幽鬼顕現作者: Ｋｏｍ

[まえがき]

これは
C65東方惨事会において企画・作成された絵に対する即興インスピレーションSS(詳しくは何方かのオフレポを参照)のうちの一つを再編集・うｐしたものです。

妖夢にて『右手を前に突き出し、剣を構え、そして前に出した右手の前に空間を感じさせる様な一枚』
Request by 謎のザコ氏

イマジネーションの元となったひ。氏の下記の画像と共にお読みいただく事を激しく推奨致します。

URL = http://go-sanctuary.hp.infoseek.co.jp/img/youmu_00.jpg

此処は白玉楼。死者達の住まう冥界の都。

―――その一角。

幽冥楼閣の階段にて、対峙する二人の姿あり。

完全で瀟洒なる従者と
二刀を従える銀髪の剣士

―――白刃が、舞う
―――殺意が、舞う

幾千幾万幾億の飛び交う火花と死線の数々。
やがて訪れた一瞬の静寂･拮抗･決死の覚悟。

―――それは、永き幻闘の決着だった。

「やるわね……でも……ここから先は……行かせないわ…ッ!!」

放たれた決意と共に、妖夢は奥義の構えを敷く。

「破ァァァァッ……!!」

横一文字に構えられた楼観剣、そしてそこに突き出された右の手。
膨大な妖気が、収束する。

「クッ…。何て…凄まじい力……!!」

流石の咲夜にも、焦りの様子が浮かぶ。
幽鬼剣、人界剣、そして六道剣。これまで掻い潜ってきた彼女の数々の剣技。そしてそれらは咲夜にとって決して容易なるものではなかった。
………そして、今繰り出されるであろう奥義。

「(…避けきれるかしら……)」

冷や汗が、頬を伝う。

「五代の彼方より来たれ……。我、命ぜしは煉獄の鬼よ…ッ」

妖気が更なる奔流を成し、固定空間への干渉を始める。

「(…空間軸へのベクトル干渉…実世界からの次元隔壁の操作……？
　　　　……ハッ!!…まさか……これは召喚術ッ!!)」
「…フッ……気付いたか……然し、もう遅いッ!!」

手遅れ。
魔力は限界まで膨れ上がり、彼女の次元操作能力では相殺出来ない程になっていた。

「喰らうがいい……十王の型が奥義!!　いでよッ―――!!」
「――――――!!!!」

光が、爆せる。そして冥界より放たれし脅威の眷族。その名は―――

『めるぽξ・∀・）』

「………」

「………」

「………」

「………」

『めるぽ♪めるぽ♪めるぽっぽ～♪ξ・∀・）』

「………」

「………」

「………」

「………」

『ぽっぽ～♪ぽっぽ～♪………ぽ？ξ・３・）』

「………」

「………」

「………」

「………」

「……可愛いわね」

「………」

「………」　

「……うん…」

[QED]