Coolier - 新生・東方創想話

魔法ょぅι゛ょまりしゃ 第二話

2003/12/21 15:05:09
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※オープニング

(ランランラン、ラーラ ランランラン、ラーラ)
(ランランラン、ラーラ ランランラン、ラーラ)

まほうのもりのおんなのコは(ランランラン、ラーラ)
とてもちいさな魔女っ子です(ランランラン、ラーラ)

おべんきょう げんそう郷
なりたいの
すてき魔法なおんなのコ
ぷきぷきぱよ

Ah さがしてアイテムさん
あれも これも
もっとしりたい

Ah してしてべんきょうさん
すごい ひみつ
いえないことぜんぶ

(ランランラン、ラーラ ランランラン、ラーラ)
(ランランラン、ラーラ ランランラン、ラーラ)





※第二話「友達? 独りぼっちの女の子」


 ここは春の日も麗らかな幻想郷。今日もまりしゃはれいむと一緒です。
ようやく箒を乗りこなせるようになったまりしゃ、後ろにれいむを乗せて二人乗りです。
「あははっ、いーきもちー!」
「じぶんでおそらをとぶのとは、なんかちがうかんじだね!」
あらあら、随分お調子に乗ってますねぇ。こういう時が一番危ないんですが……
「あはは……………………あっ、あれっ!?」
「ど、どうしたの?」
「ほーきのそーじゅーが、おかしくなって……わわわっ!?」
ほーら、言わんこっちゃない……乗れるようになって嬉しいのは分かりますが、二人乗りは無茶でしたねぇ……。
「ちょっと、ゆうこときけって……わああっ!!」
「きゃああぁっ!!」
制御の効かなくなった箒が、二人を乗せたまま滅茶苦茶に飛び始めました。あぁ、一体どうなるのでしょう!?
「だれかとめてぇっ…………うわあああああああぁぁぁぁっ!!!」





「るん、るん、る~ん♪」
カチューシャを付けた金髪の女の子が、お人形でおままごとをしています。
「はい、ごはんができましたよ~」
おや、その人形は……何だかれいむに似ていますねぇ。
「こらっ、のこしちゃだめでしょ、れいむちゃん!」
やっぱりこの人形はれいむのようですね。でも、どうしてこの子がそんな物を持っているのでしょう……?
「さぁ、わたしといっしょにおねんねしましょうね~」
人形を抱きしめて寝っ転がった女の子の目に、何やらおかしな物が飛び込んで来ました。
「? なにかしら……」
目を細めてよく見ると、どうやら人間のようです。叫び声も聴こえてきます。
「ゎぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああ…………」
だんだん声が大きくなってきました。とっても嫌な予感がします。
「あああああああああ……………………!?
 あぶないっ、どいて、そこどいてえええええぇぇぇぇ~!!!」
「えっ、わっ、わあああぁぁっ!?」

ズドオオオオオオオオオオオオォォォォォォォン――――――――――
まりしゃとれいむを乗せた箒が、女の子の所に凄い勢いで突っ込んでいきました。一面に土煙がもくもくと立ち上ります。
みんなは大丈夫なんでしょうか……?

「いてててて……れいむちゃん、だいじょーぶ?」
「あたたたた……うん、わたしはだいじょーぶだけど…………わあぁっ!?」
辺りをキョロキョロするれいむ。すると、少し離れた所に倒れている女の子を見つけました。
どうやら人形遊びをしていた女の子が、箒の追突の衝撃で吹き飛ばされてしまったようです。
驚いたまりしゃとれいむ、慌てて女の子の所に駆け寄ります。
「ねー、だいじょーぶー? おきてよー!!」
「ん……」
ゆっさゆっさ……何度も体を揺さぶると、女の子がゆっくりと起き上がりました。
どうやら無事のようですね、良かった良かった。
「あ、よかったぁ」
「いきなりほーきでぶつかっちゃって……ごめんなさい」
ぴょこっと二人、頭を下げて謝ります。しばらくボーッとしていた女の子でしたが、れいむの顔を見ると驚いて飛び起きます。
一体どうしたのでしょう?
「きゃあああぁぁっ!? れっ、れいむちゃん!?」
「? どーしてわたしのなまえ、しってるの?」
れいむはこの女の子に初めて会いますから、その子の名前は知りません。
でも、女の子はれいむの事を知っているようですね。
「あっ……えっと、その……」
「ねー、どーして?」
「う……あ……うぅっ……!!」
「あっ、おーい!」
あらあら、金髪の女の子、顔を真っ赤にして逃げちゃいました。そして、少し離れた所にある木に隠れてしまいました。
時々ちらっと顔を出したかと思うと、またすぐに引っ込んでしまいます。
「どーしたの? なんでにげるのー?」
「! う……うわああああぁぁぁんっ!!」
あ~、とうとう女の子、走ってどこかに行っちゃいました。人形もおままごとの道具もみんな放ったらかしです。
「んー、どーしたんだろう?」
「? ねーれいむー、これー」
まりしゃが、側に落ちていた人形を拾ってれいむに手渡します。
「これ、なんかれいむににてない?」
「そうだね、なんだかわたしみたい。……でも、なんでだろ?」
二人はあの女の子とは初対面です。訳が分からず、首を傾げる二人でした。




 それから、何かとあの女の子を見かけるようになりました。
見かけるといっても、二人が遊んでいると、その様子を遠くから眺めているだけなのですが。
「ねー、どーしたのー?」
「……………………っ!!」
それで話し掛けようとすると、やっぱり顔を赤くして逃げて行ってしまうのでした。
話も出来ず、れいむも困ってしまいます。
「うぅ~……なんでにげるの~?」
「うーん、もしかして……」
おや、まりしゃが何かに気付いたようです。
「まりしゃちゃん、どーしたの?」
「あのね……ひそひそ……ごにょごにょ……」
「うん、うん…………あー、そーなんだ!」
「だからね……」
「うん……いいよ、やってみよ!」
れいむの顔がパッと明るくなりました。何かいい考えでも浮かんだみたいですね。一体何をするつもりなんでしょう。



「れいむちゃん…………」
今日もあの女の子が、木に隠れてれいむをじっと見ています。もじもじしてないで、思い切って話し掛ければいいのに、
きっと恥ずかしがりやさんなんでしょうねぇ。その気持ちはとってもよく分かりますよ。

ガサッ――――――――――

「……?」
風も無いのに、木の葉が音を立てて揺れました。何だろう、と見上げる女の子。……すると!
「わっ!」
「きゃあっ!?」
突然木の上からまりしゃが降ってきて、女の子の後ろに着地しました。驚いた女の子、慌てて逃げようとしますが……
「どこいくの?」
「わぁっ!」
何時の間にか近付いていたれいむ、まりしゃと二人で女の子を挟み撃ち。逃げ場を失った女の子、凄くあたふたしています。
ここだけ見ると何だか苛めているみたいですねぇ。
「あのっ、そのっ、えっと……!」
おろおろしている女の子に、れいむがとてとてと近寄ります。後ろ手に何かを持っているようですね
「はいっ、これ!」
「~~~~~~~~~~!?
 …………あっ、それ……」
れいむが差し出したのは、一つの人形。
……そう、あの時女の子が置いていった、れいむそっくりの人形でした。
「あと、これもー」
まりしゃも、やっぱり女の子が置いていったおままごとの道具を取り出して、女の子に手渡します。
驚いて目を白黒させていた女の子でしたが、おずおずとそれを受け取ります。
「あっ、その……あ、ありがとう……」
「……えへへっ」
「……?」
「やっとおはなしできたっ!」
「!」
にっこりと微笑むれいむ。それに釣られて微笑む女の子。
「やっとわらってくれたね」
「……うふふっ」
やっと、女の子と普通にお話できました。いつも逃げられてましたものねぇ。
「ねぇ、どーしてわたしのおにんぎょうさん、もってるの?」
「えっ!? こ、これは、その……えと……」
「えーへーへー」
意味ありげな含み笑いを浮かべるまりしゃとれいむ。おどおどする女の子に、れいむがすっと手を差し出します。
きょとんとする女の子。
「あくしゅ、しよっ」
「……?」
「わたしたちと、おともだちになろうっ!」
「えっ!?」
「それとも、いや、かな……?」
「うっ、ううんっ! ともだち、うんっ、ともだちになるっ!」
慌てた女の子、首をぶんぶん振って、れいむの手を握ってぶんぶん振ります。微笑ましい光景ですね。
「おなまえは、なんていうの?」
「…………ありす」
「ありす……うんっ、おぼえた!
 じゃあありすちゃん、いっしょにあそぼっ!!」
「きゃっ…………あははっ!」
「おーい、ちょっとまってよー!」

 ありすの手を引っ張って走るれいむと、引っ張られるありす。その表情には、いっぱいの笑顔が詰まっていました。
内気で引っ込み思案のありすは、本当はずっとれいむとお友達になりたかったのです。
だけど恥ずかしがりやの彼女は、お人形で寂しさを紛らわせていたのでした。
元気な子も大人しい子も、お話すればみんなお友達! 仲良く一緒が一番ですよね。



-おしまい-




※次回予告

♪ランランラーンラーラー ランランラーンラーラー
   さくやは二人のお姉さん! 色んなお話をしてくれます。
   そのさくやおねぇちゃんからお花の種を貰ったよ! 早く大きくな~れ!
次回、魔法ょぅι゛ょまりしゃ・第三話!
「まだかな~? きれいなお花を咲かせよう!」
                じかいもおたのしみにな!
                        ♪ランランラーンラーラー ランランラーンラーラー

-つづく-
実は最終回まで話を考えてあったりして(ぉぃ
適度に投下します。
marvs
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コメント



0.1190簡易評価
1.50ななしです削除
次回作も期待してますよ!次はさくやおねぇちゃんの登場ですかー
2.50とおりすがり削除
ガバァッ!ゲボォッ!ブシャァッ!(激しく吐血、ヤバイ伝染病患者、しかも末期)
3.50名前が無い程度の能力削除
(*´Д`)
4.40すけなり削除
うぉ…、なんかこう回を進めるごとにハマッテいくような…そんな予感を抱かせる…