Coolier - 新生・東方創想話

季節外れの春風と共に 終章

2006/07/02 12:39:29
最終更新
サイズ
6.17KB
ページ数
1
閲覧数
519
評価数
2/14
POINT
270
Rate
3.93
※前作(第2章)の続きとなります、前作を先に読むと多少は楽しめると思います。
ですが大分間隔が開いてしまったので1章から見直してみるのもいいかも。
※若干地形、地域名などにオリジナル要素が入っています、それらに耐性のない方は回れ右で離脱したほうがいいかもしれません。



もうちょっと下から開始です。
















その日の夜、リリーは神社からさほど遠くない湖に来ていた。
割と深いその湖で夜空と月を見ながら水浴びをしていたのである。

そんな鏡のように澄んでいる水面に映る上弦の月と夜空に瞬く星、それだけでも幻想的な雰囲気を漂わせている。
「こんなところにここまでの絶景があったんですねー、身近なものほど気付きにくいというのも納得がいきます」
とリリーは呟く、すると背後から声が聞こえた。
「そうねー、しかしよく見つけたわね、こんな所」
「っ!誰ですか!?」
不意に声が聞こえた方向へ向き直り、やや強い口調で問う。

「あー、いきなりで悪かったわね、私よー」
声の主はそう言うと木陰から姿を現す、すると出てきたのは霊夢であった。
「霊夢さん?なんでまたこんな所に?」
「何となくよ、ふとふらついてみたらここについてあんたがいた、それだけ」
リリーが質問すると、霊夢は毎度のようになんとなくないきさつを話し、たまたま近くにあった岩に座る。

数分後、リリーは湖から上がり、いつもの服装に戻った後、手近な木の枝に座っていた。

静かな湖畔で幻想郷の母親、といっても差し支えなかろうか、やや欠けてきた月を見ている2人。
しばらく無言の時が流れ、数分後。

「そろそろ帰りましょうか、もう夜も遅いですし」
「そうね、草木も眠るなんとやら、ってそこまで遅くは無いわね、まぁ帰りましょうか」
そんな小さい冗談を交えつつ帰路につく霊夢とリリー。
割と仲睦まじい2人であるが、別れというものは唐突に訪れるもの、それがいつになるかは分からないが、確実に別れは悲しみをもたらす。
だが人生出会いもあれば別れもある、妖怪は分からないが少なくとも人間はそうである。







そして深夜の神社へ戻ってきた2人、いつもは寝る寸前まで篝火を灯しているのだが今日は早くも消えている。
霊夢曰くたまにはいつも以上に早く寝たいのよ、とのことである。

「それじゃ、お休み、リリー」
「ええ、おやすみなさい、霊夢さん」
とお互いに1日の終わりの挨拶をし、各自の部屋へと戻る。

霊夢の部屋は既に明かりが消えているが、リリーの部屋はまだ明かりが灯っていた。
彼女は霊夢には知らせてないが、几帳面に日記をつけており、それが理由で就寝時間が多少遅くなるのである。
今日も例に漏れず日記をつけ、就寝する寸前、彼女はふと考え事をしていた。
その内容は察することは出来ないが、随分思いつめていたような顔をし、そのまま床に入った。







そして次の日の早朝、お天道様も顔を出さない朝の境内に立っていたのはリリーである。
鳥居の下に立ち、神社の裏山方面を見つている彼女は混乱、消失していた記憶を取り戻し、今に至る。
「春を伝え終わって・・・花畑で少し休んでから里へ帰ろうとしたら・・・でもそのおかげで今、私はここにいる」
そう呟くと純白に薄く桃色の混じった羽を広げ、飛び立つために体勢を整えるリリー。

「霊夢さんには悪いのですが、やはりこれ以上迷惑は掛けられません、今までありがとうございました、そして、ごめんなさい」
と感謝と謝罪の気持ちを口に出し、飛び立つリリー。


「なんともまぁ、唐突な旅立ちよねぇ、何の別れもなしに行くのはどうかと思うわよ?私は」
突然の言葉に、既に空中にいたリリーは後ろを振り返る、するとそこにいたのは霊夢である。
「霊夢さん、なんでこんな時間に・・・・・?」
「あー、なんていうのかしら、昨日ちょっとだけ早く寝たら起きる時間も同じだけ早くなったみたいでね、ちょっと早いけどいつも通り掃除でもしようかと思ったらあんたが飛ぼうとする寸前だったのよ、だから声を掛けてみたの」
そんないきさつを説明する霊夢とうつむきながら困った顔をするリリー。
困り果てたリリーに霊夢は続けて声を掛ける。
「ま、いつ何をするかなんて私には決められないからね、全てはあるがままに、が私の主義でもあるわけだし、とにかく里に帰って元気でやりなさい、私にいえるのはこれと後一つ」
「2つあったんですね、でももう一つって・・・・・?」

「まぁ、なんというのかしら、別れのときはさようなら、じゃ無くて再開を信じて、また会いましょう、ってことよ、かなりベタだけど」
霊夢は自分なりの主義と別れの言葉を掛ける、一方リリーは驚いた顔で空中に滞空している。


「・・・・・・そうですね、また来年の春、また会いましょうっ!」
リリーも精一杯の笑顔で答える、が色々な要因で目には涙が浮かんでいる。
その直後、裏山にある妖精の里へ向けて飛び立つリリー、短いながらも充実した3日間を思い出しながら。

その時霊夢は達者でねー、と手を振りながら姿が小さくなってきたリリーに向かって声を掛ける。
そして完全に見えなくなって、少し後。
「行っちゃったかー、でもなんだかんだ言って楽しい時間だったわねー」
と短い3日間のことを振り返る、出会った時の事、一緒に朝食を作った時の事、湖で話したことを思い出しながら感傷に浸っていた。


「さて、今日からは私一人のいつもと変わらない生活ねー、まぁ流れるままにすごしていけば1年なんてすぐね」
そんなぶっきらぼうな考え方で1年を待つことにした霊夢、まぁそれが彼女らしいと言えばそれまでではあるが。





~後日~

なぜか珍しく神社に魔理沙やレミリア以外の来客があった、来客とは知識と歴史の半獣こと上白沢慧音である。
しかも夜に。

「あんたがここに来るなんて珍しいわねー、で何でこっちに来たわけ?」
「おいおい霊夢、私はお前に聞きたいことがあるけど行くの面倒だから来てくれ、って言われたからきたんだぞ、全く」
と霊夢は用事と慧音の来客理由まで忘れ、そこに突っ込みを入れる慧音。
「あー、そうだったわね、聞きたいことって言うのは・・・・・・まぁ説明がしづらいから現地へ案内するわ、余り遠くもないし」
「ああ、頼む、何か分かることがあるかもしれないからな」

そういって数日前にリリーと歩いた道を逆算してたどっていく霊夢。
しばらく歩くと例の湖に出た。

「聞きたかったことって言うのはこの湖のこと、なんか不思議な感覚がするのよねー」
「うーむ、何となく何かしらの文献で見覚えがあったような・・・・・・」
霊夢は何かしらの感覚を掴んではいるが核心には至らない、一方慧音は自信の驚異的な記憶をたどり、この場所に関することを思い出している。

「思い出したぞ、ここは確か霊鏡の聖泉と呼ばれている場所でな、その表面に写した者のある程度の未来が分かるというちょっと変わった湖なんだ」
「写した者の未来・・・・・・?」
そんなある意味凄まじい力を持った泉について、解説していく慧音と、それを聞く霊夢。
その説明は数十分に及び、長い説明も終了を迎えた。
「ようするに湖の表面が安定してれば特に悪いことは起きないのね?」
「まぁそういうことだ、用事というのはそれだけか?」
「そ、こんな夜中に呼び出して悪かったわね」
「そうか、私の知恵が役に立って何よりだ」
といって自分の守護する人里へと戻っていく慧音を見送りながら霊夢は呟く。

「ということは、あの子は元気でやってるのねー、まぁお茶でも飲みながら待つとしましょうか」
そう呟くと霊夢は神社へと帰っていった。



~完~
どうも、季節外れの~、もようやく完結です。

ですが最後がベタベタ、しかも突発的、とざっと上げるだけで反省点がぼろぼろ出てきますorz
これは糧に次以降は精進し続けるしか。

ちなみに霊鏡の聖泉は(れいきょうのせいせん)と読みます、まぁ東方に出てくる漢字スペカをまともに読める人は普通に読めるとは思いますが。

大分考察に時間がかかってしまったのでちょっとアレですが。

それではまた次の作品でお会いしましょう。



ってこの連作最後まで読んだ人何人居るのかな・・・・・?
紫苑
[email protected]
簡易評価

点数のボタンをクリックしコメントなしで評価します。

コメント



0.270簡易評価
7.無評価名前が無い程度の能力削除
一度、途中で投稿せずに最後まで書いてみると良いと思うよ。
連作の割に全然長くないし、続きを読ませる仕掛けも施してないし。
10.無評価aki削除
泉の意味が良く分かりません…。
リリーと別れるまでは話が繋がっていたと思うのですが、
慧音が出てきたことでおかしな方向に進んだように感じました。
『リリーが元気でやっている』ことがわかればいいなら、霊夢がそこを訪れるだけでもよかったかなと。
それこそ『なんとなく』。
11.無評価紫苑削除
匿名の方、レスしてくれた方、ご指摘、感想ありがとうございました。

>akiさん
慧音を出したのは自分なりに説明を掛けようと思ったんですが・・・・・。
結果的に蛇足だったようですねorz

必要かどうかわかりませんが泉の効能?は。
「写す対象の未来の安定性は湖の透明度で表し、澄んでいればいるほど未来(おおよそ10ヶ月~1年前後)は安定している」
ということです、理解しきれないかもしれませんが(滅)

>名無しの人
全部をつなげて書いてみる、というのは次の長編を書く際のために(大分先だと思われますが)肝に銘じておきます。

続きを読ませる仕掛け・・・・・は良く分かってないのでじっくり他作品読んだりしながら考えて見ます(駄)
せっかくの助言なのに理解力に乏しすぎな自分ですみませんorz
12.無評価名前が無い程度の能力削除
風呂敷を広げすぎて畳みきれなかった典型だな
13.無評価aki削除
返答をもらっていたのでとりあえず。

本文の泉の効能→『その表面に写した者のある程度の未来が分かる』
となっています。
写した(写った?)者の未来ですから、この場合、
霊夢には『自分』かもしくは『慧音』の未来が分かるのではないでしょうか?
(透明度によって未来が分かるのなら『誰の未来か』までは区別できないはずです。
それに泉に写ったのがリリーだけとは限りませんし)
あとは『霊鏡の聖泉』なのに本文では『湖』になっています。

※蛇足というならこの一文です。
(おおよそ10ヶ月~1年前後)
リリーは春を告げる精霊ですから、ほぼ一年のサイクルで現れるとすれば納得もいくのですが…。
15.無評価紫苑削除
っと、またも自分の矛盾気味な設定で混乱が(汗

ちなみに聖泉なのに湖になっているのは私流の言葉のあやって奴です、泉と湖は違うだろって言われたらおしまいなのですが。

あとの説明はメールで行いますのでそちらで、これ以上レス増やすのもアレですし(原因自分だが
16.-30名前が無い程度の能力削除
お前の態度が気に入らない。
正直物書きとして最低と言いたくなる。
真面目に取り組む気が無いのは、あんたの作品読んでよくわかった。
17.30名前が無い程度の能力削除
霊鏡の聖泉に関しては、本文中に慧音の言葉できちっと説明をしたほうがよかったのでは?
このままでは作者のレスを見なければ、泉については解らないと思うので。
そうすれば、慧音が出る意味もあるでしょうし…

多分、これぐらいの長さなら一話に纏めれると思います。
よろしければ練習もかねて、一度纏めて書き直してみるといいかと。

勝手な助言失礼しました。