「おはよう、パチェ」
「あら、珍しいわね」
「暇つぶしになるような本ない?」
「いつもリクエストが同じね」
「雨の日は暇なんだもの」
「百科辞典は暇つぶしになると思うけど」
「……遠慮しとく」
「……そう」
「パチュリー!」
「今日はご機嫌ね」
「うん!」
「なにか本かしら」
「あのね、外の世界の本が見たいの」
「では、読んでさしあげましょうか?」
「いいの?」
「本に興味をもってくれるなら」
「やったー!」
「では紅茶でも飲みながら、ね」
「パチュリー様」
「何か用かしら?」
「いえ料理の本を借りようと思いまして」
「あれだけ働いてよく本を読む時間があるわね。ってあなたには関係ないことか」
「ええ。今度は中華料理にチャレンジしようと思いまして」
「ふふ、貴女もなんだかんだ言って部下思いね」
「そ、そんな事ありませんよ!」
「そうかしら」
「パチュリー様!」
「聞こえているわ」
「あ、すいません。」
「まあいいわ。貴女も本の貸し出し?」
「はい。久しぶりに中華料理が食べたくなったんで料理の本を借りたいんです」
「……ダメね」
「な、なんでですか?」
「なんでもよ。この[太極拳の全て]を貸してあげるから料理の本は我慢してちょうだい」
「もうこの本、5回くらい読んだんですが」
「おーい! だれかー!」
「うるさいわね」
「あ! あんたが図書館の魔女?」
「まあ、間違いじゃないわ」
「早く冬になる方法って本ない?」
「そんな本、何に使うの?」
「冬にしか会えない友達に早く会いたいの」
「……たぶん貴女には不可能よ」
「ふん。そんな事どうだっていいわ。」
「ふふ、わかったわ。N‐5にあるはずよ。……頑張ってね」
「よーし。明日から冬が来るからね! ありがとー!」
「こんにちわー」
「あら、図書館で会うのは始めてね」
「いつも宴会場だもんねー」
「それで本を探しに来たの?」
「うん、音楽の本をね」
「やっぱりね。E‐2にあるけど、まだ三姉妹がいると思うわ」
「あ、来てるの? なら丁度いいじゃない。一緒に探してくる」
「騒がしくしないでよ」
「ごめん。ちょっと無理かもー。」
「すいませーん」
「あら、今日は一人?」
「ええ。ちょっと本を借りたく思いまして」
「どんな本かしら?」
「なんと言うか、たくさんの料理を速く作れる方法、みたいな本ありますか?」
「……そのたくさんってのは量的にって意味?」
「は、はい。恥ずかしながら」
「ふう。C‐18にあるわ」
「え? 本当にあるんですか?」
「きっと貴女専用の本ね」
「……そうでしょうね」
「こんちわー」
「貴女がこんな所まで逃げてくるなんて珍しいわね」
「人聞きが悪いよ」
「真実よ」
「む、そこでだ。上司に見つからずにサボる方法って本ないかな?」
「……W‐8にあるわ」
「なんでもあるんだね。 この図書館」
「あんまりサボっちゃクビにされるわよ。」
「うーん。じゃあ仕事に戻るとするか。世話になったね」
「ふふ、結局借りていかないのね」
「こんにちわ」
「貴女でも図書館の助けが必要なこともあるのね」
「勿論ですわ。」
「それでどんな本をお探しかしら?」
「ペットの躾け方の本よ」
「……」
「冗談よ」
「共犯にはなりたくないわ」
「ふふ、じゃあ勝手に見させてもらうわね」
「ご自由に」
「あら? 誰も居ないのかしら?」
「居るわよ」
「暗くて静かだから誰も居ないと思ったわ」
「こういう図書館なのよ」
「食べ物の本はどこかしら?」
「料理の本ならCの棚にあるわ」
「料理じゃないわ。食べ物の本よ」
「……」
「無いの?」
「E-5…だと思うわ」
「ふふふ、今から楽しみね」
「ねえ、魔法に関する本ってどこー?」
「勝手に入って挨拶も無しかしら」
「そんな場所じゃないじゃない」
「確かにそうね。 純粋な魔法の本をご希望?」
「ええ、あの森の主は私だって思い知らせてやらないと」
「M-1にあるわ」
「よーし、まずはレーザーの色を七色にしようかしら」
「……なにか意味はあるのかしら?」
「パチュリー居ないのー?」
「あら、貴女がこんな所まで来るなんて珍しいわね」
「此処しか頼れなかったのよ」
「と言う事は本かしら?」
「食べられる植物って本が欲しいの」
「貴女ちょっと前、[食べられるキノコ]持っていったじゃない」
「もう山にキノコが無いのよ」
「サバイバルの本を貸した方がよさそうね」
「お金儲けの本は無いの?」
「貴女なんでもしそうだからダメ」
「よお、パチュリー」
「なによ、また来たの」
「そんなに邪険にするなよ」
「本を返したら歓迎してあげるわ」
「と、ところでさ」
「話を変えたわね」
「いや、まじめな話」
「なにかしら」
「あのさ、もうちょっと外に出たらどうだ」
「どうして?」
「図書館の本だけじゃ世間の流れに乗り遅れるぜ」
「そうかもね」
「他人と話すことで得られる知識もある」
「そうね」
「友達はいっぱいの方が楽しいだろ」
「ふふ、そうね。そう思うわ」
「だったらさ」
「待って」
「ん?」
「あのね、この図書館は貴女が思っている以上に幻想郷と繋がっている」
「……」
「そして私はこの図書館と繋がっている」
「ああ」
「なら、私もこの幻想郷と繋がっているのではないかしら」
「……そうなのかな」
「きっとそうなのよ。それにね…」
「それに?」
「私はこの幻想郷、好きだわ。今までよりずっと」
「今までより?」
「ええ、こんなに読書の時間が無くなるくらい騒がしいのは初めてよ」
「それ、迷惑って言うんじゃないか?」
「ふふ、冗談よ」
「なんだパチュリー。今日はご機嫌だな」
「そうかしらね」
「あ、そうだ。ちょっと変わった本を見つけてな。」
「ちょっと見せて」
「ああ、もちろんだ」
私は繋がっている。
私は図書館と繋がっている。
私は幻想郷と繋がっている。
私は友人達と繋がっている。
きっと、それが幸せなんだと私は思う。
おやすみなさい、幻想郷。また明日。
文章の見せ方が上手いと感じました。
ほのぼのした感じがたまらないですね~。
ここだけ数字が全角です。→「E-5…だと思うわ」
閉じ忘れです。→「ふふ、結局借りていかないのね
台詞だけで誰なのか解らせるというのは難しいのですが、上手く馴染んでます。今回出てこなかった面子なら、どんな会話をするか考えてみるのもまた楽しいですね。
だが、それもまたいい。パチェも(げふげふ)…いかんいかん。
引き篭りながらもある意味引き篭りでは無い彼女がとても魅力的でした(礼
ちくしょう! 二人ほど判んないよ!
それはそうと、めっさ和みました。ホントいいパチュリーですね。
2つ↓の人
多分、みすちーとゆゆ様かな
他のキャラでも期待してますよ。(・∀・)b
かな?ひょっとしたらミスティアは違うかもしれないけど料理じゃなくて食べ物の本を求めるってことで幽々子は簡単に分かったw
ルーミアだったらそーなのかーがないから違うと思った。
9番目は最初輝夜かと思いました。
ペット=うどんげで。
幻想郷ってこんなところなんだなぁ、って感じかな。
もう最高。萌へ~
いずれにせよ、ぱちぇだいすき。
幽々子→E-5
みすちー、逃げてみすちー
一度は??行ってみたいですね~~。
誰に合える楽しみもありますね。
いいね、繋がってる!