結局のところ、慧音と妹紅の服はアリスが作ることになって二人の要望を聞いてイメージの赴くまま作るそうだ。
ちなみについでとして霊夢や魔理沙も道連れ形式に作られることになったという。
ま、そこら辺は午後に決まったことなのだがその前に、
ぐぅ
「「「「「あ」」」」」
誰のが鳴ったか知らないが小さいく可愛い音が聞こえた。
誰が鳴らしたのか軽い討論が起きたが主だって討論をしていた二人のお腹からも、可愛らしい音が聞こえたのであえなく閉会と相成った。
「ま、まぁお昼時と言うことなんだが」
「私は嫌よ」
と別に誰かに言われたわけではないのだが霊夢がバッサリと拒否する。
「まだ何も言ってないぜ」
「アンタねぇ・・・こっちはどれぐらいアンタと昼や夜を過ごしてる思ってんのよ。今の流れから絶対言うでしょうに。作れって」
「なんだ分かってるじゃないか」
「だから嫌よ。この人数分作るのは」
「え?ああ、私たちの分は良いぞ。それほど長居するつもりは無いのでな」
「えーでも良いじゃんか。ついでにゴチになれば良いんだし」
「・・・・・・・・霊夢の手料理・・・・・・・・・・」
などとまぁまた討論が始まりそうだった。正直、もう時間としては1時を過ぎている。もうすでに私の中で体内時計が完璧なほどに出来上がっているため、それが分かる。ちなみに第一回腹音鳴らしは誰だ!?討論は12時に行われたのでまた始まると1時間経ってしまう恐れがあったためさっさと切り出した。
「よければ私が作るよ?」
と素直に立候補すると
「そうそう門番がこういってんだから霊夢も・・・・・・・え?」
「・・・・・・マジ?」
「え、あ、いや、だから、私と妹紅の分は良いから」
「うそ、美鈴料理できんの?」
「・・・・・・・・・霊夢の料理・・・・・・じゃない」
なに、その失礼な反応。特に最後。
ちょっと色々あったけどそんなわけで美鈴料理中。
「ねー美鈴」
「んーなにー?」
料理中の美鈴に問いかけ、返答があることを確認すると野菜を細かく刻む音を聞きながら霊夢が言う。
「幾ら食材が足りないからと言ってわざわざ買いに行く必要は無かったと思うんだけど。それも大量に」
「全くだぜ。私としては腹が充たされれば良いけどさ」
若干、遠慮しがちに言う霊夢の言うとおり、美鈴がいざ料理を開始しようとすると
『食材が無い・・・・』
と軽く愕然したので美鈴は財布片手に剛速球でお買い物。
そして帰ってきてその量に驚く全員。
それに対して
「いやね、作る分には存分に持て成したいじゃない?なんというか料理人の性と言うかなんというか」
ちょっと気恥ずかしそうに言う美鈴。
野菜を切り終え、火加減を調整しながら鍋に具材を放り込んでいく。
「なんというか律儀だね。美鈴は」
まぁどちらかと言えば自分で作るのが好きなわけで。
「我々の分は不要だと言うのに」
いやいや、遠慮しなくても。
「けどまぁその気持ちは分からないでもないわ」
案外復帰早いな、おい。
まぁそんなこんなで以下略。
決して面倒と言う理由からではない。と言うことを明記しておく。
「というわけで完成」
「「「「・・・・・・・・・うそぉ」」」」
ジャーン、と言う効果音と共に霊夢たちの目の前には大量の中華料理が並べられていた。
つか、こんなに料理できるスペースと皿ってうちにあったっけ?と霊夢が疑問を抱くがそんなことはお構い無しに各々の前に皿を並べてさぁ召し上がれという。
色々と疑問は残るが目の前にある料理は現実だ。しかもどれもこれも味わったときの無い食欲をくすぐるいい匂いがたちこめ、すげーうまそーと貧乏巫女は思った。
そして魔理沙が我慢できずに料理に箸を伸ばそうとした瞬間。
「はい、駄目ー」
「なにおごっ!」
めいりんのおたま!まりさにくりてぃかる!!
美鈴の腕が動いたかと思うと魔理沙が顔に丸い跡を残して床に倒れていた。
「・・・・ちょっと、ここに来てお預けってことはないわよね?」
美鈴の攻撃があまりにも早すぎて見切れなかった霊夢は、さり気無く膝がガクガクブルブルだが上は至って平静を装っているので美鈴だけは気付かなかった。
「いやいや、食事の前に言うこと言わない奴に制裁を食らわしただけ」
「・・・それもそうね」
「あっさり納得すんなよ!?私、さり気無く被害者だぜ!?」
霊夢の非常な裏切りに魔理沙が復活する。が、霊夢だって怖い。見えないお玉が。
「まったく、節操が無いわね魔理沙は」
「普通なら言うべきことを言わないなんて礼儀がなってないな」
「そうそう、食事前の一言すらなく料理を食おう何ておこがましいよ」
「私、味方なし!?」
皆も怖い。それとは別に早く旨いご飯、食いたい。
「と、言うわけで皆さんいいですか?」
とまぁみんなの心は満場一致しているわけで素直に美鈴の言葉に従う。皆仲間、結束はもろいけど。
「「「「はーい」」」」
「それでは」
「「「「「いただきます」」」」」
しっかりと一礼をして博麗神社にて豪華な昼食が始まった。
「しかしまぁどれから手をつけていいか迷うな」
「そうね、どれもこれもおいしそうだし」
「いちいち迷ってたら冷めるよ。中華は冷めたら不味いんだから」
霊夢と魔理沙の迷い箸に苦笑してたしなめる美鈴。
「だったら私はマーボーをいただくよ!」
ぐあーとしっかりと半分以上自分の皿に乗せて食べ始める妹紅。
「あーずりぃー!」
と魔理沙が言っている間に慧音やアリスもしっかりと確保して霊夢は残りの分を取ったりしてたりする。
「ぬあっ!また私だけ!」
魔理沙、今回不幸属性付き。
などと叫んでいると
「うっ・・・・あ・・・ああ・・・」
「なっ!?も、妹紅どうした!?」
突如として妹紅が苦しみ始め、食べようとしていた魔理沙を除く他の面子が箸を止めて妹紅を見る。
「美鈴!貴女何をしたの!?」
アリスが立ち上がり、美鈴を睨む。
しかし、美鈴は回鍋肉を口にしながら
「何って、何もしてないわよ?」
としれっとした顔で言ってのけた。
「嘘よ!ならなんで妹紅が苦しんでるのよ」
その態度が気に喰わなかったのかアリスが怒気を孕んだ声で妹紅を指差す。
その先には呻き声をあげながら明らかに苦しんでいるようにみえる妹紅の姿があった。
「妹紅、大丈夫か!?」
慧音が水を差し出すと妹紅はカッと目を見開き、慧音から奪い取るように水の入ったコップを手に取りごくごくと飲んだ。
そして、
「がー!辛ぁー!そしてウメー!」
と高々とコップを掲げ叫ぶ。
「「「・・・・・・・・は?」」」
他の三人は呆然と妹紅の姿を見る。
「いやー辛いものには慣れてるんだけど久し振りに喉が焼けるほど凄まじかったわー」
「そりゃ私の秘伝の調味料を混ぜてるからね」
くくくと笑う美鈴。何処かいじめっ子のようにも感じるのは気のせいだろうか。
そして妹紅は突然の辛さにより受けた苦しみから解放された今、残りのマーボーをがつがつと豪快に喰い始めた。
「か、辛い!だけどそれ以上に美味さすげぇ!」
「ああ、そうそう。それにジャムをかけると味が変わるよ?」
と美鈴が横槍を入れるかのように何処からとも無く出した苺ジャムとラベルが貼られたビンを取り出し、その中身を妹紅が食べている麻婆豆腐にかける。
うわ、と一瞬その横槍に止まった妹紅だが食べたい、と言う衝動には勝てずそれを口にする。
「ウォー!こりゃたまらない!辛さの中にじっくりと沁みてくるような苺ジャムの甘みが美味さを倍増させてるぅー!」
ひゃっほーい、と更に嬉々とした妹紅が麻婆豆腐を食べ終え次の料理に手を出して再度その美味さに歓喜した。
それを呆然と見ていた三人に妹紅が気付き、
「全部私が喰っちまってもいい?」
と聞いてきたので
「駄目だ!その春巻きはアタシんだ!」
と巫女が。
「こればかりはゆずれないぜ!」
と黒白が。
「人海戦術ぅー!」
と人形遣いが。
「ほぅ・・・・・!!」
と歴史家が。
「おかわりー!」
と不死身の娘が。
「はいはい、がっつかない。まだまだあるからね」
彼女の料理を嬉しく、楽しく、歓びながら食べていった。
「あーもー喰えないぜ」
「そうね、ちょっと食べ過ぎたかも」
「あんなの食べたの初めて」
「あー美味かった美味かった」
「あれほど美味い料理を食べたのは初めてだな」
「それぞれご感想ありがとう」
屈託の無い朗らかな笑みが全員に向けられる。
それを見て代表して巫女が
「アンタには敵わないわ」
やれやれとため息を付きながら感想を漏らす。
霊夢の発現にそれぞれ頷きながら同意する。
その言葉に更に笑みを濃くして美鈴はちょっとだけ顔を紅くした。
やがて陽は落ち、夕刻となった。
自然と魔理沙とアリスはそのまま神社に宿泊するらしく、慧音と妹紅は里へ帰ることにした。
美鈴も誘われたがそれを断った。
「別にいいじゃないか。夜もご馳走してくれよ」
「そうも行かないわよ。私にはそれなりに目的があるわけだし」
「目的?なんなんだいそりゃ?」
「それはね・・・霊夢」
「ん?」
思わぬところで指名が入ったためか少しだけ驚いた目で美鈴に視線を向ける。
「何時も何時もお嬢様がお世話になってます」
「あーそういうことなら別に構わないわよ」
その一言で美鈴の意図が分かったのかひらひらと手を振る。
だが、美鈴は続けた。
「まぁこれからもお嬢様が迷惑になるだろうけど」
「だからいいって」
「これからもお嬢様共々紅魔館を宜しくお願いします」
ぺこり、と丁寧なお辞儀をされ、照れくさいのかそっぽを向く霊夢。
「・・・・こっちこそ、てきとーによろしく」
「うん、てきとーにね」
「私もな」
「アンタは少し手加減してよね」
「十分加減してるつもりだぜ。お前以外」
「あっそ、だったら今度来たときフランドール様とも遊んでね。手加減して」
「・・・・・・それはご遠慮願いたいぜ」
「アリスもね」
「私は私で適度に、ね」
くすくすと、笑い彼女の最初の目的が終わり、博麗神社ての長い一日が終わった。
えんまさまの一言
ンマーーーーーーーーーーーーーイ!らしいんですが・・・・ああ、食べてみたい!
ちなみについでとして霊夢や魔理沙も道連れ形式に作られることになったという。
ま、そこら辺は午後に決まったことなのだがその前に、
ぐぅ
「「「「「あ」」」」」
誰のが鳴ったか知らないが小さいく可愛い音が聞こえた。
誰が鳴らしたのか軽い討論が起きたが主だって討論をしていた二人のお腹からも、可愛らしい音が聞こえたのであえなく閉会と相成った。
「ま、まぁお昼時と言うことなんだが」
「私は嫌よ」
と別に誰かに言われたわけではないのだが霊夢がバッサリと拒否する。
「まだ何も言ってないぜ」
「アンタねぇ・・・こっちはどれぐらいアンタと昼や夜を過ごしてる思ってんのよ。今の流れから絶対言うでしょうに。作れって」
「なんだ分かってるじゃないか」
「だから嫌よ。この人数分作るのは」
「え?ああ、私たちの分は良いぞ。それほど長居するつもりは無いのでな」
「えーでも良いじゃんか。ついでにゴチになれば良いんだし」
「・・・・・・・・霊夢の手料理・・・・・・・・・・」
などとまぁまた討論が始まりそうだった。正直、もう時間としては1時を過ぎている。もうすでに私の中で体内時計が完璧なほどに出来上がっているため、それが分かる。ちなみに第一回腹音鳴らしは誰だ!?討論は12時に行われたのでまた始まると1時間経ってしまう恐れがあったためさっさと切り出した。
「よければ私が作るよ?」
と素直に立候補すると
「そうそう門番がこういってんだから霊夢も・・・・・・・え?」
「・・・・・・マジ?」
「え、あ、いや、だから、私と妹紅の分は良いから」
「うそ、美鈴料理できんの?」
「・・・・・・・・・霊夢の料理・・・・・・じゃない」
なに、その失礼な反応。特に最後。
ちょっと色々あったけどそんなわけで美鈴料理中。
「ねー美鈴」
「んーなにー?」
料理中の美鈴に問いかけ、返答があることを確認すると野菜を細かく刻む音を聞きながら霊夢が言う。
「幾ら食材が足りないからと言ってわざわざ買いに行く必要は無かったと思うんだけど。それも大量に」
「全くだぜ。私としては腹が充たされれば良いけどさ」
若干、遠慮しがちに言う霊夢の言うとおり、美鈴がいざ料理を開始しようとすると
『食材が無い・・・・』
と軽く愕然したので美鈴は財布片手に剛速球でお買い物。
そして帰ってきてその量に驚く全員。
それに対して
「いやね、作る分には存分に持て成したいじゃない?なんというか料理人の性と言うかなんというか」
ちょっと気恥ずかしそうに言う美鈴。
野菜を切り終え、火加減を調整しながら鍋に具材を放り込んでいく。
「なんというか律儀だね。美鈴は」
まぁどちらかと言えば自分で作るのが好きなわけで。
「我々の分は不要だと言うのに」
いやいや、遠慮しなくても。
「けどまぁその気持ちは分からないでもないわ」
案外復帰早いな、おい。
まぁそんなこんなで以下略。
決して面倒と言う理由からではない。と言うことを明記しておく。
「というわけで完成」
「「「「・・・・・・・・・うそぉ」」」」
ジャーン、と言う効果音と共に霊夢たちの目の前には大量の中華料理が並べられていた。
つか、こんなに料理できるスペースと皿ってうちにあったっけ?と霊夢が疑問を抱くがそんなことはお構い無しに各々の前に皿を並べてさぁ召し上がれという。
色々と疑問は残るが目の前にある料理は現実だ。しかもどれもこれも味わったときの無い食欲をくすぐるいい匂いがたちこめ、すげーうまそーと貧乏巫女は思った。
そして魔理沙が我慢できずに料理に箸を伸ばそうとした瞬間。
「はい、駄目ー」
「なにおごっ!」
めいりんのおたま!まりさにくりてぃかる!!
美鈴の腕が動いたかと思うと魔理沙が顔に丸い跡を残して床に倒れていた。
「・・・・ちょっと、ここに来てお預けってことはないわよね?」
美鈴の攻撃があまりにも早すぎて見切れなかった霊夢は、さり気無く膝がガクガクブルブルだが上は至って平静を装っているので美鈴だけは気付かなかった。
「いやいや、食事の前に言うこと言わない奴に制裁を食らわしただけ」
「・・・それもそうね」
「あっさり納得すんなよ!?私、さり気無く被害者だぜ!?」
霊夢の非常な裏切りに魔理沙が復活する。が、霊夢だって怖い。見えないお玉が。
「まったく、節操が無いわね魔理沙は」
「普通なら言うべきことを言わないなんて礼儀がなってないな」
「そうそう、食事前の一言すらなく料理を食おう何ておこがましいよ」
「私、味方なし!?」
皆も怖い。それとは別に早く旨いご飯、食いたい。
「と、言うわけで皆さんいいですか?」
とまぁみんなの心は満場一致しているわけで素直に美鈴の言葉に従う。皆仲間、結束はもろいけど。
「「「「はーい」」」」
「それでは」
「「「「「いただきます」」」」」
しっかりと一礼をして博麗神社にて豪華な昼食が始まった。
「しかしまぁどれから手をつけていいか迷うな」
「そうね、どれもこれもおいしそうだし」
「いちいち迷ってたら冷めるよ。中華は冷めたら不味いんだから」
霊夢と魔理沙の迷い箸に苦笑してたしなめる美鈴。
「だったら私はマーボーをいただくよ!」
ぐあーとしっかりと半分以上自分の皿に乗せて食べ始める妹紅。
「あーずりぃー!」
と魔理沙が言っている間に慧音やアリスもしっかりと確保して霊夢は残りの分を取ったりしてたりする。
「ぬあっ!また私だけ!」
魔理沙、今回不幸属性付き。
などと叫んでいると
「うっ・・・・あ・・・ああ・・・」
「なっ!?も、妹紅どうした!?」
突如として妹紅が苦しみ始め、食べようとしていた魔理沙を除く他の面子が箸を止めて妹紅を見る。
「美鈴!貴女何をしたの!?」
アリスが立ち上がり、美鈴を睨む。
しかし、美鈴は回鍋肉を口にしながら
「何って、何もしてないわよ?」
としれっとした顔で言ってのけた。
「嘘よ!ならなんで妹紅が苦しんでるのよ」
その態度が気に喰わなかったのかアリスが怒気を孕んだ声で妹紅を指差す。
その先には呻き声をあげながら明らかに苦しんでいるようにみえる妹紅の姿があった。
「妹紅、大丈夫か!?」
慧音が水を差し出すと妹紅はカッと目を見開き、慧音から奪い取るように水の入ったコップを手に取りごくごくと飲んだ。
そして、
「がー!辛ぁー!そしてウメー!」
と高々とコップを掲げ叫ぶ。
「「「・・・・・・・・は?」」」
他の三人は呆然と妹紅の姿を見る。
「いやー辛いものには慣れてるんだけど久し振りに喉が焼けるほど凄まじかったわー」
「そりゃ私の秘伝の調味料を混ぜてるからね」
くくくと笑う美鈴。何処かいじめっ子のようにも感じるのは気のせいだろうか。
そして妹紅は突然の辛さにより受けた苦しみから解放された今、残りのマーボーをがつがつと豪快に喰い始めた。
「か、辛い!だけどそれ以上に美味さすげぇ!」
「ああ、そうそう。それにジャムをかけると味が変わるよ?」
と美鈴が横槍を入れるかのように何処からとも無く出した苺ジャムとラベルが貼られたビンを取り出し、その中身を妹紅が食べている麻婆豆腐にかける。
うわ、と一瞬その横槍に止まった妹紅だが食べたい、と言う衝動には勝てずそれを口にする。
「ウォー!こりゃたまらない!辛さの中にじっくりと沁みてくるような苺ジャムの甘みが美味さを倍増させてるぅー!」
ひゃっほーい、と更に嬉々とした妹紅が麻婆豆腐を食べ終え次の料理に手を出して再度その美味さに歓喜した。
それを呆然と見ていた三人に妹紅が気付き、
「全部私が喰っちまってもいい?」
と聞いてきたので
「駄目だ!その春巻きはアタシんだ!」
と巫女が。
「こればかりはゆずれないぜ!」
と黒白が。
「人海戦術ぅー!」
と人形遣いが。
「ほぅ・・・・・!!」
と歴史家が。
「おかわりー!」
と不死身の娘が。
「はいはい、がっつかない。まだまだあるからね」
彼女の料理を嬉しく、楽しく、歓びながら食べていった。
「あーもー喰えないぜ」
「そうね、ちょっと食べ過ぎたかも」
「あんなの食べたの初めて」
「あー美味かった美味かった」
「あれほど美味い料理を食べたのは初めてだな」
「それぞれご感想ありがとう」
屈託の無い朗らかな笑みが全員に向けられる。
それを見て代表して巫女が
「アンタには敵わないわ」
やれやれとため息を付きながら感想を漏らす。
霊夢の発現にそれぞれ頷きながら同意する。
その言葉に更に笑みを濃くして美鈴はちょっとだけ顔を紅くした。
やがて陽は落ち、夕刻となった。
自然と魔理沙とアリスはそのまま神社に宿泊するらしく、慧音と妹紅は里へ帰ることにした。
美鈴も誘われたがそれを断った。
「別にいいじゃないか。夜もご馳走してくれよ」
「そうも行かないわよ。私にはそれなりに目的があるわけだし」
「目的?なんなんだいそりゃ?」
「それはね・・・霊夢」
「ん?」
思わぬところで指名が入ったためか少しだけ驚いた目で美鈴に視線を向ける。
「何時も何時もお嬢様がお世話になってます」
「あーそういうことなら別に構わないわよ」
その一言で美鈴の意図が分かったのかひらひらと手を振る。
だが、美鈴は続けた。
「まぁこれからもお嬢様が迷惑になるだろうけど」
「だからいいって」
「これからもお嬢様共々紅魔館を宜しくお願いします」
ぺこり、と丁寧なお辞儀をされ、照れくさいのかそっぽを向く霊夢。
「・・・・こっちこそ、てきとーによろしく」
「うん、てきとーにね」
「私もな」
「アンタは少し手加減してよね」
「十分加減してるつもりだぜ。お前以外」
「あっそ、だったら今度来たときフランドール様とも遊んでね。手加減して」
「・・・・・・それはご遠慮願いたいぜ」
「アリスもね」
「私は私で適度に、ね」
くすくすと、笑い彼女の最初の目的が終わり、博麗神社ての長い一日が終わった。
えんまさまの一言
ンマーーーーーーーーーーーーーイ!らしいんですが・・・・ああ、食べてみたい!
続編楽しみにしています。
としあえず、
使命 →指名
迷い橋→迷い箸
ではないかと。
>二人目の名前がない程度の能力氏
旅立ち+神社でのおしゃべり編と中華料理に舌鼓編、とでも解釈すればいいのでは?
前編のほうとあわせてこの点数で。
個人的に先の方と同じように2分割しない形での投稿でもいいと思います。もっと長い文で分割してない人も大勢いますしね。ともあれ次回作も期待~
後は他の人も言っている通りこの長さでは分割しなくても良いと思いますよー。
次が楽しみだ。
ただ、あとがきの部分に何やら意味深い台詞が・・・
これからも楽しみにしています。
続きを楽しみに