Coolier - 新生・東方創想話

吸血鬼の一日

2004/01/01 01:10:07
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 今日もいつものごとく遅く起きた。吸血鬼の朝は、とても遅い。
 朝早くから起きている吸血鬼なんて、変すぎるでしょ。
 ベットの上で、まどろみながら愚にもつかないことを考えながら私は起きた。
 上半身だけを起こして目を擦る。まだ眠いがそろそろ起きないと、咲夜に怒られていまう
 とりあえず、お腹がすいたからご飯でも食べよう。

「お嬢様、おはようございます」
 掃除をしていた咲夜が、私を見て挨拶をする。そして、鼻血を出して倒れた。
 あれ?
 そういえば、まだネクリジェのままだったのを忘れていた。起きぬけはどうも頭が働かなくていけない。
 とりあえず咲夜を起こして朝、というか昼食を用意させるよう言った。

「どうぞ、お嬢様」
 着替えて、食卓に行くともうすでに食事が用意されていた。いつものことながら手早い。
 礼を言うと
「ありがとうございます」
 咲夜は澄まして答えてたが、まだ鼻栓をしたままだったのでとても変だった。


 ご飯も食べ終えて暇になってしまったので、今日は神社にいくことにした。
 日傘とお菓子の入ったバスケットを持って出かけようとしたら、門のところで門番が居眠りをしていた。
 職務怠慢ではあるけど、あまりにも幸せそうな顔で寝ていたから起こすのはやめておいた。

 けどお仕置きの意味をこめて、顔に落書きをしておいた。




 神社はいつものごとく、閑散としていて参拝客はどこにもいなかった。
 こんな調子じゃいつかつぶれるんじゃないかしら。
 霊夢はというと、いつものごとく縁台でお茶の飲んでのんびりしていた。

「またきたの?」
 嫌そうな顔で言われた。そのセリフは霊夢のじゃないでしょ。
 口ではそう言うが、私の分のお茶をついでくれる。
 私は持ってきたバスケットから、お茶菓子を出して用意する。
 やっぱり、もなかには日本茶じゃないかしら。

 そう言ったら、変な目で見られた。
「あんたって本当に吸血鬼?」
 失礼ね。今度、血入りのあんこ食べさせるわよ。


 ゆったりとした時間が過ぎ、夕食の時間にもなったので帰ることにした。
「今度くるときは、団子にしてね」
 霊夢の注文にとりあえず了承しておいたが、家のメイドに作れる娘いたかな?



 美鈴はまだ寝ていた。一体いつになったら起きるのだろう。
 追加罰として裸にしてみたが、それでも目を覚まさなかったのでさらに驚いた。
 しかたがないので、そのままにしておいた。


「お嬢様、これは素朴な疑問なのですが……」
 夕食の席の時、咲夜にそう訊ねられた。なんだろう。
「お嬢様ほどの格と力があればこの館周辺…いえ、もしかしたら幻想郷を支配してしまうこともできるかもしれません」
 そうね、できない事もないわ。
「それをしなかった理由は、あるのでしょうか」
 ええ、もちろん。
「それは……?」

 ふふふ、秘密よ。



 今日もいつもと同じ日だった。
 変わりない日々を私は送っていく。
 永遠に何も無いだろう。



追記:
今日の朝は、叫び声で起きた。窓から外を見ると、咲夜が美鈴の前で呆然としているのが見て取れた。
どうやら美鈴の姿を見て驚いたらしい。
………………昨日からずっと寝っぱなしだったのだろうか。
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コメント



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1.30名無し削除
可愛いじゃないか、中々。
7.50番長削除
まったりとした雰囲気が何とも言えずいいですね。