紅魔館牢獄にて
魔理沙「あ~・・・・・・・。」
囚われの魔女は、死刑のその日を待っていた。
魔理沙「待ってないぜ。魔女裁判じゃないって言ったろ?」
咲夜「何わけのわかんないこと言ってるのよ?」
様子を見に来たのか、咲夜が現われた。
魔理沙「率直に言う。暇だ。何とかしろ。」
咲夜「そう。じゃあ、これ。」
魔理沙「ん?」
咲夜は魔理沙に、一枚の紙切れを渡す。
魔理沙「いきなり何とかされるとは、予想外だったぜ。」
咲夜「パチュリー様からお手紙よ。」
魔理沙「どれ・・・・・。」
魔理沙は、手紙を読む。
『 書斎の本をお貸しします。
料金は超お得。私にあなたの魔法一個を教えてくれるだけでおっけー。
手数料、送料は不要だから断然お得。
あなたも魔法一個と引き換えに、さらなる知識をつけてみませんか?
連絡は、紅魔館書斎のパチュリー・ノーレッジまで。 』
魔理沙「・・・何だこれは?」
咲夜「パチュリー様から。」
魔理沙「まるっきり、悪徳な金貸しか何かじゃないか。」
咲夜「名付けて、『パチュリーサービス』と言ったところかしら?」
魔理沙「ますます怪しいな。だが、魔法一個か・・・。」
咲夜「私としては、マスタースパークのノウハウが欲しいところだけど。」
魔理沙「人の魔法をパクる気か。」
咲夜「元祖パクリが何言ってるのよ。」
魔理沙「あんたこそ、余所の世界から技をパクっただろ?」
咲夜「知らないわよ。それより、どうするの?」
魔理沙「ご利用は計画的に、ってやつだ。少し考える。」
咲夜「そう。まあ、ゆっくり考えることね・・・・。」
うい~ん! うい~ん!
突如、警報音が鳴り響く。
咲夜「誰よ、はた迷惑な来客は?」
魔理沙「私を捕まえなくても、しっかり来客があるじゃないか。」
咲夜「確実に減ってるとは思うんだけどね。」
咲夜は例の司令室へと向かった。
魔理沙「まったく、ご苦労なことだぜ・・・・。ん?」
パラ・・・
魔理沙「何だ。裏に何か書いてあるが・・・・。」
魔理沙は、先ほどの手紙の裏を見る。
魔理沙「ええと・・・・。」
『 マスタースパーク級の魔法なら3冊。 』
魔理沙「むう・・・・・。」
腕を組み、悩み始めた・・・・。
・
・
・
一方そのころ、
藍「今日は暖かいな~。」
橙「まったり。」
藍と橙は、日向ぼっこを満喫していた。
美鈴「はい、お茶。」
美鈴がお茶を持ってきた。
藍「おお、すまんな~。」
美鈴「どーいたしまして。」
橙「おいし~。」
藍「うむ。いい紅茶だ。」
美鈴「・・・・・いつになく、平和ね。」
藍「そうだな。しかも暖かくて、日光浴には最適だ。」
美鈴「この間、寒い奴をやっつけたからかな?」
藍「だから、今日は小春日和なのか・・・・・・・?」
藍はふと、言葉を止める。
美鈴「どしたの?」
藍「小春・・・・、春・・・、春といえば・・・・。」
美鈴「お花見?まだ早いわよ?」
藍「ちがう。そんなんじゃない。もっと、こう、重大な・・・・。」
美鈴「花粉症?」
藍「いやいや・・・・。何か、こう、嫌な予感が・・・・。」
うい~ん! うい~ん!
突然の警報音。
藍「こんな時に何だ!?」
美鈴「真の平和を満喫できるときは来るのかしら?」
藍「橙、食器を片付けておけ。」
橙「は~い。」
美鈴「行くわよ!」
藍「応!」
二人は、司令室へと向かった。
・
・
・
で、司令室。
藍「今度の敵は何だ?」
咲夜「それが・・・。」
美鈴「?」
パチュリー「誰も居ない。」
美鈴「え?」
藍「警報機の故障じゃないか?」
咲夜「そんなことは無いわ。」
美鈴「じゃあ、何でしょうね?」
咲夜「わからないわ。私は館内を見ておくから、あなたたちはフランゲリオンで出て頂戴。」
美鈴「はい。」
藍「了解だ。」
パチュリー「零号機は?」
咲夜「ついさっき、修理が完了しました。いつでも出れます。」
パチュリー「そう。それじゃあ、出ようかしら。」
三人は出撃する。
・
・
・
パチュリー「ふう、この中も久しぶりね。」
美鈴「敵は居ましたか?」
パチュリー「何の音沙汰もないわ。」
藍「う~む・・・・・。」
美鈴「どうしたの?」
藍「いや、さっきから何か、こう、嫌な予感というか、気配がするんだが・・・・。」
?「教えてあげましょうか?」
藍「ああ、頼む。」
?「それは、私が居るからなの。」
藍「なんですと?」
ぐにょんぐにょん・・・・・
謎の声がしてきた方向の空間が歪む。
そして、それは姿を現した。。
藍「げげっ!!」
紫「おはよう、藍。」
冬眠中であるはずの藍の主人、八雲紫が現われた。
美鈴「誰?」
藍「うちのごくつぶし。」
咲夜『自分の主人に向かって、よく言えたものだわ。』
紫「ほんと、失礼ね。」
咲夜『で、あなたは何をしに来たの?」
藍「大体、まだ冬ですよ?」
紫「あんまり暖かいから、目が覚めたの。それで、暇だから散歩でも。」
咲夜『は~、なるほどね。』
藍「いいですけど、人様に迷惑かけんで下さいよ。」
紫「それで、藍?そんな物の中に入って、あなたは何をしてるのかしら?」
藍「ここで警備隊のバイトです。」
紫「精がでるわね~。」
藍「他人事みたいに言わんで下さい。うちの生活費のためです。」
紫「あら、そうなの?それじゃあ・・・・。」
藍「?」
紫「私が、仕事を増やしてあげましょうか?」
藍「何ですと?」
ゴオ!!
紫から、すさまじい妖気が発せられる。
美鈴「く・・・・・。何て力・・・。」
パチュリー「只者ではないってことね。」
藍「紫様!人様に迷惑かけないでって言ったばかりでしょう!?」
咲夜『やる気ね。攻撃準備!』
藍「気をつけろ。紫様の足から発せられる蒸気は、どんな生物をも・・・・。」
美鈴「溶かすの?」
藍「もとい、どんな生物の鼻をも破壊する・・・・。」
どか~ん!
藍「うわ~!?」
紫からの攻撃。
藍は、間一髪それを避ける。
紫「あなたまで、そんな迷信を信じてたのね。私は悲しいわ・・・・。」
パチュリー「まあ、嘘にしろ真にしろ、これじゃあ近づけないわね。」
咲夜『ならば飛び道具ね。火縄銃、構え~!』
美鈴「だから、何で火縄銃?」
三体のフランゲリオンは、銃を構える。
紫「あなた達は気付いていない・・・・。」
咲夜『撃て~!』
藍「紫様、御免!」
ど~ん!
ど~ん!
紫に向かって、火縄銃が放たれた。
美鈴「やった・・・?」
紫の姿は、ない。
藍「いや、あの人がそう簡単にやられるとは思えん。」
紫『そのとおりよ。』
美鈴「!」
パチュリー「何処?」
紫『台詞の途中で攻撃だなんて、ほんとに酷いわね。』
姿は見えないが、何処からともなく紫の声は聞こえてくる。
紫『お礼に、これでも上げるわ。』
藍「紫様!お願いですから帰ってください!」
紫『駄目。』
紫の声とともに、上空にすきまが生じた。
紫『あなた達は気付いていない。』
美鈴「?」
紫『デヴとぽっちゃりの境界が曖昧になってることに。大小の境界が曖昧になっていることに。』
パチュリー「何・・・・・・?」
紫『上を見て。』
美鈴「ん?」
上空に生じたすきまから、何かが出てきた。
そして、
ひゅ~・・・・・・・
美鈴「お、落ちてきた!?」
咲夜『いけない!庭に穴が開く!』
藍「キャッチしろ~!」
美鈴「く!」
ずず~ん・・・・
初号機は、落ちてきた何かをキャッチした。
美鈴「ぐ・・・!?お、重い・・・・。」
藍「何だ?このでっかいのは。」
咲夜『はて?どっかで見たわね・・・・・。」
パチュリー「ええと、これは『レティ・ホワイトロック』。冬の妖怪ね。通称くろまく。」
前後の情報から、初号機がキャッチしたのは、巨大レティらしい。
パチュリー「おかしいわね。当り判定が大きいとはいえ、身体がこんなに大きいはずは・・・・。」
美鈴「うぐぐぐぐ・・・・・・。」
藍「紫様!一体何やったんですか!?」
紫『ちょっとね。軽く暴れてみたかったから、やっつけて拉致ってみたの。』
咲夜『流石、迷惑の女王ね。』
紫『それで、ついでに膨らませてみたわ。』
パチュリー「非常識だわ。」
藍「常識を考えたらいかん。」
美鈴「ど、どうでもいいけど・・・、手伝って・・・・。」
藍「おお、いかんいかん。」
パチュリー「力仕事は専門外なんだけどね。」
ガシ!
弐号機と零号機が援護に入る。
藍「く・・・・。これはなかなか・・・・・。」
咲夜『落とさないでよ。落としたら・・・・・・。』
藍「それ以上は言わなくていい・・・・。それより、これをどうにか出来んか?」
咲夜『現場の判断に任せる。』
美鈴「殺生な・・・・・・。」
援護に入っても、重いものは重いらしい。
パチュリー「・・・・・・いちかばちか・・・・・。」
美鈴「パチュリー様?」
パチュリー「ちょっと待ってて。」
ズン!
藍「うお!?」
美鈴「ぬぬぬ・・・・・・!」
零号機は黒幕から手を離すと、ナイフを取り出した。
藍「な、何だそれは?」
パチュリー「フランゲリオン専用ナイフ。これを・・・・。」
美鈴「ど、どうするんですか?」
パチュリー「プスっと。」
プス!
零号機は巨大黒幕の体に、ナイフを刺した。
パチュリー「衝撃が来るわよ。」
美鈴「え?」
ぷしゅうううううううううう・・・・・・・・・・
藍「ぬ!?」
美鈴「くぅ・・・・・・・!」
しゅううううう・・・・・・
ナイフを刺した所から、大量の空気が抜けた。
レティは見る見るうちに縮まって、最後には元のサイズに戻った。
美鈴「た、助かった・・・・・・。」
藍「何て滅茶苦茶を・・・・。紫様!出てきてください!」
事の張本人、八雲紫は、姿を消したままである。
咲夜『そのまま警戒して頂戴。私は中を探すわ。』
美鈴「了解です。」
フランゲリオン三体は、そのまま外を見張る。
・
・
・
咲夜「まったく・・・・。何処行ったのやら・・・・・。」
咲夜は、紅魔館内部を探し回っていた。
咲夜「お嬢様がお出かけ中なのが救いね。こんな失態がバレたら、あとで怒られるわ。」
しばらくして、咲夜は司令室に戻ってきた。
咲夜「は~、結局見つからないわ。」
?「何がでしょうか?」
咲夜「あんたが。」
紫「じゃあ、これで目標は達成ね。」
紫は、司令室にいた。
咲夜「残念だけど、目標はあんたを捕らえることよ。見つけることは手段に過ぎない。」
紫「ところで、ここは何処かしら?何か大仰なセットが組まれてあるけど。」
咲夜「ここは、妹型兵器フランゲリオンを制御する部屋。兼司令室ね。」
紫「そうですか。」
咲夜「あんまりその辺を触っちゃ駄目よ。」
紫「そうですか。」
咲夜「特に、そこにある赤いボタンは。」
紫「これ?」
ポチ
咲夜「あ・・・・・・。」
紫「え?」
言ってる傍から赤いボタンを押す紫。
そのとき、
びー! びー! びー!
警報音が鳴り響く
咲夜「それは自爆装置!」
紫「あら、いけない。」
しゅん!
紫はすきま経由で逃げ出す。
咲夜「待て!逃げるな!!」
紫『生きてたら、また会いましょ。』
びー! びー! びー!
警報音はなおも鳴り響く。
咲夜「く!この現状を何とかしなければ・・・・・。」
咲夜は力を集中させる。
咲夜「・・・・・時よ、戻れぇ~!!」
びー!
びー・・・
びー・・・・
び・・・・・・
・・・・・・・・
警報が鳴り止んだ。
咲夜「・・・・・・ふ~。危なかった・・・・・。」
ひとまず紅魔館は救われた。
咲夜「く・・・・・。時を戻すのは、流石に疲れるわね・・・・・・。」
・
・
・
一方、外。
咲夜『聞こえる・・・・・?』
美鈴「あ、咲夜さん。」
藍「どーした?疲れた顔して。」
咲夜『もうちょっとで、紅魔館が滅ぶところだった・・・・。』
パチュリー「何があったのよ?」
咲夜『何が何でも、アレを捕まえて。以上・・・・・・・。』
ブツッ!
咲夜からの通信が切られる。
美鈴「あの咲夜さんを、あんなに追い詰めるなんて・・・・。」
藍「紫様!い~かげんにして下さい!」
紫「そんなに怒らないでよ。」
ぐにょんぐにょん・・・・
空間が歪み、紫が姿を現した。
藍「いかに主人といえど、今は余所でバイトの身!よってお覚悟願う!」
美鈴「神妙にしてもらうわ!」
紫「え~。もう帰ろうと思ったのに。日が傾いて、気温が下がってきたわ。」
パチュリー「ここまで暴れて、ただで帰れると思って?」
紫「試してみましょうか?」
藍「む・・・・、逃げるぞ!」
紫がすきまを開く。
紫「それじゃあまた、暖かい日に。」
美鈴「ああ、逃げるわ!」
すきまに入り、逃げ出す紫。
藍「そうはいきませんぞ、紫様!」
パチュリー「逃がさないわ。」
藍「美鈴殿、ちょっとこっちの操縦席まで来てくれ。」
美鈴「何か策でも?」
藍「パチュリー殿、あのすきまを支えていてくだされ。」
パチュリー「わかったわ。」
美鈴「来たわよ。」
美鈴は藍の指示に従い、操縦席を降りて藍の元へ行く。
そして、
ガシ!
美鈴「え?」
藍は美鈴を捕まえる。
藍「美鈴殿!行って来い!」
美鈴「ち、ちょっと!待っ・・・・。」
パチュリー「なるほど、そういうことね。」
藍「何とか紫様を捕まえてくれ!」
美鈴「そんな無茶な・・・・。」
藍「よいしょっと。」
ぽ~ん
美鈴「うわああああ・・・・・・・。」
美鈴は、紫が開いたすきまに放り込まれた。
藍「果報は寝て待て。戻るか。」
パチュリー「そうね。」
二人は引き上げる。
・
・
・
約一時間後、
藍「ただいま。」
咲夜「おかえり。」
外に出向いていた藍を、咲夜が迎える。
藍「おや、もう大丈夫なのか?」
咲夜「ちょっと寝たら回復するわ。それより・・・・。」
藍「ああ、見つからないな。」
咲夜「連絡は?」
パチュリー「無いわ。」
藍「その辺探し回ってみたが、気配すら感じないな。」
咲夜「そう・・・・・。」
絶望的になる美鈴捜索。
だが、
咲夜「・・・・・・まあ、いいわ。簡単には死なないでしょ。」
パチュリー「お化けは死なないし、病気も無いし。」
咲夜「あの子は妖怪ですよ。多分。」
藍「それじゃあ、これで一件落着だな。」
咲夜「そうね。二人とも、お疲れ様。」
美鈴の捜索は、結構簡単に打ち切られた。
・
・
・
その頃、某所にて、
レミリア「・・・・以上が、これまでの戦闘結果。」
?「ふうん・・・・。急ごしらえにしてはよくやるけど。」
レミリア「けど?」
?「ちょっと損傷率が高いわね。修繕費も馬鹿にならないわ。」
レミリア「それくらい、まだ許容範囲内じゃなくて?」
?「まあ、ね。」
暗がりの部屋。
レミリアは、闇の向こうにいる誰かと会話していた。
レミリア「それより、例のアレは・・・・?」
?「急かさないで。こっちも大変なのよ。」
レミリア「早くしてほしいわ。抑えるのが精一杯なのよ。」
?「・・・・・わかった。出来るだけ急がせましょう。」
レミリア「お願いね。」
それだけ言って、レミリアは後ろを向く。
?「ああ、一ついいかしら?」
レミリア「何・・・・?」
?「あなたの所のメイド。何かと面白いことをしてるみたいじゃない?」
レミリア「・・・・・・・。」
?「楽しむのは結構。でも、それによる損害があっては困る。自重してほしいものね。」
レミリア「問題ないわ。」
ガラッ!
戸が開き、
レミリア「全ては、我らのシナリオ通りに・・・・・。」
?「お互いの屋敷に、平和と秩序を・・・・・。」
ピシャ
それだけ言って、レミリアは部屋を出た。
幽々子「・・・・・起動実権及び戦闘を、紅魔館に任せてみたのは間違いだったかしら・・・・?」
レミリアが先ほどまで話していた相手。
それは、西行寺幽々子。
幽々子「もしこっちが起動実験をしてたなら、『幽者(ゆうしゃ) 西(サイ)ディーン』にする予定だったけど・・・。」
幽々子は、一人呟く。
幽々子「まあ、ジャンケンに負けたから仕方ないわね。おかげでこっちはサポート役。」
どうやら巨大兵器の配備実験を、ジャンケンで決めたらしいが・・・・・。
幽々子「しかし・・・・・、いえ、今はいいわ。今は、ね・・・・・。」
そうして幽々子は、部屋を出た。
幽々子「ん~、『超みょん字ロボ 魂魄(コンパク)ラーV』って言うのも・・・。人数が足りないか・・・。」
・
・
・
紅魔館。
レミリア「ただいま~。」
咲夜「あ、おかえりなさい。」
お嬢様、帰還。
レミリア「私が居ない間、何も無かった?」
咲夜「いささか騒ぎがありましたが、フランゲリオンを使い、処理しました。」
レミリア「そう。皆にご苦労様って伝えておいて。」
咲夜「はい。」
レミリアは部屋に戻ろうとしたが、
レミリア「咲夜。」
足を止め、咲夜に声をかけた?」
咲夜「何でしょう?」
レミリア「今度は、『メイリンガーZ』なんてどうかしら?」
咲夜「ん~、なかなかいいかも。じゃあ、『躁(そう)戦機 メルガイム』なんてのは?」
レミリア「う~ん、うちの人とは関係ないわね。それなら、今流行の『先紅者』・・・・・」
マニアックな話は、もうしばらく続いたそうな・・・・。
・
・
・
三日後、
レミリア「咲夜、今日のおやつは?」
咲夜「はい。今日は飲茶でも。」
レミリア「中国風ね。・・・・・・ん?」
何かに気付くお嬢様。
咲夜「どうしました?」
レミリア「いや、こう、何か足りないような気が・・・・・。」
咲夜「ああ、お茶の方は少しお待ちください。入れたての美味しいのを用意しますから。」
レミリア「は~い。」
紅魔館は、今日も平和だった。
美鈴「ちがう・・・・・・・。」
咲夜「ん?」
何処からとも無く、中国風の誰かさんが現われた。
レミリア「どちらさん?」
美鈴「門番の紅美鈴です・・・・・。」
咲夜「あ、お帰り。心配してたわ。」
美鈴「絶対忘れてたでしょ・・・・・?」
咲夜「そんなこと無いわ。」
紅美鈴は、三日ぶりに紅魔館へ帰ってきた。
美鈴「すきまで弾幕ごっこを展開して、ボコボコにされて、寝るからってすきまから追い出されて・・・・・。」
咲夜「何処に出たかわからず、迷子になったと。」
美鈴「はい・・・・。」
咲夜「報告ご苦労。ゆっくり休みなさい。」
美鈴「は~い・・・・・。」
美鈴は、自分の部屋に戻っていった。
レミリア「咲夜。」
咲夜「はい。」
レミリア「ほんとのところ、忘れてたでしょ?」
咲夜「はい。」
報われない話である。
・
・
・
一方、紅魔館牢獄にて
魔理沙「ふむ・・・・・・・。」
ぱらぱら・・・・
魔理沙「なるほど、神社に藁人形を持って行き、ご神木に釘を打ち付けて・・・・・。」
魔理沙は、本を読んでいた。
魔理沙「スタイルは、裸足・・・・。蝋燭を・・・・。」
パチュリー「ちょっといいかしら?」
魔理沙「ん?」
パチュリーが現われた。
魔理沙「魔法一個と引き換えにした本、結構面白いぜ。」
パチュリー「それは良かったわね。それより・・・・。」
魔理沙「何だ?」
パチュリー「恋符『マスタースパーク』。」
ゴオオオオオオオオオ・・・・・・
魔理沙「うわああああ・・・・・・・・・・・。」
パチュリーは魔理沙に、パクったマスタースパークを叩き込む。
パチュリー「う~ん、威力の面でもうちょっと改良できるわね。」
そう呟くと、パチュリーは去って行った。
魔理沙「・・・・・・・・アレを教えたのは、失敗だったな・・・・・。」
魔理沙は、それなりに後悔してみたそうな。