Coolier - 新生・東方創想話

ドクダミファンタジア

2006/08/08 08:34:22
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むしっ!

「う……!」

庭掃除しようと箒を持って外に出た霊夢が嫌そうな声を漏らす。

「う……うぁ臭ッ!!」

霊夢が踏んだその植物……ドクダミから放たれる嫌な臭い。
霊夢は困っていた、最近博麗神社でドクダミが異常繁殖しているのだ。

「なんなのよもー!!」

こんなことは初めてだ、季節を無視してたくさんの花が咲いたことはあった。
しかし博麗神社でのみ、それもドクダミだけが増えているというのは異常だ。

「お気に入りの靴なのに……!!」

靴を脱いでニオイを嗅ぐ。

「あぁっ!! 臭い!!」

別に足が臭いわけではない、ドクダミのせいだ。
お気に入りの可愛い靴……しかしもはやそれ自体がドクダミではないかと思うほどの臭い。
霊夢は連日ドクダミを踏みすぎた、それぐらい博麗神社のあちらこちらにドクダミが生えていたのだ。
初めの頃は量も少なかったので引っこ抜いたりしていたのだが、その度に増えていった。
よく考えなくてもおかしい、抜いた次の日にさらにたくさん生えているなんてことは無いはずだ。
ドクダミの成長が竹のように早いと言う話は聞いたことが無い。

「異変ね、これは……」

茶をいれて縁側で休む、掃除する気は失せてしまった。
ドクダミはそのあからさまに毒々しい名前や臭いに反して薬草である。
それも十種もの薬効があるということから「十薬」と呼ばれるありがたい植物なのだ。
「でも臭くてたまらない、この臭いは嫌い」健康な霊夢にしたらそんなものだ。
ふわっと風が吹き、茶を啜る霊夢の鼻腔にドクダミの風が直撃する。

「うぇっ!」

もう嫌だった、たまらない、どこに居ても霊夢の周りにドクダミの臭いがまとわりつく。
もしかすると霊夢自身にもドクダミの臭いが染み付いているかもしれない。
「嫌だ、ドクダミの臭いのする巫女なんて」でも、その可能性は十分にあった。
自分ではわからないだけで、しっかりドクダミ臭が身体に染み付いているかもしれない。
なんだか最近お茶の香りがよくわからなくなってきているのだ、これは深刻である。
お茶は香りを楽しむものと言うのが霊夢の持論だ、というよりも一般的にもそういう人が多いだろう。
確かにほのかな甘みや苦味も良いが、お茶の魅力とは何よりも香りだと思う。

「ゥッフ!!」

またドクダミの風が直撃する。
そういえばドクダミはお茶にもなる。ドクダミの臭いに包まれて飲むお茶はまるでドクダミ茶。
とりあえずもうここに居たくない、このままでは靴どころか自分自身ドクダミの化身になってしまう。
霊夢はお茶を残した、もうドクダミの臭いの中でお茶を飲みたくなかったのだ。
そして、すぐさま空へと飛び立った。



霊夢は永遠亭に来ていた。
単純に臭いから逃れるだけでなく、原因究明も同時に図ろうとしたのだ。
ここにはあの「月の頭脳」と呼ばれる八意永琳がいる、頭が良いだけでなく薬草や毒草にも詳しい。
きっと悩みを聞いてくれるのではないかと思ったのだ。

「んもー、アポぐらい取ってよねー。どいつもこいつもー」
「それは悪かったってば、こっちも急だったのよ」

永琳の部屋へ案内中、ぶちぶちと愚痴をこぼす鈴仙に言い訳しつつも、霊夢の顔に反省の色は無い。
大体霊夢はどこに行くときだって事前に了承など得ない。それは鈴仙もわかりきっているようだったが。
鈴仙は藤原妹紅の襲撃で鍛えられているので、口で言うほどは気にしていなかった。
文句を言うのは一種の社交辞令のようなものである。

「ここよ、失礼の無いようにしなさいね」
「はいはい」

まったく長い廊下で、霊夢はかなり歩かされた、時間にしてどれぐらいだったのだろうか。
その複雑さと言ったら、用事が済んだあと1人で帰れと言われても、道に迷ってしまいそうなほどだ。
辿り着いた部屋には「関係者以外立ち入り禁止」と書いてある、永琳はこの中で何をしているのだろう。

「師匠ー! お客さんが来てますよー!」

扉を叩きつつ鈴仙が呼びかける。

「誰が来てるの?」

少しして、扉越しに聞こえる永琳の声。

「博麗神社の霊夢です、なんだか相談したいことがあるそうで」
「……いいわ、入りなさい」

永琳が扉を開ける、目が合った霊夢が軽く会釈すると永琳はクスッと微笑んだ。

「じゃあ私は持ち場に戻りますね」
「ご苦労様、ウドンゲ」
「霊夢、くれぐれも失礼の……」
「わーかってるってー」

苦笑する霊夢に訝しげな一瞥をくれると、鈴仙は立ち去っていった。

「しかしあいつ……ほんと変な臭いしたわね……」

眉をしかめる鈴仙、霊夢の嫌な予感は的中してしまっていたようだ。
そして小さく呟く。

「流石にあんまり効果が無い……大丈夫かなぁ。どうなっても知りませんよー、師匠」



永遠亭自体には何度か来た事があるが、永琳の部屋は初めてだ。
意外にも、薬師というイメージが定着している割にそういった類のものはそれほど見当たらない。
実験器具のようなものは少しあったが、大切なものは薬品と一緒にどこかに保管してあるのだろう。
そこは広いスペースを使っているにも関わらず、とにかく物が多い、なのに本が一切無いのが気になる。
魔理沙やパチュリーとは違うが、こういうタイプも本が好きというイメージがあったのだが。
それについて訊いてみると永琳は言う。

「一度読めば一字一句までこぼさずに覚えてしまうもの。とっておくのも邪魔だし」
「そ、そりゃすごいわね」
「というよりも、知らないことが無いに等しいから、知識のために本を読むことはもうほとんど無いの。
 昔はよく読んだけれどね『事実は小説より奇なり』今はこの現実の方がよほど刺激的で面白いわ」
「そ、そうなの……」
「特に、姫じゃないけど、私も藤原妹紅を初めて見たときは興奮したものよ。
 地上人があの薬を飲んでどういう生き方を選ぶのか、実に興味深かったわ」

「話が長くなりそうだ」霊夢は狼狽した、ただでさえ天才は理解しがたいのにこの宇宙人ときたら。
とはいえ頼りになりそうなのは事実である。

「それで……ちょっと相談が……」

永琳は、相談を言いかけた霊夢の唇に指を当てる。
そして霊夢の肩に顔を寄せてくんくんと鼻を鳴らす。

「わかるわ、これだけ臭えば」
「……そんなに臭いの?」
「ええ、ドクダミね……詳しいことはわからないけど、神社に異常繁殖して困っている、
 どうすればそれを除去できるか、そんなところかしら?」
「は、はぁ……図星よ」
「引き抜いて無くなるドクダミならばわざわざ相談にもこない……
 しかも霊夢、貴女自分が今どれだけ臭ってるかわかってないでしょう?
 嗅覚麻痺を起こすぐらいの強い臭いを長い間嗅ぎ続けてる、わかりやすい悩みだわ」

全て言い当てられる、そして「そうか、既にそんなに臭いか」と霊夢は絶望した。

「ドクダミは確かに独特な臭いを持つけど、身体に染み込む位って相当だわ。
 それに異常繁殖……幻想郷は本当になんでもありね、ものすごく興味深い。
 よく来てくれたわね、霊夢」
「そ、そりゃよかった」

永琳はまだ嬉しそうに霊夢の臭いをくんくん嗅いでいる、霊夢はなんだか変な気分だった。
勝手に盛り上がっている永琳、そろそろ不安になってくる。

「単刀直入に言うわ」
「あ、え? う、うん」

急に態度の変わった永琳に驚きつつも、一応真面目に考えてくれていたらしいことを理解する。
そんな永琳を見て少し驚いてしまう。と同時に期待した。

「わからないわ、前例が無いもの、そんなの」
「……え!? なによそれ!!」
「でも原因がわかったら教えて頂戴、とても興味深いから」
「……はぁ」

とても爽やかに微笑みつつ、永琳は軽々と言ってのけた。
「役に立たないこの人」と霊夢は思った。

「根本的な解決にはならないと思うけど、それだけドクダミが生えているなら是非いただきたいわ。
 うちのウサギを何匹か貸すから、全部むしって持って帰らせていいわよ。
 それなら今日ぐらいはドクダミに苦しめられずに済むでしょう?」
「ソレハ、タスカルワ」

霊夢は棒読みだった。
「そんなねー、むしるだけでなんとかなるならねー、わざわざあんたを訪ねないわよー」
と心の中でぼやく。
結局収穫は無しか、そう思って帰ろうとしたそのとき、不意に永琳が霊夢を呼び止めた。

「あ、でも霊夢」
「ん?」
「私が知らないぐらいだもの、新しい異変かも知れないわよ」

真剣な顔の永琳を見て、霊夢は少し寒気がした。

(今までだって、全て解決してきたもの……弱気になんてならないわ)

部下のウサギを手配し、霊夢を見送った永琳が部屋で一人呟く。

「本当興味深いわ……ふふ」



その後、永琳に申し付けられた10匹ほどのウサギが霊夢について博麗神社へ来た。
その中にはウサギ達のリーダーである因幡てゐも混ざっていた。
ウサギと言ってももちろん全員人型である、耳と尻尾が生えてる以外は人間と変わりない。

「こんなの鈴仙にやらせとけば良いじゃないの、あーくさい、なんで私が」

などと偉そうに言っていたが、てゐは何もしていなかった。
部下のウサギ達をこき使ってひたすらドクダミを摘ませている。
「うぅ……」「臭い……」「ここはドクダミの巣だ……ッ!」などとウサギ達のぼやきが聞こえる。
ドクダミの巣とは何だ、と霊夢は言い返したかったが、一応やってもらってる建前黙っていた。

「ほらあ! なまけてんじゃないわよ!」

てゐがへこたれた部下の尻に蹴りを入れる、一番敏感な尻尾を狙ってのつま先蹴り。
酷い、白い悪魔だ。

「す、すいません!!」

部下のウサギは謝ってはいたが霊夢は見逃さなかった。その瞳の奥に宿った復讐の灯火を。
「てゐはいつか復讐されるだろう」博麗の勘がそう告げている。
しかし、そういったてゐの虐待を恐れてか、予想以上に早くドクダミの殲滅作業は完了した。
部下のウサギ達が持ってきた巨大な袋はどれもパンパンになっている。

「ふー、もう無いわよね、これでいい? あぁー死ぬほど疲れた」

「お前部下の尻蹴ってただけじゃん」と霊夢は思った。
もしかするとそれは見た目以上に体力を消耗するのかもしれない。いや、やっぱりしないだろう。
ともあれ、博麗神社に巣食ったドクダミはウサギ達の努力によって一時的に全滅した。

「んじゃあんたたち、後はそれ持ち帰るのよろしくね」
「はぁい……」
「返事はシッカリ!!」
「はいっ!」

自分の何倍もの体積になった袋を担ぎ上げて飛んでいく、部下のウサギ達。
最後の最後まで報われないそんなウサギ達をよそに、てゐはどっかりと偉そうに縁側に座る。

「ん? あんたは帰らないの?」
「何言ってるのよ霊夢、これだけやってあげたんだからお茶ぐらい出しなさいよ。
 私のご機嫌をとっておけば、今後も部下を派遣してあげちゃうかもよ?」

霊夢は殴った、てゐを。お払い棒で。
馬乗りになって泣くまで殴った。たまに、もちの様な耳を狙いながら。
それが部下のウサギ達に対するせめてもの供養だった。
別に死んでないけど。

「うぁーん!! ご主人様に言いつけてやるー!!」
「さっさと行かないと……その、もちのような耳を食いちぎるわよ!!」

居座って好き勝手やろうとしたてゐを強制的に追い出す。
改めて見ればドクダミは本当に綺麗に無くなっていた、久々にドクダミの臭いから開放された。
あの部下のウサギ達の苦労を考えると涙が出てくる。

(問題は、明日になって戻ってるかどうかよね……)

不安は残るが、とりあえず今日一日はあの臭いを嗅がなくて良いだろう。
霊夢はここぞとばかりに高いお茶を取り出すと、大福と一緒に楽しんだ。
大福を見てたらてゐの耳を思い出して少し嫌な気分になったが、まぁおいしかった。

「はふぅ……」

縁側で月を眺めながらのお茶、ドクダミの臭いがしないって素晴らしい。
気分が良かったので、その後1人で晩酌して久しぶりに安らかな眠りに憑いた。

「やっぱりありがとう永琳……むにゃむにゃ」



翌日、外に出た霊夢は唖然とした。

「な、なんでよぉ……」

がくりと膝をつく、そこには昨日以上に大量のドクダミが生えていた。
予想はできていたが、実際目の当たりにするとそのショックは隠しきれない。
抜いただけ余計に生えてくるなんて、まるで白髪に関する迷信のようである。
もっとも「白髪は抜くと増える」というそれが事実なら、咲夜、妖夢、永琳あたりは、
ストレスなんかで髪の毛が薄くなってしまったら、抜きまくって増毛できてしまうことになるんだが。
「いや、あれは銀髪かしら」そんなどうでもいいことに考えをめぐらせてしまう。
それとも、元々生えてた他の普通の髪の毛が白髪化するということなのだろうか、それならば深刻だ。

「ってそんなことどうでもいいのよ!!」

じだんだを踏むと、やはりドクダミを踏んだ。

「うぁっふ!!」

鼻をつまんでのけぞる。他のものの香りはもうほとんどわからない、がドクダミの臭いだけは感じる。
白髪の迷信はさておき、目の前には抜けば抜くだけ増えていくドクダミが実在している。
やはりこれは原因を突き止めなければ、根本的な解決にならない。

「やっぱり誰もアテにならない! 私は自分の勘を信じるわ!」

今までだっていつもそうしてきた、怪しげな場所を片っ端から当たればきっと答えに辿り着く。
霊夢はすぐに準備をして、博麗神社を飛び出した。



「らん、らん、らん♪ スーさん、今日も可愛いわね」

自慢の鈴蘭畑、メディスンはご機嫌な様子で踊っていた。

「ねえスーさん、今日も永遠亭の人達は来るかしら? スーさんも、永遠亭に行きたいでしょ?」

メディスンの鈴蘭は永琳の製薬においていろいろと有用らしく、
たまに従者の鈴仙を連れて鈴蘭を分けてもらいに来ることがあった。
花の異変後、メディスンはたまの客人を喜んで迎え入れている。

「あんたかしら? ドーさんを私のところに生やさせたのは」

突如ドスのきいた声が鈴蘭畑に響く、

「だ、誰?」

メディスンが振り向くとそこには霊夢が立っていた。ドーさんとはもちろんドクダミのことである。

「ちょっと!! スーさんを踏まないでよ!!」
「別に良いじゃないの、踏んでも臭くないし」

そういう問題ではない。霊夢は足元などまったく気にせず歩き回っていたため、
無残にもたくさんのスーさんが霊夢の足元でつぶれていた。
メディスンは客人を基本的にはもてなす、が、礼儀の無い奴はお断りである。

「いきなりやってきてなんなのよ! スーさん、やっちゃいな!」
「……ん?」

メディスンの掛け声と共に、霊夢の周囲が紫色の毒霧に包まれる。
それはあっという間に霊夢を包み込み、その姿を隠してしまった。

「私とスーさんを怒らせたからいけないのよ、まぁ命までは取らないわ。スーさん、もう良いわよ」

きっともう中では霊夢がぐったりと横たわっているだろう、そう思ったメディスンは、
スーさんに命じて毒霧を引かせた。しかし、そこには平然と立っている霊夢がいた。
霊夢は不敵に微笑む。

「わかったわ、ドーさんの意味。私のことを守ってくれてる」
「な、なんでなんともないの!?」
「全身にドーさんの臭いが染み付いてる上に、嗅覚麻痺を起こしている私に毒霧など、笑止千万!」

まったく根拠になってない。が、何故か霊夢は平気だった。別に結界を張ったわけではない。

「あんたが犯人ね!!」
「な、何のことなのよー!?」

毒霧が通用しない以上、有利には戦えないと思ったメディスンは逃げようとしたが、
瞬間移動した霊夢にむんずと襟首を掴まれてしまった。
そして霊夢はてゐのときと同じように、馬乗りになってお払い棒で泣くまで殴った。
横たわるメディスンの頭はタンコブだらけ。

「ドーさんは最強よ、あんたにも分けてあげるわ」

霊夢は懐からドーさんを取り出すと、少し揉んでから仰向けに倒れているメディスンの鼻の上に乗せた。
しかし霊夢は、そんなことするから身体にドーさんの臭いがより強烈に染み付くことに気付いてなかった。

「スーさん……ひっく、ひっ……おぇっ!」

メディスンの悲しい嗚咽が鈴蘭畑に響き渡る。



神社に帰ると、ドクダミは相変わらずの様子だ。どうやらメディスンは犯人ではなかったらしい。
犯人を間違えたことは少し残念だったが、そんな中霊夢の心境に多少の変化が起きていた。
先ほどのメディスンとの一戦といい、わずかながらドクダミに愛着が湧きつつあったのだ。

「だ、ダメよダメ! そんなの!」

やはりドクダミ臭い巫女なんて嫌である、霊夢はブンブンと首を横に振った。
危ない、ドクダミの毒に脳がやられてきてしまっているようだ。
ちなみにしつこいようだがドクダミには毒は無いし、逆に薬草である。
一応、お茶を作るときにちょっと間違えると若干毒性は出てしまったりはする。
しかし霊夢はドクダミをお茶にして飲んだわけではないので、もちろん関係ない。
臭いによるストレスでノイローゼ気味になってる可能性はあるが。

(あと怪しいのは……)

風見幽香、フラワーマスター。幽香は大人しい顔して喧嘩っ早いので、
怪しくないメディスンを先に襲ったがやはり無駄だった、酷い話だ。
喧嘩っ早いだけでなく、実際にかなりの実力者なのが始末に悪い。
とはいえ花に関する異変が起きたときは、まず彼女に容疑をかけるのが妥当な流れだ。

(これは覚悟を決めてかからないとダメね……)

心を落ち着けるために大きく息を吸い込む。

「んぁっ!?」

そんなことをするものだからドクダミ臭が鼻腔直撃。
霊夢はふらふらしながらも幽香を探すために、また神社を飛び立った。



「……意外にすぐ見つかったわね」

神社からそう遠くない山の中、そこには初夏の花達が咲き乱れていた。
幽香は季節季節によって花の咲く場所を探しては、そこで暮らす、あまり決まった場所に居ない。
だから探すのには苦労すると思ったが、ある程度近寄ればその大きな妖気を辿れるため、すぐ見つかった。
咲き乱れた花達の真ん中で、幽香は日傘をさして辺りを眺めていた。
改めて覚悟を決めると、霊夢はそこへと着地する。

「霊夢、この季節って素敵よね、こんなにもたくさんの花が見られるんですもの」
「……そうね」

気配を殺していたのにすぐに気付かれた。幽香は後ろを向いたまま話し続ける。

「この時期は太陽もまぶしいから、特に花達が輝いて見えるのよ」
「ドクダミも?」
「ドクダミはあまり日光が好きな植物ではないわ、薄暗いところにひっそりと生えて……
 いろんな障害をすり抜け、いろんなものに反射された僅かな光の中で輝く。この子達とは違うわ」

カマをかけたつもりだったのだが、幽香はいたって普通に受け答えする。
しかし博麗神社のドクダミはあたり構わず生えているが、それはなんでだろう。

「それで何の用よ霊夢、そんなにドクダミの臭いをふりまいて」
「シラをきっても無駄よ、博麗神社をドクダミだらけにしたのはあんたでしょ?」
「最初に言っておくけれど、私じゃないわ。どのぐらいドクダミが生えて困ってるかはわからないけど。
 以前の異変とは違って、花は季節どおりに咲いているし、放っておけばなくなるわよ。
 ドクダミだって短い間しか咲けないわ、広い心で見守り……うっ臭ッッ!?」

だらだらと御高説を垂れる幽香に業を煮やした霊夢は、揉んだドクダミをその顔に押し付けた。

「ほらあんたも臭いって思うんでしょう!? そこまで言うなら住んでみなさいよドクダミの巣に!!」
「いやよ! だって臭いもの!」
「あーあー! いーけないんだー! フラワーマスターがそんなこと言っちゃいーけないんだー!」
「い、いやぁっ!! 私の顔がドクダミの香りに!!」

そのまま2人はキャットファイトを始める。
いかなフラワーマスター風見幽香とて、ドクダミの臭いは素直に臭いと思ったのだった。
もつれ合ってる内に、幽香にもドクダミの臭いが染み付いていく。
もはや霊夢はドクダミの化身、いやドクダミ神と名乗っても良い位になっているのかもしれない。

『夕日に照らされ、美しい花々に囲まれ、そこで可憐な花のような2人の美少女が絡み合う』

一見淫靡な風景も、その少女2人から撒き散らされるドクダミの臭いと、血走った目のせいで台無しだ。

「うぁぁぁん!」

結局いつも通りの馬乗りお払い棒攻撃により、辛勝ながら幽香をひれ伏させた霊夢。
勝敗を分けたのは、ドクダミ臭への耐性において霊夢の方が勝っていたということだった。
毎日大量のドクダミに囲まれて臭いを嗅ぎ続けていた霊夢は、自身から発せられる臭いを感知できない。

「自分が犯人だと認めなさい! 認めないと……こうよ!!」

馬乗りになったまま懐からドクダミを取り出し、それを両手で包み込むと、
幽香の顔の上で思いっきり握りつぶし始める霊夢。もはや霊夢が敵を倒すのに弾幕は要らない。

「や、やめてよー! 私じゃないって、わかってよお!!」

それでも霊夢によるドクダミ汁拷問は止まらない、じゅわりと霊夢の指の間から緑色の雫が顔を覗かせる。

『ぽたっ』

「いやぁぁぁぁぁぁ!!」

花畑に幽香の悲鳴がこだまする。
もはやただの腹いせだった。



霊夢は泣きじゃくる幽香をほったらかして神社に帰ると、縁側で横になって夕日を見ながら放心していた。

「ぁー……」

もうドクダミの臭いもあまりわからなくなってきた、末期症状だ。
何より霊夢にとって辛かったのは、お茶の美味しさが完全にわからなくなってしまったことである。
誰だが知らないが、このような間接的な攻撃で霊夢を参らせるとは。博麗大結界も危ないかもしれない。

(誰よ……こんなネチネチと……ネチネチ……ネチネチ!?)

がばっと飛び起きる。

「そ、そうよ……一番怪しい奴を忘れてたわ……!!」

そう、一緒に永夜の一件を解決した、胡散臭いあいつを忘れていた。
八雲紫。その『境界を操る程度の能力』は、応用次第で何でもできる反則技。
何の境界をいじれば博麗神社がドクダミだらけになるかはわからないが、紫ならやりかねない。
そんな疑心暗鬼の元、もう日は落ちかけているが居ても立ってもいられなかった。
しかし「ネチネチ」という言葉で思い出される紫も可愛そうだ。



八雲邸の門を叩く、もう日は落ちてしまっていた。

「ほっ……ほふ……なんだ霊夢? こんな時間に?」

食事中だったらしい、何か熱いものを口に入れているようで、白い息を吐きながら藍が出てきた。
藍は少し無理してそれを飲み込むと、用件を伺った。

「食料でも尽きたか? おでんを余分に作ってあるから、食べて行ってもいいぞ」
「そう、ありがとう」

気のない返事を返すと、霊夢は家の中につかつかと入っていく。
見ると、ちゃぶ台の前には橙のみが座っていて、藍と同じようにほふほふしていた。

「ちょ、ちょっと待て、何の用なのよ一体。本当に夕飯を食べに来ただけか?」
「紫に訊きたい事があるのよ、紫は居るわよね?」
「待て待て、紫様はおやすみよ、用なら私が取り次ぐから起こすんじゃない」
「美味しそうなおでんね」

霊夢はちゃぶ台の上のおでんを鍋ごと持ち上げると、そのまま紫の部屋へ向かって歩き出す。
何度か来たことがあるので八雲邸の内部構造は大体知っていた、そこまで広いわけでもないし。

「おでんー!!」

橙が悲しそうに叫ぶ。藍は殴ってでも霊夢を止めるべきなのだろうが、
霊夢の変な臭いと威圧感のせいで近づけずに、そのままあえなく紫の部屋への侵入を許してしまう。
そこにはすやすやと寝息を立てる紫の姿があった。

「ふふふ、寝ているときは天使のような顔をしているのね」
「ま、待て霊夢!」

霊夢は追いかけてきた藍をまったく気にする様子も無く、
煮えたぎっている鍋にさいばしを突っ込むと、灼熱のハンペンを掴んでそれを紫の鼻の頭に乗せた。

「むにゃむにゃ……あぁ、似合ってるわ霊夢~……ぅあっつ!!」

紫は鼻を押さえて飛び起きるとそのままもんどりうった。

「おはよう、紫」
「訴えてや……!! ってあら? どうしたのかしら? 霊夢」
「あんたでしょ、犯人は」

霊夢は両手で紫の襟首を掴んで無理矢理起こし、睨みつける。

「無礼者!! 紫様に何をするか!!」

主に手を出されて流石に黙ってられなくなった藍が霊夢に掴みかかろうとした……
が、それを制したのは紫だった。

「待ちなさい、藍……霊夢はきっと新しい属性に目覚め……臭ッッ!!」

紫が驚いた様子で鼻をつまむと、霊夢をまじまじと見る。

「あんたのせいでしょ? わかってるのよ」
「わ、私じゃないわよ……いやああああ!! 私の霊夢から変な臭いがするの!
 いや、いやよこんな臭い!! 霊夢と言ったら、石鹸の香りか、ほのかな汗の匂いなのよ!!
 そう、言うなれば少し苦戦してしまった後の、乙女の汗の匂いしか許されないの!!」
「こいつ、頭おかしいわ」

しかし凄まじい取り乱しようだ、見る見る涙目になったと思ったら、もう大粒の涙がこぼれている。
胡散臭いから油断はできないものの、この紫は流石に迫力がある。

「何があったのか知らないが、紫様はここしばらく家を出ていない……離してやってはもらえないか」
「……くっ!」

藍にそう言われて手を離すと、紫は布団に頭を突っ込んで大声で泣き始めてしまった。

「あのー……私そんなに臭い?」
「ああ、臭い」

鼻をつまみながら藍が答える、その後ろに隠れるようにして霊夢を見ていた橙も鼻をつまんでいる。

「くさーい」
「ドクダミの臭いだな……私は鼻がきくから一層きついというのもあるが……しかし霊夢、
 考えてみろ、あの永夜のときは私も一緒に居たからわかるが……
 大きな事件というのは、それによって得をする者、もしくは幻想郷が異常な状態じゃないと困る者、
 大抵そういう者達が犯人だろう、これだけショックを受けている紫様が犯人と思うか?」
「そう……ね……」

確かに、霧の事件が起きた時は、日光が当たることに不都合なレミリアが犯人だったし、
幽々子が春を集めていたのは、得とは少し違うが、西行妖を咲かせたいと思う好奇心からだった。
永夜の一件に関しては、月の使者の侵入を拒むという輝夜達の目的が存在していた。

「うぁぁぁん! 霊夢から変な臭いがするのーー!!」

霊夢は犯人が見つからない苛立ちから、濡れ衣を着せては憂さ晴らししていただけだったと気付く。
紫は布団に頭を突っ込んだ姿勢のまま二度寝に入ってしまったので、藍に相談してみることにした。
居間に戻ってこれまでの一部始終を説明する。

「ドクダミの異常繁殖……か」
「そうなのよ、心当たり無いかしら……」

鼻をつまみながら考える藍、の横にはそれを真似するように鼻をつまんで考える橙。

「ドクダミが博麗神社にいっぱい生えてないと困る人物……」
「ねえ、藍様」
「ん? どうした橙」
「永琳って人がドクダミをもらってったんだから、永琳って人は今回の異変で得してるんじゃない?」
「うーむしかし……最初に相談に乗ってくれた相手だろう?」
「それは無いと私も思うわ」

霊夢と藍が顔を合わせる、すると藍の表情が見る見る変化していった。

「待て、霊夢! お前……!」

藍が身を乗り出して霊夢の頭を掴むと、マジマジとその目を凝視し始めた。
ほんのわずかだが目が赤くなっている、疲れによる充血とかそういう目ではない。
今までは臭いばかり気になっていたが、藍はそれを見逃さなかった。

「これは……」

そう、永琳の従者、鈴仙・U・イナバの能力だ。
霊夢が妙に殺気立っていたのは、この能力によるものだったのかもしれない。
藍は手鏡を持ってくると、改めて霊夢にそれを教えてやった。

「う、うそ、何よこれ……」
「にわかには信じがたいが、どうやら橙の予想で当たっているようだ」

確かに永琳がやったというと納得の行く部分が多い。
ドクダミの異常繁殖という異変について、永琳が絡んでいるとは考えにくいが、
それならそれで放って置かれればずっとバレずに済む。
自分の所へ相談に来たならば、恩を売っておけばカモフラージュになる。
その際に鈴仙の能力で少し狂わせておけば、後は勝手に深みにはまっていくことだろう。

「しかし腑に落ちないこともある……」

まず、ドクダミが欲しいだけなら、何故博麗神社に生やす必要があるのかというのがひとつ。
そもそも、そんな簡単に生やせるドクダミを欲しがるのもよくわからない。
それ以前に欲しがってるのかどうかも怪しい、一度あのウサギ達に採らせたきりだし。

そしてもう1つは、鈴仙の能力を使ったことだ。
効果は抜群だが、傍から見るとこんなにわかりやすい症状が出てしまうし、
それは鈴仙の能力でしか現れない症状なので、バレやすい上にかなり犯人が絞り込まれてしまう。
霊夢は耐性が強かったらしく、効果も薄かったし、目の色が変わるのに時間もかかったようだが。

「でも……ただ訪れた私に、そんな素振りも見せずに能力を使うなんて普通じゃないわね」
「そうだ、そこだけでも確認する必要はある」

そこに来て藍と霊夢が同時にハッとする。永遠亭の凄まじい防衛力を思い出したのだ。
永琳単体でだってとてつもない戦闘力を持っているのに、その両脇を固める2匹のウサギ、
さらにそれをサポートする下っ端のウサギ、騒ぎすぎればボスの輝夜が出てくる可能性さえある。
地形的にも、竹林を哨戒するウサギ達に一度でも見つかれば、万全な防衛態勢を整えてしまうだろう。
永夜の一件を解決したときだって、霊夢、紫、藍の3人でギリギリだったのだ。

仮に霊夢が真相に気付いて、仲間を連れてきたら迎撃、1人なら永琳と1対1でも問題無い。
つまり、バレてもなんら問題は無いと高をくくられていたのだ。それゆえ鈴仙の能力を遠慮なく使った。
最初1人で来た霊夢を易々と受け入れたのはそれもあるだろう。

「だが、まぁ……1人で乗り込めば、侵入は楽なんじゃないか?」
「でもそれだと、永琳を問い詰めて犯人だと発覚したとき、脱出できない恐れがあるわ……」
「確かにそれもそうか……」

そう、犯人を暴き、懲らしめ、異変を止めるのが目的だ。
返り討ちに遭っては意味が無い。

「ん……?」
「どうした、霊夢?」
「ああ……こっちにも切り札があるじゃない」
「……どういうことだ?」

霊夢は赤い目をしたまま、すくっと立ち上がった。

「紫のことじゃないから、別に起こさなくて良いわ……紫には謝っておいてくれる?」
「あ、ああ、わかった……」

紫があんなに泣くなんて、本当に申し訳ないことをしてしまった。
いくら狂気の瞳にやられていたとはいえ、心が痛む。
そして藍は釈然としない様子だったが、霊夢には1つの作戦が見えていた。
自分を狂気にしてくれたことを後悔させてやる、という怒りが沸々と湧き上がってくる。
ドクダミのことも解決できるなら一石二鳥だ。

敵の象徴、満月を赤い目で霊夢が睨む。



翌日もドクダミはそのままだった、抜いてないから増えてもいなかった。
鏡を見ると、もう誰が見てもわかるぐらい目が真っ赤になっていた。
それに比例するように、自分の中から怒りのパワーがこみ上げてくるのを感じる。

「準備はバッチリ、覚悟しなさい鈴仙! そして永琳!」

霊夢は全速力で永遠亭へと向かう。
道中、竹林で哨戒のウサギには会ったが特に攻撃は受けなかった。
もしかすると永琳と鈴仙しかこの異変に関わっていない可能性もある。
とはいえ油断はできない、最悪の場合は強行突破も覚悟の上で霊夢はやってきた。
しかしそんな不安は現実にはならず、入り口までは何の問題も無く辿り着くことができた。

「ちょっと先日のことで永琳に相談があるのよ、鈴仙、案内してくれる?」
「え、ええ……」

(うっ、やば~……怒ってる……)

永遠亭に着いた霊夢を見るなり、鈴仙は苦い表情を浮かべた。
永琳はまだわからないが、少なくとも鈴仙がわざと幻視をかけたのはこれで確実になった。

「そ、それでドクダミはどうなったの?」
「なんであんたが知ってるのよ」

永琳の部屋へ案内中、沈黙に耐えられなくなった鈴仙が発した言葉は見事に墓穴を掘った。

「え、あ、え……し、師匠から聞いたのよ、そうそう」
「あら、そう」

別に鈴仙が知っていてもまったくおかしくはないのだが、それについて慌てる鈴仙。
やっぱりか、とボロを出した鈴仙を見てさらに確信する。わかりやすいやつだ。
まぁ鈴仙をやるのはいつでも良い、まず先に永琳を押さえておかなければいけない。
また長い廊下を歩いて、関係者以外立ち入り禁止の永琳の部屋の前へ。

「じゃ、くれぐれも失礼の無いようにね……」
「……」

鈴仙も覚悟を決めたのか、自分でノックをせずに勝手に霊夢に入らせた。
そして霊夢が永琳の部屋に入るや否や、側に居たウサギに警戒態勢を張るよう命令する。
鈴仙自身も、少し離れて永琳の部屋を見張った。
永琳は不老不死だから心配ないが、霊夢と永琳がここでやりあえば被害は並々ならぬものになるだろう。
その被害を最小限に食い止めると同時に、即座に霊夢を撃退するためだ。



「思ったより早かったわね……霊夢」
「やっぱりあんたなのね……? ご丁寧に悪の親玉みたいな台詞吐いてくれちゃって」
「ふふふ、面白いことを言うわ」

部屋の中では椅子に座った永琳を霊夢が見下ろす形になっている。
永琳の前には大きな机があり、様々な実験器具や薬品が並べられていた。

「あれは私が開発した薬を投与したドクダミなのよ、蓬莱の薬の効力を引き下げて……
 再生力を犠牲にして、再生するときにより多く繁殖するように調整したの。植物限定だけれどね。
 つまり無限に再生するわけではないわ、抜き続けてればいつか無くなるはずよ。
 でも抜くたびに数が増える、そして臭いが強くなる、そんなすごいドクダミなのよ」

迷惑もいいところだ。
イライラしつつも霊夢は訊きなおす。

「そんなこと聞いてないわ、なんでそんなことしたのか聞きたいの、ドクダミが欲しいから?」
「まさか」

クスクスと笑う永琳の態度がさらに霊夢の怒りをくすぐる。

「復讐よ」

急に真顔になった永琳を見て、霊夢は思わずたじろぐ。

「まさか、あの永夜の件をまだ恨んで……」
「違うわ」

永琳は立ち上がり、遠くを見つめた。

「私のウドンゲが……八雲紫の気まぐれで酷い目に遭わされたのよ」
「酷い目?」
「ええ……」

そして永琳が語りだす、ことの概要はこうだ。

スキマから突然永遠亭内部に侵入してきた紫は、警備のウサギ達をことごとく突破すると、
最後にやってきた鈴仙を捕まえて。

「その耳本物? 付け耳よね? 私のスーパーアイはごまかせないの」

と言って、鈴仙の耳を散々いじくり倒して行ったらしい。
永琳が駆けつけた頃には既に紫の姿は無く、そこには耳を奪い取られた鈴仙が倒れていた。

「えっ!! あれやっぱり付け耳だったの!?」
「違うわよ!! その後ちゃんと生えてきたもの!!」

「いやそれ、やっぱ付け耳だから、スペアつけたんじゃないの?」と霊夢は思った。
それに、ウサギの耳って取られた後生えるものなのかしら、とも思った。
だが、永琳の凄まじい剣幕に圧されてそれ以上何も言うことができなかった。

「私は考えたわ……奴自身に復讐するのでは、骨も折れるし、すぐ立ち直りそうだし……
 だから、奴の大切にしている者をメチャクチャにしてやろうって!!
 何故なら奴は私の大切なウドンゲを泣かせたんだもの!!」

永琳は涙ながらに机に拳を叩きつける。
なんでそこで博麗神社をドクダミだらけにするという方法を取るのか、そこがよくわからない。
霊夢は一瞬永琳が紫に見えた、病んでるこいつ。流石は月の人、地球人には理解できないや。

「ええ、確かに紫は大泣きして悲しんでたわよ」
「ふふふ、そうでしょう、良い気味だわ」
「でもね……」

負けてばかりはいられない。

「私がどれだけドクダミに苦しめられたと思ってるのよ!!」

霊夢はお払い棒を振りかぶって永琳に殴りかかった。
しかしそれはいとも簡単に回避されてしまう。

「あはははは、そんなの私の知ったことではないわ。
 最初に私のウドンゲにちょっかいを出した八雲紫が全て悪いのよ!!」
「そうね、それは大いに認めるわよ……でも紫のあの涙、あの美しい涙……
 あんたの復讐がどんなに正しい動機の元に行われていたとしても、私は許せない!!」

そろそろ霊夢も本格的におかしくなってきていた。恐るべし狂気の瞳。

「それにしても霊夢、貴女、自分の置かれている状況がわかっていないようね。
 ここで暴れると言うことは、この永遠亭全ての人員を敵に回すと言うこと。
 八雲紫も、八雲藍も居ない今、貴女に勝ち目があると思っているの?
 仮に私を倒せたとして、外のウサギ達の包囲網を突破できて?」

やはり永琳にはそういう算段があって、あえて霊夢の侵入を許したのだ。
しかし余裕を見せる永琳を見ても、霊夢はまったくひるまない、何故なら、

「誰が一人で来たなんて言ったかしら~? そろそろ来てるはずよ、永遠亭襲撃のプロが」
「……何ですって?」



「妹紅だ!! 妹紅が来たぁぁ!! 総員戦闘配備!! 姫の部屋への侵入を許すなーっ!!」

永遠亭は大混乱だった。
霊夢に対する警戒態勢が完全に敷かれてしまっていた状態での藤原妹紅の襲撃。
いかに永琳が偉いと言えど、ウサギ達が最優先で守らなければならないのはもちろん輝夜である。
それを見越して、前日の内に霊夢が妹紅の元を訪ねて、協力を依頼したのだ。

「引っ込んでなザコ!! あんまりしつこいと焼き殺すわよ!!」

妹紅がポケットから手を引き抜くたびにあちこちに爆炎が巻き起こる。
ウサギ達は必死に抵抗するも、それは全く実を結ばない。

「隊列を組んで弾幕を張るの!! どうせ殺せないんだから、少しでも時間を稼ぎなさい!!」
「へ~、徹底的にやり合うつもり? 容赦しないよ?」

てゐの命令を受け、隊列を組んだウサギ達が一斉射撃を開始する。
それに対して妹紅は鳳凰の翼を折り曲げて全身をガード、全ての弾が翼へと吸収された。

「邪魔をするな!!」

ポケットから引き抜かれた妹紅の手には1枚のスペルカード。

蓬莱「凱風快晴-フジヤマヴォルケイノ-」

「ひぃぃぃぃぃぃ!! リーダー!! もちませんっ!! 離脱しますー!!」
「ちょ、ちょっと!! 根性無しー!! って私も!? あーれー!!」

無数の炸裂弾の爆発で、妹紅を取り囲んでいたウサギ達は1匹残らず吹き飛ばされてしまった。

「ふん、今日は霊夢が抑えてくれてるから八意永琳が出てこない。やりやすくていいわ」

ニヤリと微笑むと、妹紅は火の粉を巻き上げながら輝夜を探し始めた。



そんな妹紅とウサギ達の戦いの音は永琳の部屋にまで届いていた。

「まさかあいつを呼ぶなんて……」
「別に難しくもなんともなかったわよ『永琳は私が抑えるから、自由に暴れて良いわ』って言っただけ」
「く……姫を守りに行かなくては……」
「そうは問屋が卸さないわ、あんたはここで私にやられる運命なのよ」

立ちはだかる霊夢の赤い瞳、そして漂うドクダミ臭はなんとも言えない威圧感を生み出していた。
しかし永琳だってそう簡単に倒せる相手ではない。

「以前は八雲紫と八雲藍がいたから不覚を取ったけれど……この私が貴女1人でどうにかなると?」
「何言ってるの、今の私は一人じゃないわ」
「戯言を!」

永琳は懐から薬品を取り出すと、それを一息に飲み込んだ。

「何を飲んだの……?」
「なんてことはない、ちょっと霊力を増強する薬よ。貴女がその気なら徹底的にやろうと思ってね。
 そうすれば、きっと八雲紫もさらに悲しむことでしょうし、ふふふ」
「違うわ……あんたの本音はそうじゃない」

霊夢は永琳を見て不敵な笑みを浮かべる。

「あんた心の奥底で、どこか私を恐れているわ。そんな薬に頼っても無駄よ」
「貴女は本当に冗談がお好きね……もう聞き飽きたわ、大人しくやられなさい」

呆れたように笑うと、続いて永琳はスペルカードを取り出した。

神脳「オモイカネブレイン」

「ふふ、突破できるものならしてみなさい……容赦はしないわ」
「あらそう、じゃあお言葉に甘えて……」
「ッ!?」

霊夢は弾幕お構い無しに突き進んでくる。
しかし、その弾幕は全て霊夢に当たる直前で方向を変え、1つとして直撃することは無い。

弾「この子、くさっ!!」

そんな弾の声が聞こえた気がした。

「な、なんてこと!?」
「このドクダミの戦いに、弾幕など不要ということよ!! 物言うは、肉体とドクダミのみ!!」

そして凄まじい速度でお払い棒を振り上げると、霊夢はそれを永琳の脳天に振り下ろした。

「痛ッッ!! 何だというの? まったく見えない……!?」
「受けなさい!! 皆の怒り!!」

永琳が驚きの表情で霊夢を見ると、すでに霊夢は次の攻撃に移っていた。
ラグビーで言うタックル、柔道で言う諸手刈り、霊夢は身をかがめて永琳に突進すると、
その両足をすくって仰向けに転ばせ、いつも通りの馬乗りの姿勢になる。
永琳は確かに強い、しかし狂気の力とドクダミの力、そして……
自分のために犠牲になったたくさんの友、彼女達が霊夢に力を与えてくれた。
霊夢の背後に、彼女達の魂がオーラとなって燃え上がる。

「な、何なのよっ!?」
「まずこれはメディスンの痛みよ!!」
「痛い! 痛い! 痛い!!」

いつも通りのお払い棒攻撃、永琳の頭に次々とコブができていく。

「調子に乗るんじゃ……!!」
「そしてこれは幽香の苦しみ!!」
「ぅぁ臭ッッ!!」

十薬「悪臭-手もみドクダミ-」

よく揉んだドクダミを鼻の上に乗せる。
実際ドクダミはかなり臭い、手で揉んで鼻に乗せるなんて外道のやることだ。って慧音が言ってた。

手もみドクダミが少し口に入ってしまったらしく、永琳はそれをぺっぺっと必死に吐き出している。
しかし霊夢の攻撃が病むことは無い。

「これは紫の涙!!」
「ひ、いや、やめてえええ!!」

『ぽたっ』

毒溜「ドクダミ一番生絞り」

手もみはともかく、ドクダミから汁が出る事はあれど、私の知る限り全て
すごい臭いだ。完全な一番絞りはこうである。なんか生理的に嫌な臭い。

紫の涙がドクダミ汁と同義とはとても酷い。
そして最後に霊夢が取り出したものは……ドクダミの青汁、言わば一番生絞りの強化バージョンだ。

「だ、ダメ!! それだけはやめて!!」
「きっと健康に良いわよ、まぁ何かあっても責任は取らないけど」
「そんな殺生な!!」
「さぁ、これは私の分よ、よくも今まで散々苦しめてくれたわね!!」

青汁「激臭-グリーンドクダミ-」

ドクダミ茶は作り方を間違えると青汁だ。お茶となるドクダミは青汁にもなる。
製法を間違えると、ドクダミをお茶にするつもりで青汁になるのだ、って慧音が言ってた。

いくらなんでも青汁とお茶の作り方を間違える奴なんていないと思うが。

「ごぼぼぼばばぼぼ!!」
「さー博麗神社特製の素晴らしいドクダミ茶よ~、残さず飲んでね」

ここにいた。
ドクダミ青汁をどばどばと口の中に入れられる永琳。
程なくしてポットは空になってしまったが、威力は十分だった。
ドクダミ臭に包まれて、失神する永琳。
ただ倒そうと思ったって不老不死なんだから、どうしようもないのである。
そういう意味ではこの制裁は正しい。

「皆、仇は討ったわ……安らかに眠って頂戴」

霊夢の頬を伝う一筋の涙。
だが忘れてはいけない、実際に彼女らに手を下したのは霊夢だということを。
紫はともかく、メディスンや幽香は、ただ八つ当たりされただけだということを。
あと、別に誰も死んでない。

「天網恢恢疎にして漏らさず!!」

しかし狂気の霊夢は、もはやそんなことどうでもいいぐらいのハイテンションだった。

「しまった、ドクダミを即座に除去する方法と、目を治す方法を訊くのを忘れてたわ……まぁいいか」

身体のあちこちに仕込んできたドクダミを永琳の周りにバラまく。

「花葬……せめてもの情けよ」

というより嫌がらせだった、あと何度も言うけど死んでない。
しかしそんなこと一切気にせず、霊夢は永琳の部屋を出た。



「し、師匠、我々だけでは抑えられません……姫を……」

鈴仙が足を引きずりながら永琳の部屋に向かっている。妹紅にやられたのだ。
見事なことに妹紅はあれだけ派手に暴れておきながら、永遠亭のウサギを1匹も殺していない。
それこそが、圧倒的な力の差を思い知らせた。

「無駄よ、永琳はしばらくリザレクションしないわ」
「れ、霊夢……」

永琳の部屋から霊夢が出てくる。
鈴仙は霊夢の巫女服があちこち緑色に染まっているのに気付いた。

「あ……あぁ……!!」
「ん? 何よ」

わなわなと震える鈴仙。

「師匠ーー!! 宇宙人の血はやっぱり緑色だったんですねーー!? うぁぁぁぁん!!」
「はぁ……?」

何かを勘違いして勝手に悲観にくれる鈴仙を見て、霊夢は毒気を抜かれてしまった。
妹紅にも痛めつけられたようだし、もう十分だろう。しかし、どうやって帰ったものか。
そんなとき、霊夢に声を掛ける人物が居た。

「道に迷ったんだろ、案内してあげるわ」

それは服があちこち焼け焦げた妹紅だった。

「あら、妹紅……もう輝夜と戦ってきたの?」
「少しやったんだけどね、永琳永琳ってうるさいからやる気無くなったんだよ」

妹紅が苦笑する。確かに永琳はいつだって輝夜の側に居て守っていた。
輝夜自身も弱くはないのだが、永琳が側に居ない不安から遅れをとってしまったんだろう。

「なんだかなー、私強くなりすぎたのかしら」
「さあね……じゃ、厄介なことになる前に案内してもらえる?」
「はいよ、ついてきな」

霊夢は妹紅に導かれて永遠亭を脱出する。流石に何度も来てるだけあって道に詳しいらしい。
途中、ウサギの残党に発見されたが、そのどれもが妹紅を見て逃げ出してしまった。

「意外と面倒見がいいのねーあんた」
「1回限りとは言え戦友だしね、置いてくわけにも行かないだろ」

竹林を出たところで妹紅と別れる、あとはもう霊夢1人でも帰れるだろう。
妹紅がポケットから出した手をひらひらと振る。

「しっかし臭かったわねあいつ……目が怖くて言えなかったけど」

別れた後、妹紅がそう呟いていたのも知らずに、霊夢は博麗神社へと帰るのだった。



あれ以来、霊夢は仕方がないので1人でドクダミを抜き続けていた。
抜き続ければいつか無くなる、という永琳の言葉を信じてだ。
永遠亭に行こうにも、あれ以来霊夢はブラックリストに載ってしまい、ままならなかった。
ならばせっかくだから、このドクダミを前向きに利用しようということで、
乾燥させてドクダミ茶を作ってみたりした。

「あら……意外といけるじゃない?」

ドクダミ茶の作り方は咲夜が詳しかった。
「霊夢が困ってるみたいだから少し助けてきてやりなさい」というレミリアの命を受け、
ドクダミの様々な利用法を伝授していっただけでなく、大量のドクダミをもらっていってくれた。

「うちには生傷が絶えない門番がいるからね」

とのことだ。日頃ドクダミを触ることがあるのか、咲夜は特に臭いとは言わなかった。
ともあれ、咲夜様々レミリア様々、である。

(抜き続けてればいつかは無くなってしまうのね……)

そう思うと少し寂しいような気がしなくもない。
ここしばらく苦楽を共にしてきたドクダミ、時には毒霧や弾幕から身を守ってくれたりもした。
確実に愛着が湧いていた、お茶にするとなかなか美味しいこともわかったし。

(でも、やっぱりそんなこと……愛着が湧いたのもこの目のせいかしらねぇ)

相変わらず霊夢の目は赤いままだったが、何故かドクダミ茶が効いているようで、
その目の色は日に日に元の色を取り戻していた。
全て丸く収まりつつある、そんなことを考えているとき、突然の来訪者。



「よう霊夢! 遊びに来たぜ……くさっ!!」



魔理沙が来たと思ったら、ドクダミの臭いを嗅いで即座に飛び立って行ってしまった。

「……」

霊夢の目にじわりと涙が浮かぶ。



「やっぱりいやああああああ!!」



結局、霊夢はしばらくドクダミに悩まされることになった。
魔理沙によって「ドクダミ神社」という最低なネーミングを広められただけに留まらず、
「ドクダミ臭と狂気の瞳で狂った巫女、濡れ衣着せて大暴れ」という記事が文々。新聞に載ったり。
そのドクダミ臭と狂った霊夢の恐ろしさから、しばらくの間宴会も途絶えた。

紫だけは臭いに慣れたのか、

「こういう霊夢もありだと思うの」

と言って遊びに来たりはしたが、霊夢は素直に喜べなかった。





BAD ENDING NO.3
再度このキャラでノードクダミクリアに挑戦してみよう!
知り合いの家の前にドクダミが生えているんですよ。
コンクリートさえ貫いてたくましく生えているドクダミ。
それをネタにさせてもらいました。

なんだか、皆好きなキャラなんですが、いつもバッドエンドになります。
なんででしょうね……どうか怒らないでください。私も悲しいのです。
霊夢の腋とか、夏の風物詩ですしね(変態

あと、この作品を書くに当たって、ドクダミやらスズランやらについての知識が
無駄についてしまいました、皆さんのウンチクにもなったらこれ幸い。
ドクダミ茶は失敗するとタール質が出るそうです、タールというとタバコのアレ。
多分一撃で人を殺すような猛毒では無いと思うんですが、
途中まで書いてその辺の描写を全て修正しました、難しいですね創作って。

あと今回も長くなってしまいまして、読み終わって疲れた読者様には申し訳ないです。
今後はできるだけスマートにまとめられるよう、努力していきたいと思います。
VENI
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コメント



0.9730簡易評価
4.60名前が無い程度の能力削除
まさにドクダミ外道! 笑わせて貰いました
メディとゆうかりんカワイソス
9.60名前が無い程度の能力削除
ドクダミのあの匂いは集結すると物凄く臭いますよねぇ…
因みにドクダミ茶飲んだことありますがあまり美味しくは感じませんでした(´・ω・`)
13.70削除
十薬「悪臭ー手もみドクダミ」吹いた。アレは危険だ。双方のダメージがすごいことに
 あとやっぱり紫は頭おかしいって言われるのかw
18.80SETH削除
なんでおでんなんだ 死ぬほど笑ったですw
19.80名前が無い程度の能力削除
薬も過ぎるとダメ、絶対か…それにしても何てヤツだ
まさかドクダミ一番絞りを実演するだけに留まらず試飲までさせるとは
20.90名前が無い程度の能力削除
wwwwwwこれは酷いwwwwwwwもう色んな意味で酷すぎるwwwwwwww
ドーさんの展開するDSフィールド(Doku-dami Stench Field)…凄すぎる。
ドクダ巫女になった霊夢は無敵といえるだろう。交友関係が犠牲となるが。
21.90煌庫削除
うわぁ、すさまじ過ぎるししょーの怒りがミコの復讐となって呪詛返しを食らっちゃいましたよ。てか、ドクダミ怖っ!
23.100名前が無い程度の能力削除
終始貫かれているドクダミテンションが素敵です。霊夢(の匂い)に幻想を持ってる紫が素敵です。最後に霊夢が目に涙を浮かべた時にはグラッと来ました。
25.90名前が無い程度の能力削除
読んでるだけで臭いが漂ってきそうだw
しかしこれがあれば紫の靴下の臭いm(スキマ
26.-10名前が無い程度の能力削除
小児喘息を患っていた為に、民間療法どくだみ茶をがきの頃から飲んでいた身としては
この扱いは少し悲しい
東方SS的には、パチュリーの喘息治療の為にどくだみ茶をつくるような話を
誰か書いてくれないかな~とか思っていたのだけど
30.80名前が無い程度の能力削除
もこたんが強くて非常に満足した(*'-')
あの二人のパワーバランスが公式に出てないけど、魔理沙のセリフからもこ>ぐやだと信じている・・・!

↓それは「ハンバーグ嫌いだからハンバーグの出てきた作品全部嫌い」って言ってるようなものでは・・・
31.80名前が無い程度の能力削除
ドクダミ結界SUGEEEEEEEEEE!!!!
32.無評価名前が無い程度の能力削除
>-10点を入れた名無しさん
「ドクダミ自体」の扱いが悪いんじゃなく、「ドクダミの量があまりにも多いときの臭い」の扱いが悪いだけだと思いますのでそんな悲しまなくて良いかと。
言うなれば、納豆は美味しいから多少の臭いも我慢できるけど体中納豆まみれになれって言われたら無理、みたいなものでしょう。
44.90名前が無い程度の能力削除
絶対この後に
臭符「ドクダミ結界」が作られたに違いない!
46.80名前が無い程度の能力削除
ドクダミの生命力は確かにすごいものですね。
排水路の周り一面に今、咲き誇ってます(花も)

実際身体には良いので薬効として考えればお金にもなるんじゃないかと思ってみたり。
まあ、それでも量が多くなりすぎれば邪魔なだけですがねぇ……。
何事も程々が一番でしょう、うん。
49.無評価VENI削除
たくさんのコメントありがとうございます、毎回の励みになっております(礼

>この扱いは少し悲しい
それはもうしわけない……考えはしたんですが。
そのため、最後に霊夢がドクダミを少し気に入ったりする場面を入れて、
緩衝材にしたつもりだったんですが、それでもあんまりだったかもしれませんね。
気分を害されたのなら本当にもうしわけありませんorz

しかし喘息にも効くとは、本当にすごい薬効ですね。
50.60変身D削除
えーりん回りくどすぎ……
取りあえず泣きじゃくるゆかりんに萌えました(w
51.80名前が無い程度の能力削除
何気にジャギ扱いになってる師匠カワイソス。(´・ω・`)
53.90名前が無い程度の能力削除
紫 様 が !
54.70名無し削除
どくだみ茶と麦茶を3:1の割合で交ぜたらなかなか後味がすっきりして美味しいですよ。(自分も小さい頃アトピーに良く効くと言われて毎日のように飲んでいたので)


にしてもどくだみってそんなに臭いかなぁ……
匂いこそすれども納豆とかに比べたらそんなに臭くない部類の匂いだと思うのですよ。多分僕のどくだみに対する反応は咲夜さんのようなものだと思います。
56.90名前が無い程度の能力削除
殴打巫女が素敵でした。
57.無評価VENI削除
>どくだみ茶と麦茶を3:1の割合で交ぜたらなかなか後味がすっきりして美味しいですよ
ほほうそれは……出てくる出てくるドクダミのお話。
結構調査してから書いたんですが、とてもためになりますね。

臭いと言うか……まぁ臭いのですが、書いた本人的には鼻にツーンと来る感じですね。
あまり好ましい臭いではないです(申し訳ないですが
嗅覚麻痺ではないですが、やはり嗅ぎ慣れるかどうかって結構大きいのではないかなと。

まぁただ、永琳特製の秘薬が配合されていますので……
現実のドクダミよりもはるかに臭いドクダミだと思っていただければ……(おい

しっかしアトピーにまで効くのか……ほんとすごいなぁドクダミ……

あと、たくさんのコメントいただけてとても嬉しいです。
「ドクダミマメ知識」的なもの中心の返信で申し訳ないですが……w
59.90名前が無い程度の能力削除
ドクダミまみれの内容の影で自分の妄想通りのもこたんが描かれてて感動したっ
62.100名前が無い程度の能力削除
泣かされるゆうかりんちょうかわいい
大変おもしろうございました
70.90名前が無い程度の能力削除
面白かった!

>>弾「この子、くさっ!!」
(;゚д゚) 弾が!?
71.100名前が無い程度の能力削除
うちの親戚のうちに行くとドクダミ茶飲まされます…
あれは…たまらんねぇ
兎に角、ドクダミおもしろかったです
72.70名前が無い程度の能力削除
ドーさんTUEEw
73.100茄無詩削除
丁度飲んでた爽健美茶吹いたw
テンポもよく笑わせてもらいました
77.90TKA削除
いや~、ドクダミってすごいのですな…良い意味でも悪い意味でも。
八つ当たりに遭ったメディスンと幽香に…合掌。
89.無評価まんぼう削除
vsメディスンで爆笑。その流れのまま一気に最後まで呼んでしまいましたよ
それにしてもノードクダミプレイっていったいどんなストーリーになるんだろうw
90.90まんぼう削除
点数入れ忘れましたorz これもドクダミのせいかっ(違
93.90名前が無い程度の能力削除
腹が腹がよじれる
95.80名前が無い程度の能力削除
93っ。
108.100都火羅の民削除
やばい ドクダミ茶が飲みたくなってきた!
114.100名前が無い程度の能力削除
久しぶりにこんな笑ったwww
すげぇよ、ドクダミ!
118.90名前が無い程度の能力削除
くさっ
120.無評価名前が無い程度の能力削除
ガキの頃慢性副鼻腔炎の民間療法でさんざ自家製ドクダミ茶飲まされたわけだが。
ドクダミ茶にする段階で乾燥するから臭気の成分が揮発して茶は臭くないのですよ。
むしろ好きな風味だったり。慣れもあるかもだけど。

生のドクダミは・・・絞り汁直接鼻に垂らされたら刺激で転げまわるよw
121.90名前が無い程度の能力削除
↓いけね点数忘れ。これもドクダ巫女の呪いかッッッ!?
126.80aki削除
なるほど、これがドクダ巫女か…。
ドクダミはよう知らんのですが凄いにおいなんだろうなあ。
メディスン以下略とても不憫です。
128.-20名前が無い程度の能力削除
どうも、GF団氏のおすすめ小説と私の感性は合わないようだ。
133.90名前が無い程度の能力削除
素敵すぎるノリに爆笑
ドクダミSUGEEEEEEEEEEEEE
138.80名前が無い程度の能力削除
東方小説の新境地を開拓しましたねw
151.100名前が無い程度の能力削除
なんでドクダミ茶飲んで帰ってきたところでコレ発見するんだ俺wwwww
まさかこれもドクダミパゥワァー!?

どうでもいいが怒涛の復讐を開始した霊夢が丞太郎化してる件についてwww
154.100名前が無い程度の能力削除
「分かったわ、ドーさんの意味!」で盛大に吹いたwww
あなたのおかげで霊夢の脳内CVがみやむーに変更されてしまったじゃないですかw

ぶっ飛びギャグでありながら序盤にしっかり伏線入れてるあたり
すごいなーこの作品、と素直に感心しました。
何気に妹紅が普通にかっこよかったのも個人的に高ポイントで、
登場シーンで「妹紅キタ―――――!!」とテンション上がりました!
156.90思想の狼削除
>灼熱のハンペンを掴んでそれを紫の鼻の頭に乗せた。
紫「訴えてや……!!」

…ダチョウ倶楽部ですね。
…何で誰もこのシーンにつっこまなかったんだろう…?
コレもドクダミの呪いか? 恐るべし…
162.100八岐之月天削除
ドクダミ恐るべし、泣かされた人は気の毒ですねぇ
妹紅出てきたときは吹きました
ユカリンまであんなに泣くとは・・・
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随所に仕込まれた無数のネタ達がまた素晴らしい
一条戻り橋に気付いた時はリアルに「ちょwおまwww」って言った
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普通に変態ばかりな幻想郷が素晴らしい。
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ド根性ドクダミね。
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ゆうか!?
ゆうかああああああああああ!!?
200.100時空や空間を翔る程度の能力削除
良き薬口苦し・・・
でも、臭いですね~。

臭いよね~
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日頃からドクダミ茶飲む事があるから、親近感。
美味しいのだけど・・・。

確かに人に勧めはしません。
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そのうち『博麗ドクダミ結界』とか『封ドクダミ陣』とか『ドクダミ結界-散』とか『二重ドクダミ』とか作り始めるんじゃなかろうか。だんまくの ほうそくが みだれる !(ドクダミによって)
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弾幕が避ける臭さってどんだけなんだよ……最高だ。
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「ドーさん」で不覚にも鼻から粘性の液体が・・・。やられた・・・。
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ゥッフ!!
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でノードクダミクリアwwwwwwww
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ドクダミは薄荷系のいい匂いだと思うんだけど……。
何はともあれ、野草を題材にこんな壊れSSを書ける作者様に最大限の賛辞を。
面白かったです。
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なにこのスーパードクダミタイム。略してSDT。
>弾「この子、くさっ!!」
腹筋がブチ壊れましたwwwwwww
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あれ!?
このエンデイングだしてねえや
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腹筋崩壊させられる小ネタが程良くちりばめられていて面白かったです
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因幡はマイフレンド。ドクダミってそんな匂いあったけなぁ...?別段クサくもなんともないと思うけど。