日の光が茶と深緑のフィールドを少しばかり輝かせ、微風が大地を駆ける、踊る。
そんな春先の陽気は、人でなくとも眠気を覚えるほどだ。
…魔女は例外で。
雲の見えない碧空を、ある筈のない影が悠然と飛行している。霧雨の魔女だ。
彼女は暇を弄ぶ為の「何か」を探すのに忙しい様子。
「あー、雲の無い空はキツイな。上を向くと目がギンギンするぜ」
基本的に外出の少ない彼女は日の光は嫌いでもないが好きでもなかった。
黒をベースとした着衣を身に纏っているので、日の出ている日中は汗を掻きやすい。
彼女曰く、太陽=暑苦しい奴、と解釈している…らしい。
「…こんな日はアレだな、森林浴に限るな」
暫く空中に留まった後、影はゆっくりと高度を落としていった。
~~~~~~~
小鳥のさえずりが途切れ途切れに響き渡る。
日の光のあまり届かない森の中は涼しかった。
霧雨の魔女はその森の中をゆっくりと低空飛行していた。
鳥のさえずりに鼻歌も混じる。所々に咲く花が深緑をいっそう引き立てる。
久しぶりだろう、こんなに爽やかな気分になったのは。
少し進むと、森林の陰から大きな鏡が見えた。小さな泉は僅かな波を立て
彼女の姿を輝かしく映し出していた。近づくと微かに水底が覗ける。
「水浴び決定♪」
彼女は箒を傍の木に立てかけると、勢いよく着衣をn(自主規制
汚れを知らぬその白い肌はまるで宝玉のように艶y(自主規制
ふくらみかk(自主規制
~~~~~~~
「ん、服が見当たらないぜ…。またスキマの仕業か?」
まだ明るいとは言えども、それなりの時間が経ったであろう。
水浴びを終え着衣を探す彼女だったが、どこにも見当たらない。ちなみに箒も無い。
さすがの魔女もこれでは泉から出ることはできない…のだろう。多分。
木陰から少しだけ雰囲気の変わった少女が顔を見せた。
「油断したわね、どっかの魔女さん」
「そうか、お前さんがどっかの物好きな元凶さんかい」
「…余裕なのね。貴方、今自分がどういう状況か分かって言っているの?」
「多分分かってないぜ。あんたも私もな」
「…なら教えてあげる。箒の無い貴方は魔法を唱えることが出来ない。
オマケにそんな恥ずかしい格好じゃ泉から出ることも出来ず、箒を取り返すことも出来ないのよ。
ふふふっ、ぱーふぇくとじゃない、私って?」
「ああ、見事なまでにぱーふぇくとな勘違いだ」
「強がりも今の内だけね。これでも食らっときなさいっ!」
「今なら恥ずかしさの余り、130%位ぱわーあっぷだぜ?」
「アウア!」
~~~~~~~
鳥たちがざわめき、羽音を立てて瞬く間に飛んでゆく。
彼女がどんな技を使ったのかは分からないが、それなりの破壊力を持っていたに違いは
なかった。辺りが一瞬で静まり返り、妖怪もまた呆然と立ち尽くしている。
地表の大きな爪跡が威力を物語っている。抉られた緑はそのまま塵となった。
「魔女は箒が無いと魔法が使えないんじゃ……ケホッ」
「へぇ、あんたの所は箒が無いと使えないのか。不便だな」
「う、うぅ……」
「用はこれだけか?」
「…………」
身支度を済まし、箒にまたがりさっさと飛び立とうとする魔理沙。
「そうそう、泉の妖精がこれをあんたにだとさ」
少し浮遊したところで魔理沙は妖怪に向かって「何か」を放り投げた。
それは弧を描き、妖怪の手元へスッと収まった。
「っ!これ、私のブローチ…」
顔を上げたが、残っていたのはざわめきを呼ぶ森の微風のみ。
「……私がこのブローチを探しているところ、キッチリ見られていたのね……」
妖怪は今まで必死になって探していた自分が恥ずかしくて赤面した。
通りかかっただけの魔女が糸も簡単に見つけてしまうんだから。
妖怪は数日前にそのブローチをこの森で無くしたそうだ。
この広い森林の中でそう簡単に小物が見つかる訳も無く、さらに無くしたのに気づいたのが
遅かったため、落とした場所も思いだせずただひたすら草むらを掻き分けていたのだ。
そして腹いせに通りかかりの魔女を襲撃したという…
~~~三日後~~~
青と白の混色が鮮やかな空には、ある筈のない影がフラフラと飛んでいる。
ブローチを握り締めた少女は当ても無くさまよっていた。
いや、正確には目的の居る位置が判らない。
「礼の一言も言えないなんて、私のぽりし-が許さないわ。
でも一体どこにいるのかしらねぇ……」
「あ、妖怪だ」
どかーん、プスプスプスプス……(←針
「ウヘァ!」
霧雨の魔女を慕う妖怪が少ないのは、案外この博麗の巫女の仕業なのかもしれない。
そんな春先の陽気は、人でなくとも眠気を覚えるほどだ。
…魔女は例外で。
雲の見えない碧空を、ある筈のない影が悠然と飛行している。霧雨の魔女だ。
彼女は暇を弄ぶ為の「何か」を探すのに忙しい様子。
「あー、雲の無い空はキツイな。上を向くと目がギンギンするぜ」
基本的に外出の少ない彼女は日の光は嫌いでもないが好きでもなかった。
黒をベースとした着衣を身に纏っているので、日の出ている日中は汗を掻きやすい。
彼女曰く、太陽=暑苦しい奴、と解釈している…らしい。
「…こんな日はアレだな、森林浴に限るな」
暫く空中に留まった後、影はゆっくりと高度を落としていった。
~~~~~~~
小鳥のさえずりが途切れ途切れに響き渡る。
日の光のあまり届かない森の中は涼しかった。
霧雨の魔女はその森の中をゆっくりと低空飛行していた。
鳥のさえずりに鼻歌も混じる。所々に咲く花が深緑をいっそう引き立てる。
久しぶりだろう、こんなに爽やかな気分になったのは。
少し進むと、森林の陰から大きな鏡が見えた。小さな泉は僅かな波を立て
彼女の姿を輝かしく映し出していた。近づくと微かに水底が覗ける。
「水浴び決定♪」
彼女は箒を傍の木に立てかけると、勢いよく着衣をn(自主規制
汚れを知らぬその白い肌はまるで宝玉のように艶y(自主規制
ふくらみかk(自主規制
~~~~~~~
「ん、服が見当たらないぜ…。またスキマの仕業か?」
まだ明るいとは言えども、それなりの時間が経ったであろう。
水浴びを終え着衣を探す彼女だったが、どこにも見当たらない。ちなみに箒も無い。
さすがの魔女もこれでは泉から出ることはできない…のだろう。多分。
木陰から少しだけ雰囲気の変わった少女が顔を見せた。
「油断したわね、どっかの魔女さん」
「そうか、お前さんがどっかの物好きな元凶さんかい」
「…余裕なのね。貴方、今自分がどういう状況か分かって言っているの?」
「多分分かってないぜ。あんたも私もな」
「…なら教えてあげる。箒の無い貴方は魔法を唱えることが出来ない。
オマケにそんな恥ずかしい格好じゃ泉から出ることも出来ず、箒を取り返すことも出来ないのよ。
ふふふっ、ぱーふぇくとじゃない、私って?」
「ああ、見事なまでにぱーふぇくとな勘違いだ」
「強がりも今の内だけね。これでも食らっときなさいっ!」
「今なら恥ずかしさの余り、130%位ぱわーあっぷだぜ?」
「アウア!」
~~~~~~~
鳥たちがざわめき、羽音を立てて瞬く間に飛んでゆく。
彼女がどんな技を使ったのかは分からないが、それなりの破壊力を持っていたに違いは
なかった。辺りが一瞬で静まり返り、妖怪もまた呆然と立ち尽くしている。
地表の大きな爪跡が威力を物語っている。抉られた緑はそのまま塵となった。
「魔女は箒が無いと魔法が使えないんじゃ……ケホッ」
「へぇ、あんたの所は箒が無いと使えないのか。不便だな」
「う、うぅ……」
「用はこれだけか?」
「…………」
身支度を済まし、箒にまたがりさっさと飛び立とうとする魔理沙。
「そうそう、泉の妖精がこれをあんたにだとさ」
少し浮遊したところで魔理沙は妖怪に向かって「何か」を放り投げた。
それは弧を描き、妖怪の手元へスッと収まった。
「っ!これ、私のブローチ…」
顔を上げたが、残っていたのはざわめきを呼ぶ森の微風のみ。
「……私がこのブローチを探しているところ、キッチリ見られていたのね……」
妖怪は今まで必死になって探していた自分が恥ずかしくて赤面した。
通りかかっただけの魔女が糸も簡単に見つけてしまうんだから。
妖怪は数日前にそのブローチをこの森で無くしたそうだ。
この広い森林の中でそう簡単に小物が見つかる訳も無く、さらに無くしたのに気づいたのが
遅かったため、落とした場所も思いだせずただひたすら草むらを掻き分けていたのだ。
そして腹いせに通りかかりの魔女を襲撃したという…
~~~三日後~~~
青と白の混色が鮮やかな空には、ある筈のない影がフラフラと飛んでいる。
ブローチを握り締めた少女は当ても無くさまよっていた。
いや、正確には目的の居る位置が判らない。
「礼の一言も言えないなんて、私のぽりし-が許さないわ。
でも一体どこにいるのかしらねぇ……」
「あ、妖怪だ」
どかーん、プスプスプスプス……(←針
「ウヘァ!」
霧雨の魔女を慕う妖怪が少ないのは、案外この博麗の巫女の仕業なのかもしれない。