Coolier - 新生・東方創想話

紅魔館恋愛事情

2006/07/29 02:36:56
最終更新
サイズ
30.61KB
ページ数
1
閲覧数
1695
評価数
15/66
POINT
2730
Rate
8.22
「で、ちょっと目を放した間に何があったのよ?」
「見ての通りだ…わたしも分からん。」
「ぅー…。」
「話も要領を得ないんだけど…どうしたのかしら?」
「ここに来たときから、ずーっとこんな調子だしなぁ。」
「…うぅ。」
ここは博麗神社。
日の影になるところで、4人が話し合っていた。
1人はここの家主である霊夢。
1人は何時も通り何となく来ていた魔理沙。
1人は何となく魔理沙に付いてきたアリス。
そして最後の1人は…。
「だってしかたないんだからぁっ!」
「待て!?逆ギレされても困るんだがっ!」
「…というかレミリア落ち着いて。」
「吸血鬼の目にも涙ね…ものすごい貴重なものを見てるのかもね、わたしたち。」
そう、何故か大泣きのレミリアである。







紅魔館恋愛事情







「と、とりあえず落ち着かせないとだぜ。」
「そうね…何言ってるのか分からないし。」
「これでも飲んで落ち着くといいわ。」
アリスは何処かから錠剤を取り出し、お茶と一緒にレミリアに渡した。
「う…ごくごく。」
「…それは?」
「精神安定剤よ…吸血鬼に効くかは分からないけどね。」
「何でアリスがそんな物を持ってるんだよ。」
「…まぁ魔理沙とかに会う前に使っていたものだしね。」
「あんたも苦労してたのねぇ。」
「…はぁ。」
「少しは落ち着いた?」
「えぇ…ありがと…。」
「んで何があったんだ?」
魔理沙がそう聞いたのだが…。
「…えぐ。」
またレミリアは泣き出してしまった。
「おおぅっ!?き、効いてないぞっ!?」
「そんなに、やなことがあったの?」
「違う…けど…えぐ。」
「とりあえず話してもらわないと、何が何だか分からないわよ。」
「えぐ…そ、それもそうね。ちょっと聞いてほしいのよ…。」
そしてレミリアは少し前にあったことを話し始めた。





「…パチュリーに嫌われた!?」
「えぐ…。」
泣きながら話していたので、いろいろとおかしな表現もあったのだが…要約するとこういうことである。
レミリアがパチュリーのところに遊びに行ったのだが、小悪魔しかいない。聞いてみると実験中とのこと。
小悪魔には止められたのだが、レミリアはパチュリーが実験しているという部屋に行った。
そしてレミリアはどんな危険な実験だったのかを知らずに、実験器具にちょっとだけ触ったのだ。
その瞬間、実験は大失敗どころか、大爆発を起こしてしまう。
心配して一緒についてきていた小悪魔が、とっさに魔法障壁を張ったお陰で被害は最小限に抑えることは出来たのだが…。
パチュリーはもちろん大激怒。
レミリアは抑えようとしたのだが、パチュリーは本当に大事な実験だったらしく、ものすごい剣幕でレミリアを咎めた。
そしてレミリアは会ったときから見たことがないほどのパチュリーの怒りに押され、逃げてきたというわけである。
「ちょっと待って、レミリア。」
「…何?」
「はっきりさせておきたいんだけど。貴女の本当に好きな人は…パチュリー?」
「…えぐ。」
泣きながらもレミリアは頷いた。
「そりゃお前が悪いと思うんだが。」
「だ、だって!美鈴は喧嘩相手で友達のようなものだったし!」
「そんなこと聞いてないけど、錯乱してるのかしらね。とりあえず美鈴さんは喧嘩友達ね…咲夜は?」
「さ、咲夜はそりゃ好きになったけどっ!美鈴に一目惚れしたのを見ちゃったしっ!」
「そりゃ、育て役を美鈴に任せたお前が悪いだろ。まぁあの門番は、人妖霊問わず同じように接してるけどな。」
「うぅ…それを言ったら魔理沙はどうなのよっ!?」
「わたしか?わたしはアリスに決めたぜ?」
「へ!?」
レミリアは目を見開いて魔理沙を見た。魔理沙はアリスのほうを一度見る。そしてアリスは。
「今一緒に住んでるんだけど、言ってなかったかしら?」
「き、聞いてないわよ!?じゃぁフランとパチュリーのことは!?」
「パチュリーは分からんが、フランは好きなやついるって言ってたぞ?」
「はい!?そ、それこそ聞いてないんだけど!?誰なの!?」
あまりにも衝撃的なことだったのか、レミリアはかなり驚いていた。
「まぁ知らなかったのも不思議なんだが…ルーミアだぜ?」
「ぶ!?なしてルーミア!?」
全く知らないという感じで3人を見る。
「…変な方言混ざってるぞ。オイ。」
「わたしも聞いたときはびっくりしたけどね。」
「まぁな。確か、『お姉様は姉でパチュリーと小悪魔は先生、それに美鈴は咲夜のモノだしねー。あと魔理沙は姉みたいな人かなー。』ってな。」
「…。」
レミリアは驚きすぎてもう声も出なくなったのか、ぽかーんとしていた。
「あの2人、魔理沙と霊夢が攻め入ったあと、魔理沙とパチュリーが先生をし始めたちょっとあとだったかしら?」
「あぁ。確か美鈴と外に遊びに行ったときが最初か。」
「そうね。まぁルーミアもわたしが懲らしめたり、美鈴さんが料理を作ってあげたおかげで人を襲うようなことはなくなったし…。」
「フランも力の制御やら、情緒不安定もよくなってきてるしな。」
「い、いつの間にそんなことが…。」
がくっとするのだが、さらに追い討ちをかけるように、魔理沙。
「というかお前は妹や美鈴の相手をしてやらないのが悪い。教師役決めるだけ決めてほっといたろ。」
「うぐっ!」
がーんという感じでレミリアは固まってしまった。
「最近はいろいろと起こってるわね。」
「そうだなぁ…あの妹紅も何かしたとか。」
「確か…妹紅がもう戦うのを止めたんだっけ?」
「もう恨みつらみがなくなった、とか言ってたな。」
「まぁ1000年もたってれば消えると思うけどね。それに慧音さんもいるしねぇ。」
「刺客なんかは何時も通り相手して、輝夜とだけは相手してないらしいけど…。」
「そのせいで輝夜が御冠とか言ってたわね。ま、村に妖怪を放ったらわたしや魔理沙がまたはっ倒しに行くくらいは心得てるでしょうから、無茶はしないと思うけどね。」
「あと永琳が溜まっていたストレスやらを爆発させたらしいからな。言いくるめた、というかさとしたのが宴会で酔ってた美鈴と紫らしいがな。」
「えぐ…。」
3人の話を聞いていて悲しくなってしまったのか、レミリアはまた泣き始めてしまった。
「おおう!?な、泣くな泣くなー!」
「パチュリーに直接聞きに行くのもありだけど…。」
「…魔理沙やわたしじゃダメよねぇ?」
「はぐらかされるでしょうね…といっても面識のあまりないわたしじゃ無理…か。」
「うー…。」
「こうなれば小悪魔に頼むしかないか。でも、最終的にはお前の気持ちを伝えるのが大事だぜ?」
「そりゃ分かってるんだけど…。」
「500年生きててそういう恋愛の類は経験なし…ってわけね。」
そんなことを言っていると、レミリアは昔の話を始めた。
「わたしの初恋相手は、美鈴よ…?」
「ぶ!?」
「へぇ…。」
「一番最初にわたしとやり合えるだけの能力を持っていたのが、美鈴なのよ?」
「あー…なるほど。あいつ近接に関してはほぼ最強に近いだろうからなぁ。」
「でも淡かったと…忠誠心のほうが上だろうから、恋愛に発展するようなことはないわね。」
「それで次に、といっても数十年後にもなるけどね。パチュリーが来て…。」
「そのパチュリーはぶっきらぼうで、あんまり感情を出すようなやつじゃないからなー。」
「それで十年前くらいに咲夜さんが来たものの、美鈴さんに取られたと。」
「わたしのことはどうなのよ?」
「…。」
レミリアはだんまり。
「あー…わたしよりもパチュリーに対する想いのほうが強いのに、気が付いたということね。」
「その通りよ…。」
「ふーむ…しかしパチュリーの本心が分からないと…。」
「聞き出そうにも…あの性格だからねぇ。また冗談でしょとか言いそうだし…。」
「んー。こうなったら押すしかないか。」
「…当たって砕けろ?」
「というか、本当にそれしかないような気がするんだけど。」
「本気だって言うことを伝えるのが、一番大事だぜ?」
「で、でも…。」
そんな様子を見た霊夢は、レミリアに向かって話し始めた。
「…ねぇレミリア?」
「な、何?」
「パチュリーのこと、本当に好きなの?」
「え…?」
「パチュリーのこと好きなのなら思いを伝えるべきよ?」
「でも…。」
「それでパチュリーの好きな人が自分じゃなかったら、応援するべきじゃ?」
「…。」
レミリアは霊夢の言ったことを受け止めたのだが…まだ何か考えているようである。
「ま、一旦帰ったほうがいいぞ。」
「そうね…たぶん美鈴さんや咲夜さんも心配してるだろうし…。」
「それにパチュリーは図書館から出ることはないだろうから、大丈夫でしょ。」
「わ、分かったわ…。」
「とりあえず整理つけてからパチュリーと話し合えよ。」
「ん…ごめんなさいね。」
「また何かあったら来なさいな。」
「わたしたちもそれなりに手伝いくらいはするわよ。」
「ん…それじゃまた。」
レミリアは羽と日傘を開くと、ふらふらと紅魔館へ向かって飛んでいった。



残された3人は。
「しっかし…レミリアも大変だな。」
「…そういえばさっきの話で、ちょっと疑問に思ったんだけど。」
「ん?」
「霊夢の好きな人って…誰?」
「ぶっ!」
「…誰かいるみたいだな。誰だ?教えろよ。」
「えーっと…その。」
「紫とか?」
「なっ!?」
「なるほど…ねぇ。」
「ち、ちがっ!」
「顔真っ赤だぜ。」
「あぅっ!」






そして数分後、紅魔館前にて。
「た、ただいま…。」
申し訳なさそうに、そーっと紅魔館に入ろうとしたのだが。
「何でそんなにこっそりなんですか…自分の家でしょう。」
レミリアの後ろから美鈴が声をかけた。
「め、美鈴!?何で後ろから!?」
「…すみません、実はこっそり付いていってました。」
「!?き、聞いてたの?」
「…まぁ、少しは。」
「っ!」
「…すみません。」
「…いいのよ。貴女は忠誠心が強いのは知ってたし、それに最近はやってないけど喧嘩仲間だしね。」
「そうですね。」
「たまには昔のようにやってみる?」
拳をぐっと前に出して美鈴の前に持ってくるレミリア。それを見て美鈴は目を瞑り。
「気が向いたらですよ。その前にやることもあるでしょうから。」
「…そうね。」
「まぁそんなお嬢様だったから、わたしがちゃんとお世話しないとなーと思ったんですけどね。」
「うるさいわよ。」
「あはは…それでは、仕事に戻りますね。」
「ん…喧嘩するときやわたしとお前だけのときなら、昔のような言葉使いでいいわよ。」
「はい。それとさっき門番隊に聞いてみたら、パチュリー様寝込んでいるようですから。」
「…そう。分かったわ。」
「ではまた。」
「ん。」
レミリアは部屋に向かって飛んでいった。
見送った後美鈴はとある部屋に向かい、その部屋に入っていった。



レミリアは自分の部屋に入ると、目の前に咲夜がいた。
「おかえりなさいませ。」
「…ただいま。」
「パチュリー様は寝込んでいるようですが…。」
「そう…わたしも寝るわ…。」
「は、おやすみなさいませ。」
「ん…。」
咲夜もまたレミリアが寝たのを確認すると、ある部屋へと向かって飛んでいった。



そして、紅魔館のある部屋にて。3人が集まって話し合いをしていた。
「どうだった?」
そういうのは咲夜。
「…どうやら言い過ぎたって言いつつ、泣いているようですが。」
そして咲夜に向かって言っているのは小悪魔。
「お嬢様が帰ってるってことは言ってないわよね?」
「はい。」
「でも…これは両思い確定?」
「たぶん…でもどうしましょう。」
「うーん…美鈴、何かいい案はない?」
そしてもう1人は美鈴である。
「と、いわれても…お互いに不器用ですし。」
「かといってわたしたちが伝えるのもなしですね。」
3人はレミリアとパチュリーのことについて話していたのだが、そこに2人が入ってきた。
「珍しく美鈴が門にいないから来てみたけど…何話してるのー?」
「何してるの?」
1人はフランドールだったのだが。
「妹様に…どちら様?」
もう1人は、背は中学生くらいで真っ黒いドレスを着ており、目は赤く、セミロングの金髪の女性である。
「あー…わたしよ。美鈴なら分かるでしょ?久しぶりね。」
「…ルーミア。封印のリボン解いちゃったの?」
そう、封印を解いたルーミアであった。
「あのリボンのこと?フランが解いちゃったんだけど…。」
「ちょっとそのときにいろいろあったけどねー。」
「ルーミア!?ちょっと…大丈夫なの?」
「…まぁ不思議な気分なんだけど。」
「纏ってる感じが、昔あれだけ暴れてたルーミアじゃないわね。背も少し低い、かな?」
「って美鈴さん知ってるんですか?」
「そりゃもちろん。数代前の博麗と紫とわたしでやっとこ封印したんですから。」
「…初耳よ。」
「懐かしいわねぇ…あの時は闇を拒否していた人を懲らしめようとしたんだけど、妖怪とかも巻き込んじゃってね。」
「それで力があるって過信しちゃったみたいでね…幻想郷どころか外にまで手を伸ばそうとしたからね。」
「そ。それで封印されたってわけ。」
「でもその封印が解けて、大丈夫なの?」
「まぁ何とかね…破壊衝動も収まってはいるし…。」
あはは、と笑うルーミアの横から美鈴が一言。
「それは妹様の愛のお蔭、かな?」
そんなことを言われたもんだから、2人は顔を見合わせ。
「…。」ぼんっ
「…あぅ。」ぼんっ
真っ赤になってしまった。
「分かりやすい…。」
「まぁ妹様の破壊衝動も抑えてるのはルーミアさんですから、お互い様ってところでしょうか~。」
「でっ!何話してたの?」
顔を真っ赤にしながら、はぐらかすようにフランは3人にそう言った。
「レミリア様とパチュリー様のことですよ。」
「…あの2人好きあってたの?」
「うん。ほとんど会った時からそうだったんじゃないのかなぁ?」
「妹様…気が付いてたんですか?」
「まぁ何となく雰囲気で…。」
「すごいですね…わたしですら美鈴から聞かれてやっと気が付いたくらいなのに…。」
「お互いに会う機会も少ないのに、会ったら会ったでお互いを意識しつつ、それを出さないから気が付きにくいんですよ~。」
「お互い素直じゃないからね…。」
「で、今は喧嘩中…。」
「…喧嘩?」
「えーっと…ちょっとレミリア様がパチュリー様の実験中に訪ねて来まして…。」
「あ、もしかして…お姉様がその実験器具に触っちゃったとか?」
「その通りです…しかもかなり難しく、そして危険な実験の最終段階でしたからものすごい怒っちゃって。」
「なるほど…それで言い合った結果飛び出していったのね。」
「さてどうしましょう…。」
「うーんと…こんなのどう?」

『プラン1 パチュリーを誘拐する』
「パチュリー様をルーミアが誘拐して、レミリア様を助けに行かせると?」
「どうかな?」
「いい案だとは思いますが、問題点が2つあります。」
「ほへ?」
「まずそもそも動機がないのと、助けるときにパチュリー様が何か言いそうで…。」
「あー…喧嘩後だし、もしかしたら否定しちゃってさらに喧嘩になるかも?」
「ものすごいありえる話ですね…。」
「それに他の人たちも集まってきちゃいますよ…魔理沙とか霊夢とかが。」
「じゃあ逆に…。」

『プラン2 レミリアを誘拐する』
「それも同じですし…。」
「それにレミリア様を誘拐しちゃうと、悪い噂が広がって妖怪たちが攻めてきますよ…。」
「そ、それもそうだよね…。」
「そうですね…こんなのはどうですか?」

『プラン3 スキマに2人とも閉じ込めてしまう』
「要するに緊急事態に陥れて、絆を深めさせようと?」
「そうです。」
「それが一番いいかもね…でもあのスキマ妖怪がこんなことに賛同してくれると思う?」
「まぁルーミアのことは2人とも知らないでしょうから、ルーミアにここを襲わせるのも有りなんですが。」
「なるほど…。」
「それならもう1つ。」

『プラン4 ルーミアが紅魔館を襲い、さらにパチュリーを誘拐する』
「2人とも出てきたところをこてんぱんにして、さらにパチュリー様を誘拐しちゃうと?」
「それで助けにこさせればいいと思うんだけど、どうかな。」
「お嬢様のことだから、強く思わせれば一直線に行くと思うんだけど。」
「一度強く思わせれば、たぶん成功しますよね。」
「他に邪魔が入らないように、根回しをしておいたほうがいいわね。」
「それじゃ決定で?」
「あとはルーミアの演技力にかかってるわよ?」
「…まぁ何とかしてみるわ。」
「そうですね。それじゃルーミアはここにいちゃまずいし、連絡含めて博麗神社で待機ね。」
「分かったわ。」
「わたしも行くー。」
「それじゃ、霊夢たちに伝えておいてください。」
「わたしは慧音さんとか、鈴仙さんとかに伝えに行ってきます。」
「わたしはお嬢様の様子を見つつ、メイドたちに指示をしてくるわ。」
「パチュリー様の様子を見てきますねー。」
「それじゃまたあとで。」
「あとで博麗神社にも行きますね。」
「うんっ!」
そういって5人は部屋を出て、それぞれ飛んでいった。





数分後、博麗神社にて。
「…またすごいこと考えるな。」
「そかな?」
「そう?」
ルーミアとフランは、まだいろいろと話をしていた3人に事情を説明した。
「まぁ今のルーミアには、まともに戦ったら敵いそうにないが。」
「でも誰かを襲うなら、わたしも出て行かなくちゃいけないんだけど。」
「本当にパチュリーを思っているなら、邪魔しないでって言いそうだけどね。」
「…それもそうか。」
「で、襲うのは夜?」
「そだねー。あとで美鈴がこっちに来るだろうからそのときにね。」
「そうね…それにわたしにとっては夜のほうがやりやすいわ。無理矢理夜にできるけど…そんなことをしたら怒られるしね。」
「夜の妖怪だしな…。」
「まー…さすがにフランの姉だし、ちょっと逆撫でしてみようかな。」
「ほへ?」
「こしょこしょ。」
「ふぇー…そんなことできるの?」
「大丈夫よ。」
「何だ何だ?」
「ま、貴女たちにも手伝ってもらおうと思うし、見せてあげるわよ。」
「不安と楽しみが半々だわ…。」






そしてもうすぐ0時になるという頃。
「お、お嬢様ぁっ!」
メイドの1人がレミリアの部屋に駆け込んできた。
「んぅ?…何よ?」
「た、大変ですっ!ルーミアが攻めてきましたっ!」
「ルーミア?あの雑魚妖怪相手に何してるの?」
「そ、それがっ!封印が解かれているらしくてものすごく強いんですっ!」
「…美鈴と咲夜は?」
「それがその…2人ともやられそうで…。」
「何ですって!?」
「門番隊はすでに全滅…現在玄関大ホールにて交戦中ですが、メイド部隊もほぼ全滅してますっ。」
「すぐ出るわっ!」
そういって傍に置いてある服に着替えると、すぐさま飛び出していった。



紅魔館玄関ホール。レミリアがそこに着くと…。
「あははっ!」
「ぐはっ!」どごっ!
「きゃあぁっ!」どがんっ!
ちょうど咲夜と美鈴が吹っ飛ばされているところだった。
「咲夜!?美鈴!?」
「きゅー…。」
「あれじゃ…攻撃が…。」
「何を…?な!?魔理沙!?アリス!?霊夢にフランまで!?」
ルーミアの周りを4人が飛んでいた。目は虚ろで、操られているようである。
「ふふ…こんばんは。」
「貴女がルーミア…。」
「まさか魔理沙やアリス、あの霊夢や妹様すら操るとはね…。」
と、パチュリーも図書館から出てきた。
「パチェ…。」
「咲夜と美鈴もやられたなら、今は喧嘩してる場合じゃないわ。」
「それもそうね…行くわよっ!」
「これでも攻撃できるのかしら?4人とも行きなさい。」
4人は操られてはいるのだが、操られながらも意識があるという状態になっていた。
「(なーんか変な感覚だな…)恋符『ノンディレクショナルレーザー』!」
「(操られてるけど意識があるって変な感じね)咒詛『魔彩光の上海人形』!」
「(こういう感じはいやなんだけどねぇ…仕方ないか)霊符『夢想封印』!」
「(うわーうわー!ルーミアすごいよーっ!)禁弾『スターボウブレイク』!」
4人ともレミリアに向けて符を放った。
「避けきれな…ぐはっ!」どがっ!
レミリアはさすがに避けられずに吹っ飛んでしまう。
「レミィ!なっ!?」
そしてパチェリーには…。
「貴女はこっちよ…はっ!」
ルーミアが直接攻撃を仕掛けた。
「ぐほっ!」どむっ!
パチュリーは一撃で気絶。そしてルーミアはパチェリーを担ぎ、レミリアを見下した。
「手応えがないわね…まぁいいわ、この子はもらっていくわよ。賢者の石とかいうのには興味があるしね。」
「なっ!?待てぇっ!」
ルーミアが立ち去ろうとしたため、レミリアは追いかけようと立ち上がるが。
「あー…それとこれはお返ししておくわ。」
そういうと、ルーミアの周りを飛んでいた4人が力なく落下を始めたのだ。
「ちっ!くそっ!」ぱしぱしぱしぱしっ
レミリアはそれを見て、4人を何とか受け止めた。
「あははははっ!それじゃ博麗神社で待ってるわよ。」
その間にルーミアはパチュリーを担いで飛んでいってしまった。



「すみませんお嬢様…くっ。」
「ごめんなさいレミリア…。」
「咲夜は回復に専念しなさい。霊夢、何があったの?」
ルーミアが立ち去った後、すぐに意識だけ復活した霊夢にレミリアは事情を聞き始めた
「フランとルーミアが遊びに来てね。前々から気になってた、ルーミアの封印を解いちゃったのよ…。」
「…あんな強力だったのね。」
「ルーミア自体が夜のようなものだからね…。」
「今まともに動けるのはわたしだけ…か。」
「わたしも行く…ぐっ。」
「ダメよ、ルーミアの夜の気が残ってる貴女じゃ足手まといだわ。」
「…気をつけなさい。」
「パチュリーは絶対助け出すわっ!」ばひゅんっ!



レミリアが飛んで行ったあとのこと。
「だはーっ!疲れたな。」
「錯乱してたのが幸いしたわね…。」
気絶した振りをしていた4人が起き上がり、回復を始めた。
「でもほぼ本気でわたしたちもやられて良かったわ。ねぇ?」
「そうですね。さすがにあれくらいやらないとダメでしたでしょうね。いたた…。」
「ルーミアもすぐ抜けるように夜を打ち込んでおいてくれてよかったわ。さてと、さっさと回復して見に行きましょう。」
「楽しみだなー。」
「メイド隊!すぐに片付けて、その後は各々部屋で待機よ!」
『はーい!』
「にしてもルーミア演技うますぎだな。」
「ものすごくらしいことを言って、レミリアをその気にさせたわね。」
「ちょっと本気になってなければいいんだけど…。」





そして博麗神社。
「ルーミア!出て来いっ!」
レミリアは真っ暗な博麗神社の境内で叫んだ。
「あらら…1人で来たの?」
闇の中からルーミアが出てくる。
「パチェは何処!?」
「う・え♪」
「う…。」
「な!?闇夜に浮いてる!?」
パチュリーは気絶したまま、浮かんでいた。
「闇で固定して浮かせてるだけよ。」
「このっ!」どしゅっ!
「そんなの効かないわよ。」
「何っ!?」
レミリアが放った弾幕は、ルーミアの体をすり抜けてしまう。
「夜にそんなものは効かないわ。」
「くそ…。」





「ん…はっ!?」
レミリアとルーミアが戦い始めてから数分後のこと。パチュリーは弾幕の音に気が付き、目を覚まして目の前を見た。
「ほらほらっ!」
「ぐはあぁっ!」
目の前では、ルーミアが一方的にレミリアを攻めているという状態だった。
「れ、レミィ!」
「あら、気が付いた?」
「余所見を…するなあぁっ!」どしゅっ!
「無駄無駄。」
レミリアの攻撃はことごとくすり抜けてしまうため、ルーミアは無傷。
「くそ…。」
逆にレミリアはルーミアの弾幕を避けようとはしているのだが、全ては避けきれずにいた。そのため傷だらけで、体力も相当消費していた。
「れ、レミィ!わたしのことはいいから…。」
「パチェ…今すぐ助け…ぐふっ!」どっ!
「そっちこそ余所見してていいのかしら?」
レミリアがパチュリーのほうを一瞬向いた瞬間に一撃、吹っ飛ばされ境内の石盤に叩きつけられた。
「レミィ!ルーミア!もう止めて!」
「何故?」
「何故って言われても…。」
と、レミリアは片手を押さえながら立ち上がり。
「助ける…から…。」
「レミィ!もう止めて…。」
「…何でそんなに必死なのかしら?」
「パチェはあんたになんか渡さない…。」
ルーミアをレミリアは睨み付ける。
「ふぅん?」
「れ、レミィ?」
「パチェは…わたしの物だあぁっ!」
そう叫んでルーミアに突っ込んでいくレミリア。
「っ!?」ぼんっ!
パチュリーはレミリアの言葉を理解し真っ赤になっていた。
そしてそれを聞いたルーミアはにやっと笑い。
「今よっ!」
と叫んだ。
「全くもう…。」ぶぅんっ!
そんな声が聞こえたかと思うと、レミリアの前にスキマが開く。
「へ!?」
パチュリーの目の前にも。
「はいっ!?」
そして。
「ん!?(目の前にパチェ!?な、何でっ!?しかもキスしちゃってる!?)」
「んむっ!(レミィとキスしちゃってる!?な、何が何だか…!?)」
レミリアとパチュリーはキスをしてしまっていた。
「全く…こんな事のために呼び出さないで欲しいわ。」
と、ルーミアの横にスキマが開き、そこから紫が出てきた。
「ななななななっ!?」
「はぅはぅはぅ…。」
レミリアとパチュリーはお互いに真っ赤になり、レミリアはルーミアのほうを向いた。
「二人とも真っ赤ね…。」
「キスまでしちゃって…熱々ね?」
「そうですね~。」
そして闇が晴れると、神社の屋根の上には霊夢やら魔理沙やら、みんながいた。
「な、何でみんながいるの!?」
「そりゃもちろん、こうなることを見越して見に来たんだぜ。」
「ぜ、全部芝居だったの!?」
「その通りです。」
「ルーミアがあんなに演技うまいとは思わなかったわ。」
「いやー…ちょっとパチュリーには悪いことをしたけど、強く打ち込んじゃってね。まぁそれで目を覚ますまでは遊んでみたけどね。」
「そのお陰で紫を呼んで来れたから問題ないわよ。」
どうやらあのあと、魔理沙と霊夢が紫を呼びに行っていたらしく、紫は寝ていたのか眠そうにあくびをしている。
「何事かと思って連れ出されてみれば…ルーミアの封印は解けてるし、何か戦ってるし…ふあぁ…。」
「あはは…まぁ人助けと思って、ね?」
「…まぁ面白い物が見れたしいいけどねぇ。」
そんなやり取りをしている間、レミリアとパチュリーはというと。
「れ、レミィ…さっき言ったことは…。」
「へ!?あ、えーっと…その…。」
「わ、わたしの物だって…。」
「そ、それは…。」
パチュリーは真っ赤になりながら聞こうとするが、レミリアはまだ状況が分からずにたじたじ。
「お姉様っ!」
それを見かねたフランが叫ぶが。
「…ぅ。というかお前らどっかいけぇっ!」どがぁっ!
レミリアは恥ずかしさで、真っ赤になりながらみんなに向けて弾幕を放った。
「おっとぉ!?」
「ま、二人きりにさせて上げましょ。」
「そうね、紫。」
「はー…仕方ないわね。」ぶおんっ
「お二人とも紅魔館で待ってるわよ。」
そういうと全員がスキマの中に入り、消えてしまった。
そして残された2人は。
「はー…はー…。」
「レミィ…大丈夫?」
「え、えぇ…いつの間にかルーミアが夜の力を送ってくれたみたいで回復してるわ。パチェは?」
「美鈴に気絶させられたようなものよ。ほぼダメージはないわ。」
「…そう。」
「レミィ…。」
レミリアは何か決心したような顔をして、パチュリーに向き直り。
「パチェ…わたしは貴女のことが…。」
と、何か言おうとしたのだが。
「…ん。」ぎゅ
パチュリーがレミリアを抱きしめた。
「…パチェ?」
「昼間は…あんなに言ってごめんなさい。」
「べ、別に…。」
「あと…助けに来てくれてありがと。さっきの言葉…嬉しかったわよ。」
「…そ、そうか。」
「そのお礼…ん。」
パチュリーはそのままレミリアにキス。
「んんんっ!?」
「んふ…。」
「ぱぱぱ、パチェ!?」
「さ、紅魔館に帰りましょ。」
「いい、今のは!?」
「ふふ。今まで素直になれなかった分はあとでたっぷりと、ね。」
「っ!!!」





「ただいま…。」
「ただいま。ってあら?誰もいない…?」
「ほんとね…。」
レミリアとパチュリーは紅魔館に帰ってきたのだが…シーンと静まり返り、人の気配がなかった。
「どうしたのかしら…?」
「とりあえず…レミィの部屋に行きましょうか。
「えぇ…。」
レミリアの部屋に着き、入ってみると…ベッドの上に紙が。
「…これは。」
「えーっと…『お祝いでもしようかと思ったのですが、さすがに邪魔をされたくないと思うのでみんなで出かけてきます。ごゆっくり。 咲夜』って。」
「…メイドたちは待機してるのね。」
「小悪魔も美鈴も妹様もいないようね…。」
「えーっと…その。」
「…とりあえず、レミィ?」
「ん?」
「ちゃんと告白をして欲しいんだけど…。」
「ぅ…。」
「…。」じー
「わ、分かったわ…。」
レミリアはパチュリーのほうを向き、深呼吸をしたあと。
「パチェ…わたしは…。」
と、言おうとしたのだが、急にパチュリーは何かに気が付いたのか。
「しっ。」ぴとっ
人差し指をレミリアの口に当てて止める。
「…?」
「…。」くぃ
そしてパチュリーは目線だけでレミリアに合図。
「…。」
レミリアはそっちを見ると…。
「ちょ…押すなって。」
「こら…気が付かれるわよ。」
「わーたーしーにーもー。」
そこにはスキマがあり、みんながこっちを見ていた。
「…。」すちゃ
レミリアは符を取り出し、構えると。
「…お前たち、覗き見なんてするなぁ!神槍『スピア・ザ・グングニル』!」どしゅぅっ!
そのスキマ目掛けてグングニルを放った。
「げっ!気づかれた!?」
「夢符『二重結界』っ!」がぎぃんっ!
霊夢はとっさに二重結界を張って防ぐ。
「おちおち告白もしてられないわね…まぁいいわ。」
パチュリーも符を取り出す。
「パチュリーも何かする気だぞっ!?」
「それなら邪魔されない場所に行くだけよ。それじゃあね。」
そういうとパチュリーは片手でレミリアを抱きしめ、符を発動させた。
「ふぇっ!?」
「転符『テレポーテーション』」ぶおんっ
そして2人は何処かへ飛んでしまった。
「新しい符のようね…。」
「空間移動の符かよ…新しいのを考えてるな。」





「ここは…?」
その場所は小さいながらベッドも机も本棚もあり、書斎兼自室という感じの部屋である。
「異空間を作り、そこに作っておいたわたしの部屋よ。」
「よく作ったわね。」
「まぁ移動にはちょっと制限があるんだけど、いざって時のためにそれ用の符を用意してたのが幸いしたわ。」
「ふぅん…。」
「普通は集中したいときに来るんだけどね。最近は騒がしいのが多いから。」
「たまにいないのはここに来てたのね。」
「そ。小悪魔にも伝えないで来るからね。」
「出かけてるとか言われてびっくりしたわよ。」
「邪魔されたくなかっただけよ。」
「そう…。」
「それにここなら。」ぎゅ
パチュリーはレミリアを抱きしめる。
「わっ!?」
そして耳元で。
「誰にも邪魔は出来ないわ…。」
と言った。
「…。」ぼんっ!
レミリアは真っ赤になりつつも、パチュリーの背中に手を回した。
「異空間だから邪魔はされないし、出入り口はわたしにしか開けないから邪魔されることはないわよ…。」
「…そうね。」
そしてパチュリーは、ぐっとレミリアの顔を自分の顔の前に持ってきた。
「さてと…ここでならさっきの続きは出来るでしょ?」
レミリアは目をつぶり。
「ん…。」
意を決したように話し始めた。





そのころ紅魔館。
「結局告白シーンは見られず、か。」
「そうね。」
残されたみんなはいろいろ話し合っていたのだが。
「ねー…もう帰っていいかしら…。」
と、紫が眠そうに目を擦りながらそう言い出した。
「あ…ごめんなさいね、紫。」
「まーいーわ…面白いものも見れたし、それじゃ…と思ったけど。」
一度スキマを開く素振りを見せたのだが、霊夢のほうに向き直る。
「ん?まだ何かあるの?」
「霊夢…面倒だから泊めなさい。」
「は!?」
紫は霊夢に近づき。
「近いしあんまり力を使わなくて済むからねー…ってことで。」がし
「ちょ!?」ぶおん
霊夢を抱きしめた後、スキマを開き、その中に消えていった。
「…何気に紫も霊夢のこと好きなのかね?」
「…そうかもしれませんね。」
「さてと…わたしも帰ろうかな。」
「そうだな。それじゃまたなー。」
アリスと魔理沙は並んで飛んでいった。
「ルーミアー、泊まってく?」
「そうね。」
フランとルーミアも同じく並んで。
「さてと…わたしたちも寝ましょうか。」
「そうですね。」
咲夜と美鈴は手を繋いで飛んでいった。
「ふふ…それではおやすみなさい。」
そして小悪魔も自分の部屋に…。




そして魔理沙とアリスの帰り道。
「…ふと気になったんだが。」
「ん?」
「…小悪魔ってパチュリーのこと好きだったんじゃ?」
「あ…そういえばそうね。」
「諦めたのかな?」
「…うーん。どうだろう。」






あれから数日後。
「で、これがこうなってたのよ。」
「ふーん…結構奥が深いのね。」
レミリアとパチュリーは図書館で色々と話をしていた。
「これは?」
「これは…こっちじゃないの?」
「ふーん…。」
傍から見たらまさに恋人同士。
「で…。」
「紅茶をお持ちしましたっ!」どがぁっ!
「…。」
「…。」
ものすごい音を立てて、小悪魔は机の上にティーカップを置いた。こぼれていないのが不思議なのだが…2人はびっくりしている。
「何か?」
「い、いえ…何でもないわ。」
「え、えぇ…。」
「そうですか、何かあればお呼びください。」
「わ、分かったわ…。」
小悪魔はそこから立ち去ろうとしたのだが、何かを思い出し他のように振り返り。
「あぁそれと…。」
「な、何?」
「周りのことも考えてくださいね?パ・チュ・リー・様?」
と、笑顔で言った。
「な…っ!?」
「へ…!?」
2人は気配に気づき、その方向を向く。
「おっと…。」
「魔理沙!?」
「いつの間に!?っていない!?」
そこには確かに魔理沙がいたのだが、ほぼそっちに向いた直後にはそこには誰もいなかった。
「何かいましたか?」
「い、いや…見間違い?」
「そ、そのようね…。」
「それでは…ごゆっくり。」
そして小悪魔はその場から飛び立っていった。
「…すごい威圧感ね。」
「えぇ…まさに悪魔だわ。」




「危なかった…すまんな。」
魔理沙は咲夜によって助けられていた。
「全く…近づきすぎよ。カメラは無事?」
「えぇ。無事よ。」
魔理沙の近くにいたアリスが、魔理沙が持っているカメラを確認している。
「…全く。何してるんですか。」
と、小悪魔がやってきたのだが…。
「ちょっとバイトでな。文から1枚で良いから写真をと…って小悪魔?」
「ふふふ…。」
かなりやばげなオーラをかもし出している。
「お、おい?」
「まぁ恋愛感情とかは別にいいんですけど…あれだけ図書館でいちゃいちゃされるとむかつきますねぇ!?」
まさにごごごごごと、効果音が付きそうなくらいのオーラを小悪魔は出している。
「おわぁっ!?こ、小悪魔!落ち着け!」
「こ、小悪魔さん!?落ち着くのよ!?」
「ふふふ…独り者の気持ちが分かりまげふぅっ!?」どごっ!
とっさにアリスが小悪魔の首に手刀で一撃を加え、小悪魔を気絶させた。
「結構…ストレス溜まってるのね。」
そのまま抱きかかえ、近くの椅子に座らせた。
「お、おいアリス…やり過ぎじゃ?」
「悪魔ならこれくらいの衝撃は大丈夫よ…まぁでも小悪魔さんも大変ね。」
「あれから、パチュリー様をお嬢様が訪ねるのが普通になってるし…。」
「…次は小悪魔さんの相手探しかしらね。」
「それ賛成だぜ。こうストレス溜め込んでると、仕事にも支障が出るぜ…。」
「まぁメイドたちでもそれなりに人気あるし…色々して見ますか。」
「…何してるのよ?」
と、そこにルーミアが本を何冊か持ってやって来た。どうやらフランのために借りた本を返しに来たようである。
「あらルーミア…小悪魔さんがね。」
「あー…なるほど。あーいちゃいちゃされてちゃストレス溜まるわよね。」
「てか、お前はフランのところに入り浸ってるなぁ…。」
「それを言ったら貴女たちもでしょう。」
「わたしたちは本を借りに来てるだけだ。」
「まぁそういうことにしておくわ…。」
「相手…誰かいないかしら?」
「小悪魔さんはパチュリーの言いつけで出かけたりしてるから、外にも知り合いがいるのよねー。」
「…そうなの?初耳だけど。」
「ま、そっち方面からも探してみるわ。」
「お願いするわ…。」
その後小悪魔が誰とくっついたかは、皆さんの想像に任せるとして。





「…。」
じーっとパチュリーはレミリアを見ている。
「…ん?どうした?」
「いや…こういうのもいいなってね。」
「…そうね。」
2人はまったりと時を過ごしていた。





「あああっ!咲夜さんっ!妹様がそっちに行きましたぁ!」
「美鈴~遅いよー?あっ!魔理沙だっ!覚悟ー!」
「どわっ!?フラン!?」
「妹様!ここでの弾幕ごっこはお止めください!」
「フラン~頑張れー!」
「というか止めなさいよ!?」
「…へ?何々?妹様!?」
どごーんっ!という爆発音と、数人のやり取りが聞こえてくる。
「こう騒がれると雰囲気が台無しだな…。」
「…仕方ないわよ。」
たまに騒がしくなるのはご愛嬌。






「そういえばパチェ?」
「何?」
「結局あの実験は何だったの?」
「あぁ…あれはもう必要ないわ。」
「どういうこと?」
「何せ…『素直になる薬』の製作実験をしてただけだから。だからもう必要ないでしょ?」
お久しぶりの投稿ですっ。3回目の投稿になります。

今回はパチェ×レミリアです。
パチェは好きな人に対して攻めに、レミリアは逆に受けになると思うんですよっ。
途中ルーミアが出てきますが…フランの相手にうってつけかなと出してみました。
ルーミアの設定はオリジナルですので(汗

それでは、最後まで読んでくださってありがとうございましたっ!
7/30 誤字修正
雷神
簡易評価

点数のボタンをクリックしコメントなしで評価します。

コメント



0.2010簡易評価
4.無評価名前が無い程度の能力削除
稚拙。
9.10名前が無い程度の能力削除
もうちょっと、こう…なんというか………がんばれ。
あと、効果音はもう少し考えたほうが良いよ。あれはちょいと酷い。
10.10名前が無い程度の能力削除
なんつーか、こう。
オリ設定がアレすぎ。
22.30れふぃ軍曹削除
いろいろ盛り込みすぎて、少し消化不良の様な気がします。
独自設定は全然構わないのですが、それを裏付けるいきさつ(の様な物)を、地の文を使ってしっかりフォローしていかないと、読者の思考は置いてけぼりになります。
例えばフラン×ルーミアに関しては、原作での接点が全く無いのでいきなりこうだと言われても「なぜ?」という疑問しか浮かんできません。

後、アリスが魔理沙と同棲している事や、美鈴がルーミアの封印に関わった事など、ぽんと出の思いつきといった感じが否めず、とても話の構成に必要な要素とは感じられませんでした。

結構きついことを書いてしまいましたが、話の展開自体は面白くて好きなので、以後の作品に期待してます。
がんばってください。
23.-10感想を寄せる程度の能力削除
うん
…まぁ、次は、ね
31.60名前が無い程度の能力削除
あれ?多少の文章表現の拙さは感じられたものの普通に面白かったんですけど…
32.20紫苑削除
まだまだ修行中の私が言うのもなんですが一つだけ。

二重結界の符名が幻符になっているのは何故?(変な所ですが
35.50月影 夜葬削除
オリ設定が私好み。SS自体も面白いです。

誤字見つけました。
>またエミリアは泣き出してしまった。
ここレミリアですよね?一応書いておきます。
……お節介だったらごめんなさい
40.20読専削除
皆様書いてらっしゃいますけど、

「なんとかかんとかー」効果音

これは本当に止めた方がいいです。
オリ設定は皆大なり小なりやってるので、まぁ良いのではないでしょうか。
43.70通りすがり程度の能力削除
酷評が多い気がするけど・・・うーん?
自分は呼んでて面白かったけど・・・。
「これはこれで良い」ってダメなのかな?
50.100名前が無い程度の能力削除
酷評が多いけど…楽しめました。
51.70名前が無い程度の能力削除
誰?小悪魔のお相手誰?!
52.60名前が無い程度の能力削除
コピペになりますけど、
「なんとかかんとかー」効果音
が気になりました。
話自体は悪く無かったです。
小悪魔は告白前から告白後まで、よくぞ耐えていたと思います。
素敵なお相手とくっつけたことでしょう。
54.60名前が無い程度の能力削除
面白いからこそ効果音やオリ設定の強引さが目立つ、そんな風に感じます。
56.70名前が無い程度の能力削除
地の文少ないから少々読みにくかったけど、面白かった。
オリ設定も脳内補完で楽しめたからおk。
65.100wktk削除
うん
とりあえず神とだけ言っときます