『奇跡の書』
本来“それ”はそう呼ばれていた。
“記す”という行為、それは文字を媒介としてあらゆる創造を可能とする奇跡である。
意味・無意味、善と悪、現実と幻想。
書き記された言葉は、記された文字を媒介に意味を、イメージを読み手の脳に再構成する。
実在の有無すらそこには関係無い。
例え書かれていた事が、現実に起こり得るはずの無い奇跡だったとしても、
文字があり、読み手が在りさえすれば、
その奇跡は確かに存在する真実となる。
そう考えてしまった一人の魔法使いがいた。
「無貌の書」四章“白き混沌”
ちんちん
どこかで雀の鳴く声が聞こえる。
ちんちん
瞼の裏が明るく、頬に暖かな光を感じる。
顔に当たるのは朝日だろうか?
「・・・うン」
気がつけば、私はベッドの上で横になっていた。
「ここは・・・?」
体を起こそうとしたが、力が入らず起き上がれない。
しかたないので、体を起こさずに視線だけで周りを見回す。
先ずは自分の体。
力は入らないが、特に外傷がある様には見えない。
拘束されているような事も無い。
次に室内。
紅い壁と天井
黒い木組みの床
朝日が差し込む開き戸の傍には、壁の紅とよく映える鉢植えが並ぶ。
簡素で頑丈そうな机の上にはたくさんの書籍。
がちゃり
そこまで見渡した所で、部屋の扉が開かれる。
入ってきたのはパチュリーの使い魔リトル、ヴワル魔法図書館の史書を勤める小悪魔だ。
「あ、アリスさん。気が付かれましたか。」
しっとりと柔らかな声と、花が開く様な微笑みが目と耳に優しい。
「まだ体の自由が利かないと思いますが、痛み止めの影響ですから心配しないで下さい。」
サイドテーブルに水差しと薬包がのった盆を置くリトル。
「ここは紅魔館の私の私室です。アリスさんはここで丸一日御休みになっていました。」
私が必要としていた、現状把握の為に過不足の無い情報。
主が無愛想な分を補う為、という訳でもないだろうが、この子悪魔はとにかく人当たりが良い。
魔理沙は怒り顔と困り顔しか見たことが無いと言っているが、それは自業自得という物だろう。
魔理沙
そこまで考えた所で、私は彼女に尋ねるべき事があるのを思い出した。
この悪魔らしからぬ子悪魔に悲しい顔をさせるのは、本意では無いのだけれど・・・
「・・・リトル。」
リトルにも、声の硬さが伝わったのだろう。
勤めて冷静さを装う気配が感じられる。
「なんでしょうか、アリスさん。」
「訊ねても良いかしら?」
「・・・何からでしょうか。」
「込み入った話のようね、そっちは後で貴女の主人に聞くから良いわ。とりあえず、魔理沙と殺し合いをしていた筈の私が、何故ここで寝ているのか教えてちょうだい。」
そう、あれは弾幕ごっこなどと言える物では無かった。
生死を賭けた殺し合い。
もっとも、命を賭けていたのは私だけで、実際は限りなく嬲り殺しに近い。
リトルの貌に影が射す。
「アリスさんは、魔理沙さんとの戦闘で両手両足の骨を砕かれていました。その後、失神したアリスさんを私が回収。ここには、パチュリー様のご命令でお連れいたしました。」
ふぅ
既に理解していた事だというのに・・・
その言葉を受け入れる為に、私は小さく息を吐いた。
「砕かれた骨の一部が肺に刺さって危険な状態でしたが、既に治療済みです。骨・神経・筋などの修復も処置済みで、麻酔が切れれば元の通りに動けます。」
「ありがとう、おかげで助かったわ・・・それで魔理沙とパチュリーは?」
きゅ、と辛そうに手を胸に当て俯くリトル。
「アリスさんに止めを刺そうとした魔理沙さんを、パチュリー様が寸での所で止めました。パチュリー様のお話では、魔理沙さんはそのまま姿を消したそうです。」
ほぅ
自覚の無いままに安堵の吐息が漏れる。
私は誰の無事を喜んでいると言うのだろう。
「で、そのまま現在に至る、と。パチュリーは?」
「只今書斎で作業中です。麻酔が切れて歩ける様になったら書斎まで来て欲しい、と言伝を承っています。」
「そう、分かったわ。それと、もう一つ聞きたいのだけれども、私の人g『シャンハーイ!』ぶっ!」
べし
私の人形達はどうなったの?
そう訊ねようとしたその瞬間、ドアの隙間から飛来した上海人形が、私の顔に着弾した。
『シャンハーイ!シャンハイシャンハイシャンハイ~!!』
「モガ!モガ!モア!」
ちょっと上海!息が!
「はい、アリスさんのお人形さん達は、二人ともなんとか回収できました。」
「モア・・・モア!モグ!」
そうなの、よかった。でもなんで会話が通じるのかしr・・・じゃなくて息が!
見てないで助けて!!
「上海ちゃんはこの通り怪我も無くて、至って元気です。蓬莱ちゃんは、ちょっと怪我をしちゃったみたいなので、今私が縫ってあげている所なんですよ。」
「ムガ!ムガ!フガ!」
あぁっ!この子の悪い癖が!
「あ!ひょっとして勝手に蓬莱ちゃんを修理した事、怒ってらっしゃいますか!?申し訳ありません!私ったら、つい余計な事を・・・」
「ムガ・・・フガ・・・」
私の事見えて無い・・・!
「でもでも、あれは絶対不可抗力ですぅ!こんなに可愛いお人形が、ズタぼろの格好で一生懸命アリスさんの看病しようとしてるんですよぉ!」
「ゥガ・・・」
もぅ・・・だめ・・・
「それはもう意地らしいやら、可愛らしいやら・・・そんな姿を見たら、思わず助け舟の一つも出したくなるのが、人情ってものじゃ無いですか!!」
「・・・」
「あれ、アリスさ~ん?・・・って!上海ちゃん!ストップストップ!!アリスさんの顔が土気色に!!」
『シャ、シャンハ~~~~イ!!』
真面目で仕事熱心で気が利いて優しいリトル。
そんな彼女の唯一にして最大の欠点。
『超天然』
薄れ逝く意識の中、そんな単語が浮かんだ気がした。
●
「・・・思ったより早かったわね、もう体は大丈夫?」
「えぇ、お蔭様で。ちょっと見殺しにされかかったけどね。」
「うぅ、すみません~。」
「そう、こんど三途まで行ったら死神によろしく言っておいて。」
パチュリー・・・あんたって人は・・・
ヴワル魔法図書館の一角にあるパチュリーの書斎。
部屋の四方を囲み、遥か上の天井まで続く巨大な書架。
そこにも収まりきらない本が目の前の机の周りに山積みにされている。
本の大峡谷の中心、怪しげな実験器具と安楽椅子に埋もれる様に図書館の主、パチュリー・ノーレッジの姿があった。
話をしている間も此方を見るでもなく、眠そうな半眼で傍らに浮かべた魔導書をめくりながら、怪しげな中身が入った三角フラスコを攪拌しているパチュリー。
人当たりの良い使い魔とは、似ても似つかぬ傍若無尽蔵・無愛想の極み。
ある意味最も魔女らしい魔女、あんな事があった後だというのに、その姿はいつもの通り、“動かない大図書館”の肩書きに恥じない不動振りだ。
『ホラーイ!』
机の影から蓬莱人形が飛んでくる、今回はちゃんと胸に飛び込んできてくれた。
「蓬莱、大丈夫?どこか変な事されてない?」
「・・・命の恩人に向かってずいぶん言ってくれるわね。」
それはもちろんそうなのだが、こいつはもう少し自らの所業を省みる必要がある。
パチュリーとは魔理沙を通じて知り合った友人だが、事もあろうにこの女。初めて会ったその日に上海人形を分解しようとしてくれたのである。
しかも私にしびれ薬まで盛る念の入れようで!
その時は、リトルが寸での所でパチュリーを殴り倒してくれたおかげで事なきを得たのだが、それ以来可哀想な上海はこの書斎には近寄ろうともしない・・・今もリトルの胸にしがみついて震えている。
本人曰く「知的好奇心の虫が騒いだの」だそうだが、流石に魔理沙の友人をやっているだけあって、そのあたりのズレ加減は相当なものだ。リトルはともかく、こいつには本泥棒の件を追求する資格は無い、と私は確信している。
・・・その論理でいくと、同じく魔理沙の友人である私もぶっ飛んでいる事になるのだろうか?と一晩懊悩した事は、人形達にも相談できない秘密である。
「もちろんわかってるわよ・・・ありがとうパチュリー、助かったわ。」
「どういたしまして・・・でも、そんな事を言いに来た訳では無いでしょう?」
パチュリーが居住まいを正す。
「蓬莱人形からある程度の話は聞いているけど・・・聞かせてもらうわ、何があったのか。全て。」
●
「なるほど、掻い摘んで言えば『最初は魔理沙そのものだったのに突然人が変わった様になって襲われた』ということね。」
私の話を聞き終えたパチュリーは、安楽椅子に深く身体を沈め深く息をついた。
そのまま考えを巡らせている様子だ。
「そういう事、後は知っての通り。ぼろぼろにされて殺されかけたという訳。」
私もここで一つ息をつく。こんどはこちらが質問をする番だ。
「それじゃあ、今度は私の質問に答えてもらうわ。魔理沙にいったい何があったの?」
「いいわ、知っている限りの事を話してあげる。」
パチュリーが椅子から背を起こし、こちらに向き直る。
その瞳には、今まで見た事も無かった強い光がある。
”七曜の大魔女”
その異名に恥じぬプレッシャー。
私は唇を噛み締めた。
「まず最初に言っておくと、あれは魔理沙であって魔理沙では無い存在。」
「えぇ、当人もそう言っていたわ。『私であって、私で無い』って。あれはどういう事?何かが魔理沙に憑依しているとでも言うの?」
「少しちがう、あれは既に魔理沙本人では無い。『霧雨魔理沙』という人間の魔法使いは、もうこの世に存在しない。」
え?
今、なんて?
魔理沙が
死んだ?
くらり
思わず眩暈を起こして倒れかけた私を、リトルと蓬莱人形が支えてくれる。
「アリスさんしっかり!パチュリー様!いくらなんでもその言い方はあんまりです!!」
「私は事実を言っただけよ。」
「パチュリー様!!」
声を荒げるリトルを片手で制する。
「いいの・・・続けて。」
言葉尻に気をとられてしまったが、パチュリーは今確実に言ったのだ。
“魔理沙でもある”と。
一瞬目を伏せたパチュリーだが、すぐに元の不機嫌そうな顔に戻る。
「正確に言えば、魔理沙の肉体と魂の大部分は既に文字に変換され、封印されてしまっているの・・・『無貌の書』の中に。」
「『無貌の書』?」
聞いた事の無い名だ。
名前から察するに、なにかの魔導書なのだろうけど・・・
「そう、正しくは『無貌の書』の断片・・・リトル。」
「はい、パチュリー様、アリスさん、こちらへどうぞ。」
リトルが床に転移魔法陣を展開する。
「何処へ行こうというの?」
赤髪の司書の顔が緊張に強張る。
「ヴワル魔法図書館、地下迷宮書架。その最下層にある”死蔵書庫”です。」
●
「すごい・・・こんな場所があったなんて全然知らなかった。」
「当然ね、死蔵書庫の事を知っているのは私とリトル、咲夜の三人だけ。レミィだってここの存在は知らないわ。」
私の眼前に広がるのは、リトルが持つカンテラの明かりに薄く照らされる書架の谷間。
果て無く続く書棚の合間合間に、どこへ続くとも知れぬ歪んだ闇が広がる。
そこまでなら表のヴワルと大した違いは無いだろう。
地上の図書館と異なる点は、全ての本に厳重な封印が施され、読み手を完全に拒絶しているというその一点。
まさしく此処は“死蔵書庫”本が本たる意味「読まれる」という事を完全に否定し、ただ朽ち果てる事のみをよしとする知識の墓場。
「ヴワルは知識の墓場と呼ばれると聞くけれど・・・ここが本当のヴワルという訳ね。」
私の独り言にパチュリーが頷く。
「そう、ここの管理こそがヴワルの管理者の責務。以前巫女に表の本の価値を神社の賽銭程度と言ったのは、そういう事よ。」
「絶対に私とパチュリー様から離れないで下さい。全て封印されているとは言っても、ここの魔導書の危険度は表のそれとは桁違いです。」
「・・・そんなに危険なの?」
確かに周囲一帯から、脈打つ様な魔力の波動を感じるけど・・・
「魔導書だけならまだ良いんですけど・・・漏れ出した魔力やら壊れた結界やらが交じり合って、空間のねじれが相当面倒な事になっているんです。もしはぐれたら、命の保障はできません。」
「肝に銘じておくわ。」
書棚の谷間を歩く事半刻。
私たちの前には、巨大な扉がある。
和風洋風の違いこそあれ、どこと無く冥界の門と似た雰囲気があるのは、常世と異界を隔てる障壁という共通点があるからだろうか。
「リトル、バックアップをお願い。」
「はい、パチュリー様。」
門の前に進み出たパチュリーが、懐からスペルカードを取り出す。
「“相克する螺旋、法を統べし五色の理”」
循環し、絡み合う五色の魔力がパチュリーの周囲に渦を巻き、物質化していく。
“火水木金土符『賢者の石』”
現れた五冊の魔導書から放たれた五色の魔力が、門に施された封印を照らす。
「“パチュリー・ノーレッジの名をもって命ずる、開門”」
ご・・・ごごごごごごごご
パチュリーの詠唱が終わると同時に、巨大な門扉が音を立てて動き出した。
「あんた程の大魔女が、わざわざ賢者の石を使って封印しているなんて・・・いったい何だっていうのよ?」
“火水木金土符『賢者の石』”七曜の魔女、パチュリー・ノーレッジの切り札の一つ。
直接的・物質的な破壊力でこそ「ロイヤルフレア」に劣るものの万物の法則を支配、様々な奇跡を可能とする大魔術だ。
たかが魔導書一冊を封印する為に持ち出すような代物では無い。
「・・・昔、一人の魔法使いがいたの。」
扉の奥は、長い通路。
「事故で言葉を失った彼は、文字を媒介とした魔法の研究を始めた、今で言う呪符魔術の類ね。」
その奥に足を踏み入れながら、パチュリーの独白が始まる。
「あるとき彼は思ったの『呪符は紙に書かれた魔力文字を媒介として定められた奇跡を起こす、ならば魔力の篭った紙を媒介とすれば、いかなる奇跡でも起こせるのではないか』と。」
廊下は長く、ランタンの光には周囲の壁と床だけが浮かび上がる。
「でも、その試みは失敗した。いかに真っ白な紙といえども、それは既に形ある物。それを媒介として無形の奇跡を起こす事は適わなかった。」
それは、深淵の闇の上を浮かび進む様な幻想的な光景。
「それでも彼は諦めなかった。彼はその魔法に相応しい素材を求めて全世界を駆け巡った。」
光の形に切り取られた闇のなか、ただ足音だけが高く響く。
「そして、彼は見つけてしまった・・・無色の混沌、世界が未だ分かたれる前の無垢の力を。」
「ちょ、ちょっとそれって!」
「私もそれを聞いたときは耳を疑ったわ、私の「賢者の石」でさえ『根源』から力を引き出してから形にするのが精一杯なのに、『根源』そのものを引っ張り出してくるなんてね・・・」
世界が未だ分かたれる前の無色の力、すべての因果と事象があふれ出る混沌の渦。
それは、私達奇跡を学ぶ者達の究極の目標だ。
「でも、根源に行き着いたというのならば、不可能な事なんて何も無いはずでしょう?なんでわざわざ此方側に引き出すような事をしたのよ?」
「それは、彼が最初の目標に拘ったからでしょうね。『如何なる奇跡をも可能とする法則を創る事』奇跡のノウハウの『形』を創る事が、彼の目標だったから。」
「・・・」
「そして彼は姿を消した。「奇跡の書」と銘振られた一冊の魔導書を残してね。」
「ちょっとまって、それじゃあその本は『書き記された事を現実にする能力』を持っているっていう事でしょ?それがどうして「無貌の書」なんて名前になって魔理沙を襲うの?」
「あせらないで、話にはまだ続きがあるの。「奇跡の書」を残された魔法使い達はパニックになったわ。当然よね『文章に書き表せる事』に限定されるといっても、この本に不可能な事は存在しない。その気になれば、既存の法則どころか、世界でも簡単にひっくり返せる様な力をはいどうぞと渡されて混乱しない奴なんて居ないもの。」
「よくもまぁ、自分の欲望に忠実に行動した人間が出てこなかったものね・・・」
「本を作った魔法使いも、その点を危惧していたのでしょうね。「奇跡の書」には守護者が憑けてあったの。自ら持ち主を選び、筆者の意思を過不足なく記す事が出来る“筆”の化身がね。「奇跡の書」で奇跡を起こすには、その筆を使わなければならない。」
「まったく難儀な代物ね。」
「当代の魔法使い達もそう考えたのでしょうね、結局「奇跡の書」は封印されることになった。でも・・・」
「でも?」
「噂を聞きつけた他の人間達は、先を争って「奇跡の書」を奪い合った。長い長い時間多くの血を流し続けた。「奇跡の書」は白紙のまま永い時間を過ごす事になった。人の流し続けた血と涙と嘆きに当てられたのかしらね、守護者は人間に絶望してしまう。」
・・・
「そして、その時を境に「奇跡の書」は全く正反対の性質を持つ様になるの。書かれた事を実現するのではなく、周囲のあらゆる事象を略奪して自らに書き込む魔性の本に。」
明かりの先に扉が見えてくる。
「『奇跡の書』が発動した時、二つの町が犠牲になった。発動の光が消えた後に残っていたのは、表情も何も無い真っ白な塩の柱だけだったそうよ。『奇跡の書』の表紙は血で汚れ、もはや書名を読むことはできなかった。そしてついた名前が・・・」
「『無貌の書』・・・」
「そういうこと、幸い『奇跡の書』は一回使う度に百年の休眠期間を空けるように設定されていたの。生き残った魔法使い達は、二度と発動することが無い様に『本』と『筆』を別々に封印した。」
リトルが懐から取り出した小さな鍵を扉の鍵穴に差し込む。
かちゃり
ぎぃいいいいいいいいい
「これがそのうちの一つ『無貌の書』の『本』。」
●
目の前に広がるのはダンスホールほどの広さを持つ球形の空間。
その壁面と空間には無数の魔方陣が、信じられない程の緻密さで書き込まれている。
「こんな大規模な積層形立体魔方陣初めて見た・・・信じられない・・・たった一冊の本をいったい幾つの結界で封じているっていうの!?」
「3×3×3で27重の積層結界。『筆』が合わさればこれでも足らないわ。」
ふと思い当たる。
「それじゃあ、この本の中に魔理沙が封じられているっていうの!?」
「いいえ、違うわ。」
「でも、さっき魔理沙は『無貌の書』に封印され・・・て・・・」
ちがう、パチュリーはそうは言っていない。
「そう、魔理沙は『無貌の書』の断片に封印されている・・・今、魔理沙の姿をしているのは『無貌の書』の『筆』よ。」
次を早く読みたいですね
でも、こういう展開嫌いじゃないぜ。
さて、お次はどんなお話が待っているのやら…
続きが早く読みたいっス!