美鈴「弐号機?」
咲夜「そう。より戦闘向けの妹型兵器、フランゲリオン弐号機。」
美鈴「何で、妹様の姿をしてなきゃ駄目なんですか?」
咲夜「それは、まあ、その・・・・、いろいろあるのよ。」
美鈴「はあ・・・・・。」
咲夜「で、今回の任務は、弐号機の受け取りとパイロットの出迎え。」
美鈴「パイロットって、誰ですか?」
咲夜「ここで言っちゃあ、面白くも何ともないわ。」
美鈴「そういう問題ですか?」
咲夜「そういう問題です。」
美鈴「具体的には、これからどうすればいいんです?」
咲夜「まずは、門のところでパイロットを迎えるわ。」
美鈴「え・・・・・?と、言うことは・・・・。」
咲夜「ん?」
美鈴「私は晴れて門番に復帰!」
咲夜「却下。」
美鈴「ぎゃふん。」
・
・
・
紅魔館の門。
二人は、新たなパイロットの到着を待っていた。
美鈴「誰なのかしら?その、新たな犠牲者っていうのは・・・・。」
咲夜「犠牲者なんて、人聞き悪いわね。むしろ、彼女にとっては救済になるはずよ。これは。」
美鈴「救済・・・・?いったいどういう・・・・。」
美鈴が、頭に?を浮かべていると、
?「たのも~。」
咲夜「あら、噂をすればなんとやら。」
向こうの方から、誰かがやってきた。
咲夜「ようこそ、紅魔館へ。」
藍「ここかね。三食付き、下宿可のバイト先は。」
咲夜「そうよ。」
やって来たのは、八雲藍。
美鈴「バ、バイト・・・・?」
藍「そのとおりだ。ええと・・・、中国。」
美鈴「中国じゃない!」
藍「今日からしばらく、ここで世話になる。姓は八雲、名は藍だ。よろしく。」
美鈴「いいけど、私の名前は美鈴だからね。」
藍「わかったわかった。」
美鈴「ほんとにわかったのかな・・・・?」
やや不安になる美鈴。
藍「で、私は具体的に何をすればいいの?掃除?洗濯?料理?子守り?」
咲夜「それは全部、私一人で事足りるわ。あなたがやるのはもっと別のことよ。」
藍「ふむ。」
咲夜「少々危険だけど、三食付き下宿付きなら安いものよ。きっと。」
藍「その内容とは?」
咲夜「まあ、その前に適性検査を受けてもらわなきゃね。」
藍「もったいぶるねえ。」
咲夜「ちょっと待ってなさい。」
咲夜は奥へと引っ込んでいった。
美鈴「それで、あなたはどうしてここへ?」
藍「いや、あのワンちゃんが・・・・・・。」
ドス!
壁にナイフが刺さった。
藍「・・・・・・・・。」
美鈴「・・・・・・・・・で?」
藍「あいや、まあ、あのお犬様が・・・・。」
ブス!
藍の帽子に、ナイフが刺さった。
藍「・・・・・・・・・・・。」
美鈴「・・・・・・・・・・・。」
藍「・・・・・・・イヌって言うなって言ったの、自分なのに。」
美鈴「なんて命知らず・・・。」
藍「まあ、ここのメイド長様が、うちでバイトしないかって、誘いをかけて来たわけだ。」
美鈴「うんうん。」
藍「うちには育ち盛りの式神が一人、冬眠中の主が一人。実際働いて生活をやりくりするのは、私しかいない。」
美鈴「うん。」
藍「結論から言えば、生活は正直苦しい。しかも、ロクな働き口が見つからないときたもんだ。」
美鈴「それで、ここに?」
藍「三食付き下宿付きは、オイシイ話だ。」
美鈴「・・・・・おや?」
藍「ん?何か問題でも?」
美鈴「いや、何でもないわ。(何か、居る・・・・?)」
藍「そう?」
美鈴「で、その育ち盛りの子と、冬眠中のご主人様は、どうしてるの?」
藍「紫様は、今もぐっすり冬眠中。橙は留守番さ。」
美鈴「留守番、ね。」
藍「でも、落ち着きがないから、ちゃんと留守番できるかどうか、心配でねえ。」
美鈴「ふ~ん・・・・。」
藍「まあ、きちんと留守番させるのもしつけのうち。主人たる者、式神には厳しくないと。」
藍が教育について熱弁しているのを余所に、美鈴は藍の後方が気になって仕方なかった。
藍「私も、紫様に厳しくしつけられたけど・・・・・。」
美鈴「ちょっといい?」
藍「どした?」
美鈴「さっきから、あなたの後ろが気になって仕方ないんだけど。」
藍「ん~・・・・?」
藍が後方を見る。
そこで、藍が見たのは、
藍「ち、橙!?」
橙「あ、見つかった。」
橙だった。
美鈴「ちゃんと、留守番できてなかったみたいね。」
藍「橙、こっちに来なさい。」
橙「え~と、え~と・・・・・。」
藍「早くする!」
橙「は、は~い!」
藍に怒鳴られた橙は、恐る恐る藍に近づく。
美鈴「(ちょっと可哀相かもしれないけど、仕方ないわね・・・。)」
そう思った美鈴。
しかし
藍「こら~。留守番してなさいって、あれほど言ったのに~。」
橙「えへへ~、ごめんなさい。」
藍「も~、仕方のないやつだな~。」
ドテ!
美鈴、こける。
藍は笑顔で説教。
藍「どうした?」
美鈴「い、いや、何でもない。」
藍は説教(?)を続ける。
藍「それで、どうしてこんなところに来たんだ?」
橙「え~とね。藍様と一緒に居たかったの。だから、こっそりついて来ちゃった。」
藍「・・・・・この~。可愛いやつめ~。」
橙「えへへ~。」
橙の頭を撫でる藍。
美鈴「あ、甘々だ・・・・・・・。」
誰もが思う感想である。
と、そこへ、
咲夜「うちは、ペットお断りよ。」
咲夜が帰ってきた。
藍「駄目?」
咲夜「ダメ。」
藍「どうしても駄目?」
咲夜「・・・・・・・・・・・・・給料半分。」
藍「おっけ~。よかったな、橙!」
橙「うん!」
咲夜は、橙の下宿をあっさりオーケーした。
美鈴「いやにあっさりオーケーしましたね?」
咲夜「不等式、『給料の二分の一>>一人分の食費』よ。」
美鈴「一体、どれほどの給料で口説いたんですか?」
咲夜「私より多い。」
美鈴「もらってないでしょ?」
咲夜「とにかく。狐と猫が一緒になるってことは読めてた。そして、その溺愛ぶりも確認済み。」
美鈴「・・・・・・なるほど。高給で釣って、猫を口実に半額。全て計算のうちと。」
咲夜「そうよ。」
策士咲夜さんは、藍に告げる。
咲夜「それじゃあ、適性検査っていうのを始めるから、こっちに来て。」
藍「りょ~かい。橙、またあとでな。」
橙「いってらっしゃ~い。」
藍は咲夜に連れられて、奥へと引っ込んでいった。
・
・
・
咲夜「あなたには、これを動かしてもらうわ。」
藍「なによ?この巨大な人型は。」
咲夜「汎用妹型決戦兵器、フランゲリオン。その弐号機よ。」
藍「弐号機?壱号機とかあるの?」
咲夜「初号機は、美鈴が乗ってる。試作型の零号機は、パチュリー様が乗ってるわ。」
藍「ほ~。それで、私はこれを操縦すればいいと?」
咲夜「その通りよ。」
藍「で、適正検査の内容は?」
咲夜「それは・・・・。」
うい~ん!うい~ん!うい~ん!
咲夜「警報音?一体何が?」
藍「騒々しいわね。敵?」
咲夜「映像に出すわ。」
・
・
・
チルノ「紅魔館に告ぐ!さっき私を跳ね飛ばしていったヤツを出せ!」
・
・
・
咲夜「雑魚が吠えておるわ。」
外では、チルノが叫んでいる。
藍「あ、さっきのヤツか?」
咲夜「何があったの?」
藍「いや、ここに来る途中、ついうっかり跳ね飛ばした。」
咲夜「回転しながら?」
藍「うん。」
咲夜「なるほどねえ。・・・・・・・よし。」
藍「ん?」
咲夜「検査内容変更。直ちに弐号機に乗って、あの五月蝿いのを始末してきて。」
藍「生身じゃ、駄目か?」
咲夜「それじゃあ、検査の意味がない。」
藍「まあ、確かに。でも、私はこれの操縦方法なんてわからないぞ?」
咲夜「操縦マニュアルをつけるから、それを参考にして。」
藍「了解。」
咲夜「出来次第では、バイトの話はなかったことになるからね。」
藍「心得た。」
藍は、初陣を飾るべく出撃の準備に取り掛かった。
・
・
・
藍「準備はいいぞ~。」
咲夜『こっちも、いつでも出せるわ。』
美鈴「・・・・・・・・・。」
藍「よ~し、いざ出陣!」
咲夜『頼もしいわね。そう思うでしょ、美鈴?』
美鈴「・・・何で、私も弐号機に?これって、一人乗りですよね?」
咲夜『いろいろとレクチャーしてあげて。説明の暇がなかったから。』
美鈴「要は、マニュアルの代わりですか?」
咲夜『ナビゲーター、って言う方が、聞こえは良いわ。やることは変わらないけどね。』
藍「よろしく頼むぞ。」
美鈴「仕方ない・・・。」
咲夜『それじゃあ、行くわよ。』
咲夜が、合図を送る。
咲夜『フランゲリオン弐号機、発進!』
ゴオオオオオオオ!
藍「おおおおおおおおお!」
美鈴「ぎゃあああああああ~!!」
・
・
・
チルノ「くそ~、私を無視しやがって~・・・・。こうなったら・・・・・。」
チルノは、ちょっとむかついていた。
咲夜『まあ、落ち着きなさい。』
チルノ「うわ!ど、何処!?」
咲夜『そうねえ。結構遠くかしら。』
チルノ「ま、まあいいわ。それより!」
咲夜『何よ?』
チルノ「私を跳ね飛ばしていった黄色いの。そいつ出せ!」
咲夜『一方的な要求ね。』
チルノ「出さないと、窓に氷をぶつけてガラスを割るよ!?」
咲夜『・・・・・・・それは、我ら紅魔館と敵対する、ということでいいのかしら?』
チルノ「あ、いや、だから、黄色いヤツを出せば、丸く収まるんだって・・・・。」
チルノ、ちょっとあせる。
咲夜『いいわ。要求を飲みましょう。』
チルノ「ほんと?」
咲夜『ええ。窓をやられたら、うちとしては大変なことになるし。』
チルノ「ふふふ・・・。かしこい選択ね。それで、何時出てくるの?」
咲夜『既に、あなたの後ろに・・・・・・。』
チルノ「え?」
後ろを振り返るチルノ。
そして、そこには、
チルノ「ぎゃあああああああああ~~~~!!!!」
ゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・・・
という効果音とともに聳え立つ、巨大フランドール2ことフランゲリオン弐号機がいた。
チルノ「ち、ちょっと~!!話が違うじゃない!!」
咲夜『違ってないわよ。』
チルノ「私が要求してた相手と、ぜんっぜんちがうじゃない!!」
咲夜『あら。あなたの要求した相手は、あの中に入ってるわよ。』
チルノ「へ?」
一方、操縦席。
藍「おやおや。あんなに驚いて。見てるこっちとしては面白いんだが。」
美鈴「やられる方は、冗談じゃない気持ちになるから。」
藍「しかし、うまく動かんもんだ。館の備品を壊しそうでいかん。」
美鈴「壊したら、給料引かれるわよ?何貰うのかは知らないけど。」
藍「それは困る。」
藍は弐号機の取扱、にやや苦戦していた。
咲夜『う~ん。やっぱりと言うか、仕方ないと言うか・・・。』
チルノ「どういうことよ?」
咲夜『あれを動かすの、今日が初めてなのよ。だから動きに無駄が多い。』
チルノ「不慣れってことね。それじゃあ、私にも勝ち目がある!?」
咲夜『まあ、そういうことになるかしら。(限りなく0に近いけど。)』
チルノ「よ~し!覚悟しろ、黄色いの!!」
チルノは、気合を入れて弐号機に戦いを挑んだ。
咲夜『紅魔館の最終兵器の弐.甘く見られたものね・・・・。』
咲夜は呟いた。
咲夜『聞こえる?』
藍「おう。電波状態は良好だ。」
咲夜『紅魔館が壊されちゃ、たまらないわ。もうちょっと遠くで戦ってきてくれない?』
藍「あなたが来なきゃ、検査にならんじゃないか?」
咲夜『美鈴。』
美鈴「はい。」
咲夜『試験官の資格をあなたに譲るわ。しっかり戦い振りを判定してあげなさい。』
美鈴「いいんですか?」
咲夜『ええ。私はお嬢様のおやつの準備があるから、いつまでもここには居られないの。』
美鈴「了解。」
咲夜『それじゃ、健闘を祈るわ。』
ブツ!
通信が切れた。
美鈴「と、いうことで、ここから離れましょ。」
藍「了解だ。」
弐号機は、ちょっと宙に浮き、そして、
藍「式神『憑依荼吉尼天』!」
美鈴「うわあああああああ~!?」
回転しながら、紅魔館を離れていった。
チルノ「あ、待て!逃げるな~!」
チルノは、慌ててその後を追う。
咲夜「う~ん・・・・・。」
レミリア「どうかした?」
咲夜「お嬢様。いえ、少し気になりまして。」
レミリア「何?」
咲夜「うちのフランゲリオン、あんな動き出来ましたっけ?」
レミリア「・・・弐号機は、操者の能力の影響を色濃く受ける。これでいいかしら?」
咲夜「・・・・はい。」
レミリア「・・・・まだ、気になることが有りそうね。」
咲夜「はい。初号機にしろ、弐号機にしろ、どこの誰が作り出したのか。」
レミリア「知りたい?」
咲夜「いえ。今知ってしまっては、きっと面白くありません。」
レミリア「結構。それじゃあ、咲夜。」
咲夜「はい。すぐにお持ちします。」
レミリア「今日は何?」
咲夜「稀少品です。」
レミリア「やった~。」
司令室は、おやつの時間になった。
・
・
・
藍「・・・・・・遅いな~。」
藍は、敵を待っていた。
弐号機が速すぎたのか、チルノが遅すぎるのかは知らないが、とにかく引き離しすぎたようだ。
美鈴「うう・・・・・・・・・・。」
一方美鈴は、何かに耐えているようであった。
顔は青ざめている。
どーやら、乗り物酔いしたらしい。
藍「自分で勝負挑んでおいて遅れて来るなどけしからん。そうは思わんか?」
美鈴「・・・・・・・(こくこく)。」
藍「やっぱりそー思うか。あなたとは気が合いそうだな。・・・・・む?」
藍は、敵の気配を感じた。
チルノ「・・・・ぜ~、・・・・・は~、・・・や、やっと追いついた。」
チルノが息を切らしながら現われた。
藍「遅い!」
チルノ「あんたが速すぎるのよ!」
藍「敵機確認。自分はどうすればいいでありますか、教官!」
美鈴「・・・・・・・・・・ちょっと、まって・・・。」
藍「え?聞こえないけど・・・・。」
チルノ「も~怒った!これでも喰らえ!雹符「ヘイルストーム」!」
藍「むう!?」
怒りが頂点に達したチルノは、弐号機を攻撃する。
しかし、
藍「ははは。この八雲藍、未熟と言えど、雑魚の攻撃にむざむざと当たるほど、落ちこぼれてはいない!」
美鈴「うっぷ・・・・・・・・・。」
藍「どうだった?さっきの避け?」
美鈴「・・・・・・・(ガクガク)。」←虚ろな目で首を縦に振る
藍「おお、お褒めに預かり光栄だ。」
藍は、それを軽く避けて見せた。
チルノ「くそ~!こうなったら、本気を出してやる!」
藍「そんなこと言って、実はいっぱいいっぱいなんだろ?」
チルノ「うるさ~い!凍符『パーフェクトフリーズ』!」
チルノが弾を撒き散らす。
藍「ふん、それだけか?さっきのほうがマシだったぞ。」
チルノ「そう言っていられるのも今のうちよ。・・・・・凍れ!」
藍「何!?」
カチーン
という音が聞こえたかどうかは知らないが、チルノが撃ちだした弾が、一斉に凍った。
そして、
チルノ「解凍!」
ガガガガガ!
凍った弾が、今度は一斉に動き出した。
弐号機は、もろにその攻撃を受けてしまった。
藍「むう・・・・・。」
チルノ「どーだ!降参するなら今のうちよ。」
藍「馬鹿言うんじゃないよ。こっちはまだ余裕があるのよ。」
チルノ「・・・・ま、またまたぁ!強がり言っちゃって。」
藍「まあ、どう思おうが勝手だけど。」
どうやら、大した被害はなかったらしい。
事実、藍はかなりの余裕面。
藍「しかし、随分丈夫に出来てるもんだ。これって、何製?」
美鈴「・・・・・(ふるふる)」←虚ろな目で首を横に振る
藍「知らない?まあ、いいけど。」
美鈴は、顔に縦線が入ってたり脂汗がにじみ出てたりで、いっぱいいっぱいらしい。
一方、常にいっぱいいっぱいな方は、
チルノ「こっちは限界だけど、あっちもきっと限界よね・・・・・。じゃあ、これで十分かな・・・。」
次の攻撃を考えていた。
チルノ「トドメだ!氷符『アイシクルフォール』!」
藍「トドメって、気が早いわねえ。」
チルノ「(ちょっと疲れてるから、Easyバージョンだけど、十分よね・・・。)」
チルノのとっておき?の攻撃、アイシクルフォール。
一列に並んだ弾が弐号機の両脇に設置され、挟撃する形で迫り来る!
藍「う~ん、当たりっぱなしって言うのも、面白くない。」
美鈴「・・・・・(は、はやくおわって・・・・・。)」
藍「教官!自分に何かアドバイスを!」
美鈴「うう・・・・、(そ、外に・・・・。)」
美鈴は弐号機からの脱出を試み、前方に腕を伸ばした。
しかし、それが美鈴にとってまずかった。
藍「手を、前に・・・・?」
藍が、その行動をヒントとして解釈し始めた。
藍「前には敵・・・。つまり、特攻・・・?いやいや・・・。」
美鈴「~~~~~~!(も、もう少しで・・・・。)」
美鈴が操縦席の入り口を開けようとした、そのとき!
藍「! その攻撃、見切ったあ~!」
美鈴「!!」
ギュン!
突然、猛スピードで前進する。
キキ~~~!!
チルノ「うわ!?」
そしてチルノの手前で急停止。
藍「ふふふ。よく見るとその弾幕、接近戦に対して全く無防備のようだね。」
美鈴「~~~~~!! ~~~~~!!」←声にならない悲鳴
チルノ「き、気付かなかった・・・・・。」
藍「さっきの言葉、そのまま返すとするか。トドメだ!」
チルノ「へ、返品はお断り・・・・。」
藍「問答無用!」
無防備のチルノに対し、藍は容赦なく弾幕を浴びせる。
藍「喰らえ!零距離通常弾幕!」
チルノ「ぎゃああああああ~~・・・・・・・。」
密着状態で発射される弾幕を避けることは、例え神であってもニュータイプであっても、ほとんど不可である。
チルノは、最初の威勢の割に、あっさり撃墜されてしまった。
藍「前に出て攻撃、か。すばらしいヒントだったよ。」
美鈴「~~~~~~~~~!!」
藍「で、どうだ?この試験は合格か?」
美鈴「(こくこく)。」←必死の形相で首を縦に振る
藍「やった!」
美鈴「~~~~~~!!(早く降ろして・・・・・!)」
藍「それじゃあ、凱旋だ!」
美鈴「!!」
美鈴が弐号機の操縦席がら降りることが出来たのは、紅魔館に帰ってからであった。
美鈴「(も、もうダメ・・・・・。)」
・
・
・
紅魔館。
美鈴がさっさと降りて、厠へ駆け込んだのは言うまでも無い。
咲夜「ご苦労様。」
藍「なんの。軽い仕事だったよ。」
咲夜「美鈴は?」
藍「さあ?ここに着くなり、私より先に操縦席から降りたけど。」
咲夜「ふ~ん。ま、それはともかく。」
藍「何だ?」
咲夜「その分だと、合格のお墨付きは貰ってきたようね。」
藍「まあね。」
咲夜「よろしい。今日から、紅魔館防衛に死力を尽くしてもらうわよ。」
藍「了解だ。泥舟に酔ったつもりでいてくれ。」
咲夜「・・・・酔う挙句に沈むのか。」
こうして八雲藍は、紅魔館に雇われることとなったとさ。
第四話 完
美鈴「誰なのかしら?その、新たな犠牲者っていうのは・・・・。」
これ見た瞬間にとある人が浮かんだのは秘密(謎