※前作の続きとなります、見てない方も見た方も楽しめるかどうかは分かりませんがご了承ください。
※あと第2章の時点で告知するのは音速が遅いと思われますが幻想郷の地形等に結構オリジナル要素が入っていますのでそこの部分も注意。
「ぅん・・・・・・、やっぱり夏の早朝の空気っていいわね」
楽園の素敵な巫女こと博麗霊夢の朝は早い。
暑い夏といえど早朝の空気は冷たい、だがそんな空気がいい目覚ましになったりしていい感覚である。
起床して少し後、眠気の醒めた霊夢は寝巻き、というよりは薄布のような服からいつもの巫女服に手早く着替える。
その後は顔を洗い、髪を梳き、真っ赤なリボンを結んでいつもの霊夢が出来上がる。
身なりを整えた後は朝食、と思われるが霊夢は境内の掃除を始める。
彼女の話だと暑い昼間に掃除なんてやってられないから涼しいうちに終わらせたいのよ、とのこと。
人間妖怪誰しも極端に暑かったり寒かったりするのは嫌なものである、幻想郷には一部例外もいるが。
ざっ、ざっ。
ざっ、ざっ。
早朝の境内に箒の音が響く、誰もいない神社の境内。
そんな静かな場所で急がずあせらず、自分のペースで掃除を進めていく霊夢。
まだ青いままの落ち葉を端に寄せ、風で飛ばない場所へ移動させた後、箒を片付ける。
その後は朝食、作り置き状態の味噌汁を温めなおし、白米を炊いていく。
一方で同居人となったリリーは目を覚ましたばかりであった。
雨の中倒れていたところを霊夢に助けられてからはや2日目の朝、お世話になりっぱなしでは何か心苦しいので何か手伝えることは無いか、と考えていた。
そんなこんなで悩んでいた矢先に、金属で金属を叩いたような高い音に少し遅れて霊夢の声。
「リリーっ、起きてるなら朝食にするわよーっ」
と朝食の合図を聞くリリー、とりあえず恩返しは何にしようかというのは今はおいて、ご飯にしましょう、と思い。
「はーい、今行きますー」
そういうと借りていた襦袢から乾いていたいつもの純白の服に着替える。
「やっぱりこの服が一番落ち着きますねー」
と呟くと食卓へと向かった。
食卓となる居間では早くも食事の用意が出来ていた。
基本となるご飯と味噌汁、後は漬物と緑茶が2人分置かれていて、既に霊夢は正座で座っていた。
それに習うようにリリーも正座すると、手を合わせて「「頂きます」」と食前の挨拶。
食事中、しばらく2人の雑談が続いていたがふとした霊夢の言葉で話題が変わる。
「ところでリリー」
「どうしたんですか?急に」
「昨日の夜ちょっとトイレに行こうと思って起きたんだけど、その帰りにやけにうなされてるのを見たんだけど・・・・、夢でも見てたの?」
「ええまぁ、よくわからない夢だったんですが・・・・・」
「ふーん、なんとなく興味あるわね、よければ聞かせてくれない?」
「はい、なんとも形容しにくい感覚があったんですがこんな夢だったんです」
そういうとリリーは自分の見た夢について話し始めた。
話し始めてからどのくらいの時間が経っただろうか、食卓は少し冷めた緑茶だけが残っていた。
「・・・・・・・・・・以上です、分かりにくかったらすいません」
「いやいや大丈夫よー、大体を話すとこうなるんでしょ?」
というと霊夢は聞いた話の一部始終を復唱していく。
リリーが見知らぬ花畑にいたこと、目的地は曖昧だがどこかへ向かって飛んでいたこと、正確に目的地を見つける為に雲の下を飛んでいると、突然の豪雨にうたれて体力を消耗し、少しづつ高度が下がっていき、途中で意識を失ったこと。
「えぇ、そしてその夢の中で意識を失った時に目が覚めたんです」
「ふーん、春の妖精は季節がすぎると消えてゆく、って言うけど割と違うのねー」
「春がすぎると人里には姿を見せなくなりますからね、消える、という表現も間違ってはいないと思います」
「その夢の中に手がかりがありそうねー、私の勘だけど」
自分自身の直感で手がかりをつかんでいく霊夢。
混濁、喪失した記憶のことまで彼女の世話になるわけには行かない、と思いリリーも思考を巡らせる。
夢の中に出てきた花畑にいければ何かが分かるかも、と思ったが今は6月、花も散ってしまっているだろう。
と色々考えていると霊夢が何かをつかんだような様子でこういう。
「ちょっと考えてみて思ったんだけど神社の方向を向いて倒れてたって事は、あんたの目的地ってここの裏手の山頂じゃないのかしら?そこがどんなところかは話でしか聞いたことが無いけど・・・・・」
「神社の裏山・・・・?」
「そ、確か何かの書籍で読んだ事があったんだけど・・・・妖精の里だったかしら?内容は良く覚えてないから後で探しておくわー」
「はぁ・・・・(妖精の里・・・・?何かが引っかかるような・・・・・)」
その里の話を聞いて何か妙な感覚を覚えるリリー、
そうして夢から始まった話題は一旦終了し、霊夢は食卓と食器の片付けを始める。
その直後にリリーが霊夢に声をかける。
「あ、私に何かできることってありますか?どうも助けられてばっかりだとちょっと気が引けてしまうので・・・」
「んー、それじゃあこのちゃぶ台を適当な壁にでも立てといてー、あとそれが終わったら洗った食器拭きもお願いね」
「分かりましたー」
と霊夢から手伝いを頼まれ、笑顔で答えるリリー、小さい事ながらも彼女なりの恩返しが出来て嬉しいのだろうか。
なんだかんだで片付けも終わり昼もすぎた頃、リリーは自室にあてられた客室で霊夢から渡された古びた書物を読んでいた、食事の時に話していた妖精の里についての話である。
「1年に1回、皐月の終わりから水無月の始めに掛けて閉ざされし門が開かれる、か・・・・・」
書物には普段は里の入り口は閉ざされていること、年に1回、5月の終わりから6月の始めまで開く門のことや、里に住む妖精のこと等が書いてあった。
場所のことは詳しくは書いてなかったが大体の位置は分かったので、あとは感覚で何とかなるでしょう、とその面では明るく考えていた。
だがこの書物の事が事実なら今日明日にここを出たとしても時期的に間に合うのだろうか、とリリーは不安にもなっていた。
その一方霊夢は縁側でいつものようにお茶を飲みながら考え事をしていた。
「一時期はあいつの仕業かと思ったけど夢の話が本当ならただの偶然のような物だったのね、なんだか拍子抜けだわー」
と2日前に紫のことを疑っていた霊夢だがその考えは今日の朝ですっぱりと切り捨てていた。
「まぁいいか、それより今日の夕方の献立を考えなくちゃね」
そういうと居間へと入っていった。
そして夕方。
夕食は先ほどに済ませており、暗くなってきた縁側で座って何故か2人でお天道様の方向を見ていた。
「今日も一日、平和だったわねー」
と霊夢が言う、ほぼ毎日が平和だろうという意見はしても無駄である、多分。
「そうですねー」
リリーはそう相槌を打つとふと空を見る。
黄昏時の空を見ながら、あれから明日で3日目か、と考えつつ。
霊夢は気付いていないが、そんな彼女の顔には何かしらの決意を固めたような表情が見えていた。
~続いてしまいます~
※あと第2章の時点で告知するのは音速が遅いと思われますが幻想郷の地形等に結構オリジナル要素が入っていますのでそこの部分も注意。
「ぅん・・・・・・、やっぱり夏の早朝の空気っていいわね」
楽園の素敵な巫女こと博麗霊夢の朝は早い。
暑い夏といえど早朝の空気は冷たい、だがそんな空気がいい目覚ましになったりしていい感覚である。
起床して少し後、眠気の醒めた霊夢は寝巻き、というよりは薄布のような服からいつもの巫女服に手早く着替える。
その後は顔を洗い、髪を梳き、真っ赤なリボンを結んでいつもの霊夢が出来上がる。
身なりを整えた後は朝食、と思われるが霊夢は境内の掃除を始める。
彼女の話だと暑い昼間に掃除なんてやってられないから涼しいうちに終わらせたいのよ、とのこと。
人間妖怪誰しも極端に暑かったり寒かったりするのは嫌なものである、幻想郷には一部例外もいるが。
ざっ、ざっ。
ざっ、ざっ。
早朝の境内に箒の音が響く、誰もいない神社の境内。
そんな静かな場所で急がずあせらず、自分のペースで掃除を進めていく霊夢。
まだ青いままの落ち葉を端に寄せ、風で飛ばない場所へ移動させた後、箒を片付ける。
その後は朝食、作り置き状態の味噌汁を温めなおし、白米を炊いていく。
一方で同居人となったリリーは目を覚ましたばかりであった。
雨の中倒れていたところを霊夢に助けられてからはや2日目の朝、お世話になりっぱなしでは何か心苦しいので何か手伝えることは無いか、と考えていた。
そんなこんなで悩んでいた矢先に、金属で金属を叩いたような高い音に少し遅れて霊夢の声。
「リリーっ、起きてるなら朝食にするわよーっ」
と朝食の合図を聞くリリー、とりあえず恩返しは何にしようかというのは今はおいて、ご飯にしましょう、と思い。
「はーい、今行きますー」
そういうと借りていた襦袢から乾いていたいつもの純白の服に着替える。
「やっぱりこの服が一番落ち着きますねー」
と呟くと食卓へと向かった。
食卓となる居間では早くも食事の用意が出来ていた。
基本となるご飯と味噌汁、後は漬物と緑茶が2人分置かれていて、既に霊夢は正座で座っていた。
それに習うようにリリーも正座すると、手を合わせて「「頂きます」」と食前の挨拶。
食事中、しばらく2人の雑談が続いていたがふとした霊夢の言葉で話題が変わる。
「ところでリリー」
「どうしたんですか?急に」
「昨日の夜ちょっとトイレに行こうと思って起きたんだけど、その帰りにやけにうなされてるのを見たんだけど・・・・、夢でも見てたの?」
「ええまぁ、よくわからない夢だったんですが・・・・・」
「ふーん、なんとなく興味あるわね、よければ聞かせてくれない?」
「はい、なんとも形容しにくい感覚があったんですがこんな夢だったんです」
そういうとリリーは自分の見た夢について話し始めた。
話し始めてからどのくらいの時間が経っただろうか、食卓は少し冷めた緑茶だけが残っていた。
「・・・・・・・・・・以上です、分かりにくかったらすいません」
「いやいや大丈夫よー、大体を話すとこうなるんでしょ?」
というと霊夢は聞いた話の一部始終を復唱していく。
リリーが見知らぬ花畑にいたこと、目的地は曖昧だがどこかへ向かって飛んでいたこと、正確に目的地を見つける為に雲の下を飛んでいると、突然の豪雨にうたれて体力を消耗し、少しづつ高度が下がっていき、途中で意識を失ったこと。
「えぇ、そしてその夢の中で意識を失った時に目が覚めたんです」
「ふーん、春の妖精は季節がすぎると消えてゆく、って言うけど割と違うのねー」
「春がすぎると人里には姿を見せなくなりますからね、消える、という表現も間違ってはいないと思います」
「その夢の中に手がかりがありそうねー、私の勘だけど」
自分自身の直感で手がかりをつかんでいく霊夢。
混濁、喪失した記憶のことまで彼女の世話になるわけには行かない、と思いリリーも思考を巡らせる。
夢の中に出てきた花畑にいければ何かが分かるかも、と思ったが今は6月、花も散ってしまっているだろう。
と色々考えていると霊夢が何かをつかんだような様子でこういう。
「ちょっと考えてみて思ったんだけど神社の方向を向いて倒れてたって事は、あんたの目的地ってここの裏手の山頂じゃないのかしら?そこがどんなところかは話でしか聞いたことが無いけど・・・・・」
「神社の裏山・・・・?」
「そ、確か何かの書籍で読んだ事があったんだけど・・・・妖精の里だったかしら?内容は良く覚えてないから後で探しておくわー」
「はぁ・・・・(妖精の里・・・・?何かが引っかかるような・・・・・)」
その里の話を聞いて何か妙な感覚を覚えるリリー、
そうして夢から始まった話題は一旦終了し、霊夢は食卓と食器の片付けを始める。
その直後にリリーが霊夢に声をかける。
「あ、私に何かできることってありますか?どうも助けられてばっかりだとちょっと気が引けてしまうので・・・」
「んー、それじゃあこのちゃぶ台を適当な壁にでも立てといてー、あとそれが終わったら洗った食器拭きもお願いね」
「分かりましたー」
と霊夢から手伝いを頼まれ、笑顔で答えるリリー、小さい事ながらも彼女なりの恩返しが出来て嬉しいのだろうか。
なんだかんだで片付けも終わり昼もすぎた頃、リリーは自室にあてられた客室で霊夢から渡された古びた書物を読んでいた、食事の時に話していた妖精の里についての話である。
「1年に1回、皐月の終わりから水無月の始めに掛けて閉ざされし門が開かれる、か・・・・・」
書物には普段は里の入り口は閉ざされていること、年に1回、5月の終わりから6月の始めまで開く門のことや、里に住む妖精のこと等が書いてあった。
場所のことは詳しくは書いてなかったが大体の位置は分かったので、あとは感覚で何とかなるでしょう、とその面では明るく考えていた。
だがこの書物の事が事実なら今日明日にここを出たとしても時期的に間に合うのだろうか、とリリーは不安にもなっていた。
その一方霊夢は縁側でいつものようにお茶を飲みながら考え事をしていた。
「一時期はあいつの仕業かと思ったけど夢の話が本当ならただの偶然のような物だったのね、なんだか拍子抜けだわー」
と2日前に紫のことを疑っていた霊夢だがその考えは今日の朝ですっぱりと切り捨てていた。
「まぁいいか、それより今日の夕方の献立を考えなくちゃね」
そういうと居間へと入っていった。
そして夕方。
夕食は先ほどに済ませており、暗くなってきた縁側で座って何故か2人でお天道様の方向を見ていた。
「今日も一日、平和だったわねー」
と霊夢が言う、ほぼ毎日が平和だろうという意見はしても無駄である、多分。
「そうですねー」
リリーはそう相槌を打つとふと空を見る。
黄昏時の空を見ながら、あれから明日で3日目か、と考えつつ。
霊夢は気付いていないが、そんな彼女の顔には何かしらの決意を固めたような表情が見えていた。
~続いてしまいます~
※前書きについて
普通『第○章』となっているものはその前の話を読まないことには理解しづらいものです。見ていない人には前の話を読むよう勧めた方がいいと思います。
『前作を見ている人も楽しめるかどうか分からない』作品は、何のために投稿したのでしょうか?
それだけで点もつけずに帰ってしまう人はいると思います。
はっきり言ってもったいない。真面目に書いている人に対して失礼です。
『オリジナル要素が…』とありますが、創想話にそれがない話なんて存在しないのではないかと。
本文はやはり短すぎると思います。
重要な部分とそれ以外を一緒に端折っているようにしか見えません。
文章にあちこち不自然な点があります。
書き上げてから一日二日時間を置いて、改めて「これでいいのか?」と見直すことをお勧めします。
後書きにありますが、
「あと1章でちょっとだけ触れた紫黒幕のオチですが自分でもそのオチは没に」
これは前の話で叩かれたから、と受け取っていいのでしょうか?
『理由のない紫黒幕オチ』は駄目だと言っているのであって、そこに必然性があれば誰も文句は言いません。
むしろころころオチが変わるのであれば、何を持ち出しても同じことだと思います。
最後に。
「マナーに抵触しない程度に感想、ご意見何でもこいやぁーって事です(謎)」
少なくとも一番マナーを守れていないのはこの一言ですよ。
長々失礼しました。