Coolier - 新生・東方創想話

香霖堂、熱意の日

2006/06/13 09:20:41
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 その日僕は珍しく店先で客を待ち構えていた。
 ……誤解してもらっては困るが、珍しいのはあくまで「待ち構えていた」という所であって、店を開いていることではない。
 自慢ではないがこの香霖堂店主、森近 霖之助はたとえ夜中であろうともお客さえ来るのなら店を開くほど熱心な商人である。
 たしかに普段は商品の仕入れや整理やらで店先にいないこともある。
 それはあくまで営業に必要なことであって、サボっているわけではない。
 絶対に。
 しかし今日に限って言えば僕はお客が来るのを今か今かと待ち望んでいた。
 今日は普段に比べてやる気が七割くらい増しだ。
 別にたいした理由は無い。
 昨日店にやって来た魔理沙に

「なあ香霖。ニートって知ってるか?」

 なんて言われた事は関係無い。
 全く無い。断じてない。
 ……いや、魔理沙はどこかで耳にした外の世界の言葉に興味を持っただけなのだろうが。
 それでも暗に仕事していないと言われているようで面白くない。
 そういうこともあって、今日の僕はやる気に満ちているのだ。
 とはいえ、果報と待ち人は待っているときはなかなか来ないものなのである。
 一刻二刻経ち、そろそろ昼のメニューをどうしようか考えはじめた頃、ようやく店の戸が開かれた。
「やあいらっしゃいおぜうさん何をお探しでえ!?」
 うむ。我ながら素晴らしいスマイル。
 全力で歓迎を表明する裏返った声。
 見よ、金髪のお嬢さんも感動のあまり腰が引けている。
 ……すこし張り切りすぎたかも知れない。
 こほん。
「こんにちはアリスさん。何かご入用ですか?」
「えーと。こんにちは森近さん。……大丈夫ですか?」
「何が?」
「いろいろと。」
 何か勘違いされたようだ。何故だろう。
 それはさておき商売商売。
 本日最初のお客さんとなったこの少女、名前をアリス・マーガトロイドと言う。
 一見育ちのよさそうな普通のお嬢さんだが、見た目どおりの人間ではない。
 魔法使いという妖怪だ。
 収集家であり、同じ魔法使いである魔理沙と--魔理沙は一応人間だ、念のため--ある意味似ている。
 そのため僕の店にもたびたび訪れては珍しい物を買ってくれる。
 もっとも僕の店にあるものはほとんど珍しいが。
 魔理沙との大きな違いは、ちゃんとお金を払ってくれることだ。
「今日は買い物じゃないの」
「ほう」
「買い取ってもらいたい物があるのだけど……」
「ほほう!」
「……森近さん?」
「いやお気になさらず」
 これは好都合。
 買取ということは僕の”物の名前と使い道がわかる程度の能力”の見せ所だ。
 彼女ほどの収集家ともなればきっと珍しい物を出してくるだろう。
「それで、その物とは?」
 これです、とアリスが僕に渡したのは、一体の可愛らしい人形。
 金髪でどこかアリスに似ているかもしれない。
 古さは感じられない。わりと最近作られたようだ。
「これはひょっとして君が?」
「ええ。私の自信作の一つよ」
 なるほど。確かによく出来ている。
 人形の名前は『上海人形(R)』。
 Rは量産型かレプリカか。残念だがそこまでは解らない。
 正式名称がそうなのだから仕方ない。
 ちなみに使い道は。
 ……。
 使い道は……。
「あのアリスさん。この人形の使い道って……」
「人形なんだから飾って愛でるものに決まってるじゃない」
「そうだよね。呪殺になんて使わないよな」
「いやねえ森近さんたら。うふふ」
「あはは」
 乾いた笑いが店内に響く。
 ……まあ、普通に飾っとく分には問題ないだろう。
 実際この人形はいい出来だ。
 店にはアンティークドールもいくつかあるが、それと比べても遜色ない。
 商品としては申し分ない。これは是非買い叩こう。
 とは言えいきなり値段交渉に入っては僕が買いたがっているのが丸解りだ。
 まずはワンクッション。
「しかしなんでまた急に? 大事なコレクションの一つなのでは」
「いやそれが……ちょっとオークションで」
 わずかに目を逸らしてぽりぽりと頬を掻くアリス。
「……生活費が」
 なるほど。つい熱くなったと。納得。
「それは災難でしたね。うーんしかし--」
「そうかしら。これは--」
 そうしてアリス嬢とのバトルが始まった。



「--円だね。これ以上はちょっと厳しいかな」
「仕方ないわね。じゃあそれでお願いします」
 勝った。
 僕は勝利を噛み締めた。
 流石は七色の魔女。相当手ごわい相手だった。
 しかし相場よりもずいぶん安く買い叩けた。
 やはり僕は商売の才能があるな。ふふん。
「それじゃ今お金を--」
 用意しよう、と言おうとした時、店の戸が開いた。
「いらっしゃい、ルナサさん」
「こんにちは」
 入ってきたのは血圧低そうな声のルナサ・プリズムリバーだった。
 プリズムリバー三姉妹の長女で弦楽器の演奏を得意としているらしい。
 彼女もたまにやって来ては冷やかしていく。
 まあ、よろず取り扱いといってもそうそう楽器というのは入荷できないので仕方ない。
 彼女の眼鏡に適う程の物となればなおさらだ。
 それでもしばしば小物を買って行ってくれるだけ誰かとは雲泥の差だ。
「良い楽器、入りました?」
「いや。それが……」
「そう……。残念だな」
 ちらり。
「名器と言える程の楽器ともなると、外の持ち主も大切にするだろうからね。なかなか幻想の物にはならないのさ」
「解った。また今度きてみるわ」
 またちらり。
「……」
 三度ちらり。
 ルナサは上海人形(R)が気になるようだ。
 優等生的な彼女だが、そういうところはやはり少女のようだ。
 どうやら、さっそく売れそうだ。今日はついてる!
「その人形……」
「いい出来でしょ。私が作ったのよ」
「へえ……あなたが? 凄いなあ」
「でしょ。私の自信作」
「これ、売り物?」
 おっと。うっかり流れに乗りそこなったが、今こそ僕の出番だ。
「うん、これは--」
「気になる?」
「ちょっと。この子、優しい目をしているね」
「わかる!? そう、そうなのよ!」
 あの……ちょっと……お二人さん?
「あなた見る目があるわ!」
「そ、そうかな」
「ええそうよ。よかったらこの人形、どう?」
 ん?
「え、でも……」
「いいのいいの! あなたのような人に貰ってもらうほうがこの子も幸せだわ!」
 おい。
「でも、只というわけには」
「うーん、確かにちょっと。でも安く譲るわ。そうねえちょっと高いかもしれないけど--」
 まて。僕が提示した値段より高いじゃないか。
「え、そんなに安く? いいのかな」
「ええ勿論!」
「……うん。貰おうかな」
「ありがとう! この子もきっと喜ぶわ」
「そうだといいな。大切にするよ」
「そうだ。良ければこれから家に来ない? 他にもいろんな人形があるのよ」
「本当? 見てみたいな」
「是非いらっしゃいな! そうそう。この間いいお茶手に入れたのよ」
「へえ……楽しみ」
 わいわいきゃいきゃい。
 二人は楽しそうに店を出て行った。
 後に残るはぽかんとする僕一人。
 …………もってかないでー。



 さて。先ほどはあまりにもあんまりな仕打ちを受けたが、そう何時までも落ち込んでいられない。
 気を取り直して次のお客を待つことにする。
 しかし待てど暮らせどお客はなかなか来ない。
 いつもの事とはいえ、店主がやる気全快のときくらい客足が向いてほしいものだ。
 この高尚な品揃えを理解できるほどの人妖が幻想郷には乏しいのが問題だな。
 僕が扱っているのは一見すればただのガラクタにしか見えないかもしれない。
 しかし実際には外の世界の高度な魔法と技術によって構成されている物が多く、それの理解を素人に求めるのは少々酷と言うものだ。
 そもそも今の幻想郷は人間はもとより妖怪すらも本来の--
「やっほー。店主いる~?」
 おっと。お客様だ。
 ……う。
 訂正。正直、客と言えるかどうか。
「客にいらっしゃいませ位言わないのはどうかと思うわよ」
「普通のお客になら言うけどね……」
「あら。普通のお客じゃない」
「どうだろうな」
「ひどいわねえ。こんな善良なうさぎを捕まえて」
 と、黒髪の白兎、因幡てゐがのたまった。
 そう、知る人ぞ知る幻想郷きっての詐欺師だ。
 といっても大した被害も出てないし、結局誰も困らない程度なのでさほど問題にならないが。
 が、僕みたいな古物商にしてみればその程度の嘘でも痛手になりかねない。
 だからあまり相手にしたくはないが……。
「そう嫌そうな顔しないでよ。今日はちゃんとお客さんなんだから」
「なにか入用なのか?」
「ていうか買取希望」
「……」
「だからそんな顔しちゃいや」
 うーむ。怪しい。
「まあまあ。とりあえず見るだけ見てよ。絶対欲しくなるからさ」
 てゐが取り出したのは、一振りの剣。
 僕の能力を使うまでもない。それほど有名な剣だった。
「アイスソード……」
「そ。なかなかのもんでしょ」
 伝説級の職人が太古の地層の氷から削りだしたとか、妖精がいたずらに作ったとか、洞窟の奥底で鍾乳石が自然と剣の形に形成されたとか、そういう伝説が大量にあるが、真偽の程は定かではない。
 しかし確実にいえるのは、目の前にあるのがまぎれもない本物ということだ。 
「どこでこんなものを手に入れたんだ?」
「ちょっと長くなるけどね。今朝竹林を散歩してたら道に迷ってるおじさんがいてね。私ってば親切だから林の外まで案内してあげたのよ。なによその顔。信じてないわね? こう見えても私は竹林に迷い込んでいる人がいたらちゃんと出口を教えてあげてるんだから。餓死されても面倒だし。それでそのおじさん何気に外から来た人間らしくて、そもそも幻想郷で迷ってたのよね。人の頼みを断れない兎のいい私はおじさんの目的地まで案内してあげたのよ。そしたらそのおじさんそこで目当ての物手に入れてね「ねんがんの アイスソードをてにいれたぞ!」なんて自慢しだしてさ! ついむかついたからこう、きゅっと。」
「まてい」
「そうしたら「な なにをする きさまー! 」なんて言って動かなくなっちゃた。いい年こいたおっさんがあれくらいで拗ねないでほしいわー」
「まてい!」
「何よそんなに名前連呼しないでよ」
「盗品じゃないか! しかも強盗殺人!」
「問題あるの?」
「大有りだ!」
「誰も文句言わないわよ。死んでるし」
 ……一瞬、それなら問題ないか。と思った自分が恥ずかしい。
 仕方ないじゃないか。たとえ強殺品といえども、それでも手に入れるだけの価値はある剣なのだ。
「さあさあどうするの。買うの? 買わないの?」
「む。そりゃ確かに欲しいが……」
「でしょ。こんな貴重品なんだから、当然私の言い値よね」
「君は何を言ってるんだ。そんなの認められるか」
「あっそ。じゃあ魔理沙にでも売ってこようかしらねえ。アリスでもいいわ。あ、紅魔館のお嬢様もこういうレアもの好きだったわね」
「ま、まて。誰も買わないとは言ってないぞ」
「じゃあ言い値ね。そうねえ--」
 うぐう。流石は妖怪兎。相当手ごわい。
 ……くそ。今回ばかりは向こうの手札が良すぎる。
 ただ、てゐが示した金額は相場どおりだ。安くは無いが、吹っ掛けられてもいない。
 かなり意外だが、こっちとしてはありがたい。
 しかし、男森近 霖之助、相手の言い値で買い取るというのは商売人のプライドが許さない!
 一矢報いてやる!
「せめてそれの九割」
「魔理沙の家ってこのあたりだったわよね」
「てゐさんの仰る値段で結構です」
 負けた……。
 まあ仕方ない。店で売るときにその分上乗せしてやるさ。
 僕はアリスの時と同じ轍は踏むまいと既に金庫から出してあったお金をてゐに直ぐ支払った。
 何はともあれ、無事に伝説の剣を手に入れられるとは。
 どこかの誰かじゃないが、念願の~とはしゃいでしまいたくなるな。
「まいどあり~。こんごもご贔屓にね。   !」
 嬉しそうに金を数えていたてゐの方耳がぴくんと動いた。
 なんだろう?
 --ち。もう来たか。
 なんだって? てゐがぼそりと呟いた言葉ははっきりとは聞こえななった。
 が、嫌な予感がする。
「店主! 裏口は!? こっちね! じゃまったねえ~!」
「あ、おい!?」
「確かにもう売り渡したからね! 私はもう関係ないからねえ~ねえ~ねえ……」
 残響を残しててゐはもの凄い勢いで店の裏口を突き抜けていった。
 なんだったんだ、一体。
 バタんっっ!!!!
「うお!」
「てゐぃ! よくもやってくれたわね!」
 いきなり戸を激しくあけ開いたのは、なぜかぼろぼろな氷の妖精チルノ。
 なにやらひどくご立腹の様子だ。
 キッ! キッ! と店の中を見回すがお目当てが見当たらなかったらしく、僕に詰め寄ってきた。
「ちょっと! いまてゐが来なかった!?」
「え、いや、えと、来たけど」
 あまりの剣幕についしどろもどろになってしった。
「何処行った!?」
「く、首を締めるな……」
「ど・こ・いっ・た!?」
「う、裏口から出て行きました……締めない、で……」
「ちぃ! 一足遅かったか! だが逃さない!」
 危ない紫色になった僕を乱暴に放り投げると先ほどのてゐに勝るとも劣らない勢いで店から出て行った。
「げほ。な、なんだいまの」
「あーーー!!!」
 キーーン!
 いきなり耳元で大きな声出すなよう……。
 てっきり出て行ったと思ったチルノだったが、どう言う訳か戻ってきて僕の鼓膜へ痛恨の一撃。
 一体何の恨みがあるんださっきから。
「あんた! それ!」
 といって指差すのは、僕が後生大事に抱えていたアイスソード。
「これ?」
「それあたいの!」
 ……は?
「いや、これは今てゐから買い取った物なんだが」
「ふざけんな! あたいのだ!」
「……すまないが、話が見えないな。どういうことだ?」
「さっき! 湖にあの性悪兎がやってきて! 「張り切って闘うのよ!」とか言って変なおっさんけしかけてあたいの剣奪ったんだ!」
 ……。
「気が付いたらおっさんは死んでるし! てゐの姿が無いから直ぐに後を追ってきたんだよ!」
 …………。


 妖精がいたずらに作った。
 ^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^


 あんの詐欺うさぎィィィィィィイイイィィィィィィィイ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
 盗品どころか二重盗難品だわそもそも首謀者やっぱりお前じゃないか!
 くそ、道理で安いと思った。
 さっさと僕に押し付けようという魂胆だったのか! 
 そういう代物だったらあの値段でも高すぎる!
 第一、持ち主生きてるじゃないか!
 今度あったらただじゃおかない!
「さあ解ったでしょ。あたいの剣返してよ」
「……残念だけど、それはできない」
「なんでだよ!」
「これはもう僕が買った物だ。経緯はどうあれね」
「な゛!」
「買い戻すというなら、便宜は図ってもいいが」
「買い戻す!? あたいの剣なのに? バカじゃないの」
 君にだけは言われなくない。
「君はてゐに負けて剣を盗られたんだろう。弱肉強食。言ってしまえばそういうことだ。ここは幻想郷なんだからね」
 酷なようだが、魑魅魍魎の跋扈する幻想郷とは元来そういうものだ。
 たしかに同情はするが、彼女も幻想郷に生きる妖精である以上、逆らうことは出来ない。
 さて。そう言ってしまった以上、僕も身構えざるをえない。
 何しろ今の理屈じゃこのまま僕を襲って剣を奪い返しても問題ないというわけなのだから。
 チルノが暴れれば確実に店はめちゃくちゃになる。
 荒事は苦手だが店を護るためだ。
 獲物にアイスソード。この間霊夢がくれたお札も、多少は役に立つだろうか。
 僕の言葉にふるふる震えるチルノ。うむ。相当頭に来てるな。
 気持ちはわかる。
 しかし僕は譲らない! たとえお子様が相手でも商売はいつも真剣勝負!
 果たして、チルノはどう出る? できれば見境無く妖弾を撒き散らすのは--
「……ひっく」
 チルノの目から大粒の水滴がポロリ、ポロリ。
 これは……!
「……えっく……返してよ……ひっく……剣……返してよぅ……」
 泣き落とし!?
 そうくるか!?
 何てことだ! 
 涙は涙を呼び、見る間にチルノは泣き崩れた。
「えぐ、返して……ひっ、レティと、えっく、一緒に、えぐ、頑張ってつく、えぐ、たんだ……」
 まずい。マジ泣きだ。
 これは手がつけられないぞ。
 それに、この状況じゃどう見ても僕が悪人だ。
 もし霊夢や魔理沙がやってきたりしたら!
 それだけは絶対避けねば。
「あー。チルノさん?」
「ひっぐ、えっぐ……え、あう、返し、ひぐ、えう……」
「その、なんだ。とりあえず泣くのやめよう、な?」
「えぐ、うあ、え、ひっく、……あう、え、ひっく……」
「あー。なんというか。そのー」
「え、うえ、あう、え、え、ひっく、あ、え、うう、うううう……」
 ……だめだな、こりゃ。
「解ったよ。返すから、もう泣くなって」
「えっく、あっく……ほん、と……? ひっく」
「本当だよ。ほら」
 真っ赤に腫らした目をぬぐうチルノに剣を渡してやる。
 ここで泣いてたのが嘘のように憎まれ口を叩こうものなら即座に取り上げるところだが、そんなことは無かった。
 神妙な面持ちで自分の下に戻ってきた剣を見つめている。
 まだ時々しゃくりあげるところを見ると、やはり本泣きだったようだ。
 早めに手を打ってよかった。
 あの現場を目撃されて僕の信用が失墜することに比べれば、これくらいの損失……。
 痛いよなあ。でもそうとでも納得するしかない。
 くそ、二度と取引しないぞあのうさぎめ。
「……ありがと。あんた、ぐす、いい奴だね」
「そりゃどうも。もう盗られるんじゃないぞ。次は返さないからな」
「……うん。気をつける。……そだ」
 ごそごそとポケットを探る。
 そして取り出した紙包みを僕に差し出した。
「これ、あげる」
「……飴?」
「お礼。美味しいよ」
「……。うん、ありがとう。頂くよ」
「じゃあ、あたい帰る。すん。ばいばい」
「あー、はいはい。気をつけてな」
 しっかりとアイスソードを抱えて店を出て行くチルノを見送り、僕はため息。
 まったく、えらい災難だった。



 結局その日はそれ以降客足は無かった。
 右手には小さな飴球一つ。
「よう香霖。なんだそれ」
「今日の売上さ」
 いつのまにか入ってきた魔理沙にそう答え、僕はそれをほおばった。
 ま、こういう日もあるさ。
 氷砂糖のように甘い飴玉を舐めながら、やはりいつもどおりのペースが一番だとしみじみ思う僕だった。



 追記。
 翌日、飴玉一個で店の商品を持ち出そうとした奴がいたが、それが誰かは言うまでもない。
はじめまして。keiです。
読んで頂いて、感謝です。


初投稿ということで、ある日の香霖堂です。
まともな客とまともじゃない客と。
でもどっちもどっち。
幻想郷で商売は難しいと思うけど、頑張れ香霖。
ふんどし香霖にならない程度に。


ご意見ご感想お待ちしております。
今後ともよろしくです。
kei
http://www.geocities.jp/underflow_web/index.html
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コメント



0.5980点簡易評価
6.80点名前が無い程度の能力 削除
頑張れこーりん、負けるなこーりん。
そんなこーりん萌え。
12.80点翼 削除
むむ、いい日常。キャラもいい味出してるし。人形見て笑ってるルナサを想像してむぎゅー中です。ご馳走様でした。

やっぱなあ、チルノの泣きは嘘泣きってことがあり得ないからなあ…勝てんわ。ご愁傷様こーりんw
13.90点名前が無い程度の能力 削除
泣きチルノに萌え
14.90点CCCC 削除
なんだかんだで微妙に良い話で和みました。GJ。
そして最後の一文に異常に納得している自分が居るw
15.60点対馬 光龍 削除
霖之助は隠れた苦労人ですな。
さて、明日のお客は誰だろう?
18.無評価名前が無い程度の能力 削除
ルナ姉とチルノに萌えた
しかしガラハドはここでもw
幻想郷にきているのは髪がふさふさな方でしょうか
27.90点湊 削除
香霖の苦労っぷりに萌えた
29.90点CODEX 削除
「泣く子と兎には勝てない。」ここ重要だぞ、赤線引いとけよ~
・・・ってけ~ねが言ってた。
31.100点じょにーず 削除
りんのすけさん おつかれさま あしたはうれるといいね
39.90点ぐい井戸・御簾田 削除
すっきりとまとまった楽しいお話でした!まあそりゃ、チルノに泣かれちゃなあw
42.80点K-999 削除
アイスソードを作るなんてねぇ。チルノ何気に凄いな。

つーか霖之助、あんた能力は商売人向けだけど性格はそうでもないね。でも商売で一番大切なのは信用だから、いつかは報われる日も来る。かも。
44.80点ろびー 削除
そうか、流れは香霖か!
46.80点名前が無い程度の能力 削除
まじ泣きチルノかわいいよ
54.90点変身D 削除
最初の香霖の「やあいらっしゃいおぜうさん」で吹き出してしまったので私の負けです。
商売人スマイルの香霖なんて香霖じゃない(wwwwww
71.100点名前が無い程度の能力 削除
ねんがんの アイスソードを てにいれたぞ!
73.90点名前が無い程度の能力 削除
ほんと、がんばれこーりん。
80.90点名前が無い程度の能力 削除
やる気を出した結果が損失込みの飴玉1個とは
香霖堂がニート御殿になる日も近いなw
こーりんふぁいとお
89.100点名前が無い程度の能力 削除
なんだかんだと愛されている連中に乾杯。
91.80点干水 削除
ガラハドが・・・w
92.無評価名前が無い程度の能力 削除
マジ泣きチルノかわいいよ!
っていうかガラハドwww
114.80点名前が無い程度の能力 削除
チルノがかわいい、ガラハド無念。
118.100点あふぅぁ 削除
香霖堂って、いいところだな。
119.80点名前が無い程度の能力 削除
SSの雰囲気はほのぼのしているのに、やばいアイテムばかりというアンバランスさが良い雰囲気を醸し出していますな
124.90点名前が無い程度の能力 削除
なぜだろう。チルノとこーりんがからむSSはどれも心が「ほこ」っとなる。
自分が見たものだけなのか、ほとんどのSSがそうなのか。
もうチルノはこーりんの妹になればイイと思う。

何が言いたいかというとチルノはかわいいってこと
136.90点名前が無い程度の能力 削除
これいいね。
こーりんが壊れすぎてないから皆が読みやすいんじゃないかな。

チルノかわいいよチルノ
138.90点名前が無い程度の能力 削除
なんだかんだで外道にはならないのが香霖クオリティ
外道は沢山来るが・・・
145.90点名前が無い程度の能力 削除
いいなーこれ
146.100点名前が無い程度の能力 削除
泣く子には誰も勝てやしませんねえ。
空回りする霖之助の頑張りと、彼を中心とした鮮やかな日常が廻る風景がとても綺麗でした。
149.100点名前が無い程度の能力 削除
チルノかわいいよチルノ ♥