。
くるくると回りながら藍の所へ近付いてきて、ある程度の距離で着陸し、クレーターを飛び越えながら駆け寄ってくる。
自分の式神に泣きついて慰めてもらうなんて情けないことはできないが、それでも可愛らしい橙を見ていればいくらかの励みになるだろう。
しかしどうしたことか。橙の顔もまた涙に濡れている。二人の距離が狭まるにつれてそれは明らかになった。
「藍さまぁーっ!!」
「んっ? どうしたの橙……」
「チルノのところに行ったらね……家が緑色になってて、チルノから変な臭いがして……」
藍は泣いていることを悟られないように慌てて涙を拭き、胸に飛び込んできた橙を受け止めた。
腰に腕を回して力いっぱい抱きつく橙の頭を優しくなでてやる。その温もりが、冷え切った藍の心も温めた……が。
少時しがみついていた後橙が突然暴れ始め、藍を乱暴に突き放した。
事態を飲み込めずに困惑する藍の頭の周りには『?』マークがいくつも浮かんでいる。
橙は何かに怯えるように震えながら、ゆっくりと後退する。信じていた者に裏切られたような悲しい視線で藍を見据えて。
「藍様もくさいーっ!!」
「はぁっ!? ちぇ、橙……待って、ちがっ……チェーン!!」
地面を蹴り、くるくると独楽のように回りながら飛び去る橙の尻尾が藍の鼻先をくすぐった。
橙、お前はそんなに速く飛べたのかい?
私がスペルカードで呼び出したときも、その速度で飛び回ってくれれば、霊夢や魔理沙も倒せるんじゃないのかい?
白いもやがかかっていく頭の中で、そんなことを思いながら藍は膝をつき、遠ざかっていく橙に長い視線を送っていた。
ひゅうっ。
秋風が巻き上げた枯葉が一枚藍の頭に乗っかった。
秋風よ、藍の体臭もさらってやっておくれ。
魔法の森では魔理沙不在の霧雨邸の戸を叩く者があった。同じく魔法の森在住のアリス・マーガトロイドである。
手には何やら小さな包みが握られている。そこから辺りに強烈な甘い香りが漂っていた。
「魔理沙ぁー! 出てきなさいよ!!」
段々と苛立ちが募り、戸を叩く手に力が入る。
「んもー、高カロリークッキーできちゃったから、食べさせて太らせようと思ったのに……」
陰険だった。タッグを組んで暴れたこともある二人だが、それほど仲が良いわけではないらしい。
その割にアリスは、家の近い魔理沙にいろいろとちょっかいをかけることも多く、喧嘩するほど仲が良いと言うことだろうか。
アリスにもヒトクイダケが生えたことがある。
そのとき助けてくれたのが魔理沙だったのもあって、最近は比較的穏やかな関係だった。
「仕方ないわねー……」
アリスは針金を取り出した。人形の骨組みにこういったものを使うこともあるのだろうか。
手馴れた様子でそれを曲げてから鍵穴に突っ込んでこねくり回し、アッサリと開錠してしまった。
アリスの器用さはこういうところにも生かされるらしい。
「ついでに本でも借りて行くとするわ」
これではただの窃盗犯である。
イメージ的にはアリスは強盗するよりも窃盗する方が似合っているような感じはするが、そういう問題ではない。
アリスは無遠慮に霧雨邸の中に足を踏み入れると、その家の中の様子を見て明らかな嫌悪の表情を浮かべた。
「きったなぁ……」
鈴仙にやられた後魔理沙が転げまわってそのままだったので、家の中は普段以上に散らかっていた。
貴重なものも混ざった魔道書の束は崩れ、その他の様々なマジックアイテムも随所に転がっている。
踏みつけて壊さないようにアリスは爪先立ちでその中を歩くので、忍び足のようにも見えて更に窃盗犯風。
アリスはまず食卓に向かい、そこに高カロリークッキーと書き置きでも残しておくことにした。
「ん? 何あれ……?」
食卓の上に鎮座する大きな袋が目に入った。
そのなめらかな曲線からして本でもないだろうし、キノコを詰め込んだりしているわけでもなさそうだ。
ゆっくりと歩み寄って指でその感触を確かめると、素晴らしい弾力でアリスの指に抵抗する。綿か何かだろうか。
アリスは何度か指で突付いた後手のひらで押しつぶしたり、顔を埋めてみたりした。
「妙に癖になる感触ね……中身は何かしら?」
器用な指先で優しく紐を解くと、中には金色の毛が大量に詰め込まれ、所狭しとひしめき合っている。
「何かの動物の毛?」
動物の毛ならば獣臭などするだろうと思い恐る恐る鼻を近付けてみると、良い意味で期待を裏切る匂いがする。まるで花のような……。
これを詰め込んだら、さぞ気持ち良い抱き枕ができるのではないか……アリスの心の中にどす黒い欲望が渦巻いた。
『このクッキーは、ひとつかじれば一日中元気に動けるぐらいすごいクッキーです、身体に良いよ byアリス』
藍の尻尾の毛袋は霧雨邸から姿を消し、代わりに極限まで拡大解釈されたすごいクッキーと、しらじらしい書置きが残された。
こんなもの置いていかなければ足がつかないのだが、アリスはおっちょこちょいな一面を垣間見せてしまった。
こうして、帰ってきたら魔理沙を癒すはずだった藍の毛はアリスの手に。
「秋って言ったら焚き火よねー」
霊夢は落ち葉をかき集めて焚き火に興じていた。
それを縁側で眺めるのはレミリアと、その脇で日傘を差す咲夜。なんとなく遊びに来たらしい。
「珍しいわね……ドクダミ臭いときの霊夢って言ったら、見敵必殺で有名じゃない」
「何言ってんのよ、初めは鈴仙の狂気の瞳のせいだったし、妖夢のときは皆が邪魔するからだったし、
今回はもう犯人及びその関係者全員やっつけたから関係無いわ」
「良かったわね咲夜、私達巻き込まれなくて」
「ええ……しかしドクダミの季節ももう終わりですね、いろいろと有用なので私には少し残念ですわ」
「ふーん……そうなの霊夢?」
霊夢は落ち葉を燃料に火力の強まった焚き火の中に、異臭を放つ紫の服を投げ込んだ。結局紫は置いていったらしい。
そして忌々しげにぱんぱんと手を払い、レミリアを振り向いた霊夢の顔は超怖かった。
しっかり確認しようと目をこすったレミリアだったが、次の瞬間には霊夢の表情は元に戻っていた。
「ん、むぅ?? で、ドクダミって便利なの霊夢?」
「ああ……まぁ、永琳みたいにいたずらに使うんでなければすごい薬草なのは本当よ。ちゃんと干せば臭いも無くなるし。
お茶用に乾燥させてあるから、あんたも飲んでみる?」
「わ、私は遠慮するわ……紅茶の方が好きだし」
「美鈴は結構お気に入りのようでしたわよ? 体育会系だから健康には興味が強いのかもしれませんね」
「そういやあいつはたまに変な臭いがするものね……」
「怪我の手当てを頼まれたときには、美鈴にだけドクダミを使いますからね、しかも生で」
咲夜による嫌がらせだった。気にしていない美鈴も屈強である。
ふとレミリアの頭に電球が閃く、焚き火に付随するイベントを思い出したのだ。
縁側から垂らした両足をぷらぷらと振り回し、小さな翼をはためかせて霊夢にそれをせがむ。
「ねーねー霊夢、焚き火でおイモを焼きなさいよ、それが風流なんでしょ?」
「別に良いけど……この火はダメね、有毒ガスが出てるから……ウグッ!?」
風が吹いて霊夢に毒ガスがかかり、呻き声が漏れる。
ドクダミと生ゴミのコラボレーション。燃え盛る紫の服は何の化学変化か、とてつもない悪臭を発していた。
成分的な危険ではなく、純粋に臭いだけで生物を殺せそうなほどの異臭だった。
「あ、危ない……幽々子が手招きしているのが見えたわ……ドーさんの力が身体に残っていなければ危険だった!」
ドクダミは焦げると毒性が出るので気を付けよう。霊夢はそれをすっかり失念していた。でも今のは臭かっただけだ。
そんな霊夢の危機に気付かなかった紅魔館の二人は、焼き芋計画を着々と進めている。
もっとも、咲夜に対してレミリアが一方的に命令しているだけだが。
「ねぇねぇ咲夜、おイモをどこかから適当に持ってきなさいよ、あと枯葉ももっと集めてきて」
「かしこまりました」
「レミリア、あんたそんなにおイモ好きだったっけ?」
「気分の問題よ、霊夢はワサビがわからないの?」
「それ言うならワビサビでしょ? まぁ、私は構わないけどね……準備は咲夜がするみたいだし」
「あら、手伝ってもらえるなら歓迎するわよ霊夢」
「はいはい、あとおイモはうちにあるから良いわよ。どうせこういうこと言い出すやつがいると思ったから」
「まぁ瀟洒ですこと」
「あんたに言われちゃおしまいね」
穏やかな秋晴れの日。
なにはともあれ、ドクダ巫女になった霊夢が全てを丸く治めたのは事実だった。博麗の巫女は偉大である。
永遠亭もじきに元に戻るだろうし、魔理沙もキノコの後遺症は完全に消え失せて……今は永遠亭で魔法をぶっ放している。
チルノの臭いだってほっとけば消える、八雲邸だって……そういえば紫はどこに行ったのだろうか?
爽やかな秋晴れの中に、首無し死体がぶら下がっている……博麗の巫女服を着た首無し死体が……。
首無し死体がバタバタと手足を動かし始めた。
そう、死んでいないのだ、首も取れたわけではない……幻想郷を突き抜けて首だけが外界にはみ出しているのだ。
「う、うぅ……ここはどこなの……幻想郷の境?」
霊夢は本当に言葉どおり、紫を幻想郷の境まで投げ飛ばしていた。
勢い良く博麗大結界に衝突した紫は、その頭だけが結界に穴を空けて飛び出してしまったのだ。
「んぐぐっ!? 首が抜けないわ!! こ、こんな結界、私の力で……」
結界を操る紫は今までにも何度か博麗大結界に穴を空けて霊夢に怒られている。
普段ならいたずら気分で穴を空けてしまえるのだが……何故か今回ばかりは上手くいかない。
「うぅぅぅっ!! 霊夢が強くなったせいで結界まで強くなっているの!? 抜けないわぁーっ!!」
最初に頭が通ったのだから、抜けないのは妙な話だが……。
霊夢が結界をいじって、結界に引っかかっている紫を絞め殺さない程度に穴を狭めたのだ。
――あんたはそこで少し頭冷やしなさい!!
「ほふっ……何か言った霊夢?」
「ああ、なんでもないわよ、美味しいわねおイモ」
「うん美味しい、ねえ咲夜?」
「庶民的な行事ですが、お嬢様のお口にも合ったようならば嬉しいですわ。ほふほふ」
焚きなおした火の中でほくほくに焼きあがったサツマイモは甘くて良い香りだった。
少女三人の顔は、その柔らかな口当たりでほころんでしまう。
「ああ、もう秋ね……寒いわぁここ……」
ときどき結界に手足を踏ん張り、首を引き抜こうとする紫だったが、霊夢が元に戻らない限りは出られないだろう。
さしものスキマも、こんな状態で使用すればそれこそ自滅の首チョンパになりかねないので使えない。
「空だけは~昔と変らぬ~……う、うぅっ……」
いたずらは控えよう……そんな気持ちが紫の心に芽生えたが、どうせ助かればすぐ忘れてしまうだろう。
高い空は寒いので、紫はこのままだとうっかり冬眠しかねなかった。
藍を呼びたいが式神を憑けなおすのを忘れていた……コントロールができない。
「秋深し~里芋芋煮~さつまいも~食べたいけれど~作るの面倒~……だ、誰か助けてぇぇぇぇ!!」
外界には紫の悲痛な叫びが、幻想郷には紫の胃袋の悲痛な叫びが響き渡った。
その後、消臭剤設置ミッションを終了した魔理沙が家に帰ると……。
しけった上に、臭いだけで胸焼けしそうなほどバター臭いクッキーと、不愉快な書置きを見つけた。
そしてふわふわ抱き枕でうっとりと眠っている窃盗犯を夜襲した魔理沙は、その窃盗犯をズタボロにしてそれを奪還。
魔理沙は相当な俊足で魔法の森の中へ消えていった。
ボロボロのパジャマのまま、魔理沙を走って追いかける窃盗犯(アリス)。
「ま、待って魔理沙! それだけは!! それだけはーっ!! むぎゅっ!!」
「ですっ!!」
「な、なに!?」
何かに躓いて転んだ瞬間、足元から奇声が……。
――続かない――
第三次ドクダミファンタジアから数日後……。
耳に心地良い小鳥達のさえずりを聞きながら……自室側の専用浴場で輝夜は贅沢に朝風呂を楽しんでいた。
その湯船には布袋に包んだドクダミがぷかぷかと浮かんでいる。
「んふふ~、お肌がすべすべになった気がするわ」
汗疹や湿疹、アトピー、水虫、ニキビなど……いろいろ効くらしい。
輝夜は元々肌がすべすべのもち肌なので、気分的な要素が大きいかもしれないが、その表情や声からすこぶるご機嫌なことが窺える。
だが乾燥させていないので風呂場には異臭が漂っていた。輝夜は気にならないらしいが、本来は乾燥させて用いるのである。
乾燥させなくても良いらしい、諸説ある。とにかくすごい薬草なのだ。永琳特製なのでその効果はさらに素晴らしい。
「ほふぅ……慣れればこの臭い、良い匂いにさえ感じる」
芯から温まった身体には、秋の爽やかな風が心地良い事だろう。
風呂に入る前に縁側から空を見上げたら素晴らしい秋晴れだった、うろこ雲なんかも浮かんでいたりして……。
浴槽の側面にもたれかかり、少し身体を横に揺すると更に体の奥まで熱が伝わる気がする。
「はぁ~……」
流石は永遠亭当主、外は大変だというのに腰が落ち着いている。
その外。永遠亭の廊下では、十一人のイナバ達が白いワンピースを迷彩柄に塗ってイナバゾンビ殲滅のために戦っていた。
鈴仙、てゐ、そして残り八人は絞り隊と……何故か混ぜられて地上兎スタンダードのもち型付け耳とワンピースを装着した魔理沙。
絞り隊は流石にDを投与されてるだけあって丈夫で、SFマスタースパークに巻き込まれてもすぐに復活したのだった。
魔理沙の普段の白黒服は臭すぎるのでずっと干していた。丁度良く晴れが続いているのでいずれ臭いも消えるだろう。
「八意消臭『クサクサG』!! 設置!!」
一人のイナバが小さな筒を、まるでラグビーの「トライ」をするように永遠亭の床に設置した。
それを見たリーダーのてゐがコクリと頷き、振り返って他の面子にも指示を出す。
「よし、引き返すわよ!! 次は『イ-17』ポイント!!」
「了解しました因幡様!!」
「おい、てゐ!! 後ろからイナバゾンビの大群だ、引き返せないぜ!! 飛べばいけるけど!!」
魔理沙イナバが後ろから迫り来るイナバゾンビの大群を指差しててゐに状況を伝えた。
てゐは「ふん」と鼻で笑うと、不敵な笑顔で大胆な作戦を指示した。
「飛ぶなんて無粋よ!! 強行突破するわ!! 鈴仙と魔理沙、突破口を開きなさい!!」
「わかった! 鈴仙、遅れるなよ!!」
「そっちこそね!」
絞り隊とリーダー二人、そして魔理沙に永琳、輝夜を除いた永遠亭の全イナバは既にイナバゾンビと化していた。
「消臭剤を置いてしばらくすれば治る」という永琳の指示の下、
生き残ったイナバスペシャルフォースは、永琳特製の強力消臭剤を永遠亭中に設置する任務を背負う。
「スターダストレヴァリエだーっ!! おりゃおりゃおりゃーっ!!」
「でぃ~……」
「魔理沙、後ろ!!」
魔理沙イナバに後ろから抱き付こうとしていたイナバゾンビに回し蹴りを見舞った鈴仙。
ふわりと流れるその美しい長髪からは、やはりドクダミ臭が漂って台無し。
「おっと!? 助かったぜ鈴仙」
「あんたまだまだ脇が見えてないわね、ふふっ」
「へぇへぇ」
あの後、全身ぬらぬらにされてボロクズにように捨てられ、地下室で三人呆けていた。
責任を感じた永琳は事態の収拾に動き、もちろん鈴仙はそれに協力。
そして魔理沙は暴れたいという理由だけで永琳への協力を申し出た。
魔法を使えなくなってしまったのはそれほどにショックだったのだろう。
弾幕を放つ魔理沙の額には汗のしずくが宝石のように輝いていた。
「手始めにここで暴れてやるぜ」その表情に疲れは無く、生き生きとしている。
八雲邸では、ぼろぼろにされた家の周辺を藍が一人で掃除している。
家そのものを魔理沙に攻撃されなかったのは不幸中の幸いだったろう。流れ弾で壊れた部分は少しあるが、そこまで深刻ではない。
「紫様はどこまで飛んで行かれたのだろう……スキマで帰ってこられないようなところまで飛んだのか?」
もちろん橙も居ない。藍にしてみればこういうときこそ側に居てほしいものなのに、まったく気ままなものだ。
藍はあの後……魔理沙がタンクごとDをかけられている頃に目を覚まし、急いで逃げ帰ったのだった。
しかし紫は行方不明だわ、橙も行方不明だわ、家と家の周りはぼろぼろだわ……。
霊夢の説教で意気消沈しているのもあって、最悪の気分だった。
「修行不足なのだろうか……」
頭と共に垂れ下がる尻尾には毛が無い。
ただでさえ力無げなのに、尻尾の毛が無いだけでその光景は悲しさを倍増させる。
「紫様が帰るまで藍はいつまでも待ちます……」
毛無げ、いや健気。
倒れた木々を一箇所に集め、飛び散っている土くれを箒で集めてクレーターの中に詰め込んで踏み固め……。
箒を見ていると魔理沙を思い出して不愉快だった。
考えてみれば、全ての原因は紫にあるので藍は完全にとばっちりを食ったことになる。
しかし霊夢の言うように、紫が珍事を起こす前に阻止できる存在は身近にあって尚且つ、ある程度の発言権も持つ藍ぐらいだろう。
気絶している間に巻き込まれてばかりだった今回はともかく、今まで紫を放置していた藍にまったく責任が無いというわけでもない。
(魔理沙いじめをするときに少し止めにかかるべきだったかもしれない……)
そんな取り留めのない自責の念が胸を押しつぶし、藍の目から一粒の涙がこぼれ落ちた。
だがそれを笑う者も、慰める者も居ない。
「精進します……」
寂しくて仕方がなくなったとき……藍の式神である橙の気配を感じた。
くるくると回りながら藍の所へ近付いてきて、ある程度の距離で着陸し、クレーターを飛び越えながら駆け寄ってくる。
自分の式神に泣きついて慰めてもらうなんて情けないことはできないが、それでも可愛らしい橙を見ていればいくらかの励みになるだろう。
しかしどうしたことか。橙の顔もまた涙に濡れている。二人の距離が狭まるにつれてそれは明らかになった。
「藍さまぁーっ!!」
「んっ? どうしたの橙……」
「チルノのところに行ったらね……家が緑色になってて、チルノから変な臭いがして……」
藍は泣いていることを悟られないように慌てて涙を拭き、胸に飛び込んできた橙を受け止めた。
腰に腕を回して力いっぱい抱きつく橙の頭を優しくなでてやる。その温もりが、冷え切った藍の心も温めた……が。
少時しがみついていた後橙が突然暴れ始め、藍を乱暴に突き放した。
事態を飲み込めずに困惑する藍の頭の周りには『?』マークがいくつも浮かんでいる。
橙は何かに怯えるように震えながら、ゆっくりと後退する。信じていた者に裏切られたような悲しい視線で藍を見据えて。
「藍様もくさいーっ!!」
「はぁっ!? ちぇ、橙……待って、ちがっ……チェーン!!」
地面を蹴り、くるくると独楽のように回りながら飛び去る橙の尻尾が藍の鼻先をくすぐった。
橙、お前はそんなに速く飛べたのかい?
私がスペルカードで呼び出したときも、その速度で飛び回ってくれれば、霊夢や魔理沙も倒せるんじゃないのかい?
白いもやがかかっていく頭の中で、そんなことを思いながら藍は膝をつき、遠ざかっていく橙に長い視線を送っていた。
ひゅうっ。
秋風が巻き上げた枯葉が一枚藍の頭に乗っかった。
秋風よ、藍の体臭もさらってやっておくれ。
魔法の森では魔理沙不在の霧雨邸の戸を叩く者があった。同じく魔法の森在住のアリス・マーガトロイドである。
手には何やら小さな包みが握られている。そこから辺りに強烈な甘い香りが漂っていた。
「魔理沙ぁー! 出てきなさいよ!!」
段々と苛立ちが募り、戸を叩く手に力が入る。
「んもー、高カロリークッキーできちゃったから、食べさせて太らせようと思ったのに……」
陰険だった。タッグを組んで暴れたこともある二人だが、それほど仲が良いわけではないらしい。
その割にアリスは、家の近い魔理沙にいろいろとちょっかいをかけることも多く、喧嘩するほど仲が良いと言うことだろうか。
アリスにもヒトクイダケが生えたことがある。
そのとき助けてくれたのが魔理沙だったのもあって、最近は比較的穏やかな関係だった。
「仕方ないわねー……」
アリスは針金を取り出した。人形の骨組みにこういったものを使うこともあるのだろうか。
手馴れた様子でそれを曲げてから鍵穴に突っ込んでこねくり回し、アッサリと開錠してしまった。
アリスの器用さはこういうところにも生かされるらしい。
「ついでに本でも借りて行くとするわ」
これではただの窃盗犯である。
イメージ的にはアリスは強盗するよりも窃盗する方が似合っているような感じはするが、そういう問題ではない。
アリスは無遠慮に霧雨邸の中に足を踏み入れると、その家の中の様子を見て明らかな嫌悪の表情を浮かべた。
「きったなぁ……」
鈴仙にやられた後魔理沙が転げまわってそのままだったので、家の中は普段以上に散らかっていた。
貴重なものも混ざった魔道書の束は崩れ、その他の様々なマジックアイテムも随所に転がっている。
踏みつけて壊さないようにアリスは爪先立ちでその中を歩くので、忍び足のようにも見えて更に窃盗犯風。
アリスはまず食卓に向かい、そこに高カロリークッキーと書き置きでも残しておくことにした。
「ん? 何あれ……?」
食卓の上に鎮座する大きな袋が目に入った。
そのなめらかな曲線からして本でもないだろうし、キノコを詰め込んだりしているわけでもなさそうだ。
ゆっくりと歩み寄って指でその感触を確かめると、素晴らしい弾力でアリスの指に抵抗する。綿か何かだろうか。
アリスは何度か指で突付いた後手のひらで押しつぶしたり、顔を埋めてみたりした。
「妙に癖になる感触ね……中身は何かしら?」
器用な指先で優しく紐を解くと、中には金色の毛が大量に詰め込まれ、所狭しとひしめき合っている。
「何かの動物の毛?」
動物の毛ならば獣臭などするだろうと思い恐る恐る鼻を近付けてみると、良い意味で期待を裏切る匂いがする。まるで花のような……。
これを詰め込んだら、さぞ気持ち良い抱き枕ができるのではないか……アリスの心の中にどす黒い欲望が渦巻いた。
『このクッキーは、ひとつかじれば一日中元気に動けるぐらいすごいクッキーです、身体に良いよ byアリス』
藍の尻尾の毛袋は霧雨邸から姿を消し、代わりに極限まで拡大解釈されたすごいクッキーと、しらじらしい書置きが残された。
こんなもの置いていかなければ足がつかないのだが、アリスはおっちょこちょいな一面を垣間見せてしまった。
こうして、帰ってきたら魔理沙を癒すはずだった藍の毛はアリスの手に。
「秋って言ったら焚き火よねー」
霊夢は落ち葉をかき集めて焚き火に興じていた。
それを縁側で眺めるのはレミリアと、その脇で日傘を差す咲夜。なんとなく遊びに来たらしい。
「珍しいわね……ドクダミ臭いときの霊夢って言ったら、見敵必殺で有名じゃない」
「何言ってんのよ、初めは鈴仙の狂気の瞳のせいだったし、妖夢のときは皆が邪魔するからだったし、
今回はもう犯人及びその関係者全員やっつけたから関係無いわ」
「良かったわね咲夜、私達巻き込まれなくて」
「ええ……しかしドクダミの季節ももう終わりですね、いろいろと有用なので私には少し残念ですわ」
「ふーん……そうなの霊夢?」
霊夢は落ち葉を燃料に火力の強まった焚き火の中に、異臭を放つ紫の服を投げ込んだ。結局紫は置いていったらしい。
そして忌々しげにぱんぱんと手を払い、レミリアを振り向いた霊夢の顔は超怖かった。
しっかり確認しようと目をこすったレミリアだったが、次の瞬間には霊夢の表情は元に戻っていた。
「ん、むぅ?? で、ドクダミって便利なの霊夢?」
「ああ……まぁ、永琳みたいにいたずらに使うんでなければすごい薬草なのは本当よ。ちゃんと干せば臭いも無くなるし。
お茶用に乾燥させてあるから、あんたも飲んでみる?」
「わ、私は遠慮するわ……紅茶の方が好きだし」
「美鈴は結構お気に入りのようでしたわよ? 体育会系だから健康には興味が強いのかもしれませんね」
「そういやあいつはたまに変な臭いがするものね……」
「怪我の手当てを頼まれたときには、美鈴にだけドクダミを使いますからね、しかも生で」
咲夜による嫌がらせだった。気にしていない美鈴も屈強である。
ふとレミリアの頭に電球が閃く、焚き火に付随するイベントを思い出したのだ。
縁側から垂らした両足をぷらぷらと振り回し、小さな翼をはためかせて霊夢にそれをせがむ。
「ねーねー霊夢、焚き火でおイモを焼きなさいよ、それが風流なんでしょ?」
「別に良いけど……この火はダメね、有毒ガスが出てるから……ウグッ!?」
風が吹いて霊夢に毒ガスがかかり、呻き声が漏れる。
ドクダミと生ゴミのコラボレーション。燃え盛る紫の服は何の化学変化か、とてつもない悪臭を発していた。
成分的な危険ではなく、純粋に臭いだけで生物を殺せそうなほどの異臭だった。
「あ、危ない……幽々子が手招きしているのが見えたわ……ドーさんの力が身体に残っていなければ危険だった!」
ドクダミは焦げると毒性が出るので気を付けよう。霊夢はそれをすっかり失念していた。でも今のは臭かっただけだ。
そんな霊夢の危機に気付かなかった紅魔館の二人は、焼き芋計画を着々と進めている。
もっとも、咲夜に対してレミリアが一方的に命令しているだけだが。
「ねぇねぇ咲夜、おイモをどこかから適当に持ってきなさいよ、あと枯葉ももっと集めてきて」
「かしこまりました」
「レミリア、あんたそんなにおイモ好きだったっけ?」
「気分の問題よ、霊夢はワサビがわからないの?」
「それ言うならワビサビでしょ? まぁ、私は構わないけどね……準備は咲夜がするみたいだし」
「あら、手伝ってもらえるなら歓迎するわよ霊夢」
「はいはい、あとおイモはうちにあるから良いわよ。どうせこういうこと言い出すやつがいると思ったから」
「まぁ瀟洒ですこと」
「あんたに言われちゃおしまいね」
穏やかな秋晴れの日。
なにはともあれ、ドクダ巫女になった霊夢が全てを丸く治めたのは事実だった。博麗の巫女は偉大である。
永遠亭もじきに元に戻るだろうし、魔理沙もキノコの後遺症は完全に消え失せて……今は永遠亭で魔法をぶっ放している。
チルノの臭いだってほっとけば消える、八雲邸だって……そういえば紫はどこに行ったのだろうか?
爽やかな秋晴れの中に、首無し死体がぶら下がっている……博麗の巫女服を着た首無し死体が……。
首無し死体がバタバタと手足を動かし始めた。
そう、死んでいないのだ、首も取れたわけではない……幻想郷を突き抜けて首だけが外界にはみ出しているのだ。
「う、うぅ……ここはどこなの……幻想郷の境?」
霊夢は本当に言葉どおり、紫を幻想郷の境まで投げ飛ばしていた。
勢い良く博麗大結界に衝突した紫は、その頭だけが結界に穴を空けて飛び出してしまったのだ。
「んぐぐっ!? 首が抜けないわ!! こ、こんな結界、私の力で……」
結界を操る紫は今までにも何度か博麗大結界に穴を空けて霊夢に怒られている。
普段ならいたずら気分で穴を空けてしまえるのだが……何故か今回ばかりは上手くいかない。
「うぅぅぅっ!! 霊夢が強くなったせいで結界まで強くなっているの!? 抜けないわぁーっ!!」
最初に頭が通ったのだから、抜けないのは妙な話だが……。
霊夢が結界をいじって、結界に引っかかっている紫を絞め殺さない程度に穴を狭めたのだ。
――あんたはそこで少し頭冷やしなさい!!
「ほふっ……何か言った霊夢?」
「ああ、なんでもないわよ、美味しいわねおイモ」
「うん美味しい、ねえ咲夜?」
「庶民的な行事ですが、お嬢様のお口にも合ったようならば嬉しいですわ。ほふほふ」
焚きなおした火の中でほくほくに焼きあがったサツマイモは甘くて良い香りだった。
少女三人の顔は、その柔らかな口当たりでほころんでしまう。
「ああ、もう秋ね……寒いわぁここ……」
ときどき結界に手足を踏ん張り、首を引き抜こうとする紫だったが、霊夢が元に戻らない限りは出られないだろう。
さしものスキマも、こんな状態で使用すればそれこそ自滅の首チョンパになりかねないので使えない。
「空だけは~昔と変らぬ~……う、うぅっ……」
いたずらは控えよう……そんな気持ちが紫の心に芽生えたが、どうせ助かればすぐ忘れてしまうだろう。
高い空は寒いので、紫はこのままだとうっかり冬眠しかねなかった。
藍を呼びたいが式神を憑けなおすのを忘れていた……コントロールができない。
「秋深し~里芋芋煮~さつまいも~食べたいけれど~作るの面倒~……だ、誰か助けてぇぇぇぇ!!」
外界には紫の悲痛な叫びが、幻想郷には紫の胃袋の悲痛な叫びが響き渡った。
その後、消臭剤設置ミッションを終了した魔理沙が家に帰ると……。
しけった上に、臭いだけで胸焼けしそうなほどバター臭いクッキーと、不愉快な書置きを見つけた。
そしてふわふわ抱き枕でうっとりと眠っている窃盗犯を夜襲した魔理沙は、その窃盗犯をズタボロにしてそれを奪還。
魔理沙は相当な俊足で魔法の森の中へ消えていった。
ボロボロのパジャマのまま、魔理沙を走って追いかける窃盗犯(アリス)。
「ま、待って魔理沙! それだけは!! それだけはーっ!! むぎゅっ!!」
「ですっ!!」
「な、なに!?」
何かに躓いて転んだ瞬間、足元から奇声が……。
――続かない――
連作お疲れ様でした
実録『巫女はやはり強かった!!』
恐ろしき哉ドクダミファンタジア。
魔理沙の電磁気魔法もとても面白いアイディアだったと思います。
そして何より「長くてもスラスラと早く読める」ものだったのが凄いです。
勿論博麗製ドクダミ茶をセットでw
強く生きろ二人ともーw。
おれたちにできない事を平然とやってのけるッ
そこにシビれる!あこがれるゥ!
気になった点にいくつか。
>今まで出したVENIさんの作品を同人誌として出して貰えませんかね…?
量が量ですから、本にするのは可能だとは思いますけどね。
冗談として仰っているのか、本当なのか少し判断が難しいですが……w
やはりお金取れる程のものなのかなぁという疑問がありますね(汗
そもそも創想話で無料で読めるわけですので……w
でも挿絵挟んだりなんかして、何かしらやってみるのはありかもしれません。
博麗ドクダミ茶は無理です、私の手絞りで良いなら良いですが(いらねえ
しかし冗談でもそこまで言ってもらえてありがたいです(礼
>動画
スキルがありませんので……やってくれる人がいるなら嬉しいですがw
>藍
自分でも書いてて可哀想でした(オイ
内容を一新するに当たって、今後はもう少し良い位置に置きたいと思います。
>長くてもスラスラ読める
文章能力には自信が無いので、そういう風に言っていただけると嬉しいです。
今後更に精進していきたいと思っています(礼
>輝夜
なんか彼女が必死になってる姿ってあまり想像できないのですよ。
私の中では幽々子様よりも天衣無縫なイメージがあるようで。
>ラストでまたも騒乱の予感が…
ホラー映画なんかでは、やっつけたと思っていた殺人鬼が実は……
なんて展開があったりするので、そんなイメージだったんですけどね。
お疲れ様でした