18
一晩。
そう、珍しく夜になど眠って、ルーミアはその生活パターンに少々戸惑いながらも、気持ちの良い朝を迎えていた。
「んー」
伸びをする。
分厚いカーテンの隙間から、朝の光。
しかも清潔な空間。
「日光もたまには良いかもねー」
言いながらカーテンを開けてみた。
すぐ閉めた。
「……直截浴びなければ、だね」
やっぱり私には宵闇が似合うわ、と思いつつ。
「むー。夕方までどう時間を潰そうかな」
ホテルは10時には出なければならないらしい。昨夜、受付のお兄さんが言っていた。
ちなみに名前は漢字の方が良いだろうと思って魔理沙のを拝借し、住所はそこら辺の電柱にあった広告のものを書いておいた。
死ぬほど怪しまれたのは言うまでもない。金髪の子供が一人という時点で怪しすぎる。
「よし! とりあえずご飯にしよう」
勿論、わざわざ街中で人間を襲うような愚は冒さない。
人間の食べている食事と同じものでも、ルーミアは一向に構わないのだ。
むしろ。
「折角外に来たんだから、こっちの料理をいっぱい食べておかなきゃ」
多分今日でお終いなんだし。
口には出さなかった。
あまり店内の明るくない、落ち着いた感じの喫茶店を選んだ。
シーザーサラダをかき混ぜながら、昨夜決めたことを頭の中で整理する。
お互いに情報交換をした。
この期に及んで交換する情報がこんなにも多いことが意外だった。
ルーミアは、アリスの次の策。
アリスはルーミアに、”外”のお金を渡した。
人間の街に潜伏している限り、恐らく霊夢は手出しが出来ない、という意味だろう。
勿論、人通りのある内は、だろうが。
「霊夢はきっと、日が沈むまで仕掛けて来ない」
チキンライスを食べながら考える。
これはなんとなく、だ。
勿論、迂闊に森にでも入ればその限りではない。街中でもルーミアを襲える場所はいくらでもある。
そうならないための行動はパチュリーにアドバイスを受けた。
「けれど、アリスの策は、とりあえずここまで」
それはつまり。
ローストビーフを食べながら思い出す。
パチュリーはこう言った。
『被害者の貴女にそこまで言われたら……加害者で魔女の私が、何もしないわけにいかないじゃない』
苦笑している気配が、こちら側まで伝わってきた。
『良いわ。私が何をすべきか、貴女とアリスのおかげでわかった。
要するにアリスは、最後は私にどうにかさせようとしてるのよ』
そうしてパチュリーは、即興で練りながらにして作戦を口にし始めた。
その内容。フライドポテトにケチャップをつけながら思い出す。
「月符は使えない。絶対、最後まで残しておかなきゃいけないんだよね」
『月が出るまで何とかして耐えて。
そうして月が出たら、私が渡した月符を使いなさい。
私の符と、貴女の力と、空へ昇った月の力。それだけ使えば、きっと霊夢の攻撃を暫く凌げるわ』
とにかく、それまで月符は温存する。それ以外は自分の手持ちも含めて、全て使ってしまっても構わない。
「ちょっとでもリボン解いてなかったら無理だったわー。符が残ってても霊力が全部尽きちゃう」
チーズフォンデュを食べながら思い出す。この喫茶店で一番美味しい。アリスじゃないけどワインが欲しくなる。
幸い、リボンを半ばまで解いた今のルーミアならば六枚か七枚ならば符を使っても平気だろう。
以前ならば三枚も使えば力尽きた。
『かといって一気に勝負を決めようとして霊夢に本気を出されたら、死ぬわ』
これは大丈夫だろう。
アリスやパチュリーならばともかく、今のルーミアでもそこまでの力は持っていない自覚くらいはある。
と、そこまで考えたところで、食後のアイスミルクを飲み干していた。
「おばちゃーん、ごちそうさまー」
「朝からよく食べたわねえ。4300円よ」
「ありがと! 美味しかった!」
「どうもありがとう。また来てね」
喫茶店を後にする。
お腹もいっぱいになったし、次は。
「……お風呂屋さんって、こっちにもあるのかな?」
ゲームセンターとかビリヤードとか書いてある看板は、楽しそうだけど難しそうだったので、とりあえず欲求を片っ端から満たす事にした。
19
「……なんて復活の速さよ、あんたは」
眩暈がする。パチュリーの知る限り、あんな傷を受けて生きていられるのはこの館の吸血鬼姉妹くらいなものだ。
午後になったと思ったら、なんとアリスが紅魔館を訪ねてきた。
訪ねるというかいつもの不法侵入なのだが、最近館内が手薄なので仕方が無い。
「復活? してないわよ」
と言ってアリスは服を脱ぎ始めた。
「ちょ、ちょっと!?」
「ほら。まだ穴開いてるのよ」
と、空洞になった胸を晒してきた。
「……何慌ててるの?」
ついでにニヤニヤ笑っている。
してやられた、と思いながらも、パチュリーの表情は。
「そんな顔しないでよ。私の意思でやったんだし」
悔しさよりも悲痛さが表に出ていたらしい。
昨日辺りから、やたらと感情を表に出してしまっている。困ったものだ。
「さて、それじゃ気を取り直して行くわよ。霊夢はまだ寝てるからたっぷり時間もあるし」
「……つき合わせてすまないわね」
珍しく殊勝な言葉を口にするパチュリーに、これは悪いものでも食べたか? と呟きながら、隣を歩くアリス。
「気になったのだけど……昨日はどの時点で失敗していたの?」
「多分だけど、私とルーミアが会った時点」
「……それって」
「ルーミアが私の離れに入った時、私の結界でルーミアの気配が消えてる。
しかも私の気配が漏れ出しているはずよ。その時、まだ霊夢は外の世界にいたのよ、きっと。それで読まれた」
飄々と、アリス。
「ルーミアと別れて上空に行ったらもういたわ、霊夢」
「……本当に人間かしら」
「そうね、疑いたくなるわ。滅茶苦茶ね。こっちの予想を何処まで上回る気なんだか」
「嬉しそうね」
「え」
歩みを止めない二人の間の空気が、凍った。
「まあそういうわけで、あなたの策を見せてくれないかしら、パチュリー」
今の五秒間は無かった事にされたらしい。
タイミングが良いのか悪いのか、図書館の奥、儀式魔法の実験場へと二人は辿り着いてしまっていた。
「魔法陣……にしても、なんて奇っ怪な」
アリスの表情が思い切り引き攣る。
そこにあった陣は、今回の騒動に関する全ての陣を、一見出鱈目に組み合わせただけの物だった。
「急ごしらえだから仕方が無い。必要な紋様を作り出す時間なんか無いのよ。ありあわせで行くわ」
「えーと、一番外側が異世界の月を召喚する陣ね。
次が……聖印と送還の交叉咒法か……」
「そしてベースにしたのが、夜の属性を反天させる陣。月齢反転の儀式よ。今回の肝は”反転”だからね」
陣は既に起動し、内部に術式を走らせ続けている。
不可思議なルートで奔る魔力のうねり。
パチュリーの、丁寧でいながら何処か力押しないつもの合成魔法とは似ても似つかない危険物が、そこにあった。
「……わかっているんでしょうね。この魔法、どれもこれも本来は大異変クラスのシロモノよ。
今回の異変もそうだったけど、天蓋に映る月そのものに手を出すだなんて、あなた正気なの?」
アリスにとっては忘れ難い異変の再現でもある。
魔理沙とともに解決に乗り出した、満月の隠蔽事件。
代償として永夜の異変を引き起こしてまで解決したあの異変と、同規模の魔法を、三重にも。
「このくらい、可能な者には可能な事よ。騒ぐほどじゃないさ」
「……良いわ。大慌てで改造しただけ、継ぎ接ぎだらけの陣にも目を瞑ってあげる。
それで、この魔法を使う、という事は……」
「月が出るまで待たなければいけないわ。恐らく、戦闘だけは避けられない」
「ああそう……じゃあ、私のすべき事は一つね」
お互い、ここで初めて向き合う。
「良いのね?」
「そう言ってる。ここまできて帰れって言われてもね」
「……私が今までしていたのと同じ。咲夜の空けた『穴』からルーミアを援護してあげて」
「わかった」
即座に踵を返す。
この場所が必要になるのはもっと後だ。
咲夜と合流すべく、二人は図書館の一角、いつもの文机へと向かう。
そこには、二人の来る事がわかっていたかのように当たり前に、メイドが瀟洒に佇んでいた。
20
「広ーい!!」
ルーミアはご機嫌だった。
なんて事だ。外からしか見たことの無い幻想郷の銭湯の、建物そのもの程に浴室が広い。
「誰もいないのはちょっと寂しいかなぁ。お昼だからかな。まあ良いか!」
とりあえずお湯に飛び込む。
そして、お湯の中で能力を全開。
途端、湯船が黒に、比喩ではなく完全な漆黒に染まった。
湯船の中だけが。
ルーミアの勢いで波立つお湯、その波の先端から水飛沫に至るまで全てが黒い、が、お湯の外の空気には一欠けの闇も漏れてはいなかった。
「コントロールも完璧ね!!」
叫んでから闇を消す。
絶好調も良い所だった。
暫く開放された能力を試して遊ぶ。
闇も光も、既にルーミアにとっては手足の延長線上。
いや、自分の身体以上に自由に動く!
暫くはしゃいだ後、ゆったり浸かる。
じっとしていれば、頭を占めるのはここ数日のことばかりだ。
両手で光と闇を無為に弄びながら、のんびり湯の中で思い出す。
結局昨夜は、情報交換の後は咲夜の霊力が続くぎりぎりまで作戦会議をした。
パチュリー側の情報は今回の異変の全容なのだが、ルーミアにはよくわからなかったので、とりあえずすべき事だけをしっかり聞くことにした。
『とにかく月が昇るまでが勝負だけど、都合が良いことに日が沈むまで紅白はまともに動けないのよ』
パチュリーは頭に浮かんだばかりの作戦を、少しずつ組立てながら話をしていた。だから時々躓く。
両手の光と闇を無意味に合成しながら、その声を思い出す。
『明日の月の出の時間は……えーと、ちょっと待って。計算するわ』
『19時14分。日の入りから43分後です』
『……え?』
『そーなのかー』
『ちょっと咲夜、貴女そんな計算どうやって一瞬で……』
『こんなの、昨夜の月の出に30分足して、日の入りは2分引いただけですわ』
おかげでパチュリーが五分ほどへこんでしまった。
手の中の発光するお湯で遊びながら思わず笑ってしまう。
『嘘よルーミア。私はそういった事は全部わかるのよ』
一人確認計算を延々としているパチュリーには聞こえないように、笑いながら咲夜は話してくれた。
『私は時間と空間を操れるから、時間と空間の関係は色々なものから感じ取れるのよ。
たとえば太陽と月と星の配置。
現在位置と時刻がわかれば当然軌道もわかるから、日の出も日の入りも思いのままなの。
でも、うちのお嬢様はもっと凄いわ。あのお方は運命を読み解けるから。
私みたいに星なんか見なくても、時刻の持つ”真名”とかいうものが見えるらしいのよ。
時計より正確に一秒単位でわかるって言ってたわ』
そういえば、咲夜と二人きりでああして話をするのなんて初めてだった。
パチュリーも物知りだけど、自分でも頭が良いとは思ってないルーミアからすると、少し言ってることが難しい。
アリスはまたちょっと違って、色々隠しながら喋ってる感じがする。
咲夜は、ルーミアにわかりやすいように話をしてくれるのが上手かった。
下らないことをしていたら咲夜の霊力があっさり尽きた。
といっても、大まかな事以外は決めようがない。それで良かったのかもしれない。
下手に細かく行動を決めていては、不自然な部分を霊夢に読まれる可能性もある。
ちなみに、これは全部パチュリーの負け惜しみだが。
「ん、時間、あと少しだね……」
パチュリーに指示された行動を起こすまではまだ余裕があるが、施設を歩いて探すのはなかなか面倒だった。
けれど仕方が無い。外には外の法がある。
「もう暫く、ゆっくりしよ」
広い風呂に、不似合いな金髪の少女の鼻歌が、暫く響いていた。
21
「ん……あー」
目を覚ます。
博麗霊夢の生活は本来規則正しい。
なんでこんな昼夜逆転した、吸血鬼か漫画家みたいな生活を送らねばならないのだ。
「うわ。アリスいないし……」
徹夜で傷の治療をしていた間、延々と眠っていたアリスがいない。
代わりに、アリスの寝ていた場所に、一枚の紙。
『ありがとう。ごめん、今回は勝つ』
「好きにしなさいよ……今のあんたじゃルーミアに瞬殺される程度だって自覚はあんのか」
この薄情者め、と呟きながら外を見る。
咲夜やレミリアのように日時計月時計が詠めるわけはないが、午後のお茶の時間といったところだろう。
腹時計がそう言ってる。間違いない。
「無理。お茶飲む気力も無いわ……」
早いところ異変を解決して、朝起きて夜寝る生活に戻さなければならない。
「明るくて寝難いわね……ルーミアでも傍に置いとけば寝れるのに」
などと身勝手なぼやきを漏らしながら、博麗霊夢は速攻で二度寝した。
22
15時48分。
ルーミアは町を探し歩き、目的の場所にたどり着いた。
そこは。
「うん……広さもばっちり」
周囲に背の高い建物は無い。
少し離れた場所にはあるけど、攻撃に巻き込んでしまうほどではないだろう。
霊夢が隠れられそうな場所もあまり無い。
結界を張られる程度の障害物はある。でも、これは全く無いと逆に困るらしいから構わない。
そこは、住宅地から少し離れた場所にある、だだっ広い公園だった。
「さて、後は……と」
ターゲット、ロックオン。
十歳くらいだろうか。五人ほどの子供達が遊んでいるのが見える。
「おーい」
声をかけてみる……さて、上手く行くだろうか?
「ん? 姉ちゃん誰?」
「おー、すげえ! 金髪じゃん!」
「染めてるのかそれ? 不良だー!」
「な、違うよ! これは生まれつき!!」
「え、姉ちゃん外国人なの! すげえ!!」
あっという間に子供達に囲まれて、質問攻めにあう。
これははぐらかすのが少し大変かな? と思いながら。
とりあえず、目的は達成。
あとは、彼らが家に帰るまで一緒に遊ぶだけだ。
最後の、時間稼ぎ。
万が一霊夢が来たところで、この状況ならばどうあっても手など出せまい。
……もっとも、この子達の相手も、意外と大変そうではあったが。
18時55分。
既に子供達の姿は無い。
この季節は、18時30分に鳴る”愛の鐘”とかいうのが鳴ったら家に帰らなければならないらしい。
また会おうぜー、と無邪気に手を振っていた。笑って手を振り返した。
勿論、もう会うことは無い。
少し離れた場所で、先ほどの少年達よりは何歳か年上の子供たちが遊んでいる。
二メートルくらいの高さのカゴに、大きなボールを叩き込む遊びのようだ。
ルーミアより外見だけが年上の子供ばかりだ。
彼らが帰るのはもっと遅いだろう。
先ほど、日は沈んだ。
月が昇るまで、あと19分。
「このまま何事も無く月が昇れば良いな」
でも、霊夢に会いたい気もする。
霊夢はずっと一人で戦ってきた。
ルーミアを追い回し、アリスを叩き伏せ、あんなに心を研ぎ澄ませて戦っていた霊夢。
「霊夢も、辛かったよね」
『大丈夫よ。私達がしっかりしてれば、あいつは大丈夫』
アリスの声。咲夜が”穴”を開けたらしい。
「アリス、傷は大丈夫?」
『死なない程度には大丈夫よ。でもサポートには期待しないで』
「うん。私は大丈夫」
穴の向こうから咲夜が『あんたそれじゃ代わりなんか勤まらないじゃない!』とか何とか言う声が聞こえたが、よくわからないので放置する。
アリスが遠見の役をかって出たということは、パチュリーはもう儀式を始めているんだ。
少しでもじっとしていると思い出す事が、いくつもある。
片っ端から振り払う。
今はもう、残り17分だけを気にしていよう。
でも。これだけは。
昨夜、最後にパチュリーははっきりとこう言った。
『大丈夫。貴女も死なせないし、霊夢だって殺したりしないわ。
勿論私も咲夜も、アリスだって死ぬつもりはない』
続けて、咲夜が。
『これだけ仲良くなれたんだから、五人で宴会でもしたいわね。ルーミア、来るでしょ?』
自然、笑顔が零れる。
大丈夫。
絶対、負けない。
その時。
突然、ボール遊びをしていた少年達の声が、消えた。
「霊夢、来たね」
ベンチから立ち上がる、ルーミア。
周囲は。
『大掛かりな結界………いや。この区域だけ丸ごと”空に浮かせた”みたいね、霊夢……!』
少年達の姿は辛うじて見えている。
けれど、声は全く聞こえない。
恐らく、こちらの姿も声も外には漏れていないのだろう。
犬の散歩をする女性の姿が、陽炎のように薄ぼんやりとしたまま近くを通り過ぎる。
彼女は、こちらに全く気付いていない。
そして。
太陽も月も無い、蒼と橙の、美しい宵闇の空に。
「揃ってるかしら?」
紅白二色の華が、静かに鮮やかに夜空に咲いていた。
23
『霊夢』
水晶球の向こうで、ルーミアが呼びかける。
「残り14分……咲夜、霊力は万全ね」
「ええ。アリスがそんな状態だから、いざとなったら私が介入するわ」
「あら? 私、介入できないだなんて言ったかしら」
「さっき言ってたじゃない。……いや、言ってないか。呆れた……」
「咲夜のナイフは向こう側に残ったら厄介よ。最後の最後まで頼らないことにするわ」
「やれやれ。ほんと口と頭が回るわね」
パチュリー様も頭の分を口に回せば良いのに、などとぼやく咲夜。
軽口を切り上げ、アリスは水晶球に集中する。
『あと14分、もうすぐ13分で、月が昇ってパチュリーが動く』
「うわあの子、霊夢を説得しようとしてるわ。無謀っていうか純粋っていうか……」
「アリス。とても尊いけどあんたには無いものよ。見習いなさい」
『そうしたらこの異変は終わるよ。だからあと13分、待って』
『……駄目ね』
はっきりと、切って捨てる霊夢。
『もう、幻想郷のパワーバランスはかなり危うい所まで行ってるのよ。
本来の月とは違う月。全く異質の魔力と狂気よ。
一昨日は満月だったけど、一夜丸ごとじゃなかったから、まだどうにか収まった。
でも、昨夜はただでさえ強い十六夜月なのに、一晩も存在を許してしまった』
祓え串を、振る。
ばらばらと、中から針が落ちてきた。
『今日の月の出は、それ自体が許されない』
そうして、霊夢は。
『13分の間に、あんたを殺す』
針は空中で静止し。
全てが、ルーミアの方向を、向く。
『あんたを殺して、あんたと月の”絆”を完全に断つわ。
そうすれば、月は本来の位置に戻る。この異変は収まるのよ』
針が、一斉に奔った。
『だから死になさい』
『嫌だよ! 霊夢だって嫌なくせに! それに――――』
詠唱も宣言も発動の言霊も術式の開放も完全に無視して、ルーミアの手で二枚の夜符が燃え尽きる!
『昨日の月だって悪い事だけじゃない! 霊夢は、そこまで覚悟してアリスを助けてくれたんじゃない!!』
二重に展開されたナイトバードは無数の針を飲み込み、咀嚼しながら霊夢へと殺到した――――!
24
ルーミアは宵闇の妖怪と名乗り、また呼ばれている。
封印前が何だったのか、もう本人も覚えていない。
封印を解いても思い出せないだろう事だけは朧気に理解している。
「アミュレット!」
十を超える霊夢の御札が、ルーミアの鳥を一羽、完全に噛み砕く。
続けて、更なるアミュレットがルーミアを襲う。
ルーミアはぎりぎりで避ける。それが精一杯、といった動作。
「ナイトバード、上がれ!」
一秒ごとに迫り来る夜闇。
一秒ごとに遠のく夕日。
「急降下!」
過去の記憶など必要無い。これだけはわかっているのだから。
この、光と闇が共存する逢魔ヶ刻は。
「闇符――――」
アミュレットの一群をかわし切ったその瞬間、手の中でもう一枚、スペルカードを黒い炎で焼き尽くす。
「――――ディマーケイション!」
この時間、この空間は、宵闇の妖怪の世界。
昼ではない。夜には早い。夕方にしては暗すぎる。
そんな、この時間こそが。
「よくもそんなにぽんぽんと符を出せるわね。それで時間稼ぎのつもり?」
こんな時間にこそ人間は、迫り来る夜の闇を、道端のふとした闇を恐れるのだから!
「二重結界」
ルーミアと上空のナイトバード、二箇所から放たれる黒い闇。
両方を回避するのも迎撃するのも難しいと判断した霊夢は、即座に防御に切り替える。
普段の霊夢にとっては最大級の防御。
その結界を張り巡らせ、霊夢は体勢を立て直そうと、
「光符」
罠だ、と、予知レベルのはずの勘は囁いてくれなかった。
方向性を封じられた思考は、直感を鈍らせる。
ルーミアは、たった今展開したばかりの二枚の符を苦も無くかき消して。
「な……魔理沙の――――!?」
「アースライトレイ!!」
使った事も無いスペルを、制御力と言霊だけで強引に編み上げる!!
「まずいわ……結界が持たない」
それでも、霊夢の焦りは一瞬。
ルーミアはこの短時間に三枚もの符を使った上に、高レベルのスペルを無茶な方法で使っている。
本当に形振り構っていないのだ。となれば、霊夢の全力を持って防御を崩してしまえば良い。
アースライトレイは二重結界を破るだろう。が、霊夢が致命傷を受けるほどには至らない。
攻撃するしかない。レーザーだけに、攻撃中のアースライトレイは防御力が高いとはいえない。
そもそもルーミアは防御力の高いスペルなど持っていない。殆どがこちらを一直線に狙ってくるのだ。
ならば夢想封印だ。アースライトレイに半分以上を相殺されようとも、ルーミア程度ならば一撃で大打撃となる。
二重結界が破れるその瞬間を待つ。
結界を容赦なく下側から叩く光の嵐を耐えながら、ルーミアを見据え――――
霊夢の直感が、突如、危険信号を告げる。
ルーミアの、頭の位置に。
『何を遊んでるのかしら、霊夢?』
咲夜の”穴”ではない。そんな小さなものではない。
両端を、リボンで留めた、スキマが。
まるで、そこから拡がることを防ごうとする封印のような、紅いリボンが二つ。
その、リボンの間から、虚空のスキマから、二本の手が。
ルーミアのリボンを、するり、と解いた。
25
『ゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?』
ルーミアの絶叫が、水晶球から迸る。
そこに映る映像は…………光の地獄だった。
「八雲紫!?」
「あのスキマ女、やってくれるわ……!」
歯噛みする、咲夜とアリス。
「考えるべきだった! 外の世界に関われる奴が身近にもう一人いたってのに……!」
「まずいわ。こんな危機、絶対に霊夢が、”浮く”わ!!」
「時間は……まだ三分もあるの!? 早すぎる!」
スペルの使用中に、突如として解かれた封印。
急造のアースライトレイは、ルーミアでは抑えきれないままに世界を焼き尽くしている。
その、上向きの光の瀑布を、割いて。
「無題」
”穴”の向こうとは思えないほど、世界に響くその声。
陰陽玉さえ介さない。
霊夢の全身から、物質化した御札の嵐が、光さえ切り裂いて吹き荒れ始める!!
「咲夜! こっちも形振り構っていられないわ、ナイフを!」
「言われるまでも――――」
それより、早く。
そして、地獄の祝詞がルーミアに届くよりも、尚早く。
ルーミアの金髪と黒服が、消失した。
「……え」
「……ルーミア?」
「……見えない。視界にも空間にも、いない」
”宙に浮いている”霊夢は、表情一つ変えない。
攻撃を止め、目を閉じたままで、”何かを視ている”。
暫しの静寂。
暴走していたアースライトレイは、今や見る影も無い。
あの明るかった世界が、宵闇から夜に近付きつつある、濃い闇だけが包む世界に戻っていて。
『なんだ。かくれんぼだったのか』
霊夢が、笑みを浮かべる。
『ルーミア、”闇”に隠れるなんて凄いじゃない』
そして今度は、物質化していない純粋な霊力を、解き放った。
次の瞬間。
通過する、霊力塊の隙間の闇が、金色に凝固し。
「咲夜!!」
それを視た瞬間、アリスは叫んだ。
ここしか無い。躊躇無く思った。
「この子、”送って”!!」
26
金髪から首にかけて、一気に闇から実体へと引き戻される。
まだ、闇に溶け込むような高等技術は、完全には”思い出せない”。
霊力塊の存在を意識してしまった、ただそれだけで、かすった所から実体化してしまった。
もう、この手は使えないだろう。
符も、月符以外はもう決め手にもなるまい。ああなった霊夢には届かない。
言霊による強引なスペルの作成も、アースライトレイほど強力なものは心当たりが無い。
「諦めないよ」
呟いた途端、胸から腕までが実体化した。
「私はまだ諦めないからね、霊夢」
残った符を手に取る。月符。
月が昇るまで、耐えれば良い。
パチュリーの月符の防御力は知らない。残り時間だってわからない。気にしても仕方ない。
もう、これしか、手は――――
『ルーミア!!』
その、目の前に。
二枚の符を身体に括り付けた上海人形が、突然現れ。
『使いなさい――――デヴィリーライトレイッ!!』
その一枚が、音も無く光に還り。
ルーミアの周囲に、アースライトレイにも劣らぬ光の柱が吹き上がる。
「ありがとうアリス!」
上海人形から符を抜き取り、高らかに宣言するルーミア。
「デヴィリーライトレイ!!」
霊夢から吹き付ける、死の嵐。
物質化した霊力と、ただ純粋な霊力とが入り混じった、無為にして無題なる奔流。
アリスとルーミア、二人分の魔光が、それを受け止める。
『それでも押されるの!?』
「大丈夫アリス、この子は無事だよ!」
『あんたも自分の心配をしなさい!!』
しっかりと上海人形を抱きかかえて、尚も魔光を連射するルーミア。
殆ど瀕死の上に人形を介して放っているアリスの魔光など、もはや足しにもならないほど弱々しかった。
けれど充分。ルーミアにとっては、その光を目で見、肌で感じさえすれば良い。
闇と光を支配する程度の能力を持つ彼女ならば。
視覚情報さえあれば本質などたやすく見抜く事が出来る。
目とは、闇と光を感じるための器官なのだから!
『どっちにしても……まずいわ。持ち堪えられるの!?』
「やってるよ……!!」
もはや、光の帯は薄い壁程度にまで削られている。
そして、それだけ収束しなければ、壁の役目さえ果たせなくなっているのだ。
「封印を完全に解いても力負けするなんて……!」
『このまま押されたら、月が昇った後に月符を使う暇をどう作るか……』
「それは後で考えるよ! 今は耐えないと死ぬ!!」
光と霊力の嵐の彼方、今も”浮いている”はずの霊夢を視るルーミア。
ここからじゃ見えない。けれど、視える。
「そんな冷たい表情、霊夢には似合わないよ」
声は届いてないかもしれない。
でも、届かせなきゃいけない。
「良いから笑いなさいよこの頑固者ー!!」
届け。
誰でも良い。
誰か、霊夢に声をかけてあげて。
”世界から一人浮いている”、寂しがり屋の彼女に、声を!!
「ちょっと蓮子、ここ何なのよ!?」
一瞬で、世界が止まった。
ルーミアが。霊夢が。咲夜が。アリスが。ついでに上海人形が。
二重のデヴィリーライトレイも。
そして、『無題』さえも。
「…………メリー。空気読め」
「だって、何なのあの光とかは!? 結界暴いた結果がこれって、過去最大級よ! 私の夢より何倍もヤバいじゃない!!」
「……あー。良いけどさ。あちらさん、完全に硬直しちゃってるけど良いのかな?」
「…………えーっと」
金髪に、見慣れないデザインの紫の洋服を着た少女。
同じく見慣れないデザインの、スーツのような小奇麗な服に、よく似合う帽子を被った茶髪の少女。
「……し、失礼しましたぁ……」
「遅いわ」
「私達のことはどうぞ気にせず、続きを」
「無理だってば」
あの霊夢が、”空を飛ぶ不思議な巫女”さえもが、信じられない、といった顔で静止している。
それはそうだ。
”世界から浮き上がらせた世界”に、十六夜咲夜と八雲紫以外の誰かが入ってくるなど、誰が予想しようか。
「蓮子、結界の隙間はそっちだから、逃げよう」
「あー、ちょっと待ってよ」
手を引かれながらも、その場に踏みとどまる帽子少女。
「星は見れたからさ、月も見せてよ。ここがいつの時代の何処かだけは知っておきたいの」
「月なんて出てないじゃない。急がなきゃ結界が閉じちゃう……」
「ああ。大丈夫よ」
帽子の少女は、この場においても尚不敵に笑って、
「あと一秒で顔をだすからさ、月。一目視るだけで良いから」
かち、と、時計の音が聞こえた気がした。
「月符」『月符』
世界に、ソプラノとアルトの二重唱が響き渡る。
二人の闖入者は姿を消していた。
「『ムーンデュエット』」
歯車が回る。
魔力が廻る。
月が巡る。
大地が廻る。
攻撃する意思の宿らない、打ち上げ花火のような弾幕だけが、静かに空へ昇って行く。
月の光を”降ろした”ルーミアは、霊夢を見る。
霊夢は。
『仕方ないわね』、と、表情で言っていた。
そして。
ルーミアもろとも、世界を照らし始めた月光が、一瞬、ぶれて。
ルーミアの立っていたその場所に、むらさきの魔女、パチュリー・ノーレッジが、静かに佇んでいた。
「月の位相を強引に反転させる、魔法」
静かに語る。
「納得してくれたかしら、博麗の巫女」
「全然」
「……そう。で、どうするの?」
霊夢は、溜息をついて。
「月が戻った以上、こっちに用は無いわ。あっちの用を済ます」
言ったと思った時には、もう、消えていたのだった。
27
図書館の奥と穴の向こう、両方から同時に聞こえた二重唱。
と同時に、咲夜とアリスは、示し合わせたように崩れ落ちた。
それを。
「ご苦労様、咲夜」
当たり前のように咲夜だけを、いつの間にか現れたレミリアが受け止め。
「へぶっ」
アリスは床に倒れた。
「お嬢様……なんてものを呼び寄せるのですか、まったく……」
「あら、私は何もしてないわよ?」
「いいえ。八雲紫はともかく、あんなものが偶然で引っ掛かるはずはありません。だって……」
「だって、何?」
しっかりと、自分より随分と身長の高い従者を抱きしめたまま、歩き始めるレミリア。
もう図書館に用は無いとばかりに。
「あれは私達の仲間でしょう? いつか会うかもしれない、永遠に交わる事も無いかもしれない、仲間……」
「さあ? 私の運命は、あんまり未来の事は見えないのよ。可能性が交叉しすぎててね……」
「じゃあ、そういう事にしておきましょう」
「しておきなさい。今はゆっくり休んで良いのよ」
遠ざかる声と足音。
……と、入れ替わりに、逆方向からぱたぱたと駆けてくる足音。
「アリス、大丈夫?」
首を傾げるルーミアの足元で、らしくもなく情け無い声で恨み言をぶつぶつ呟く人形使いだった。
28
それから。
霊夢は数分後には幻想郷へ帰ってきた。
というか紅魔館に直截現れた。
そして。
「アリス! 寝てなさいと言ったでしょこのバカ、死ぬわよ!!」
異常な不機嫌さでルーミアをびびらせまくりながら、アリスを引き摺って霊夢は神社に戻っていった。
何故か乱暴に引き摺られているアリスが嬉しそうに笑っていたのも、ルーミアにはよくわからなかった。
パチュリーは何日も帰ってこなかった。
ルーミアが不安になり始めた三日目、遂に咲夜とアリスと霊夢とレミリアが…………賭けを始めた。
「明日には戻ると思いますよ。読書の速度から予測しています」
「いいえ、あいつの事だからあと一週間は諦めきれない。十日ジャストね」
「それは多いでしょ……あと四日。一週間少女の二つ名の通り」
「じゃあ私は永住に賭けるしかないじゃない。こりゃ負けたね」
で、翌日戻ってきた。咲夜の一人勝ちだった。
パチュリーに抱きついて喜ぶルーミアだったが、
「おかえりなさいませパチュリー様。外はどうでしたか?」
「国会図書館は読破したわ。次は別館ね」
という遣り取りの直後、何故かルーミアから離れた場所で血塗れで倒れていた。
どうやら時間を止めて何かしらの惨劇(具体的には神槍一本、人形剣十二本、ナイフ五十六本、御札七十二枚)が繰り広げられたらしい。
「我は死すとも魔法は死なず……むきゅー」
何処かで聞いたような聞かないような台詞を遺して昏倒したパチュリーは放置して、とりあえず当初の予定通り宴会にする事にした。
何故か突然「今日はカーニバルだぜ?」とか言いながら現れた魔理沙も交えて、よくわからない面子で飲んだ。
楽しいひと時だった。
そして。
魔理沙が妙に早く倒れ。
霊夢とレミリアが折り重なるように寝てしまった頃。
29
紅魔館、テラス。
日付が変わるには少し早い、そんな時刻。
本来そこにあるべき、幻想郷の月光を東から受けて。
ルーミア。咲夜。アリス。
そして、全身包帯ぐるぐる巻きで、小悪魔と美鈴に担架で担がれたパチュリーが運び込まれた。
「それでは、締めますか」
と、咲夜。
常に幻想郷とあちら側を文字通り繋いでいた、恐らくは一番の功労者。
「楽しかったでしょ?」
アリス。
基本的に自分に正直に動き続けただけだったように見える。
「私は気が気じゃなかったよぉ」
一番の被害者ルーミア。
もっとも結局、最終的に収穫があったのも彼女だけだったりする。
「最初から封印を、ごふっ、解いておけば、よかったわね」
咳き込みながら、パチュリー。
もう少し反省しろ、と誰もが思っていたりする。
「いえ、そうしたら霊夢も最初から全力だったと思うわ。多分逆効果よ」
「封印自体、紫だから解けたのは間違いありませんわ」
結局一連の騒動は、パチュリーと運命にダブルで引っ掻き回され続けた感じだった。
パチュリー本人が自分の行動に弄ばれていたのだから始末に悪い。
「まあ、結果オーライという事で良いんじゃない?」
パチュリーの、最後の、締め。
何の因果か偶然か、はたまた紅い悪魔の悪戯か。
奇妙な協力関係にあった四人は、静かに杯を重ねたのだった。
そこに、アリスの、一言。
「……さて、それじゃ新たな問題に向かうとしましょうか」
「……できれば、暫く触れないでおきたいんだけど」
「無理よ。諦めなさい。っていうか黙れ諸悪の根源」
黙って顔を逸らす担架の女、ノーレッジ。
よく包帯だらけの首が回るものである。
「ルーミア。異変は満月の日、それが1週間前だったわね?」
「……うん」
「さて咲夜。じゃあ、今日の月はどうなっているのが正しいかしら」
「月齢、約21。下弦。ちなみに明日が半月の予定よ」
その答えに、満足そうに頷くアリス。
「……それじゃあ、最後にパチュリー。
今見えてる月、どんな月に見えるかしら?」
パチュリーは、顔を逸らせたその体勢、月なんて見えていないままで、断言する。
「……上弦から満月に近付いてる途中にしか見えないわね。きっと、一昨日くらいが半月だったんじゃないかしら?」
月は、東の空に。それだけならば、本来の位置といえる。
しかしその月齢は、どう見てもパチュリーの言葉通り。本来、この時刻なら沈むはずの、月齢。
そこで切れる、会話。
同時に、四人の真後ろ、宴会場だった部屋の中で、がたん、という音。
……振り向けない。
誰一人、振り向こうとはしない。
「よぉ、珍しい組み合わせじゃないか?」
そこには。
「……あら魔理沙、寝ていたんじゃなかったの?」
月とも魔理沙とも付かぬ方向を向いたまま、咲夜の問い。
否。本人ももう問いのつもりではない。
「霊夢が潰れるのを待ってたんだよ。レミリアはともかく、あいつを相手にしてたら、私じゃ立ってられなくなるからな」
「嬉しいわ。わざわざ私達に付き合って潰れずにいてくれたのね?」
アリスの軽口。
余裕は、全く無かった。
ともすれば、霊夢に殺されかけている時よりも、更に。
「いや? 潰れるぜ。私が宴会に来て、潰れないなんてありえないからな。だからさ――――」
「……だから……?」
ルーミアの、恐る恐る、といった声に。魔理沙は。
「四人ほどぶちのめして、異変を解決したら――――私一人で月見酒でもするぜ。本来の月を眺めながら、な」
END
最後の最後まで楽しませていただきました。
しかし秘封登場はびびったw
でもナイスですww
ルーミアを主体に添えたSSというのも珍しくていいですね、話を見ると月つながりだったからだと思いますが。
戦闘中に秘封倶楽部(詳細は知りませんが)が出たところで思わず笑いが漏れてしまいました(笑う所なのか?
私も精進しなければ・・・・・。
時々パッチュさんの口調に?でしたが最後まで楽しく読ませて頂きました。
少々後書きに書き忘れたので一つ。
各章の中で更に細かく分けてある番号、実は故意に一つ抜いてあったりします。
これは多分に蛇足的な内容ですので、後日改めて投稿させてもらおうと思います。
霊夢もルーミアも凄いですが個人的にはアリスの頑丈さが一番インパクトでした。
あとメリー空気読めてNEEEEEEEEE!(だがそれがいい)
とても楽しませていただきました。
アリスが格好良い作品と言う噂を聞いて読んでみたのですが、
登場人物皆が格好よくてしびれました。
命がけの馴れ合いと言う感じが東方らしくて良いです。
秘封連れてくるとかw
この作品、大変おいしゅうございました