それにしても今日はいつもと売り上げが変わらなかったわー、まぁ赤字になるよりマシだけどさ。
今日はどんな客が来て何の話をしたっけな・・・・・・・・、余り覚えてないから一つの記憶の断片しか思い出せないけどまぁいいわね、このまま商い帳にしたためちゃえ。
「よう、主人、元気してるかー?」
と夜間遅く、やってきたのは永夜騒動の時に散々な目に遭わされた黒い魔こと霧雨魔理沙である。
「あぁ、全席開いてるから適当な所に座って、あとメニューはあるから適当に頼んで頂戴」
やってきた魔理沙に対し、基本の熱燗の準備をしながら答える屋台の主人ことミスティア。
準備をしているところに後ろから熱燗はいらないぜ、と声をかけられる。
そういうことは今みたいに早く言ってくれれば助かるわー、といいつつ熱燗の準備を中断し、鰻を洗いはじめる。
「何か注文は?せっかく来たなら何か注文していきなさいよね」
「ああ、鰻丼1箱頼む、さっきもいったが酒は自前で持ってきてるからいらないぜ」
「はいよ、酒を自前で持ってきてるならコップがあればいいわよね、はい」
注文を受け、注文の料理を作りつつ、置いてあったコップを魔理沙の前に置くミスティア。
「お、気が利くじゃないか、ありがとな」
「お礼は気持ちと注文をあわせてお願いするわー」
いつもの笑顔を浮かべながら例をいう魔理沙と率直な気持ちをだすミスティア、店のことを考えれば注文殺到ぐらいがいいのである。
本人はどのぐらいのバランスがいいかは解らない。
「はい、丼一丁あがりー、冷めないうちにどうぞー」
「おう、頂くぜ、ついでに主人もどうだ?一杯」
「ま、少量なら後にも響かないしもらうわ」
「それでこそ話のわかる店主ってやつだ、ほれ、遠慮せずに」
盛大に酒をのみ、店主に雑多な話をする魔理沙とそれにあわせる様に答えるミスティア、雑談も花開いてきた頃に新たな客人がやってきた。
「あら魔理沙、結構早いのね、ってまぁ宴会とか飲み食いする集まりの時はやたらと早いのは知ってるけど」
といいつつ暖簾をくぐり、魔理沙の隣に座るのは永夜騒動に続き、花の騒ぎの時にも酷い目に遭わされた紅白の巫女、博麗霊夢である。
「で、そちらは何を注文するのかしらー?」
「私は串焼き2本と熱燗1本お願いするわ」
「あいよ、串焼き2本と熱燗1本だね、早めに作るから黒いのと話しながら待ってておくれ」
注文を復唱、確認して、中断していた熱燗の準備と新しく鰻を取り出し、調理を始めるミスティア、一方客人の霊夢と魔理沙は色々な身の上話に興じている。
「で、例の魔法実験とやらはどうなったわけ?」
「ああ、アレか、理論上は概ね成功だぜ、後は実験に付き合ってくれる気のいい奴がいればいいんだがな」
「あんたの話を聞く限りはリスク高そうだからね、そうそういないと思うわー」
「そう、それが悩みなんだよ、門番あたりにでも無理やり飲ませてみるかな」
「実験は結構だけどあまりあの門番をいじめないようにしなよー、ちょっと前に話を聞いたらあの白黒に色々やられるのはもう嫌ですとか言ってたからね」
2人の話にちょっと前に聞いた話を思い出したので割り込み気味に参加するミスティア。
「そうなのか、でも私には関係ないぜ、魔砲撃ちこんで黙らせてから飲ませることにするさ」
店主の釘を刺すような言葉を聞いた上で何気に酷いことをさらりと言ってのける魔理沙、そこのところが彼女らしいといえばそうなるが。
「まぁあの門番は割と弱気の癖に耐久力だけは幻想郷でも1,2を争うんじゃないかしら」
と霊夢の評価であるが、彼女にとっての投げやり発言はかなり当たるので周りにとってはそれがいい行動の指針になったりするのである。
本人は気付いてはいないだろうが。
「はい、串焼きと熱燗お待ちどー様ー」
「あら、割と早かったわね」
「うちは注文を受けてから提供するまでの速さを売りにしてるからね、これぐらい当然だよ」
「そうなの、じゃあどんどん注文していこうかしら」
「お願いするわー、そうなれば私の腕も鳴るってもんよ」
その後続々と飛び交う注文に慣れた手つきでこなしていくミスティア、もう屋台ではなく、普通の店舗としてもやっていけるぐらいの腕前だと思うが彼女はあくまで屋台にこだわるらしい、というのは後ほど聞いた話である。
おおよそ1時間が過ぎただろうか、その頃にはやってきた2人の少女達はすでに酔いつぶれており、まともな言葉が話せていない。
「そろそろやめておきなよー、そこで寝られて御代滞納、っていうのはゴメンだからね」
「はいは~い、そろそろ払いますよーっと、ちょっと魔理沙、そろそろ帰るわよー」
「あー?もう帰るだぁー?私はまだまだ飲んでいたいんだよ」
「はいはい、酔っ払いの言葉は酔いどれ同士でやっとくれ、とにかくまずは御代を頼むよー」
酔いつぶれている割には正気を保っている霊夢と完全に酔いどれになってしまった魔理沙を見ると酒の耐性の個人差が見受けられる。
そんな2人から御代を受け取るとまたご贔屓にー、と2人を見送るミスティア。
時間を確認しようと古道具屋で譲り受けた時計を確認する。
「あら、もうこんな時間か、草木も眠る丑三つ時ーってね」
と夜雀の特性なのか歌いながら皿を洗い、徳利とお猪口を洗い、それが終わると鰻用の網を洗い、網焼き器の炭を出し、かなりの熟練を重ねたと思われる速度で屋台を片付けていくミスティア。
子の刻から始まり丑三つ時に終わった2人の少女の小さな小さな宴会も幕を閉じ、空に浮かぶ十五夜の満月を眺めながら今夜も中々楽しい夜になったもんね、と屋台の店主である前に一人の少女であるミスティアは夢想に耽っていた。
番外
「霊夢ぅ~、私はいったいどうすればいいんだー?」
「そんなもん知らないわよー、というかそもそも飲みすぎなのよー、私より酒に弱いくせに・・・・・」
と酔いどれ状態の2人は微妙にかみ合っていない会話をしつつ帰路についていた。
「うぅー、ぎもぢわるーっ、飲みすぎたぜ・・・・・・」
とか物凄い吐き気に苛まれている魔理沙と早くも酔いが醒め始め、普通の状態に戻りつつある霊夢。
「はぁーっ、だからあんたと2人で飲むのは嫌だったのよ、全く」
神社に近い道の脇でうずくまっている魔理沙と深いため息をつきながらあきれている霊夢。
しかしこの2人は友人であるからこそ片方を置いて行って帰る事はしない、それどころかこれも帰るまでが遠足理論で楽しんでいるのである。
「よいしょっと・・・・・、ほら、しっかりつかまって、もうすぐ神社に着くからそれまで吐くんじゃないわよー」
「ああ、悪いな、霊夢・・・・・・・・・うぇーっ」
魔理沙が吐き気を催してるため飛ぶわけにはいかず、霊夢自身も通ったことのない階段を上りながら自分の家、博麗神社に帰っていく霊夢。
たまには普通に階段を上ってみるのもいいわね、と思いつつ十五夜の満月を見つめる霊夢であった。
今日はどんな客が来て何の話をしたっけな・・・・・・・・、余り覚えてないから一つの記憶の断片しか思い出せないけどまぁいいわね、このまま商い帳にしたためちゃえ。
「よう、主人、元気してるかー?」
と夜間遅く、やってきたのは永夜騒動の時に散々な目に遭わされた黒い魔こと霧雨魔理沙である。
「あぁ、全席開いてるから適当な所に座って、あとメニューはあるから適当に頼んで頂戴」
やってきた魔理沙に対し、基本の熱燗の準備をしながら答える屋台の主人ことミスティア。
準備をしているところに後ろから熱燗はいらないぜ、と声をかけられる。
そういうことは今みたいに早く言ってくれれば助かるわー、といいつつ熱燗の準備を中断し、鰻を洗いはじめる。
「何か注文は?せっかく来たなら何か注文していきなさいよね」
「ああ、鰻丼1箱頼む、さっきもいったが酒は自前で持ってきてるからいらないぜ」
「はいよ、酒を自前で持ってきてるならコップがあればいいわよね、はい」
注文を受け、注文の料理を作りつつ、置いてあったコップを魔理沙の前に置くミスティア。
「お、気が利くじゃないか、ありがとな」
「お礼は気持ちと注文をあわせてお願いするわー」
いつもの笑顔を浮かべながら例をいう魔理沙と率直な気持ちをだすミスティア、店のことを考えれば注文殺到ぐらいがいいのである。
本人はどのぐらいのバランスがいいかは解らない。
「はい、丼一丁あがりー、冷めないうちにどうぞー」
「おう、頂くぜ、ついでに主人もどうだ?一杯」
「ま、少量なら後にも響かないしもらうわ」
「それでこそ話のわかる店主ってやつだ、ほれ、遠慮せずに」
盛大に酒をのみ、店主に雑多な話をする魔理沙とそれにあわせる様に答えるミスティア、雑談も花開いてきた頃に新たな客人がやってきた。
「あら魔理沙、結構早いのね、ってまぁ宴会とか飲み食いする集まりの時はやたらと早いのは知ってるけど」
といいつつ暖簾をくぐり、魔理沙の隣に座るのは永夜騒動に続き、花の騒ぎの時にも酷い目に遭わされた紅白の巫女、博麗霊夢である。
「で、そちらは何を注文するのかしらー?」
「私は串焼き2本と熱燗1本お願いするわ」
「あいよ、串焼き2本と熱燗1本だね、早めに作るから黒いのと話しながら待ってておくれ」
注文を復唱、確認して、中断していた熱燗の準備と新しく鰻を取り出し、調理を始めるミスティア、一方客人の霊夢と魔理沙は色々な身の上話に興じている。
「で、例の魔法実験とやらはどうなったわけ?」
「ああ、アレか、理論上は概ね成功だぜ、後は実験に付き合ってくれる気のいい奴がいればいいんだがな」
「あんたの話を聞く限りはリスク高そうだからね、そうそういないと思うわー」
「そう、それが悩みなんだよ、門番あたりにでも無理やり飲ませてみるかな」
「実験は結構だけどあまりあの門番をいじめないようにしなよー、ちょっと前に話を聞いたらあの白黒に色々やられるのはもう嫌ですとか言ってたからね」
2人の話にちょっと前に聞いた話を思い出したので割り込み気味に参加するミスティア。
「そうなのか、でも私には関係ないぜ、魔砲撃ちこんで黙らせてから飲ませることにするさ」
店主の釘を刺すような言葉を聞いた上で何気に酷いことをさらりと言ってのける魔理沙、そこのところが彼女らしいといえばそうなるが。
「まぁあの門番は割と弱気の癖に耐久力だけは幻想郷でも1,2を争うんじゃないかしら」
と霊夢の評価であるが、彼女にとっての投げやり発言はかなり当たるので周りにとってはそれがいい行動の指針になったりするのである。
本人は気付いてはいないだろうが。
「はい、串焼きと熱燗お待ちどー様ー」
「あら、割と早かったわね」
「うちは注文を受けてから提供するまでの速さを売りにしてるからね、これぐらい当然だよ」
「そうなの、じゃあどんどん注文していこうかしら」
「お願いするわー、そうなれば私の腕も鳴るってもんよ」
その後続々と飛び交う注文に慣れた手つきでこなしていくミスティア、もう屋台ではなく、普通の店舗としてもやっていけるぐらいの腕前だと思うが彼女はあくまで屋台にこだわるらしい、というのは後ほど聞いた話である。
おおよそ1時間が過ぎただろうか、その頃にはやってきた2人の少女達はすでに酔いつぶれており、まともな言葉が話せていない。
「そろそろやめておきなよー、そこで寝られて御代滞納、っていうのはゴメンだからね」
「はいは~い、そろそろ払いますよーっと、ちょっと魔理沙、そろそろ帰るわよー」
「あー?もう帰るだぁー?私はまだまだ飲んでいたいんだよ」
「はいはい、酔っ払いの言葉は酔いどれ同士でやっとくれ、とにかくまずは御代を頼むよー」
酔いつぶれている割には正気を保っている霊夢と完全に酔いどれになってしまった魔理沙を見ると酒の耐性の個人差が見受けられる。
そんな2人から御代を受け取るとまたご贔屓にー、と2人を見送るミスティア。
時間を確認しようと古道具屋で譲り受けた時計を確認する。
「あら、もうこんな時間か、草木も眠る丑三つ時ーってね」
と夜雀の特性なのか歌いながら皿を洗い、徳利とお猪口を洗い、それが終わると鰻用の網を洗い、網焼き器の炭を出し、かなりの熟練を重ねたと思われる速度で屋台を片付けていくミスティア。
子の刻から始まり丑三つ時に終わった2人の少女の小さな小さな宴会も幕を閉じ、空に浮かぶ十五夜の満月を眺めながら今夜も中々楽しい夜になったもんね、と屋台の店主である前に一人の少女であるミスティアは夢想に耽っていた。
番外
「霊夢ぅ~、私はいったいどうすればいいんだー?」
「そんなもん知らないわよー、というかそもそも飲みすぎなのよー、私より酒に弱いくせに・・・・・」
と酔いどれ状態の2人は微妙にかみ合っていない会話をしつつ帰路についていた。
「うぅー、ぎもぢわるーっ、飲みすぎたぜ・・・・・・」
とか物凄い吐き気に苛まれている魔理沙と早くも酔いが醒め始め、普通の状態に戻りつつある霊夢。
「はぁーっ、だからあんたと2人で飲むのは嫌だったのよ、全く」
神社に近い道の脇でうずくまっている魔理沙と深いため息をつきながらあきれている霊夢。
しかしこの2人は友人であるからこそ片方を置いて行って帰る事はしない、それどころかこれも帰るまでが遠足理論で楽しんでいるのである。
「よいしょっと・・・・・、ほら、しっかりつかまって、もうすぐ神社に着くからそれまで吐くんじゃないわよー」
「ああ、悪いな、霊夢・・・・・・・・・うぇーっ」
魔理沙が吐き気を催してるため飛ぶわけにはいかず、霊夢自身も通ったことのない階段を上りながら自分の家、博麗神社に帰っていく霊夢。
たまには普通に階段を上ってみるのもいいわね、と思いつつ十五夜の満月を見つめる霊夢であった。
いいのだ!!
たのしかったのよるだなーありがとう