Coolier - 新生・東方創想話

夜雀といいますけど、別に夜しか動かない訳じゃな(ry

2006/05/09 14:12:48
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「あっつぅ……」
幻想郷の森、魔法の森とはちょっと違う森に、素敵な歌声の美女的な肩書きを持つ夜雀ことミスティア・ローレライはいる。
一応、友人であろう蟲(リグル)や⑨(チルノ)と共にはしゃいでいたのは良いが、この殺人的な日差しの元に我々は完全な敗北を喫したのであった。
つーか何?!まだ冬がようやく明けて春のうららかな頃だというのに、この暑さは!!!マジでぶっちゃけありえない。
蟲(リグル)は熱中症体験ツアー中で、そこに転がっているし、⑨(チルノ)に至っては先ほどから水溜りとなり、徐々にその水位を下げてきている。
もう⑨(チルノ)の方は助からないだろう。だからあれほど、知らない森の中を歩き回るのは嫌だと言ったのだ。
近くに河でも湖でもあれば良かったのだが、それも叶わぬ夢。幻、そして熱中症。
二匹を引きずり木陰にエスケープするも、そもそもの気温が高い事に加え、森とは大体ジメジメしているものである。このことから導き出される答えは、そう蒸し暑いのだ、とにかく!蒸し暑いのだ。
それはプールから上がった後の暑さに似ている。何故に泳いでる時は汗を掻かないのに、上がって身体を拭いた後から汗が出てくるのだ!2度手間だろう、もう少し考えてくれ。
そんなこと言っても結局はどーしよーもなく、胸元を少し開け、スカートをバサバサして風を送り込むしかない。
こうしてみると、汗ばんで肌に張り付くシャツの胸元が肌蹴、ちょっと色っぽい大人の女が演出されている。さりげない仕草ですら、私を引き立たせてしまうこの地の良さ。これが他の雑魚とは一味違う所ね。
まあそれはそれとして、なんでよりにもよって今日の私は、長袖なんぞ着ているのだろうか?
もう、こうしてみるとバカとしか思えない。ちなみに本物の⑨(チルノ)は今まさにその短い生涯を終えようとしている。
下着もドロワーズではなく、涼しげなストライプのショーツでも穿いてくればよかった。本気で悔やまれるが、そんなことで被服熱が急激に下がるとも思えず、考えるのを止めた。
それに、媚びた格好だとも思われたくないし、どこぞのブン屋と一緒にされたくはないわ。私にはそんなものは必要ないの、ただただ内面から溢れ出るこの美しさだけで十分よ。



「あっつぅ……」

思わず語尾が伸びる。そんな暑さ。

「ん、ん~。ぐわ、あ、頭痛い……」

二日酔いの親父みたいな感じで起き出しますは、熱中症体験ツアーを終えてきた蟲(リグル)。

「おぉー、生きていたかー」
「……勝手に殺さないでくれる?」
「いや、見た目死んでたもんで」
「あ、そ。あー、ところでチルノは?」
「ん?そこの染みよ?」
「…え?」

蟲(リグル)が振り返った先には、ちょっと地面が湿ったトコ。あーあ、もうそろそろ完全消滅ね。レティさんになんて言おう。

「ちょっ!え?!チルノォーー!!!………ああ!頭痛い!」

友を失った悲しみの叫びは、死ぬほど蒸し暑い森の奥へと吸い込まれていった……
つーかこの蟲(リグル)、何気に元気ありそうな感じね、熱中症ってそんなもんだったかしら?
まあ、もうどうでもいいやぁ……





⑨(チルノ)を埋葬(上に砂をかけただけ)し、慎しまやかな葬儀を終えた後、私達は結局その場でくたばっていた。

「それにしても暑いわねぇー…」

ちっ、貴様はそんなマントなんぞしてるから暑いのだ!くそ!ちょっとカッコイイからって調子に乗りやがって!

「いつか見てろよ、私だっていつかは真っ白な布を翻してやるんだから」
「なに言ってんのよ、理解不能なんだけど…」

あぁ~、暑さで頭がおかしくなってるわ。このクール&ビューティーたるこの私が、意味不明な独り言など通常ありえないのだから。
落ち着け、落ち着くのよ私!いつもの私ならこの程度なんでもないじゃない。

「あー、ねぇミスティア」
「なによ、今精神統一してるんだから話しかけないで」
「悟りでも開く気?」
「カッコイイ女になる気よ」
「あ、そ。まあそれはいいとして」
「な?!良くないわよ!」

この蟲の分際で!この私の崇高なる行いを無下にするつもりかしら?

「今はいいのとりあえず聞いて」
「ちょっ、話はまだ始まってもいないわよ」
「えーっとさ」
「もう聞く気ねーよ、コイツ」

マジやる気失せるわ~。人の話をロクに聞かない、こんなの友達と言えるのかしら?甚だ不安になってきたわ。
ふんだ、そんな事だからショタだのGだの言われるのだよ。もっと私のように『女』というものを磨きなさいよね。

「で?何よ。何が聞きたいのよ」
「私達ってさ、今どこに居るの?」
「どこって、見ての通り森の中よ、死ぬほど暑い森の中」
「それは解ってるわよ」
「……殺していい?」
「違うわよ、その森のどこで、その森はどこにあるかってこと」
「それがどうしたのよ」
「それが解らないと帰れなくない?」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そうね、その通りよ。

「ミスティアは解る?」
「……私ちょっと寝るわ」
「えぇ?!解らないの?!」

解る訳ねーだろボケが!
必死こいて勝手にくたばった二人引きずって、ようやく休めそうな場所を探したのだ。道のりなど覚えている訳なかろう!
うわー、最悪よりによってこんな時にこんな事言う?マジ空気読めって。

「はぁ、これからどーしようか…」

んなもんこっちが聞きたいわ!このままだと暑さで蒸しあがるわ。
ん?蒸しあがる…?


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・

「幽々子様、おやつの用意が出来ましたよ」
「わーい、今日のおやつは何かしら?妖夢」
「今日は散ってしまった桜の花びらで作ったお団子ですよ。以前お出しした時に好評でしたので」
「わーい、いただきまーす。おいしー」
「ええ、召し上がれ。ってもう食べてるし…」
もぐもぐ……!! ガタッ!
「ゆ、幽々子様!どうなさいました?!」
「………燻製、かしら」
「はあ?」
「妖夢、行くわよ。今日は蟲と鳥の燻製よ」
「それはまた、大分ゲテモノ食いですね…」
「あら?好き嫌いは良くないわよ?」

・・・・・・・
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


?!!
なんだ今のは!と、とにかく!このままだと死んだ後ですら危ういという、謎の緊急事態に落ちいってしまう!気がする!
早くこの場を打開しなくては!!!

「リ、リグル…、早く、早くここから離れなければ!」
「へぇ?」
「あ、100円だ」
「ちょっ!まっ!」

思わぬところでお小遣いGET!

「おらおら~、さっさと100円出せ~」
「ひぇ~」

ちなみに今までの会話、二人とも全くもって微動だにせず行っております。正直動きたくありません。
だがこのだと本当に干からびてしまう!こんな美少女がこげなトコでくたばってよい筈がないだろう?!
……いけないいけない、暑さで口調が変になってしまった。てへり♪
だから落ち着くのよ私!早くこの場を打開しなくては!本当に蒸しあがってしまう!!!

「ちょっと、リグル、あんたも何か考えn……」









私が目を向けた先は……







全てが…









紅かった











「はあ?!!キモッ!!!」



咲き誇るは赤くてデカイ花。
何?!何この花!!つーか花?!これ花?!どー見ても真ん中に歯とか付いてるし!!!
マジ何?!何なの?!多いよ!とにかく多いわよ!!!
何なんだこの怪奇植物?!これならまだ花の妖怪とかの方が見た目安心よ!これは精神的によろしくないわ!!
と、そういえば蟲(リグル)は……、まあ予想は付くけどね。無事ではない方に2万かけてもいいわ。

「キシャーーーーーーーーーーーーーーーーー」

サケンダヨ……
うっわ、コイツ声帯持ってんのかよ…、ありえねー、マジありえねー。
というか、地味に冷静ね、私。さっきまで暑さで頭がパーだったのに。今更冷静かよ?!
生命の危機が訪れるとしても、全くもって打つ手がない場合、人は達観してしまうのね。私は人間じゃないけど。
おうわ!蔓来たよ、蔓!これがアダルトな内容ならこのまま私は汚され純潔を散らすのだろうけど、生憎とそんな展開にすらならず簡単にパクっとやられて終わっちゃいそうなこの勢い。やっぱり弱肉強食はつらいわね。
うあぁ、蔓が足に!なんかヌルヌルしてる?!やっぱ嫌だ!キモイ!
あぁ、お日様がこんなにも出ているのに、私は今怪奇植物のランチとなろうとしている。あの白い雲が亡き我が友(⑨(氷精)と蟲(何なのコイツ、妖怪?でいいの?))の顔に見えてきた。微笑んでる…、微笑んでるよぉ……






「「終わりだ…」」

ん?なんか聞こえたような…



どーーーーーーーーーん!!!!




「な?!何が起きた?!って、あっつっ!!!!」
目の前は火の海だった。マジありえない花が跡形も泣く消えてくれたのは助かったが、このままだと結局の所命が危ない。
ああ、もう!タダでさえ暑いのに、これ以上熱くしてどーする!!!誰だ!誰がやった!!先生怒らないから正直に出てきなさい!!!

「おお、生きてたか、夜雀。間に合ってよかった」

おお、本当に名乗り出てくれたか、先生は嬉しいぞ。って、コイツは確か、慧音がよく連れてくる、えーっと……

「もこたん?」
「手羽先にしてやろうか?」
「ごめんなさい」

もう食い物ネタは勘弁してくれ

「で?アンタは何してるんだ?こんなトコに座り込んで」
「好きで座り込んでないわよ、森で遊んでたんだけど…暑くて…」
「それでダウンしたと?はぁ…バカだねー」
「うるさいわねー、妹紅、だっけ?アンタこそ何してるのよ」
「ああ、私はマッドサイエンティストが世に放った化け物を、駆除して回ってるのよ」

やはりヤツ等は自然の産物ではなかったのか!つーかそんなもんまず造るな!そして放すな!!!!
どこの誰だが知らないけど、迷惑なヤツもいたモンね。そーゆーサイエンティストとか頭のいいヤツに限って何考えてるか解らないから困ったもんよ。

「えーっと、とにかくありがとう。あのままだとランチにされてたわ」
「そいつは良かった、もう2度とあの八目鰻が食べられなくなるとこだったわね」
「ツケもまだ回収してないし、死んでる場合ではなかったわ」
「それじゃあまた屋台行くからさ、その時は奢ってよ」
「任せて頂戴。命の恩人とあっちゃあ断れないからね」
「そう、じゃあ頼んだわよ。私は次があるからこれで…」
「あーっと、ついでに森から出してくれると、助かるんだけどな~」
「何?迷子だったの?しょうがないわね~」

助かった!!!これで私は、奇跡の生還を果たしたのである!!!

「というかさ、アンタ一人で遊んでたの?」
「いいや、他に二人居たわ」
「ん?その二人はどうしたんだい?」
「溶けたし、喰われたわ」
「そ、そう……」

さらばだ我が友であったチルノとリグル。最後くらいは普通に呼んであげるわ。まあ慧音になかったことにしてもらえば大丈夫だろう。
困ったときは慧音に頼めって、けーね以外が言ってた。
さあ、戻ったら池に飛び込んで水分補給して、屋台の準備でもしますか。









日誌

○月×日   
森×熱中症×遭難

今日は見知らぬ森で、素敵なサムシングを探す旅に出た。
メンツは私、⑨(チルノ)、蟲(リグル)
素敵なサムシングを発見したはいいが、素敵なサムシングの代償は⑨と蟲の命。しかも素敵なサムシングの正体はヤバイ感じの怪奇植物だった。
割とありえない。

本日までのツケリスト

巫女        25900
魔砲使い      50000 ※修理費
そーなのかー    魚3匹

メモ
今度もこたんが来たら、その時は私の奢り。

                                                       以上。
神矢です。

最近温度差が激しいので、そんな事考えてたらこんなもんになりました。
ミスティアに「あっつぅ…」って言わせたかっただけで書いたらぐでぐでに。
やっぱりちゃんとストーリーは考えてから書いた方がいいと思います。
オチ弱いし、つーか思いつかなかったし。
自分の即興性の無さを痛感。こういうのをプチに送るべきなのかな?

にしてもミスティア、性格悪いなぁー……
神矢
[email protected]
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コメント



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2.60翔菜削除
何ですかこの今にもグレそうなみすちーはwww