幸せとは一体なんなのだろうか?
死なないのが幸せ?
不自由が無いのが幸せ?
健康が幸せ?
お金があるのが幸せ?
痛みが無いのが幸せ?
快楽があるのだけが幸せ?
なんでも手に入るのが幸せ?
悲しみが無いのが幸せ?
食べ物に不自由しないのが幸せ?
平和が幸せ?
自分の思い通りに行くのが幸せ?
幸せなのが、幸せ?
これらは確かに『幸せ』の要素なのだろう。
しかし、それらだけが存在するばかりの世界は決して幸せでは無いだろう。
死ななく、自由で、健康で、痛みがなく、快楽があり、なんでも手に入り、嬉しいことばかりが存在し、食べる物はたくさんあり、争いごとはなく、自分の思い通りに事が運ぶ。
果たして、それが幸せなのだろうか?
否、それは退屈な日々が待っているだけだ。偽りの幸せであり、全く幸せでは無い。
幸せは、ある意味孤独。
他者が自分と全く同じ幸せを噛み締めていることなど存在し得ない。
生命に限りがあるからこそ、人は今を一生懸命に生きる。
空腹があるからこそ、食べ物の大事さに気付く。
不自由があるからこそ、自由を知る。
お金が無いからこそ、仕事をし、人のために尽くす。
苦痛があるからこそ、喜びを知る。
手に入らないから、手に入れるために努力する。
悲しみが無いのなら、嬉しいことも嬉しいことと感じなくなる。
平和というものを目標にするからこそ、人々は手を取り合う。
人はそれらの中で幸せを見出し、浸るのでは無いか?
しかし、この『幸せ』は『幸せ』と共に『苦痛』達がまた存在する。
苦痛があれば、幸せでは無い。
幸せだけが、幸せでは無い。
幸せって、一体、何なんだろうか?
手に入れた奴は居るんだろうか?
幸せは、幸せであるからこそ、幸せなのだろうか?
無論誰にも判らない。
何故って、それは、誰も手に入れてはいないから。
永遠の幸せなど、退屈。
退屈は、幸せでは無い。
明らかにそれは、矛盾。
霊夢は博麗神社の縁台に座り、手には茶を、そんな事を考えていた。
ガラに無くこんなこと考えているなぁ、と思いつつも、茶を口元に運ぶ。
幻想郷には春が訪れ、もうだいぶ暖かくなった。
それでも温かいお茶は美味しい。
境内には桜が咲き、三色団子があればパーフェクトだった。
そんな中、参拝客が一人。
「よう、霊夢。遊びに来たぜ」
霧雨魔理沙。いっぱしの魔女である。
相変わらず黒い服を好んで着る。
それとも黒い服しかないのかは、分からないが。
「何しに来たの?」
ああ、せっかくのお茶の時間が、と言ってももう残り少ないお茶。
「いや、だから遊びに。うん、ついでに花見もかねて、だな」
魔理沙も縁台に腰掛ける。
「霊夢、お茶を頼むぜ」
「はいはい」
ずうずうしいなぁ、と思いつつもお茶を入れてや為に、傍らに置いてあったお茶セットをいじり始まる。。
「ねえ魔理沙?」
篩でお茶を廻しながら聞く。
「ん?」
魔理沙はこちらを向かず、桜に見入っているようだ。
「幸せって、考えたことはある?」
何気なく尋ねた質問だった。
「はぁ? いきなり何言ってんだよ。ついに頭まで逝っちゃったか? 元から逝ってる様な気もするが」
「そんなんじゃないわよ。ただ考えてみると、不可解なことがたくさんあってね」
少しの沈黙。
もうとっくにお茶は出来上がっていた。
「幸せ、か」
改まったように言う魔理沙からは表情が伺えない。
「はい、お茶」
「ああ、すまんな」
お茶を受け取った魔理沙は早速一口飲んだ。
「うまいな」
そのままお茶を膝元にまで持っていく。
「幸せか。そんな事、考えたことも無かったな……」
「魔理沙は、幸せになりたいと思う?」
いや、そういって魔理沙は首を横に振った。
「なりたくないな。なった瞬間は仮にも幸せかもしれない。けれど幸せなんてものは永遠に続かないもの。その後は大体不幸に陥るってもんだ。普通なのが、一番良い」
確かにそうだ。
幸せは壊れるということが前提にある。
幸せが壊れるということは不幸なことがあったからなのだろう。
「今が楽しければ、少なくとも今は幸せだろ? ならずっと今を続けていけば良い」
魔理沙はお茶を口元に運ぶ。
ちょうどそこに現れるのは幽々子と妖夢だった。
「おーい。遊びに来たよー」
そんなけなげに笑顔を見せるのは幽々子。その傍らには護衛のように立つ妖夢。
「おいおい、幽霊が昼間っぱらから出て大丈夫なのかよ」
魔理沙は苦笑気味に言った。
それとほぼ同時刻に入ってきたのはレミリアと咲夜だった。
「おお、いつもの面子が今日は勢ぞろいだな」
「そうね」
「ここは本格的に花見するか? 酒とか用意して」
「いいわね。でも、お酒あったかしら?」
「ねえ。何話してるの?」
と幽々子。
「いや、せっかくみんなが揃ったことだし花見でも使用かなと思ってな」
「花見、それ良い案ね」
と答えたのは咲夜。
「それならば用意は早めにやってしまいましょう。庭の方は私にお任せください」
名乗りを上げたのは妖夢。さすが庭師と呼ばれるだけはある。
幽々子は魔理沙の隣に腰掛ける。
「じゃあ、食べ物関係は私がやるわ」
といった咲夜は勝手に霊夢の家に上がり、台所に消えていった。
レミリアは縁台のちょうど日陰になっているとことに腰を下ろす。
「こんにちわレミリア、幽々子」
「こんにちは。今日は一段と日差しがきついわね」
レミリアはそっと大きな白い帽子をはずす。
「こんにちわ」
「おい、幽々子。お前昼間っぱらから歩いて大丈夫なのか?」
彼女は、いたって平気な顔をしているのに、聞く。
「大丈夫大丈夫。そんな細かいことは気にしない」
「そうか」
案外それはそれはで説得力があったりする。
どうやら、庭の方は手入れが出来始めたようだ。
今は皆といることが一番楽しい。
それは幸せと捕らえて良いのだろうか?
多分、良いのだろう。
ならば私は今を一生懸命に楽しむとしよう。
未来にどんな不幸が待っているにせよ、そのために今の幸せを殺すのは、愚かな行為だ。
今は今、未来は未来。
なら、やはり今を楽しめば良い。
「よーし。始めるわよ」
なんか気合が入ってきた。
「今日は、皆がくたばるまで返さないわよ!!」
その声に、オー、と声が入った。
今年の最初で最後のお花見が、今始まる。
死なないのが幸せ?
不自由が無いのが幸せ?
健康が幸せ?
お金があるのが幸せ?
痛みが無いのが幸せ?
快楽があるのだけが幸せ?
なんでも手に入るのが幸せ?
悲しみが無いのが幸せ?
食べ物に不自由しないのが幸せ?
平和が幸せ?
自分の思い通りに行くのが幸せ?
幸せなのが、幸せ?
これらは確かに『幸せ』の要素なのだろう。
しかし、それらだけが存在するばかりの世界は決して幸せでは無いだろう。
死ななく、自由で、健康で、痛みがなく、快楽があり、なんでも手に入り、嬉しいことばかりが存在し、食べる物はたくさんあり、争いごとはなく、自分の思い通りに事が運ぶ。
果たして、それが幸せなのだろうか?
否、それは退屈な日々が待っているだけだ。偽りの幸せであり、全く幸せでは無い。
幸せは、ある意味孤独。
他者が自分と全く同じ幸せを噛み締めていることなど存在し得ない。
生命に限りがあるからこそ、人は今を一生懸命に生きる。
空腹があるからこそ、食べ物の大事さに気付く。
不自由があるからこそ、自由を知る。
お金が無いからこそ、仕事をし、人のために尽くす。
苦痛があるからこそ、喜びを知る。
手に入らないから、手に入れるために努力する。
悲しみが無いのなら、嬉しいことも嬉しいことと感じなくなる。
平和というものを目標にするからこそ、人々は手を取り合う。
人はそれらの中で幸せを見出し、浸るのでは無いか?
しかし、この『幸せ』は『幸せ』と共に『苦痛』達がまた存在する。
苦痛があれば、幸せでは無い。
幸せだけが、幸せでは無い。
幸せって、一体、何なんだろうか?
手に入れた奴は居るんだろうか?
幸せは、幸せであるからこそ、幸せなのだろうか?
無論誰にも判らない。
何故って、それは、誰も手に入れてはいないから。
永遠の幸せなど、退屈。
退屈は、幸せでは無い。
明らかにそれは、矛盾。
霊夢は博麗神社の縁台に座り、手には茶を、そんな事を考えていた。
ガラに無くこんなこと考えているなぁ、と思いつつも、茶を口元に運ぶ。
幻想郷には春が訪れ、もうだいぶ暖かくなった。
それでも温かいお茶は美味しい。
境内には桜が咲き、三色団子があればパーフェクトだった。
そんな中、参拝客が一人。
「よう、霊夢。遊びに来たぜ」
霧雨魔理沙。いっぱしの魔女である。
相変わらず黒い服を好んで着る。
それとも黒い服しかないのかは、分からないが。
「何しに来たの?」
ああ、せっかくのお茶の時間が、と言ってももう残り少ないお茶。
「いや、だから遊びに。うん、ついでに花見もかねて、だな」
魔理沙も縁台に腰掛ける。
「霊夢、お茶を頼むぜ」
「はいはい」
ずうずうしいなぁ、と思いつつもお茶を入れてや為に、傍らに置いてあったお茶セットをいじり始まる。。
「ねえ魔理沙?」
篩でお茶を廻しながら聞く。
「ん?」
魔理沙はこちらを向かず、桜に見入っているようだ。
「幸せって、考えたことはある?」
何気なく尋ねた質問だった。
「はぁ? いきなり何言ってんだよ。ついに頭まで逝っちゃったか? 元から逝ってる様な気もするが」
「そんなんじゃないわよ。ただ考えてみると、不可解なことがたくさんあってね」
少しの沈黙。
もうとっくにお茶は出来上がっていた。
「幸せ、か」
改まったように言う魔理沙からは表情が伺えない。
「はい、お茶」
「ああ、すまんな」
お茶を受け取った魔理沙は早速一口飲んだ。
「うまいな」
そのままお茶を膝元にまで持っていく。
「幸せか。そんな事、考えたことも無かったな……」
「魔理沙は、幸せになりたいと思う?」
いや、そういって魔理沙は首を横に振った。
「なりたくないな。なった瞬間は仮にも幸せかもしれない。けれど幸せなんてものは永遠に続かないもの。その後は大体不幸に陥るってもんだ。普通なのが、一番良い」
確かにそうだ。
幸せは壊れるということが前提にある。
幸せが壊れるということは不幸なことがあったからなのだろう。
「今が楽しければ、少なくとも今は幸せだろ? ならずっと今を続けていけば良い」
魔理沙はお茶を口元に運ぶ。
ちょうどそこに現れるのは幽々子と妖夢だった。
「おーい。遊びに来たよー」
そんなけなげに笑顔を見せるのは幽々子。その傍らには護衛のように立つ妖夢。
「おいおい、幽霊が昼間っぱらから出て大丈夫なのかよ」
魔理沙は苦笑気味に言った。
それとほぼ同時刻に入ってきたのはレミリアと咲夜だった。
「おお、いつもの面子が今日は勢ぞろいだな」
「そうね」
「ここは本格的に花見するか? 酒とか用意して」
「いいわね。でも、お酒あったかしら?」
「ねえ。何話してるの?」
と幽々子。
「いや、せっかくみんなが揃ったことだし花見でも使用かなと思ってな」
「花見、それ良い案ね」
と答えたのは咲夜。
「それならば用意は早めにやってしまいましょう。庭の方は私にお任せください」
名乗りを上げたのは妖夢。さすが庭師と呼ばれるだけはある。
幽々子は魔理沙の隣に腰掛ける。
「じゃあ、食べ物関係は私がやるわ」
といった咲夜は勝手に霊夢の家に上がり、台所に消えていった。
レミリアは縁台のちょうど日陰になっているとことに腰を下ろす。
「こんにちわレミリア、幽々子」
「こんにちは。今日は一段と日差しがきついわね」
レミリアはそっと大きな白い帽子をはずす。
「こんにちわ」
「おい、幽々子。お前昼間っぱらから歩いて大丈夫なのか?」
彼女は、いたって平気な顔をしているのに、聞く。
「大丈夫大丈夫。そんな細かいことは気にしない」
「そうか」
案外それはそれはで説得力があったりする。
どうやら、庭の方は手入れが出来始めたようだ。
今は皆といることが一番楽しい。
それは幸せと捕らえて良いのだろうか?
多分、良いのだろう。
ならば私は今を一生懸命に楽しむとしよう。
未来にどんな不幸が待っているにせよ、そのために今の幸せを殺すのは、愚かな行為だ。
今は今、未来は未来。
なら、やはり今を楽しめば良い。
「よーし。始めるわよ」
なんか気合が入ってきた。
「今日は、皆がくたばるまで返さないわよ!!」
その声に、オー、と声が入った。
今年の最初で最後のお花見が、今始まる。
あと最後の文章に電波が来ました。
今年の最初で最後の花見ってなんなのでしょう………
ついでに誤字が多かったので訂正したほうが良いかと^^;
内容自体が少し(?)感慨深いものがあったようなないような気にさせます(どっちやねん