Coolier - 新生・東方創想話

幻想へと落ちる

2006/07/06 11:00:55
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「たらの芽…たらの芽…フキノトウ…たらの芽…キノコ…フキノトウ…キノコ…キノコ………キノコ、キノコキノコキノコキノコキノコキノコキノコキノコォォーーーーー!!!」

 例え何度も数え直したところで、目の前に広がっているのは少量の山菜とソレを埋め尽くさんばかりに圧倒的なキノコの山。
 赤かったりピンクだったり紫だったり緑だったり半透明だったりと非常に鮮やか極まりませんコンチクショウ。食えるか!

「うぅ…今日こそは、と思って散策ルートを変更してみたのに……。」

 嗚呼、悲しきかな貧困腋巫女・博麗霊夢。
 今日もまた飢えを凌がん為にと山に入って何らかしらの食物をゲットしようとするも、手に入ったのは手のひらに乗って余るほど僅かな山菜と、大量のカラフルキノコども。
 見るからに非食用なソレらであろうともキチンと持ち帰ってるあたり業が深いです。

「っていうか、そろそろ夏だって言うのに猪の一匹も見かけなかったわねくそぅ。野生とは言え所詮は豚の癖に……ブタの癖に!!」

 ダンダンと畳にこぶしを叩きつけながら怒りをあらわにしています。
 しかし、当然ながら疲労と飢えは高まる一方。きゅるるる~~、と可愛らしいお腹の音が部屋に響きます。今日だけでそろそろ50回の大台です。結構な極限状態です。
 因みにココ最近、彼女の生命線の一つでもある魔理沙は来てません。
 紅魔館でアリス・パチュリーと共にちょっと大掛かりな実験を試してみるから泊り込みなんだとか。
 そして霊夢の経験上、そういう状態の紅魔館に遊びに行ってろくな事があった試しがありません。実験台にされるか、実験に巻き込まれるか。
 よって「紅魔館に行ってその日の糧を恵んでもらおう★」というプライドもへったくれも無い作戦は最後の最後に回しておきます。ソレで本当に最期になってはたまりませんから。

「こんなときに限って誰も遊びに来ないし……うぅ、運が悪すぎる………」

 来訪者=補給物資 
 という図式が彼女の中で成立中。どこまで堕ちる気だこの巫女は。

「白玉楼~~……逆に返り討ちに合って食われそう。ボツ」

 流石の彼女でも人食はどうだろう。

「マヨヒガ~~……あそこって意図的に行ける場所じゃないのよね……。」

 紫もここ最近見てないから、おそらくは睡眠中なのだろう。

「永遠亭~~……この間の宴会で悪ノリして鈴仙に泣かれて座薬がトラウマになっちゃって以来、あまり良い目で見られてないわよね、多分……ボツ」

 何をした貴様。
 ちなみに霊夢の全戦闘能力を持ってしての力づくで押しかけはムリ。体力が途中で尽きるのがオチ。

「人里~~……慧音、会うたびに説教してくるから苦手。ボツ」

 最後にまたえらく自己中心的な理由が来たモンである。
 ちなみに彼女の説教は
「もっと妖怪退治をすることをアピールした方がいい」とか
「妖怪と戯れるのはいいが自重しろ。里でも博麗神社についていい噂を聞かないから心配だ」
 等といった親切心から来ているものですがそこは無重力の巫女。そんな状況的制約やら自己保身やらで自分の行動を縛られるのはかなり嫌いなのです。

 で、結論 自業自得。

「……………………………………………」

 他人に頼るのは無理だと悟った彼女は、とりあえず今後について考えて、考えて、考え抜いて決めました。

「とりあえず、油と小麦粉はあったはず……」

 今夜は天ぷら。

















 




 明朝。
 日も昇りきって無い頃から昨日の山を散策している霊夢。
 昨晩、ひもじさからあまり眠れずに色々と考え事をしていたのですが、事前の策として出た案は二つ。(事後の策が紅魔館)
 一つ、永遠亭周辺の竹林にてタケノコを拝借。
 一つ、昨日の山は散策しきれてないのでもう一度。
 決定稿は後者の方でした。
 永遠亭の方が確実性は高いのですが、そこいらは永遠亭偵察兎舞台の巡回ルートになっている為に迂闊に侵入するとその場で DEAD END! になりかねません。今の状態では詐欺兎に勝てる自信も無い。
 ちなみに、どこぞの無職無気力不死人姫の所為で財政的に困窮してる永遠亭の最終手段は「人間はタケノコ、兎はニンジン」という危機的状況極まりない献立が待ち受けてるとか何とか。いや、兎は変わんなくないかソレ?

「目標、肉類! 動物性タンパク質の確保!」

 そんな目標を抱えつつ、ポイポイと自生している植物菌類お構いなしに背中のかごに放り込みます。選別は帰ってから。
 鳥がいたら博麗アミュレットで撃ち落します。
 動物がいたら弾幕で肉を削ぎ取り過ぎない程度に蜂の巣にします。
 でも、問題はその捕らえるべき目標が異様なまでに見つからないという一点であります。
 結構な時間を山菜取りのみに費やしてお天道様が頭上に上り「本当はここは普通の山じゃないんじゃないか? そう、どこぞの魔女の無慈悲な実験によって汚染されてしまった死の山とか……」と思い始めた頃




 バサバサッ、バッ、バシャシャシャーーーッ………………



「ソコソコの大きさの鳥系の何かが悶えながら木々に落ちる音ぉーーーーーーーーーー!!」

 何でそんなに状況まで確信的なのか、
 一目散に音が響いた方向まで飛び立つ霊夢。急ぎすぎて籠の中のキノコ王国が地面にばら撒かれていきます。
 原理は一切不明ですが、食べれそうなキノコと山菜は全く籠から落ちなかったとか。







 飢餓状態が呼び起こす極限状態の食欲は、人間の感覚能力を極限にまで上げるようです。
 先ほどの場所から現在地まで、普通は鳥の音なんて聞こえないほどの結構な距離が離れてました。
 というか、山一つ超えてました。恐るべきは巫女。

「しかし…これは……。」

 目標は直ぐに見つかりました。しかし、その様子はとても「普通」とは言え無い状況で。
 地面に落ちているのは一匹のツル。肉付きもそこそこ、鍋にしたら悪くはなさそうです。
 しかし、気になるのは全身についている傷跡。
 身体のいたるところに大小様々な血が出ており、少しばかりですが火傷の後のようなものさえ見られます。
 右翼には矢が刺さっており、痛々しさが更に――――

「って、これ…矢、よねぇ……?」

 そうです、矢です。
 形から見て人間が狩猟に使う程度のものだとは思いますが、ソレはすなわちこのツルが「人間に撃たれた」ということ。他の傷も恐らくは、人間にやられたものでしょう。
 問題は、この界隈にどう考えても人間はいないこと。
 そしてもう一つ。

「この火傷……結構新しい………。」

 妖怪退治ってのは、言うほど楽な仕事ではありません。
 ちょっと気を抜けば大怪我をするし、下手をしたら死んでしまうような死生臭い仕事です。
 そんな修羅場を潜り抜けてきた彼女が、傷の新旧を見間違えることはマズ無い。
 
「う~~ん?」

 食う食わない、腹減った何かクレ、などの煩悩はすっかり飛んでしまった彼女。
 今はとにかくこの不可解なツルの様子が気になるところ。
 少しばかりその場で考えていた彼女ですが、急にテキパキと動き始めます。
 大きな傷には自分のさらしを包帯代わりに巻いてやって。
 折れてそうな左翼の骨に木をあてがって固定。
 勿体無いとか、今晩はどう凌ぐのかとか、そんなことは全く考えずに邪魔な山菜をその場で捨てて籠にツルを入れてやって。

 博麗の巫女は、自分のねぐらに帰っていきました。





 そして、夕方。

「あ、起きた」

 山での散策を打ち切って、霊夢はずっとツルの看護をしていました。
 というか、鳥類の看護なんてどうやっていいのか分からないってのが正直なところではありましたが、適当に人間と同じ風にやって平気だろう、といつもと同じ様子に適当にやってたらちゃんと蘇生しました。
 これもまた彼女の特異な勘がなせる技でしょうか? いや、ソレはともかく。

「うーーん、と。そうねー…まずは……」

 全身に包帯を巻かれ畳の上で寝ていたツルは、つい先ほど飛び上がるような勢いで起き上がりました。
 キョロキョロと辺りを見回し、目の前の霊夢に気づいたら今度は霊夢から目を離しません。
 そんなツルの様子に少々驚きながら、霊夢もツルを見つめ続けます。
 しばらくの沈黙の後、霊夢はこう言いました。



「話しづらいわね……アナタ、喋れるんだったらとっとと口を開きなさいよ」



 …!?
 ツルは口こそ開きませんでしたが、驚きのあまりのけぞるような姿勢になります。
 その動作一つで、ソレが人語を理解するということに確信を持った霊夢はこう続けます。

「半人半妖……ってわけじゃないわね。ただの妖怪変化かしら? どっちにしろ、弱まってる今の状態じゃヒトガタを取れない感じだろうけど」

 やつぎばやしにに繰り出す霊夢の言葉に、ただただツルの目は大きく開かれ霊夢を見続けています。
 そして、すこし。ほんの少し後。ツルは、口を開きました。

「ど……どうして、何でそんな……」
「生憎とこっちは仕事でね。妖怪と人畜無害な畜生の見分けなんて一目で分かるのよ」

 少しだけ得意げに霊夢は言いました。
 しかし、ツルはそんな霊夢にうろたえるばかり。

「妖怪だと分かっていながら、私を助けるどころか手当てまで……アナタは一体?」
「本業はね、妖怪退治よ」
「!!」
「あぁ、待ってストップ。妖怪といっても『悪い妖怪』だけよ。別にとって喰おうってわけじゃないんだから、もう少し落ち着いて」

 実際、とって食おうとは考えていたわけなのだが。
 そんなこんなで、霊夢とツルの邂逅が始まりました。
 とりあえず状況を理解して落ち着いてもらうように計らう霊夢であるが、霊夢の説明を聞けば聞くほど混乱が増していくツル。
 すこしながらショック症状のようなものが見受けられます。霊夢の言葉の些細な部分に敏感に反応しては、身体を大きく震わして怯えのような態度を見せるツル。
 仕方が無いから辺り触りの無い雑談をし始めることにしました。
 


 ―――あなた、性別は?
 ―――……女性、です。

 ―――怪我はまだ痛む?
 ―――羽の……矢傷が、まだ……。


 ―――お腹空いてる? ウチには何も無いけど、かろうじて湿気りかけの煎餅があったはず。
 ―――いえ、大丈夫です。



 すこしづつ、本当にすこしづつお話をしていって、なんとかそこそこにツルを落ち着かせることに成功した霊夢。
 これでやっと本題に入れます。


「さてと…そろそろ、本題に入っていいかしら?」
「え?」

 ツルの返事を待たずに、霊夢は言います。

「あなた、どうしてあんな怪我していたの?」
「………………………。」

 その一言で、ツルは口を閉ざし俯いてしまいます。
 ソレを聞かれたくないのは、最初の状態から霊夢にだって分かってます。
 しかし、見逃すわけにはいきません。 
 明らかに人の手による傷跡の数々。体に残る謎の火傷。
 
「ちょっとね……普通の傷じゃないわよね、ソレ」

 例えば、そう

「……山狩りにあったとか」
「…!」

 なんともまぁ、感情が表に出やすい彼女です。
 「山狩り」という言葉を聞いた瞬間に、大きく身体を震わして、身を抱くように羽を動かそうとします。
 当然ながら固定されてる羽は上手く動かないのですが、それでももじもじと、何かから身を守るように動かし続ける。

 長い、長い沈黙。
 このツルとの会話は沈黙の連続でしたが、その中でもっとも長い沈黙でした。
 既に日はどっぷりと暮れて、霊夢は灯りをつけようと立ち上がります。
 そして、霊夢が振り向いたときに ポツリと 彼女は口から声を漏らし始めました。





























 ただの善意でしかなかった。



 
 妖怪でありながらも大した力を持ってない私は、せいぜい「ヒトガタとツルの姿を持つ程度の能力」しか持ってなかったのです。
 魔力を張れない、妖気が出せない、霊気も纏えない。
 妖怪として二流、雑魚中の雑魚。ソレが、この私。
 妖怪として生きることはおおよそ不可能で、ただ一介のツルとして畜生たちの群れに混じって生きる毎日。

 ある時、エサを求めて草原を歩いていたときに、人間のかけた罠に捕まってしまいました。
 痛くて痛くてどうしようもなく、しかし力の無い私は抜け出すことが出来なくて。
 気付いたらいつも一緒にいた群れは何処か遠くへと飛び立っていってしまいました。
 もしも、彼らが自我のある妖怪の仲間たちであったなら。もしも、私が妖怪の仲間たちと一緒にいられるほどに力があったら。、
 痛みと悲しみが入り混じって涙が溢れてきました。どうしようも出来ない自分が悔しくて、歯がゆくて。
 きっと自分はこのまま朽ち果てるのだろうと。

 しかし、そんな状況はあっけなく開放されました。
 たまたまそこを通りかかった人間の年寄りが、なんと自分を罠から解き放ってくれたのです。
 それどころか傷ついた足に手当てをしてくれて、そのまま見逃してくれるというのです。
 私は酷く感動しました。
 昔の妖怪仲間は「人間なんて酷いもんだ。恩を知らず情けも無く、ただオレたちが妖怪と見たら何者であろうとも構わずに退治しようとしやがる」と。
 その頃から無意識的に植えつけられていた人間に対する怖いイメージは、なんだかスッキリと晴れた青空のように消えていました。
 とてもいい気分です。
 私は自由となった身を空に躍らせながら、考えました。

 そうだ、あの親切な人間に恩返しをしてあげよう!

 そして、夜になりました。
 酷い吹雪の夜でしたが、とりあえず下に降りて人間へと変化します。
 服装の細かい部分も術で何とかなりました。あまり普段から使わないので、すこし自信が無かったですけど。
 そして、その年寄りの家にやって来ました。
 一人暮らしではなく、老夫婦の二人暮しをしている家でした。
 「道に迷った」と言い訳をして、一晩泊めてくれるように頼みます。
 この人間がお人好しなのは分かっていることです。極当たり前のように、一晩泊まらせてくれる事を許してくれました。

 そうして、数日立ちました。
 吹雪は一向にやむ気配が無く、この人間も「この吹雪の中で外に出すのは忍びない。止むまで泊まっていきなさい」と言ってくれました。
 家事の手伝いや身の回りの世話などをしながら過ごす毎日。
 それから更に数日たって吹雪が止み、出て行く旨を二人に伝えます。

 そんな時、思いつきました。まだ何か恩返しになるようなことは出来ないか。
 ヒトガタを取っている間の私は、手先の器用さでは自信がありました。
 そして奥の部屋に旗織物があるのを掃除のときに確認しております。
 そこで、私のツルの羽を使って反物を作ってあげよう! と思い立ちました。

 機織をしたいから、奥の部屋を使わせて欲しい。
 ただし、作ってる間は気が散るので絶対に覗かないで。

 老夫婦は笑顔で許可を出してくれ、早速機織を始めました。
 慣れない機械に戸惑いながらも、恩返しをしたい一心で丹精に反物を織り上げます。
 思ったよりはるかに長い時間がかかってしまいましたが、なんとか一枚の反物を編み上げました。
 それを見た老夫婦はなにやら驚いた表情で「すごい」「こんなの見たこともない」と言います。
 何が何やら分からない私でしたが、喜ぶ彼らの姿を見て胸が満たされる思いでした。

 それから、私は家を出ずに機織を続けました。
 老夫婦は一枚織り上げるごとに、感謝の意を私に述べながら笑顔を浮かべてくれます。
 その笑顔が嬉しくて、毎日毎日機織をし続けました。
 笑顔が溢れて、いつも笑って、楽しくて。


 それは、無情にも突然に崩れました。


 機織の際に私は変化を解き、自分の羽を必要分だけ取り出します。
 その変化のところを、機織をして部屋にこもり続ける私を心配してくれてか、様子を覗きに来たお爺さんに見られてしまいました。
 私は悟りました。これで、楽しかった日々は終わりだ。
 私はまた一匹のツルとして生きる道に戻ろう…いや、帰ろう、と。

 そして、お爺さんは私の姿を見てこう言いました。
















 「化け物っ!!」
















 自体が掴めず、逃げることを失念していた私に対してお爺さんは飛び掛ってきました。


 騙していたのか

 私たちを取って食うつもりだったのか
 
 何を企んでいた

 この妖怪め


 ナニを言ってるのか、全く分からなかったです。
 ただ、おじいさんのその豹変振りに驚き、とりあえず家から逃げなくてはと。
 大きく翼を羽ばたかしてお爺さんを怯ませ、その勢いで家から飛び出します。

 
 ダレか

 バケモノだ

 バケモノを逃がすな

 
 後ろから声が聞こえてきます。
 もう、振り向けない。振り向くわけには行かない。
 そのまま飛び去ってしまおうと思いましたが、ソレも叶わず、私の翼に何者かが放った矢が刺さりました。

 罠にかかった時なんかとは比べ物にならない激痛が走り、上手く飛ばなくなった私はひとまず近くの山に降り立ちました。
 鬱蒼と木が生い茂る深い森の山で、ここならば大丈夫と思いました。
 矢を自分で抜くことは出来ず、痛みが酷くて変化も出来ず。
 とりあえず落ち着くまでここで休んでいこうと考えて、羽を休めました。
 
 何でこんなことになったのか。
 何がどうなっているのか。

 考えたくもありませんでした。
 すこし手を伸ばしたら届きそうなその答えに、たどり着いたその時、本当に何かが終わってしまうような気がして。
 よほど疲れていたのでしょう。
 何も考えないようにしていたらいつしか、翼の痛みも忘れて眠りについていました。


 気付いたのは、嗅いだ事も無い匂い。
 鼻にクるその匂いによって目が覚めた私が、まず目に入ったのは異様に明るい森の状態でした。
 ドレくらい寝ていたのかは分かりませんが、寝入る前までは日の光も入らないようなほどに深い森が、何故か奥のほうから光がみえているのです。
 ダンダンと強くなっていく光が、目先まで来たときにやっとソレが何か気付きました。

 ソレは、火です。
 あろうことか麓の村人は、私を殺すためだけに山に火をかけたのです。

 翼の痛みを耐えて、私は空へと逃げます。
 しかし、そんな動きは予測していたのでしょう。
 森から出た瞬間に、四方八方から矢や投石が飛んできました。
 必死に逃げ回りましたが、かわし切れるはずも無く体は傷を負っていき、最後には火のついた森の中へと落ちていきました。


 その最後に頭を過ぎったのは

 昔の妖怪仲間が言っていたセリフと
 私が力果て落ちていく瞬間に聞こえた、人間たちの歓声でした。  



























 
 長い語りが終わった。
 ツルは、話をしている間はずっと顔を上げずに俯き、場面によっては涙を流していた。
 
「それで、気付いたら全く見知らぬ私の神社にいた、と」
「はい、そうなります」
「なるほどねぇ……」

 事情は分かった。
 ようするに、彼女は「落ちて来た」のだ。あちらからコチラへと。
 ごく稀にある事だ。あのスキマ妖怪の気まぐれで落とされるものもいるが、実はそうでない者の方が圧倒的に多い

「あの、私はこれから……」

 最初の発見者が霊夢で、運が良かったと言うべきか悪かったと言うべきか。
 とりあえず、そんな何も分かってない彼女に言うべきセリフはただ一つ

「とりあえず、一言だけ言ってあげるわ」
「はい?」






 

「幻想郷へようこそ」








 この素晴らしき幻想が奏でる夢幻の世界へ、と。
 幻想の中へと落ちた新たな住人を、博麗の巫女は優しく微笑み迎え入れた。
プチに投稿してたけどこっちには初めて投稿。
始めまして、廿四(はたよん)です。
ここまで読んでくれた全ての皆様方に、感謝を。本当にありがとうございました。


つるのおんがえし謎リミックス
私的幻想郷入りの様子はこんな感じだろうかと言う妄想を形にしてみました。オチが弱いなぁ……修行します。
ちなみにお鶴さんの人間形態は黒髪ロングでキリッとした目がクールな和服美女。かぐやんタジタジ。
性能はルーミア以下。毛玉並み。ツルですから。
あと胸は多分並以上。ツルですから。
廿四
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コメント



0.2810点簡易評価
5.60点翔菜 削除
なるほどなぁ、この考え方は実に面白い。
16.80点Aliasfill 削除
いや、そこはやっぱりツルだから、胸もツルっとペタンのほうg(Lunatic毛玉程度の弾幕
18.80点某の中将 削除
てっきり巫女の極貧生活がとうとうとつづられるのかと思いきや、意外な切り返しに撃ち返し弾をもらった気分。
なるほど、こういうのもアリなんだろうなぁと。
21.80点黒うさぎ 削除
願わくば、このツルが幸せに暮らせます様に。
かぐやんタジタジとか、ただでさえ余り人気が無いのに……。
23.70点名乗らない 削除
そりぁなぁ・・・ヒトでないもんが居たら反応は普通そうだろうなw
だとすっと、かさこ地蔵とか無言で集団な分もっと怖っ
25.60点ABYSS 削除
正直、オチは読めてたんですよ。
でも面白いと思いました。昔話や御伽噺が何度聞いても色褪せないが如く。
そういう味のある良い作品でした。
27.80点信楽 削除
これもまた、一つの幻想かな。
29.60点変身D 削除
何とも言えない無常を感じました。何と言うかなあ……
37.70点レイファス 削除
なかなか読んでて考えさせられる代物でした。
昔話のように、綺麗には行かないものですな。

人の世は 異端を捨てる ものと知れ

ごちそうさまでした。
48.無評価廿四 削除
ふぉぉー!(注:興奮
初投稿でコレだけのレスがつくとは思いもよらなかったです。
某はもう嬉しすぎて体中から表現不可な色々な汁が出そうです!(出すな

長くなるとアレなので、気になったののお返事を。

>Aliasfillさん
しまったぁー!? その手は気付かなんだー!
けーねに頼んで歴史操作を……ぇ、胸はムリ? そうですか、はい……。

>某の中将
いやぁ、最初はソレを書いてたつもりなのですがなんか変な電波を受信して……いつの間にやらこんなになりましたが、コレはコレでということで完成させちゃいましたw

>名乗らないさん
ギャグで書こうと思ってたらかさこ地蔵使ってましたねw

>ABYSSさん
>そういう味のある良い作品でした。
「良い作品でした」……「良い作品でした」……!
あぁ、なんかもうその一言だけで廿四はあと10年は戦える思いですっ!

これからもポチポチと投稿していくつもりなので、これからもどうぞよろしくお願いします。
廿四でしたっ。 あー、まじで嬉しいw
53.90点かわうそ 削除
こういうの、好きー。