今日も魔理沙は空を行く。行き先は一つ、紅魔館。目的は本とお菓子とちょっかい。
だが今日は何かが違う。館の庭に、昨日まではなかった物がそこにあった。
「・・・・・・何だ?」
紅魔館の庭の木にしては、他のものよりはるかに大きい。不自然というか露骨に不審だ。
好奇心をツンツン刺激され、不審に思った魔理沙はさらに近づく。
そして紅魔館の門近くまで来た時、疑問と好奇心は一瞬にして新たな疑問と認識と驚きその他諸々に変わっていった。
「な・・何じゃこりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
魔理沙が驚くのも無理はない。そこにあった・・・いたのは巨大なメイド。いや、巨大な咲夜だったのだ。
咲夜をそのまま大きくしたような姿でその手には無数のナイフが握られている。もちろんナイフも巨大化していて刃物の化け物と化している。
その目は白目をむいていて、さらに光っているからタチが悪い。ムーンライトレイでも撃ちそうなノリだ。
「魔理沙、こっちよ!早く来て!」
呆然とする魔理沙を呼ぶ声がした。館の方を見るとよく知る人影が4つほど。
考える間もなく、魔理沙は巨大咲夜の足元をすり抜け声の方に向かっていった。
「何なんだアレは・・・お前の所のメイド長は未だに成長期なのか!?」
息つく暇もなく、魔理沙は声の主・・・レミリアの肩をブンブン揺すって問いただす。
「アレは・・・・・」
「アレは?」
「アレは・・・・・」
「ああもう早く言え!」
「異次元メイド『サクヤゴン』と名付けたわ」
「・・・・・・・・は?」
「だから、異次元メイド『サクヤゴン』」
「いや、名前じゃなくってアレの存在そのものを」
「私が説明するわ。元凶は私だから」
パチュリーが魔理沙とレミリアの間に割って入ってきた。
「パチュリーが・・・?何やらかしたんだ?」
「さっき、咲夜に頼まれてメイドとして使えそうな人間とか妖怪を召喚しようとしたの。誰を召喚しようか色々考えたんだけど、
ある魔道書に平行宇宙の事が書いてあって、どうせなら優秀なメイドである咲夜を平行宇宙から連れて来ようとしたの。
そしてあらゆる平行宇宙の咲夜を探してやっと見つけたと思ったら・・・・・・」
「ちょっと待て、平行宇宙って何だ?」
「この世界とは何かが少しずつ違う、可能性の世界・・・とでも言えばいいかしら。平行宇宙は可能性の数だけ、つまり無限に存在する。
その中には魔理沙の髪が一本だけ違う世界があるかも知れないし、毛玉が文明を築いている世界があるかも知れない」
「つまり・・・ああいうデカい奴が存在する世界があって、それを見つけてしまったと?」
「あんなの出ちゃった」
「『出ちゃった』じゃないだろ!どう考えても紅魔館の、いや下手すりゃ幻想郷そのものの危機だぜ!」
「それが、さっきからずっと動かないの。暴れるわけでも、何かを探すわけでもなくて」
「だったらすぐにでも元の平行宇宙とやらに送り返しちゃえよ」
「それができないから皆で困ってるのよ。色々調べたんだけどね」
「・・・・・じゃあ倒せ」
「『化け物とはいっても、仮にも咲夜の姿をしたモノを攻撃する事はできない』というのが紅魔館の総意よ」
「じゃあどうするんだ?」
「大丈夫、咲夜を遠慮なく攻撃できそうな逸材が今来たじゃない」
「・・・・・・・・・はぁ」
そういう事か・・・と魔理沙は大きくため息をついた。
この場にいる全員の視線が痛いほど突き刺さる。逃げようものなら背中に気をつけないと生きて帰れそうにない。
魔理沙の運命はその時ほぼ決まっていた。
「分かったよ・・・私が何とかして倒せばいいんだろ?」
「頑張ってね、魔理沙!」
「さすが魔理沙!」
「骨は拾ってあげるわ」
「頑張って下さい!」
目の前の怪獣・・・いや、異次元メイドを前にして声援など果たしてどれほどの付加効果があるのか。それ以前に倒す方法などあるのか。
過剰な期待を背に、それを受け流しつつ、魔理沙は一歩前に出た。
だが今日は何かが違う。館の庭に、昨日まではなかった物がそこにあった。
「・・・・・・何だ?」
紅魔館の庭の木にしては、他のものよりはるかに大きい。不自然というか露骨に不審だ。
好奇心をツンツン刺激され、不審に思った魔理沙はさらに近づく。
そして紅魔館の門近くまで来た時、疑問と好奇心は一瞬にして新たな疑問と認識と驚きその他諸々に変わっていった。
「な・・何じゃこりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
魔理沙が驚くのも無理はない。そこにあった・・・いたのは巨大なメイド。いや、巨大な咲夜だったのだ。
咲夜をそのまま大きくしたような姿でその手には無数のナイフが握られている。もちろんナイフも巨大化していて刃物の化け物と化している。
その目は白目をむいていて、さらに光っているからタチが悪い。ムーンライトレイでも撃ちそうなノリだ。
「魔理沙、こっちよ!早く来て!」
呆然とする魔理沙を呼ぶ声がした。館の方を見るとよく知る人影が4つほど。
考える間もなく、魔理沙は巨大咲夜の足元をすり抜け声の方に向かっていった。
「何なんだアレは・・・お前の所のメイド長は未だに成長期なのか!?」
息つく暇もなく、魔理沙は声の主・・・レミリアの肩をブンブン揺すって問いただす。
「アレは・・・・・」
「アレは?」
「アレは・・・・・」
「ああもう早く言え!」
「異次元メイド『サクヤゴン』と名付けたわ」
「・・・・・・・・は?」
「だから、異次元メイド『サクヤゴン』」
「いや、名前じゃなくってアレの存在そのものを」
「私が説明するわ。元凶は私だから」
パチュリーが魔理沙とレミリアの間に割って入ってきた。
「パチュリーが・・・?何やらかしたんだ?」
「さっき、咲夜に頼まれてメイドとして使えそうな人間とか妖怪を召喚しようとしたの。誰を召喚しようか色々考えたんだけど、
ある魔道書に平行宇宙の事が書いてあって、どうせなら優秀なメイドである咲夜を平行宇宙から連れて来ようとしたの。
そしてあらゆる平行宇宙の咲夜を探してやっと見つけたと思ったら・・・・・・」
「ちょっと待て、平行宇宙って何だ?」
「この世界とは何かが少しずつ違う、可能性の世界・・・とでも言えばいいかしら。平行宇宙は可能性の数だけ、つまり無限に存在する。
その中には魔理沙の髪が一本だけ違う世界があるかも知れないし、毛玉が文明を築いている世界があるかも知れない」
「つまり・・・ああいうデカい奴が存在する世界があって、それを見つけてしまったと?」
「あんなの出ちゃった」
「『出ちゃった』じゃないだろ!どう考えても紅魔館の、いや下手すりゃ幻想郷そのものの危機だぜ!」
「それが、さっきからずっと動かないの。暴れるわけでも、何かを探すわけでもなくて」
「だったらすぐにでも元の平行宇宙とやらに送り返しちゃえよ」
「それができないから皆で困ってるのよ。色々調べたんだけどね」
「・・・・・じゃあ倒せ」
「『化け物とはいっても、仮にも咲夜の姿をしたモノを攻撃する事はできない』というのが紅魔館の総意よ」
「じゃあどうするんだ?」
「大丈夫、咲夜を遠慮なく攻撃できそうな逸材が今来たじゃない」
「・・・・・・・・・はぁ」
そういう事か・・・と魔理沙は大きくため息をついた。
この場にいる全員の視線が痛いほど突き刺さる。逃げようものなら背中に気をつけないと生きて帰れそうにない。
魔理沙の運命はその時ほぼ決まっていた。
「分かったよ・・・私が何とかして倒せばいいんだろ?」
「頑張ってね、魔理沙!」
「さすが魔理沙!」
「骨は拾ってあげるわ」
「頑張って下さい!」
目の前の怪獣・・・いや、異次元メイドを前にして声援など果たしてどれほどの付加効果があるのか。それ以前に倒す方法などあるのか。
過剰な期待を背に、それを受け流しつつ、魔理沙は一歩前に出た。