Coolier - 新生・東方創想話

『幻想郷の訪問作法』

2006/06/05 00:12:44
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 初夏の幻想郷に雨が降り注ぐ。

 のびやかだった春は過ぎ、やがて蒸し暑き夏になろう。

 そんな梅雨の幻想郷の、住人達の訪問歴。



 (終了まで結構お時間かかりますので、その間にくずきりでもどーぞ)

















 












『霧雨邸の場合』



 深い森の中。

 雨がしとしとと降り、紫陽花の花を叩いている。

 雨の音に混じって、こんこーん とドアをノックする音も聞こえた。

 「魔理沙、いるかしら?」

 鬱蒼とした森の中にひっそりと立つ洋館。

 霧雨邸の門を叩いたのは偽りを飾る人形遣い――アリス・マーガトロイドだった。

 「残念ながら留守だな。 年を改めて訪問すべし とか魔理沙が言ってた」

 「どう聞いても魔理沙の声に聞こえるんだけれど」

 「ん? 8倍速再生とか12分の1速再生とかは試したか? 別人のはずだ」

 「そりゃ別人に聞こえるだろうけれど。 まあいいわ。 入るわよ」

 そう言ってアリスはドアを押し開こうとした。

 が、何故か開かない。

 「?」

 「ああ、そうそう」

 霧雨邸の中から声が発される。

 アリスは些細なことながら思い出した。

 この扉は押すのでは無く、引けば開くものなのだと。

 こんな単純なことを間違えてしまった自分がバカみたいである。

 「今、玄関は



  どががしゃーん がしゃーん ずざざー がこっ ごととん ごとっ べきっ



  ……荷物が山積みだから、二階の窓から入ってくれんかね」

 霧雨邸からの声に、外から返事が返ってくる様子は無かった。






























『上白沢宅の場合』



 小さな人間達の里が一望出来る、小高い丘の上。

 そこに雨に打たれる民家が一つ、ぽつんと建っていました。

 ぐわりと深い森に呑み込まれかけていて、その柱の一本々々は大層古びています。

 雨がぱらぱらと藁葺きの屋根を、ぱしぱしと嵌め殺しの窓を打ちます。

 そんな民家の窓に面した執務机。

 そこに、僅かな日光を頼りに書をしたためる少女が座っていました。

 黴びた歴史の編纂者――上白沢慧音は、筆するのに疲れたのか硯に筆を置き、軽く一息つきます。

 そして何気ない顔で、窓の外のくぐもった雨空を見上げました。
 


 がんがんがんがん



 そしてぽかーんと、急須の中のお茶が無いことに気づいた巫女のような顔をするのでした。

 彼女の目の前で逆立ちするように窓に張り付きながら、

 額をがんがんがんがんと打ち付けているのは、色々と危なっかしい氷精――チルノでした。

 おい、止めろ、止めるんだ。 と、慌てた慧音は、額から血を流しながらも窓に頭を打ち続けるチルノに言います。

 チルノは声をかけられたことに気づいたのか、顔をゆらりと上げ。

 もう一度躊躇無く窓に頭突きを喰らわしました。

 がっしゃーんとはじけ飛ぶ窓ガラス。

 その破片と共にチルノは民家の中に転がり込みます。

 慧音は3歩ほど後ずさりしながら、大変困惑したような目でチルノの姿を追いました。

 あたい悔しいいいい! と、チルノは叫びながらごろごろ床を転げ回っています。

 辺りは砕け散ったガラスの破片だらけ。

 そんな床をごろごろと転がり回る彼女の姿は痛々しすぎて、慧音はそれ以上見ていることができません。

 と、とりあえず落ち着け。 一体何の用だ? と、慧音はそっぽ向けた顔を青くしながら尋ねます。

 チルノはしばらくの間、いだー! 痛い痛い痛い痛い! 何よこんちくしょー!

 などとそんなことばかり叫びながら、痛みに悶えて転がり続けました。

 しばらくの間叫んでいましたが、それにも疲れたのか、やがて転がるのをやめました。

 彼女は体を起こし、ちょこんと座り込みます。

 そして慧音に、何故この家の窓を突き破ってごろごろと転がりたくなったのかを、酔っぱらいの愚痴のように話し出すのでした。

 以降、長々と続いた彼女の愚痴というのは、慧音がざっとまとめるとこんな内容でした。



 ――発端は、この前の冬にレティと会った時のことでした。

 湖の上で、チルノはレティとばったり出会いました。

 そして何を思ったのか、いきなりレティに自分の方が冬に相応しいと突っ掛かったのです。

 チルノには悪気などこれっぽっちもありません。 単純にそう思ったから突っ掛かってみただけです。

 いちゃもんをつけられたレティはというと、反論などしませんでした。

 ええ、そうね。 と呟き、こう続けます。



 「頭の寒さという意味では、私あなたに勝てそうにないもの」



 言われた直後、氷が溶けて水になってしまいそうなほど熱い弾幕合戦になったそうな。

 結果は両者痛み分け。

 チルノは悪態を吐いてレティと喧嘩別れしました。

 その後。

 蛙を凍らせてはぱきーんと割ってみたり、木を丸ごと一本凍り付かせてはぱきーんと割ってみたり。

 チルノは目一杯遊んでみましたが、気分は一向に晴れませんでした。

 春が来て、レティが消えて、草が芽吹いて、桜が散って。

 時が経ち、チルノはようやくそんな冬の出来事を忘れることができました。

 なんてったって春だもの。 嫌なことなど忘れて遊ばなくては損です。

 彼女は嬉々として蛙を凍らせてはぱきーんと割り、

 木を丸ごと一本凍り付かせてみてはぱきーんと割り、遊びます。

 そんな折、チルノは湖上を飛んでいく紅魔館のメイド長を見かけました。

 その澄ました顔がなんだかむかついたので、撃ち落とすことに決めました。

 単純にむかついたからです。 それ以上の理由はありません。

 尋常に落ちなさい! とメイドに声をかけ、きしゃーと襲いかかろうとしたその矢先、



 「あなたのような頭の寒いのと遊んでる暇は無いわ」



 メイドの発した言葉はナイフより深く、的確にチルノのはーとに突き刺さりました。

 なんだか目の前が真っ白になっていきます。

 チルノは結局ごっぽーんと湖に頭から墜落して、危うく全身が水に溶けそうになったところで浮かび上がりました。

 後は傷ついたはーとを抱えたまま、がむしゃらに幻想郷中を飛び回ります。

 神社の賽銭箱に頭から突っ込んで抜けなくなりそうになったり、

 竹藪の中で筍よりも深く地面に埋まってしまったり、

 昼間っから飛んでいる夜雀にぶち当たったり。

 そしてがむしゃらに飛び回る内に見つけた小さな民家。

 そこの窓ガラスに頭でも打ち付ければ少しは気分が晴れるような気がして、がんがんがんがんと打ち付けてみたのだそうな。

 結局、晴れたのはチルノのおでこだけでした。

 気分なんてちっとも晴れやしません。



 以上。

 慧音がチルノの身に起きた出来事をわかりやすく頭の中で並べ替えたものです。

 実際のチルノの説明は、もっと支離滅裂で罵声混じりのわかりづらいものでした。

 慧音は溜め息をつきながら、迷惑そうな顔でこう尋ねます。

 ――で、私に用事は無いのだな? 

 チルノはこう答えます。

 ――むかつくから、あんた射的の的ね。









 
 その後。

 そんな嫌な歴史は、他人に見えないように隠してやるから、頼むから暴れてくれるなあ!

 などと交渉した慧音の努力も虚しく、民家は隅から隅まで凍り付いたそうな。






























『無縁塚の場合 前編』



 闇夜の冷えた空気が肌を伝っていく。

 私は地べたにあぐらをかいて座り込み、満天の星空を眺めていた。

 月は見えない。

 夜の主役がいない舞台には、たくさんの星達が輝いていた。

 「風流かな~」

 そう呟いて、瓢箪をラッパのように口にくわえる。

 ぐびり ぐびり と、自分の喉を酒が伝っていく音。

 「肴はアレって訳ねぇ。 用意いいじゃないのひゃっ」

 隣に座るツインテールの死に神ちゃん――小野塚小町の声がしゃっくりと混ざって変なことになった。

 ぐでんぐでんに酔っぱらってるね。

 「そうそう」

 相づちを打ちながら、私はもう一度酒を口に含んだ。

 景色のいいこの場所は無縁塚。

 目の前には大らかに揺れる桜が。 周囲にはたくさんの墓が、まるでアンティークのように並んでいた。

 頭上には月の無い夜空。 その夜空の中で、でかい蛍がでかい猫にじゃれつかれている。

 蛍はぱしっと落とされてはぴかぴか光って抵抗するも、またぱしっと落とされる。

 儚いからこそ美しいとか言ってみる。 南無さん。



 ……先刻の事、私は辺りを適当にほっつき歩いていた。

 もちろん理由も無くほっつき歩いていたわけでは無い。

 酒の肴を探す為である。 ……そこ、ろくでもない理由だとか言わない。

 そうして当てもなくほっつき歩いていた私は、訪れたここの景色があんまりにも綺麗だったので座り込んだのだ。

 そうしてぐびぐびやっていたら死に神ちゃんがやってきた。

 最初は、ここに居座ってもらっちゃどうだのこうだの言っていたが、

 酒を勧めてみたら途端に目の色が変わり、いい飲みっぷりを見せ付けてくれた。

 今は隣でべろんべろんである。 相当酔っているのか大杯を振り回している。

 仕事中じゃないんだろーか。 いい加減なものである。

 勧める私もいい加減。 受け取るあちらもいい加減。

 いい加減とは怠慢だ。 いい加減とは清涼剤。

 いい加減とは叡智の結晶。 いい加減とは調整剤。

 いい加減って素晴らしい。 いい加減三昧。

 ……酔ってるなあ私。

 「蛍見酒ってのはあたい初めてよ~」

 「風流なもんねー」

 相づちを打ちながら、死に神ちゃんの杯に酒を注いでやった。

 目の前では延々と、蛍が落とされてはぴかぴかと光って抵抗している。

 蛍は本気で光っているようなのだが、猫は余裕しゃくしゃくの顔。 オモチャにされている。

 蛍がほんのちょっと可哀想な気がしないような、するような、やっぱりしないような。

 なんでちっとも可哀想な気がしないのだろう。 不思議である。

 そんなことを考えながら酒を口にした。

 ごくり ごくりと、喉を熱い液体が伝っていく。

 ……ああそうか。

 丸くて黄色い光が豆に似てるからだ。 たぶん。






























『紅魔館 門の場合』



 6月△日の日記 どしゃ降りの雨


 いつも通り門の前に立っていました。

 今日は誰も来なかったです。

 昼過ぎから雨がざばざばと滝みたいに降りました。

 寒かったです。 服も体もびちょびちょになりました。

 うう、寒気が……。

 風邪を引かないように、太極を入念に練ってから寝ることにします。










 6月○□日の日記 ぽかぽかお天気


 いつも通り門の前に立っていました。

 今日も誰も来ませんでした。

 空は青。 陽射しはぽかぽか。

 なんだかいいお天気だったので、眠たくなってしまいました。

 このまま1時間くらい眠ってしまいたいなあ、なんて邪念が頭をよぎった瞬間、館からナイフが飛んできました。

 避けられません。 咲夜さん痛いです。

 お陰できっちりと目が覚めました。









 
 6月○△日の日記 ぐわわーんな曇り のち 雨


 いつも通り門の前に立っていました。

 今日は珍しく来客がありました。

 黒い髪の小兎さんでした。

 「ねえ、ここのお嬢様が大変希少品好きだって聞いたから来たんだけれど。

  ……ここだけの話、実は希少なフウランの花が入手できるルートがありまして――って、あ、ちょっと待ってよ、ねえ、あー」

 とりあえずお引き取り願いました。 願ったというか実力行使ですが。










 6月○×日の日記 ぽつぽつ雨 後に晴れ夜空


 いつも通り門の前に立っていました。

 ぽつぽつと雨が降る一日でした。

 昨日の小兎が門の壁を乗り越えようとして、結界に弾かれてへぶぅ! とか悲鳴を上げていました。

 とりあえずつまみ出します。

 次に小兎は門の下の地面を掘り出しました。

 地面をえぐって門の下をくぐろうとでも思ったのでしょうか? とりあえずつまみ出します。

 それでも小兎は懲りないようで、次は正門、つまり私のところに来ました。

 しばらくの間、何をするでもなく私の前に突っ立っていました。

 その黒い髪と服は雨に濡れて湿っています。

 やがてついーっと上げた顔は今にも泣き出しそうで、私を上目遣いに見て、

 「……ねえ。 お願いだから入れてよ……」

 なんて涙声で言ってきました。

 ……正直に述べると、あんまりに可哀想なので一瞬門を通してしまおうかなーなどという迷いが生まれましたが、

 職務怠慢などすれば咲夜さんにお仕置きされるのが目に見えています。

 実力行使でお引き取り願ったら、何故か館の方からナイフが飛んできました。

 とても痛いです咲夜さん。

 さぼってないですさぼってないです。

 涙声とかは演技だったのか、その後怒った小兎に回し蹴りを入れられるわ咲夜さんから3日間食事抜き+業務追加を告げられるわ散々でした。

 ああ……明日からご飯どうしよう。










 6月□◎日の日記 蒸し蒸しとした晴れ

 
 ……ようやくまともな食事にありつけました。

 都合日数が増えて5日ぶり。

 スープの暖かさが身に染みます。

 気づかない内に頬を熱い水滴が伝って……はあ。 なんだか嬉しいやら悲しいやら。

 ちなみに業務のほうは追加されたままです。

 追加業務というのは、朝5時から夜12時までの通常業務(門番)に加え、

 フランドール様の遊び相手を夜の3時まで務めることです。

 ええ。 遊び相手です。

 「今日は、弾幕ごっこして遊びたいなー」

 とは後生だから言わないでください。 切に願います。

 ……ああ、私はなんて不誠実な門衛だろう。 そんな事を思うべき立場では無いとわかっているはずなのに。

 でも、やっぱり弾幕ごっこだけは勘弁して欲しいです。 ……フランドール様に面と向かってなんて言えませんが。










 6月□△日の日記 ぽかぽかな晴れ だと思う


 日記を書いている現在も頭がくらくら。

 今も目を閉じれば星の瞬きのような弓矢の光が見え、レーヴァテインが風を斬る音が聞こえます。

 今日もいつも通り門番の業務についていたら、なんだか眠たくなってきました。

 先日、妹様の調子がとても良かったお陰でふらふらなのです。

 綺麗なお花畑と涼やかに流れる川の白昼夢が見えたところで、背中にぐさぐさぐさっとナイフが刺さって目が覚めました。

 咲夜さんありがとうございます、職務を怠慢してしまうところでした。 とても痛いです。

 ……そうしてしばらく門前で立っていた後、なんてことでしょう。 まったくたるんでいる。

 私は業務中に倒れてしまったらしいのです。 門壁にぐったりともたれかかっていたそうな。

 運ばれた自室の中で目覚めた私を、パチュリー様のしもべの小悪魔が迎えてくれました。

 私はすぐに業務に戻ろうとしたのですが、小悪魔に止められます。

 何やらよくわからないけれど、過労と栄養失調、自律神経失調症やら肋骨骨折、

 前腕ガングリオンだとかその他諸々問題があるらしいので、今日は休暇を取れ。 とのこと。

 ガングリオンってなんでしょう。 語感からすると変形合体でもしそうな気がします。

 休暇を取れたのは嬉しいのですが、しかし何をすればいいのやら。 さっぱりわかりません。

 そう言う訳でこの日記をとりあえず書いています。

 まだ陽が昇っているのか、部屋の中はぽかぽかあったか。

 これから空いた時間どうしましょう。

 どうすればいいのか思いつかないので、倒れている間に見た夢のことでも書くことにします。

 私は門の前に立っていました。 いつも通りです。

 そうしたら空の向こうに黒い点が映ったのでした。

 夢の中でも疲れているのか、視界がぼやけて黒い点が5つぐらいに分身してました。

 かと思った次の瞬間、物凄い勢いで黒い点は大きくなって、私にぶつかりました。

 隕石みたいなのがぶつかる夢は初めてです。

 そうしたら目の前が真っ暗になりました。

 夢の中で意識でも失ったんでしょうか。 変な夢です。

 「よう。 お前はえーと。 うん、アレだ。 紅魔館の門番だな」

 私が意識を失っている間、頭の中に何故か真っ黒い魔法使いの声が響きました。

 ……名前を忘れられてました。

 夢の中だというのに気持ちが沈んで、一気に力が抜けてしまいました。

 「今日もお仕事お疲れさんっと。 たまには彼岸にでも休暇旅行に行ったらどうだ?

  まあ、言われなくても手伝ってしまったようだな」

 相変わらず意味のわからない言動です。

 でも夢の中とはいえ、気遣いの言葉なんて受けたのは何ヶ月ぶりでしょうか。 涙が出そうでした。

 「それじゃ、私は大した用事があるので失礼するぜってうわ、やめろ掴むな、眠ってないのかこのっ?」

 全く意味のわからない言動を最後に、魔法使いの声は聞こえなくなりました。

 そこで夢の内容はがらっと変わりまして。

 綺麗なお花畑とか青い空とか川とか色々見えたのですが、なんだか思い出してはいけない気がします。

 これ以上の記述は避けることにします。

 ……って、ああ。 しまった。

 夢の記述を終えたらすることが無くなってしまった。

 明朝5時の務めまでまだ時間はたくさんあるというのに。

 …………。

 ……よし、今日は最近やってない骨法の習練でも積むとしよう。

 そもそもこんなに頭がくらくらするのは、体力が追いついてない証拠なのだ。

 日々精進。 基礎鍛錬こそ道の元。

 それでは早速始めるとします。










 ※          ※          ※










 ぱたん。

 と、質素な日記帳が閉じられた。

 日記帳に封をする為の赤い紐を掛け直すのは、幻影の銀色メイド――十六夜咲夜。

 次に咲夜は、傍らにあるベッドに目をやった。

 そこには赤い髪を三つ編みにしたり腰の辺りまで伸ばしてみたりしている、紅魔館の門番が眠っていた。

 幸せそうな顔で、すやすやと寝息を立てている。

 咲夜はその顔をぐいっと覗き込む。

 顔と顔。

 二人の距離はお互いがくっついてしまいそうなほどに近い。

 しかし咲夜が息をする気配も感じさせないせいか、それとも門番が疲れ切っているせいなのか、

 門番が気づいて目を覚ますことは無かった。

 綺麗な顔立ち。

 健康そうな色の肌は、先日限界ぎりぎりまで働いてぶったおれた人妖の物とは思えない。

 「……す、」

 突然、門番の柔らかそうな唇が動き、

 「すいませぇーん……咲夜さ……ん……さぼって、さぼってないですぅ……」

 寝言を発した。

 咲夜は全くと言っていいほど動じる素振りを見せない。

 ただ、ぴくりと眉を動かすばかりだった。










 すっと、衣服に何かがこすれる音がして。

 きらりと光った銀色の――

 「起きなさい美鈴!」

 ナイフが門番の耳元をかすめ、枕元に突き刺さった。

 ひゃあ! と悲鳴を上げて門番が飛び起きる。

 「ごめんなさいすいません申し訳ありません、寝坊しませんしてませんさせません」

 「朝よ。 とっとと仕事をなさい」

 「はい申し訳ありませんすぐに、すぐに始めます!」

 「ええ。 それじゃ」

 そう呟いた瞬間、咲夜の姿はまるで幻でも見ていたかのように消えてしまっていた。

 枕元に刺さっていたはずのナイフも消えている。

 時間でもいじったようだ。 現れるのも立ち去るのも素早い。

 部屋の中には慌ただしく寝間着を着替える門番だけが残された。

 緑を基調としたチャイナドレスをせわしく身に纏う。

 その手がくたびれた緑色の帽子を掴み、

 「……そういえば」

 動きを止めた。

 門番の頬が緩む。

 「名前呼んでもらったの、久しぶりだなぁ……」

 帽子を胸に掻き抱き、虚空を仰ぎ。

 これ以上無い程に幸せそうな笑みを浮かべて、彼女は呟いた。

 朝の空気が籠もった静かな部屋の中。

 その満面の笑みの中心、つまり額。

 そこに前触れもなく銀のナイフが突き刺さった。 ぐさりと。

 ぷーっと、血が鯨の潮吹きみたいに吹き出る。

 「痛ぁぁぁぁーーーー! ごめんなさい咲夜さんすぐ準備しますごめんなさーい!」

 門番はナイフを引き抜きながら、再度せわしく準備を始めた。

 今日訪れるかも知れない来客に、お引き取り願う為の準備を。

 



 
























『博麗神社の場合』



 雨が降っている。

 しとしと しとしと しとしと と。

 雨は木の葉を叩き、鳥居を打ち、屋根を伝う。

 石畳に当たり、跳ね返り、地面を静かに流れていく。

 まるで小さな川。

 そんな風にてろてろと水が流れていく様を、楽園のお茶呑み巫女――博麗霊夢は縁側に座って眺めていた。

 手に持つ湯呑みを口へと運ぶ。

 お茶を静かに飲み干すと、湯呑みをことり と盆に置く。

 そして一息つく。

 何も音は聞こえない。

 神社のあらゆる物が、無数の水滴を受け止める音以外は。

 そんな雨の降り注ぐ音に混じって、こぽこぽと急須から、新しい茶が注がれる音が聞こえた。

 湯気の立つ湯呑みを抱えながら、霊夢はぼうっと神社の鳥居を眺めている。

 正確には鳥居の向こう、灰色の空を。

 一面に広がる鉛色の雲に覆われ、太陽は顔を覗かせていない。

 絶え間なく雨が降る。

 がらんとしている神社の境内。

 「雨もいいわね」

 ぽつりと、寂れた神社の巫女がそんなことを呟いた。

 今日も平穏である。

 参拝客など一人もいない。






























『紅魔館 ヴワル魔法図書館の場合』



 小さな円卓の上。

 そこにはかわいらしいバラの花が描かれたティーカップが置いてある。

 横には、『図解! ギリシア神話の多重三角関係。 アフロディテを巡る愛憎劇!』

 などと表紙に書かれた胡散臭くて薄っぺらい書物も。

 そんな休日の午後が似合いそうなお茶道具が載せられている円卓は、

 「……ふう」

 巨大な図書館の片隅に置かれていた。

 溜め息をつきながら、円卓に置かれたティーカップを細い指で掴む。

 眉間に小さくシワを寄せ、憂鬱そうな顔を作るのは日陰と月明かりの七曜――パチュリー・ノーレッジだった。

 音を立てずに、中に淹れられた緑茶をすする。

 何故緑茶なのだろうか。

 そして傍らにあった、図解ギリシア神話の多重云々と書かれた表紙の本を開く。

 何故図解で三角関係なのだろうか。

 ともかくも読み始めた。










 「そこ。 右手を伸ばしきると高電圧猫イラズよ」

 唐突に、本を読んでいたパチュリーが呟いた。

 静かな図書館の中に彼女の小さな声が響き渡る。

 やがて、パチュリーの物では無い声が返ってきた。

 「……ここは一体幾つトラップがあるんだ? これじゃ安心して陰干しすることも出来ないぜ」

 「何を干すつもりよ」

 そう言って、パチュリーは暗いが為に顔に近づけて読んでいた本をぱたりと閉じた。

 広くなった視界の中央、図書館の虚空には、

 「また背が縮んだみたいだな」

 久遠に本を借る者――霧雨魔理沙が箒に乗って浮かんでいた。

 パチュリーの背が本当に縮んでいたかは置いて、魔理沙が続ける。

 「なんで私が、トラップを解除して本に触れようとしたってわかったんだ?」

 「壊すつもりだったの? ……猫イラズを多重に仕掛ける必要があるわね」

 そう呟きながら、パチュリーは先程のギリシア神話云々という表紙の本をぶん投げた。

 突然の事。

 本は勢いよく魔理沙の横を通り過ぎ、奥にあった本棚の中段、左端に激突する。

 掃除の行き届いていない図書館内に埃が煙幕のように舞い上がった。

 「おっと乱暴だな。 天然物の煙幕だなんて、大抵物騒な物に決まって……ん?」

 煙幕の中、赤い光が一点に灯っていた。

 ちょうどギリシア云々がぶつかった箇所である。

 怪訝そうな顔の魔理沙の後ろでは、パチュリーが舞い立つ埃のせいでげほげほげほげほと喘息の発作を起こしていた。

 「……なんだこりゃ?」

 「げほげほげほ感知げふっ猫イラズもげほ置いてみたのげほっけほけほ。

  ……ふう。 炸薬猫イラズと組み合わせれば面倒が少ないわ。 けほっ」

 「断じて置くな。 私と本が吹っ飛ぶだろう?」

 「そうね。 げほっ! もうちょっとネズミの処理法は考える必要があるわね」

 パチュリーの返答を聞いて、魔理沙は深い溜め息をついた。

 溜め息をつきながら、箒が円卓と同じ高さになるまで高度を下げる。

 地面に飛び降り、軽やかに着地した。

 そして尋ねる。

 「ところで、私に気づいたのはいつだ? この感知トラップとやらで」

 「けほっ! ……こほん。

  門の番犬にあなたが勢いよくぶち当たった時点ですぐに小悪魔が知らせに来てくれたわよ。

  ここまで衝突音が聞こえたし、それ以前の問題かしらね」

 「ああなるほど。 感知トラップは必要無いな」

 「そうね。 ……それにしても、ウチの犬と猫はザルねぇ。 再教育しようかしら」

 そう言いながら、パチュリーは分厚い辞典を取り出した。 教育方法でも調べているのか。

 「おお、今から教育してくれても構わないぞ? さあさ、教育しに行ってくれ」

 「ええ。 ……目の前のネズミを、本を盗まないような律儀ネズミに教育する方法は、と」

 「……やれやれだな」

 魔理沙はそう呟きながら、帽子を目深に被り直した。

 再び箒にまたがる。



 やがて火花が散る。

 ここはヴワル魔法図書館。

 彼女達にとっては、図書館と書いて戦場と読む場所である。






























『無縁塚の場合 後編』



 「サボりがなんだー! 仕事がなんらー! お酒う゛ぁんじゃーい!」

 「ばんばんざーい」

 夜桜。

 見事な紫色の花は、風が吹く度にゆらりゆらりと揺れる。

 ここは無縁塚。

 その一角でどんちゃん騒ぎを巻き起こしているのは、

 「あははははははははははははははは! 寿命の限り遊ばないと損よねー!」

 三途の川の浮かれた渡し番――小野塚小町だった。

 「そーそー」

 その横で頷きながら瓢箪ごと酒を口にするのは、霧散と集塵の二本角――伊吹萃香である。

 二人とも相当酔っている。 片方は特に。

 「どぅあっははははははははは! 週休5日でもいいじゃらーい!」

 小町は辺り一帯に響き渡りそうな馬鹿笑い。

 「いいじゃなーい」

 相づちを打つ萃香はのほほんほろ酔い。

 「3時間勤務でいいじゃなーひ!」

 「いいじゃなーい」

 「仕事がッ! 仕事がなんだァァァァーーーーー!」

 「仕事がなんだー。 ところで死に神ちゃん」

 「ひぇ? 何?」

 突然、相づちを打っていた萃香が切り返した。

 乗りに乗っていた勢いを削がれ、小町がきょとんとした顔をする。

 萃香は小町の後ろを指差しながら尋ねた。

 「後ろのちっこいのは誰? あんたの知り合い?」

 小町の顔から、急に酒の色が抜けた。

 赤から肌色、いや青へ、すーっと顔色が変わる。

 「ああ、これは失礼しました。

  お二人が余りにも楽しそうだったので、声をかけるのを躊躇ってしまいまして」

 聞き覚えのある声。

 それは小町のすぐ後ろから発せられていた。

 小町の肩ががくがくと震え出す。

 「私は四季映姫と申します。 ここは、とても綺麗な場所でしょう?」

 「うん、綺麗ねー。 酒の量もついつい増えちゃう」

 萃香がのんびりと応えた。

 小町の歯がかたかたと鳴る。

 「ええ、ついついお酒を口にしたくなりますよね」

 「そーそー」

 がくがくがくがく。

 かたかたかたかた。

 小町の震えは止まらない。

 「でもすみません。 ここは誰かが立ち入ってしまうと後々面倒な事になるんです。

  お楽しみのところ申し訳ありませんが、今日はそろそろ……」

 「ああそなの? ……まあ充分楽しめたからいいや。 それじゃ死に神ちゃん。 またねー」

 そう言って萃香は立ち上がり、小町に向かって笑顔で手を振った。

 かと思うと、その姿はあっという間に、霧のように霧散してしまった。

 消えた。

 後に残されたのは、がたがたと震える小町と、

 「…………」

 「…………」

 その背後に、にっこりと微笑んで立つ夜魔天だけだった。






























『永遠亭 薬師の間の場合』



 こんっ とドアをノックする音。

 「誰ですか?」

 「メディスンよ」

 「ああ、師匠は今はいないけど、どうぞ」

 がちゃり、とドアが開けられた。

 部屋の中に入ってきたのは香る鈴蘭の毒気――メディスン・メランコリーだった。

 手に持つ枯れ草で編まれた籠の中には、まだ根に土の付いた鈴蘭が入れられていた。

 「お師匠さんはいないの」

 「そうよ」

 短く応えるのは赤より紅い眼の兎――鈴仙・優曇華院・イナバ――愛称の略称ウドンゲ。

 そのしなびたような耳がぴくんと動く。

 ウドンゲが少し顔をしかめて聞いた。

 「今日のは、一段と毒性が強いみたいね」

 「あら、わかる?」

 メディスンがくすりと笑った。

 微笑みながら籠の中の鈴蘭へと視線を移す。

 「今は鈴蘭達の花が咲くから。 毒はこの白い花に多く含まれているの」

 「はあ。 そうなの。 眼がしくしくするし耳がひくひくするわ……」

 「薬と毒を扱うのに過敏症なの? 大変ねえ」

 「あー、いやー、師匠の新しい薬のせいかも知れない。

  なんだか目眩がして耳が過敏に、って耳を触らない!」

 「あらごめんなさい。 ひくひくしてるからつい」

 メディスンはくすくす笑いながら手を引いた。

 ウドンゲがそーっと確かめるように耳を触る。

 「だからって触るな。 全くもう」

 「ふふ。 それじゃ私は帰るわね」

 「あ、ちょっと待って。 お代忘れてるわよ」

 「今度、鈴蘭達で作った薬を分けてくれれば、それでいいわ」

 ぱたりとドアが閉まった。

 せわしい訪問客である。

 ウドンゲは、ふうっと溜め息をつき、もう一度自らの耳を撫でた。

 「……あら、かぶれてる……」

 撫でながら、そんなことを呟いた。






























『紅魔館 館主の部屋の場合』



 がしゃーん。

 花瓶が割れた音ではない。

 ドアを勢いよく開けて、

 「お姉様」

 小さなデストロイヤ――フランドール・スカーレットが部屋に入った音である。

 ドアが壁にめり込んでいる。

 部屋は真っ暗。

 小さなステンドグラスの窓から、僅かばかりの月明かりが射し込む。

 昼間、日光を遮る為のカーテンは、今は窓の脇に束ねられていた。

 フランドールはてくてくと歩いていく。

 窓際で立ち止まり、そこから外の景色を眺めた。

 真っ暗闇。

 頭上に広がる空は黒く、眼下に広がる森は黒い。

 湖の水も地面の土も森の木々も夜の空も黒い。

 全てが真っ黒な世界の中。

 大きな満月だけが、紅かった。

 「フラン」

 短く声が響く。

 フランドールは声の聞こえた方へと振り向いた。

 「部屋に入る時は断りを入れなさい」

 視線の先の闇に埋もれていたのは、紅き夜の主――レミリア・スカーレットだった。

 ベッドの中で上半身だけ起こし、眠たげに目を擦っている。

 よく見ると、窓の外の月は西へと沈みかけていた。

 もう少しで朝になるだろう。

 「えーっと。 断りって否定のことだから、否定を入れる……議論譲歩?」

 「言い方が悪かったわね。 ドアをノックすればいいのよ」

 「ああ、なぁーんだ」

 新しい事をまた一つ理解して、フランドールは嬉しそうに微笑んだ。

 レミリアの、その前にドアを修理しなきゃね という溜め息を伴った呟きは聞こえていない。

 「ねえお姉様」

 「何?」

 「……一緒に寝てもいい?」

 ぷっ。

 「あー、お姉様笑ったわね」

 「……まだまだガキねぇ」

 「酷いーお姉様ったらー。 ……で、寝ていい?」

 「勝手にどうぞ」

 そう言ってレミリアは再びベッドに沈み込んだ。

 ぴくりとも動かない。

 フランドールはというと、嬉しそうに、にかーっと笑っている。



 てくてく。

 てくてく。

 てくてく。

 …………。

 …………。

 ごろん。

 …………。

 わさわさ。

 わさわさ。

 …………。

 …………。

 …………。

 …………。

 …………。

 ……ちゅー。



 「きゃ! フラン!」

 「あはー」

 「いきなり血を吸わないの!」

 「あははごめんなさいお姉様」

 「……反省してないわね」

 「いえいえそんなことは」

 「……ふう。 ダメよ絶対」

 「はーい。 お姉様」

 「…………」

 「…………」










 夜が去り、やがて朝が来る。

 妖怪達は眠りにつき、人間達が目を覚ます時間。

 吸血鬼達にとっては、忌まわしき太陽が昇る時間である。






























『むえんづかのばあい らすとじゃっじめんと』



 ここはむえんづか。

 とてもきれいな、むらさきいろのさくらがさいているばしょ。

 そんなむえんづかのじめんにせいざして、こうべをたれているおんなのこがいます。

 「ごめんなさいえーきさま。 にどとしません」

 おんなのこはあかいかみをゆらしながら、りょうてをまるでおいのりでもするようにくみながら、こんがんしました。

 「まずあなたのざいじょうをのべましょう。 おさけをのんでさわいでいたことです」

 せのちいさなえんまさまが、れいこくなこえでいいました。

 おんなのこはふたたびこうべをたれます。

 えんまさまはやっぱりみのがしてくれないようでした。

 おんなのこはびくびくかたをふるわせながら、えんまさまのせんこくをまちます。

 「ざっくばらんにいうと。 じつはこれ、あくぎょうではありません」

 「え?」

 おんなのこはみずからのみみをうたがいました。

 おもわずかおをあげ、えんまさまをみます。

 えんまさまがうそをつくことなどないはずです。

 みあげてみたそのかおは、やっぱりうそなどついていないかおにみえました。

 えんまさまはやさしいかおでうながします。

 「あたりをみなさい、こまち」

 「は、はい」

 おんなのこはあわてたようにあたりをみまわします。

 「あたりはまっくら、よるです!」

 「そうではありません。 こまち」

 えんまさまはおんなのこのあわてっぷりにあきれながらも、ゆっくりとさとします。

 「ここはむえんづか。

  えんじゃがおらず、したしきものにとむらってもらえなかったものたちがねむるばしょ」

 あたりには、よくみるとむすうのおはかがたてられていました。

 あめにうたれ、かぜにさらされ、どれもくたびれたものばかりです。

 おんなのこはそんなおはかのひとつひとつを、いまさらながらにながめました。

 「かれらのれいこんは、いつもわびしいときをすごしていることでしょう。

  そんなかれらのわびしさを、すこしでもやわらげたこと。 これはぜんぎょうなのです」

 えんまさまはえがおでいいました。

 おんなのこはというと、あわてています。

 「え、ええ!? そうするとえーきさま」

 くちをぱくぱくさせながら、てをぱたぱたとふりながらつづけます。

 「おさけをのんでさわいでたことはしからないんですか?」

 「はい。 そのとおりですこまち」

 えんまさまはしずかにうなずきました。

 こうていされたおんなのこはというと、なにやらこぶしをにぎっています。

 まるであるまじろのようにせなかをまるめ、

 「……いやったああああ!」

 てんまでとどきそうなほどたかくじゃんぷしました。

 これはいいすぎましたね。 さくらのえだにあたまをぶつけるくらいでした。

 ちゃくちにしっぱいしてしりもちをついたおんなのこのかおは、それでもえがおでした。

 よっぽどしかられなかったのがうれしいのでしょう。

 えんまさまにえがおでおれいをいいます。

 「ありがとうございますえーきさま!」

 「ええ、こまち」

 えんまさまはもういちどしずかにうなずきます。

 そのかおはおんなのことおなじくらい、すてきなえがおでした。

 そのえがおのままつづけます。

 「つぎのざいじょうは、しょくむをたいまんしていたことですよ」










 ここはむえんづか。

 むらさきいろのさくらが、とがのおもさにないているばしょ。









 訪問者の統計。

 ノックはしたが許可を得ずに立ち入ろうとして瓦礫に埋もれた者一名。

 窓ガラスを頭で破って押し入った者一名。

 関係者以外立ち入り禁止の場所で座り込んで酒を呑んだ者一名。

 悪質な訪問販売をしようとした者一名。

 衝突事故を起こした上に窃盗目的で忍び込んだ者一名。

 部屋に無断で入って日記を盗み見た者一名。

 無言で背後に立っていた者一名。

 訪問先に毒物を持ち込んだ者一名。

 ドアを潰した者一名。



 総数9名。 幻想郷の訪問作法。
あおのそら
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コメント



0.1970簡易評価
2.40名前が無い程度の能力削除
珍しく霊夢が平和ですね♪(良いことですねぇ♪
6.90ぐい井戸・御簾田削除
すげえ、なんかすげえいいなあ…
23.80名前が無い程度の能力削除
映姫様の浮かして落とす説教に爆笑w
27.70名前が無い程度の能力削除
いいはなしだなぁ白玉楼や香霖堂のものもあったら見てみたいですねぇ

そして下らないツッコミかもしれませんが・・・
映姫様のセリフの善行は「ぜんぎょう」でなく「ぜんこう」と読むと思うのですが・・・
無粋なツッコミ失礼しました
28.無評価あおのそら削除
読んでくれた皆さん、どうもありがとーです。
コメントに返信させていただきます。 下から順に。

>名前が無い程度の能力さん
平和とはいいものだと思います。
幻想郷に住んだとしても、平和ボケにはなれなそうですが(笑)

>ぐい井戸・御簾田さん
気に入っていただけたのならとても嬉しいです。
そのお言葉のお陰で1週間はぽわわんとした気分で過ごせます。


>名前が無い程度の能力さん
狙いました(にやり)

>名前が無い程度の能力
誤字報告せんきゅーです。
自分も辞書で調べてみたのですが、
どっちが正しいのかいまいちハッキリしませんでした。
グーグル先生で検索したところ
>善行(ぜんぎょう) で241件ヒット
>善行(ぜんこう) で225件ヒットでした。
ほとんど同じなので、どちらでも正しいのかも知れません。
自分ではそういう結論に至りました。
面倒くさいこと並べましたが読んでくれてありがとですw
29.無評価あおのそら削除
あ、名前の最後に敬称を付けるのを忘れてしまいましたorz ごめんなさい。
32.70名前が無い程度の能力削除
文からめーりんにたいする愛が伝わってきた
37.90名前が無い程度の能力削除
多重三角関係は、ひょっとして三角じゃないんじゃなかろうか。
とか、みょんなところが気にはなりましたが、こういう作風はかなり好きです。

あと、『三途の川の浮かれた渡し番』とか『霧散と集塵の二本角』など、一風変わった通り名(?)にも思わずニヤニヤしてしまったりとか。

けど多分、『幻想郷ってこんなところだよなぁ』って呼んだ人間が思ってしまったら、書いた人の勝ち(意味不明)だと思います。
38.無評価名前が無い程度の能力削除
誤字発見。
『呼んだ』→『読んだ』
以上、失礼いたしました。
40.無評価あおのそら削除
コメント返信追加でございまーすー。

>名前が無い程度の能力さん
中国は愛されるいじられキャラであるべきです(笑)

>名前が無い程度の能力さん
アフロディテの情事に関しての話は多いので、
正確に何角関係としていいのやらさっぱりだったので多重三角関係とか書きました(笑)
みょんな気分にさせてしまったのはおそらく技術不足であります。精進します。
……話は変わりまして、『幻想郷ってこんなところだよなぁ』
これ、凄く嬉しい言葉です。
この話は出来るだけ公式の雰囲気を崩さず文章にしてみようと思ったものですので。
また日常の幻想でも見えた時、のんびりとした話でも書けたらなーと思っております。

……あ、中国だけは公式のキャラ会話とか参考にしてませんけど(笑)
43.60名前が無い程度の能力削除
にやにや。
とっても楽しい
44.無評価あおのそら削除
ひゃっはー。 自分の作品に4レスも使うなんてあり得ないぜー!
とか独り言呟きながらコメント返信させていただきます(落ち着け)

>名前が無い程度の能力さん
何やら楽しんで頂けたようで良かったです(笑)
お褒めの言葉はいつでも、飛び上がって桜の枝に頭を打ち付けるほど嬉しいものです。
45.80名前が無い程度の能力削除
メランコはクーリエでも以外とお目にかかれないので新鮮でした。
後自律神経失調症って結構ヤバい状態なんじゃ…中国、イ㌔。
46.無評価あおのそら削除
まさか5度目があろうとはw コメント返信でござい。

>名前が無い程度の能力さん
それでも中国ならきっとなんとかしてくれる(棒読み)
59.100さわしみだいほん削除
メルヘン感じあった
丁寧な形書き見ててうれしいです
楽しんでしました、ありがとうございます