頭上に受け月が浮ぶ夜。
私はコテージを出て森に入る。
右手には焼き物の器があり、中身は秘蔵の極上酒。
紫様はまだ起きてない。
橙は早々に休んでいる。
明日は……いや、既に今日か。
この一ヶ月の総決算が待っている。
何をさせるかは、実の所まだ決めていなかったりする。
私としては、既に橙の修行は成功してると思うのだが……
しばらく歩けば、橙と組み手を行なっていた広場へ着く。
そこはかなりの範囲に渡って樹木が炭になっており、元の面影は見られない。
「……悪い事したなぁ」
頭を掻いて息を吐く。
そのまま地面に座り込み、帽子を脱いで放り投げた。
地べたに座り込むのが好きなのだ。
妙なところで獣が抜けない自分に苦笑する。
家族も良いが、一人も良い。
紫様がいらっしゃるまでの僅かな時間、大切に使いたいものである。
私は手酌で酒を注ぎ、一息に呷る。
「……こんなもんか」
美味くもなければ、不味くもない。
癖が無くて飲みやすいが、それだけのような気がする。
「何でこんなもんがバカ高いのかねぇ」
苦笑をしつつ、自分が贅沢を言っていることに気がついた。
私は酒が好きではない。
それでもこんな濁り水を飲むのは、雰囲気を味わうためである。
目的がそうである以上、味は気分を害さない程度で良いのだろう。
そういった意味においてなら、この酒は非の打ち所が無い。
酒の肴は頭上の月。
「うむ、好い月だ」
淡い月明かりは夜の闇を払うには及ばない。
空が高く、そして広い。
星はその存在を強く示し、澄んだ夜空を彩った。
私は手酌で酒を注ぎ、また呷る。
なんとなく、先ほどよりも美味く感じた。
しばしの間、私一人の酒宴が続く。
酒気が身体を徐々に満たし、月と星の光を全身で浴びる。
思い返すのは昼間の橙。
私を相手にしていることを考えれば、アレは善戦と言っていい。
あのときの橙だったら妖夢とだって……
「結構いい勝負するかもな」
「でも、多分勝てないわね」
空から声が降ってくる。
当然というかなんというか、頭上を見ても姿はない。
先ほどまでは高かった空が、今は低く感じられる。
これは辺りに満ちた妖気のせい。
無意味な演出が好きな方だ。
「お目覚めですか紫様」
「起きた。でも貴女は居なかったわ」
「待っていろとは言われておりませんので」
拗ねた様な声に、悪びれずに言ってやる。
紫様が苦笑するのが判る。
目の前の空間に亀裂が入り、徐々に広がりスキマとなる。
美しい女性形が一つ、そのスキマから吐き出された。
音すら立てずに紫様は大地に降り立つ。
自身の名と同じドレスを纏い、夜であるにも拘らず、その手には日傘を携えている。
「おはようございます、八雲藍」
「こんばんわ、紫様」
私の隣に一つ、紫様はスキマを開く。
そして優雅に腰掛けた。
ちらり、と一つ視線をくれる。
その意味を察した私は、手にした杯を手渡す。
使いさしだが、二人のときは気にしない。
私が酌すると紫様は一口含み、味わうように喉を滑らせる。
本当に、美味そうに呑むものだ。
「ご返杯?」
「結構です」
主の酒を断るのは非礼だが、私は紫様と酒を酌み交わすつもりはない。
私は酒で裸になった他人の心を見るのが嫌いだった。
また、そんな自分を他人に見せるのも嫌いなのだ。
互いに酒で正体を失うほど弱くはないが、それでも誰かと飲む酒は好きではない。
紫様が私を宴会へ誘うことはよくあるが、私はそれに同伴したこともないのだった。
「酒も宴も嫌いなんて妖怪半分損してるわ」
「酒も宴も、私にとっては相手の弱みを探る場所でしかない。この幻想郷にあっては、そんなことをしたくないんです」
相手の負の部分を把握し、利用する。
それは私が、まだ人と共に在った頃……
権謀術数が渦巻く宮廷で生き残るため、絶対に必要な事だった。
「あー……私は自分の式とお酒も飲めないのねぇ。不幸だわぁ」
「式と酒が飲みたいなら、そのための式を打てばよろしいでしょうに」
あからさまな泣きまねに苦笑する私。
私が酒器を翳すと、嬉しそうに杯を差し出した。
酌する私。
これが最大限の譲歩であることを、理解してくれる紫様が好きだった。
反抗的な式であると自覚はある。
道具としてなら、私は明らかに欠陥品。
しかし道具と飲みたいなら、本当にそのための式を打てばいいのだ。
紫様が『私』と飲むことを望んでおられる以上、ここは妥協出来ない所だった。
ゆっくりと杯を傾けた紫様は、ようやく本題を切り出す。
「明日は、どうする?」
「私としては、既に十分成果を見ることが出来たと考えております」
「あら、それほどに?」
「はい」
話しているのは橙のこと。
そして明日の課題について。
「それじゃ、成功でいいのかしら」
「はい、ですが……」
「やり過ぎたかもしれない?」
「……」
紫様の指摘に、私は黙して酌するのみ。
「正直、そこまで伸びたとは思っていなかったけど……」
「努力してましたから、あいつは」
「嗚呼、若いって羨ましいわねぇ」
「全くですな」
私達は互いに顔を見合わせ、笑いあった。
「貴女よりマシよ? 私は」
言ってろよこのスキマ。
主のよく動く口に、拳をねじ込んでやりたい衝動を全力で自制する。
「まぁ、あいつは強くなりました。これ以上の成長は、まだ本人のためにならないでしょう」
「強さを入れる器が無いと?」
「今の時点では、ね。これ以上強くなっても害だと思います」
「ふーん」
考え込む紫様を余所に、私も自分の思考に沈む。
橙は此処最近、兎角急いで強くなった。
これ以上の強さを入れるには、橙の精神は未だ未熟。
あいつは私を遥かに超える成長速度がある。
しかし概ね、躓いた時の怪我は速度に比例して大きくなるものだ。
『……』
紫様を見れば、まだなにやら考え込んでいるらしい。
しかし唐突に顔を上げると、珍しく酒を一気に呷る。
そして杯を空に放り投げ、日傘の先端から放った閃光で打ち抜いた。
「見て……みたい物ねぇ」
「……」
「貴女にそこまで言わしめる、あの娘のチカラ……」
極自然に禍々しい、紫様の笑み。
どうやら紫様の中で、最終試験の内容が決まったらしい。
私は内心で橙に合掌した。
明日は結構ハードだよ……
「決めたわ、今夜は寝ます」
「はぁ」
「試験は明日の午後から。内容は禁じ手無しの真剣勝負。もちろん私が相手をします」
「本気ですか?」
むしろ正気かと聞きたいところである。
橙に勝ち目などあるはずがない。
「もちろん本気よ。貴女はそれまで、橙の状態をベストにしておいて頂戴な」
「紫様」
「何かしら?」
水を差されたと不満げな紫様。
申し訳ないのだがこれだけは言っておかないと。
「あまり無茶はなさらないでくださいね?」
「当然でしょう? 私を誰だと思ってるの」
……意外と抜けたスキマ妖か
「何か言った?」
「いえなにも」
「それじゃ私は寝ますけど、後のことはよろしくね」
「心得ました」
紫様の体が、腰掛けていたスキマに落ちた。
おそらくコテージに帰ったのだろう。
「……如何したもんかね」
私の呟きに応える者はない。
私が紫様と勝負して見せようかな……とか考えていたんだがね。
「ま、いいか」
紫様が真面目に橙の相手をしてくれるとは思ってなかった。
考え方によっては、これは好機とも取れる。
私の胸にある算段が生まれつつあった。
「ベストにしとけか……なるほど、ベストね」
帽子を拾って立ち上がる。
そして大きく伸びをした。
酒で火照った身体に、涼しい夜風が心地よい。
私は踵を返して歩き出す。
ごめんね橙。
明日は、多分凄くハードになるから。
* * *
「絶対勝てっこありません!」
試験当日の朝のこと。
最終試験の内容を告げた私に、開口一番に橙が言う。
予想通りと言えば予想通り。
私は思わず肩をすくめる。
暢気に眠るウリボウの背中など掻きながら。
「誰も勝てなんて言ってないよ。どんなもんだか、可能性を見せろって事」
「……」
「大丈夫だよ。昨日私には出来たじゃない」
「うぅ……」
俯く橙の肩に手を添える。
橙は紫様のことを、私の主と言うだけで萎縮してる。
気持ちは判らなくも無いが、これでは一蹴されてお仕舞いだろう。
「でも紫さまですよ? 藍さまのご主人様なんですよ?」
「まぁ、そうだけどね……」
「でしょ!? 絶対無理ですから!」
「普通ならね」
「……普通、なら?」
私の言葉に含むところを感じたらしい。
橙はとりあえず、私の話を聞いてくれる。
「いいか橙? 紫様は異能力こそ桁違いだが、別に超越者ではない。やり様によっちゃお前でも勝てる」
「私でも……?」
「そう。まずは自覚しろ。紫様は妖怪。それ以上でも以下でもない。別に得体の知れない化け物と戦うわけじゃない」
「だけど……」
「事実だ。考えても見ろ。紫様だってこの間、人間三匹に伸されてるんだよ?」
「……」
「私だってそうだ。思い出して橙。あの三人は本当に、私と紫様より強かったと思うか?」
妖怪の特徴である妖気と、人間の特徴である霊気。
そして身体能力、技術、経験。
全てにおいて私達が上だった。
霊夢は少し別格だとしても、私と紫様が組んで勝てない連中か?
はっきりとそれは否である。
「勝負事に絶対なんて無いんだ。事実、昨日のお前は瞬間的に私の上を行きもした」
「あれは偶然ですけど……」
「だとしても、同じ偶然が無いとも限らない。紫様はお前を舐めてるよ? 昨日の私と同じ隙があるんだから」
「……」
「いいか橙? 昨日の組み手で、お前は私に一撃入れたろ? 要はアレで戦闘不能に出来ればお前の勝ちだったんだ」
「……はい」
「まずは当てろ。どんなに破壊力があっても、当てないことにはどうにもならん。そういう意味で、昨日のお前は正しかった」
「はい!」
橙の返事に熱が篭ってきた。
いい感じである。
「紫様は人外という括りの中では、決して身体能力の高い方ではない」
「そうなんですか?」
「ああ、紫様はお前より強く、そして巧いが……」
「……」
「間違いなくお前より重く、そして遅いよ」
これは私が贔屓目無しに分析した結果。
問題は前者は果てしなく差があり、後者はそれほど差が無いということだが。
まぁ、それは今更である。
元々無謀なまでの実力差があるのは私も橙も、そして紫様も判っている。
だが今必要なのは事実を確認することではなく、橙が萎縮しないで動けるコンディションを作ってやることだ。
「お前に足りないのは破壊力。それを補った上で紫様と勝負すれば……」
「すれば……?」
「多分、紫様も驚いてくれるよ」
「……」
「ね? ちょっとドキドキしてこない?」
橙は拳を握り締め、じっと見つめる。
やがて意を決したように私に言う。
「やります」
「ん、頑張れ」
「はい!」
とりあえずやる気にはなってくれた
しかしまだ、この子に足りない物がある。
「さっきも言ったが、普通にやったらまず勝算はない。妖夢の双刀のような、“普通では無い武器”が必要だろう」
「はい」
「それを今からお前に貸そう。見事紫様の度肝を抜いて来い」
「はい!」
「それでは……」
私は袖に手を突っ込んでごそごそと漁る。
やがて該当する武器が幾つか、私の手の中に納まった。
「秘封書(バ○ッシュ&デ○)」
「没」
「チェーンソー」
「却下」
「毒刃(バブ○ローション)」
「禁止」
「ぬぅ……我侭な……」
「藍さま真面目に言ってるんですか!?」
失礼な。
どれも決まれば一撃で相手を倒せる一品揃なのに……
「皆反則じゃないですか!」
「いやでもお前が紫様に勝とうったらシステムの裏を突いた即死攻撃しか……」
「っく、もういいです!」
怒った橙は私に背を向け、外に出る。
まぁ、これらが本当に紫様に効く保証も無いが。
「橙」
私はやや声色を変えて式を呼ぶ。
「はい」
橙は立ち止まり、しかし振り向かず応える。
「最後のは冗談だが、それまで言ったことは本当だよ」
「……」
「さっきの話で大切なこと、何処だか判る?」
「……紫さまは妖怪、絶対者じゃない……」
「その通り。紫様はお前より強い。だけど、お前とは違う」
「……」
「例えば、お前が紫様の真似をしたとする。そっくり同じことが出来たとしても、お前がやったなら、それはもうお前の力だ」
「……」
「今のお前に出来ることを、紫様に見せてやれ。反則だって良いじゃない? 勝ったほうの勝ちなんだから」
橙は背中越しに頷くと、今度こそ本当に出て行った。
橙の姿が見えなくなると、私は息をため息をついて椅子に座った。
「……難儀なもんだな」
自身の指導が正しいかどうか、絶対の自信など持てようはずがない。
私は橙に間違ったことを言っているかもしれない。
正しかったとしても、橙が私の意図とは違う捉え方をしている事もある。
それでも、私は橙に何か気づいて欲しかった。
私は橙の指導者としてなら、教えるよりも気づかせる事を旨としたい。
それはおそらく直接教えるよりも、ずっと遠回りな事だろうけど……
「なるべく自分で考えて」
それは教えられたことよりも、きっと実になる筈だから。
「……」
目を覚ましたウリボウが、私の足を鼻で突く。
苦笑して抱き上げ、膝に乗せる。
背中を掻いてやると、気持ちよさそうに目を細めている。
「お前、橙の式になってみない?」
* * *
昨日橙と組み手をし、紫様と話した空き地。
そこに私達は集合する。
此処に着いたのは私が一番遅く、既に二人は対峙していた。
「遅かったわね」
「失礼。こいつもぜひ観戦したいと申すもので……ね」
「……」
私が抱くウリボウに笑みを向ける紫様に対し、橙は紫様から目を離さない。
表情は、いつもよりやや硬い。
これくらいの緊張感はあったほうが良い。
紫様は満足げに微笑むと、橙に向けて語りかける。
「役者も揃ったところで、始めましょうか」
「よろしくお願いします」
「こちらこそ、よろしくお願いしますわね」
一見朗らかに見える紫様の笑み。
笑顔は仮面。
紫様は例え本当に笑っているときでも『笑顔』という仮面を被る。
どのような感情も笑みというブラインド越しの感情になるため、紫様は胡散臭いのだ。
「でもその前に、ただ決闘するだけじゃ面白くないでしょ? 一つ賭けをしましょうか」
「は?」
紫様の言葉に眉を顰める橙。
発言の意図が掴めないらしい。
そしてそれは私にも言えることだった。
「橙、貴女はこの一ヶ月で強くなった。それこそ人を思わせる速度で成長した。これは妖怪にあっては稀有よ。下地はあったにせよ、ね?」
「……」
「よくぞ此処まで。なればこそ私は主として、その努力を讃えぬ訳には行きません」
顔を上げ胸を張り、豊かな声量で謡う様に言葉を紡ぐ紫様。
大妖怪としての威厳に満ちた紫様の外面。
紫様が極稀に、他人を相手に見せる貌。
「そこでね? 私は寝ないで考えました」
嘘付け。
「貴女の努力に報いる道……」
紫様の足元にスキマが開き、その体が地面に消える。
そして私の頭上に開いたスキマから現れ、目の前に下りてきた。
「貴女が一番欲しいもの……」
紫様の手には紅薔薇の花束。
花束が私に手渡される。
両手で受け取る私。
「それは……」
紫様は花束を束ねるリボンを解き、私の両手を花束ごと結わえ直す。
「おそらくコレでしょう?」
橙に向き直り、紫様は親指で私を指す。
橙の視線の先には、両手を縛られ花束とウリボウを抱えた私。
……しまった。
こんな美味しい役どころなのに、いつもの服で来てしまった。
紫様に習って西洋風の衣装でも着ていれば、きっと絵になったのに。
あー……でもその前にこのウリボウを何とかして……
……いかん、少し落ち着けよ私。
「どうかしら? 貴女が勝てば、この天狐を差し上げる」
「……負けたら?」
「そうねぇ、今度腰でも揉んで貰おうかしら」
紫様の言葉を、橙は俯いて聞いていた。
前髪が影となり、その表情は伺えない。
「っく……くく……」
両肩が小刻みに震えている。
橙は明らかに、笑っていた。
唐突に顔を上げた橙。
そこには肉食獣の笑みがあった。
「良いんですか? 紫様」
「……」
覇気があるな、橙のヤツ。
さっきの笑みはまるで鏡でも見てるような既視感があった。
それだけ私に似ていたのだ。
「これでも勝つ気でいますよ?」
「そう」
やや意外そうな紫様。
それは私も同様だった。
どうやら私達が考えていたより、橙は落ち着いていたらしい。
紫様の出した条件が、よほどツボだったのかもしれないが。
橙のモチベーションは今がピークかな……
私は二人から等間隔を取って離れる。
さっさと始めたほうが良い。
「二人とも、準備は……!?」
開始の合図をしようとした瞬間、風が奔った。
おそらく私が離れたと同時に、橙は動いていたのだろう。
「……え?」
紫様はどこか呆けた様な顔で、自分の胸元を見る。
そこには既に橙の拳が、深々と食い込んでいた……
* * *
「ぐ?」
くの字に折れる紫様。
その顎先に、橙の後ろ回し蹴りがまともに決まる。
「せ!」
体半分浮いた紫様に前宙の要領で飛び込む橙。
そして体ごと叩きつける浴びせ蹴り。
中空で捕らえられた紫様の体が、大地と橙自身に挟まれる。
「……っ!」
紫様の肺から、空気だけが搾り出される。
橙は即座に起き上がり、紫様の足を掴む。
「せーの!」
思い切り反動をつけ、背後の大木目掛けて投げつける。
ノーバウンドで木に激突する紫様。
此処までなら、橙だけでも出来る。
でも此処からは……
「前鬼……後鬼……」
両腕を開いた橙。
その左右の掌から、二つの使い魔が生み出される。
橙は一瞬私のほうを見、そして微笑む。
こいつ……ちゃんと気付いていやがった。
私も思わず笑みが浮ぶ。
「行け! 橙!」
「破!」
二つの使い魔より無数の妖弾が打ち出され、紫様を捕らえて爆発する。
更に……
「狐狸、妖怪レーザー……」
橙自身より放たれる蒼赤の光線と妖弾が、使い魔達の十字砲火に加わった。
爆発自体は小規模だが、その分内側の破壊力は尋常なモノではないだろう。
熱い光が風を生み、生み出された風が辺りを凪ぐ。
両手を縛られた私は、尻尾で顔とウリボウを庇った。
「っは……はぁ……」
肩で息をつき、座り込む橙。
初めて使った私の力。
それは橙の妖気に相当負担を掛けたらしい。
式神は主命さえあれば主と同じ力を使える。
私と橙は普通の式とは違うため、一概にそうとも言えないのだが……。
ともかくこれが、私の貸した“普通ではない武器”
そして主命は『紫様の度肝を抜いて来い』
橙はちゃんと気付いてくれた。
だが……
「準備運動は、もう良いかしら?」
紫様の声が響き、凄まじい妖気がマヨヒガを圧す。
爆炎を妖気で押し潰し、紫様は優美な足取りでクレーターから出てくる。
その姿は傷一つ、服にすら埃一つも付いていない。
まぁ、妥当なとこだろう。
私の目から見て、まだ術の制御が甘かった。
アレくらいなら、殆ど溜め無しで速射出来ないと意味が無いのだ。
それにしても遠距離攻撃はともかく、直接攻撃は当たっていたように見えたんだがな。
おそらく何かしらの境界操作で、攻撃力を無力化していたのだろうが。
「さ、始めましょ?」
肩で息をして座り込んでる者を相手に、この言い草。
やはり相当に良い性格をしていやがる。
橙は即座に立ち上がり、鉤爪を出して身構える。
無傷の相手に対する気落ちは無い。
効いてない事は予測していたのだろう。
「貴女のご主人様は、いろんな武器を使うじゃない?」
「……?」
「中でも、刀を良く使うわね?」
「……はい」
怪訝そうな顔をしながらも、橙は紫様の声に応えている。
今は体力を回復する時間が欲しいのだろう。
「藍の剣で最高の技を知ってるかしら?」
「は?」
私の最高の剣技?
そんなものを紫様に宣言したことは無いのだが……
確かに、一番使いやすくて研き抜いたヤツはある。
はったりか、それとも本当に知っているのか。
私の躊躇いを余所に、紫様が傘を正眼に構える。
「見せてあげる」
「……それは?」
「それはね……」
―――突き
紫様の傘が虚空を突く。
同時に開いた空間の裂け目に傘が吸い込まれ、その先端が橙の目の前に出現する。
「っが!?」
それは正確に橙の眉間を打ち抜いた。
因みに、紫様の答えは正解。
腕の長さ+得物の長さで最大のリーチを生み、尚且つ最短距離で相手に届く一撃。
それが私の得意技である。
……ばれてるなぁ。
「く」
橙は後ろに弾かれながらも、バック転で起き上がる。
そのまま最大加速しながら紫様に迫る。
「ふふ」
紫様は退かず、橙に間合いの侵入を許した。
先ほどの加速を見たところ、私の主命が解けた様子はない。
紫様は最初から、私が力を貸すことは折り込んでいたわけか。
本当に、可愛げの無い。
縦横無尽に動き回り、橙の両爪が振るわれる。
だがどれだけ速く動こうと、紫様の洞察を上回ることは出来まい。
紫様は遅くても、合理的に無駄なくタイミングを合わせて対処している。
笑みすら湛え時に避け、時に傘の先端で流す。
「良い感じよ子猫ちゃん。思ったよりやるじゃない」
「っち!」
「でも藍に下駄履かせて貰ってこの程度なのかしら?」
「この!」
拙い!
紫様の態度と御喋りに舐められていると感じたのだろう。
橙のモーションが大きくなる。
その間隙に紫様の傘が突きこまれる。
橙の胸元に、最短距離で。
「ごっ!?」
鳩尾を打ち抜かれ、蹈鞴を踏んで後退する橙。
紫様が傘を振るい、先端から放たれる五条の光が橙に迫る。
橙は横っ飛びで回避するも、その先を読んだ紫様は、橙に向けて墓石を落とす。
地を蹴り、弾かれたように軌道を変える橙。
墓石は橙を掠めるも、その身体を捕らえるには至らない。
「紫行っきまーす」
「!?」
律儀に宣言までかまし、橙に向って滑るように迫る紫様。
反射的に飛び退き、牽制の妖弾を放つ橙。
紫様は止まらない。
スキマを開き、その表で橙の妖弾を吸い込みながら、自分は裏側に飛び込んだ。
「え?」
「こっちよ」
橙の後背に出現した紫様。
ふわりと軽く浮き上がり、橙の後頭部を蹴りつける。
しかし橙は振り向き様に肘を返し、紫様の蹴りを打ち落とす。
紫様は蹴りが防がれると同時にスキマを開き、先ほど吸い込んだ妖弾を無数の光に変えて撃ち返す。
一撃の威力は低いが、数が多い。
全てを避けきることは出来ず、幾筋かの光が橙の身体を穿つ。
「っぐ……っつぁ!」
「あら? まだ終わらない?」
やけに暢気な声と共に、紫様が地面に降り立つ。
橙は奥歯を食いしばり、紫様に向かい駆ける。
紫様の手首が翻り、傘の先端が橙に迫る。
だが、所詮三度目。
橙は紫様の突きを首を捻って避けながら、尚も前進。
そのまま体当たり気味に、紫様の腹部に拳を叩き込む。
鈍い音が響く。
一応の遠慮からか、鉤爪はしまってあった。
……あまり意味は無いんだがね。
紫様は懐の橙に被さるように身体を折る。
「せーの!」
「!?」
紫様は何事も無かったように微笑むと、橙の腰に両手を回してホールドする。
そのまま橙の身体を引っこ抜き、自身の頭上に持ってくる。
「高い高ーい……そして重ーい」
紫様は躊躇無く、橙の身体を地面に叩きつける。
成す術もなく落下する橙は、背中と後頭部をしこたま地面に打ち付けた。
「っが……ぁ」
……掴み投げか。
紫様と橙の身長差を如実に表す技と言える。
普通はあんなことにはならないのに。
紫様の足元にスキマが開き、その身がスキマに沈み込む。
次の瞬間、紫様は橙より少し離れた所に出現した。
その双眸は形容しがたい光を湛え、のたうち悶える橙を見下ろしていた。
* * *
しばらくし、ようやく橙が起き上がる。
しかしその息は既に荒く、足取りも覚束ない。
多少でも分があると踏んだ接近戦でも歯が立たない。
私から見れば、紫様を切り崩す隙は幾らでもあるのだが……
「もう少しマシな技って無いのかしらね?」
「……」
「藍から何か聞いてない? 本当に、貴女は全部使ってる?」
紫様の言葉に困惑する橙。
既にやれる事は全てやっているつもりなのだろう。
「藍が試験の内容を知ったのは昨夜遅く……」
「……」
「私の知ってる藍なら、間違いなく検討したはずよ。貴女の持ち駒で私を斃す可能性……」
「は?」
橙がはじかれた様に私を見る。
表情を変えないように、私は橙を見つめ返す。
言葉は掛けない。
戦いの最中に私がヒントを出すのは筋が違う。
まぁ目を合わせてやったことで、橙はなんとなく察しがついたらしい。
私も大概に甘い。
私は橙に対して、なるべく厳しく接して行きたいのだが……
「藍さま……藍さまは……」
「そうそう、考えて橙。藍は私の“戦闘能力”なら、かなり正確に把握してるわ」
「……」
「藍はなんて言っていた? 棄権しろって言ってたの? 歯が立たないから辞めておけと? それとも……」
紫様は橙に向って滑り、真っ向から突っ込んで殴りかかる。
橙は紫様の手首を掴んで、止める。
「私でも、勝てる……」
「ほぅ?」
紫様の傘が振るわれる。
橙は反対の手の手甲で受け止める。
力では紫様。
橙は全身から妖気を振り絞り、力に換えて耐え凌ぐ。
「私に、足りないのは破壊力……貸してくれた、のはご自身の力……」
「……」
歯を食いしばり、途切れ途切れになりながらも呟く橙。
紫様の手首を掴む橙の手が震えている。
殴る方も止める方も、相当の力が込められているのだろう。
「それで歯が、立たないということは…………私のやり方が違ってるんだ!」
橙の身体から、さらに妖気が吹き出す。
近付きつつある。
橙は、私が編んだ方程式に。
「そう! 考えて橙! 思考し計算し実践なさい! 藍が散りばめた真実を再構成して貴女の答えを出しなさい! 橙……」
紫様は目を見開き、そして笑った。
「速く、此処までいらっしゃい?」
「!?」
その言葉に、橙は紫様の手を振り払う。
同時に紫様も傘を引く。
一瞬の静止。
近距離でにらみ合う二人の妖怪
「っっああああアあアアあああああ!!!」
裂帛の叫びとともに橙の体が開かれる!
無言で橙を見据える紫様。
爪と傘。
二人の武器が同時に振るわれ、その中間で激突……しなかった。
「(な)に!?」
橙の手甲から伸びるのは鉤爪でなく、炎。
実態の無い炎は、紫様の傘をすり抜ける。
炎は同時に傘を焼き切り、本来の長さを失った傘は橙を捕らえるには至らない。
そして橙の炎の爪は紫様の顔を……
―――ほんの僅か、外していた。
「……あ」
「惜しかったわね」
橙の顔が苦痛に歪む。
狙ったものか、反射的か。
傘を焼かれた紫様は更に踏み込み、橙の脇腹に膝を打ち込んでいた。
予想外の衝撃が、橙の手元を僅かに狂わせたのだろう。
一歩よろめき膝を突く橙に、紫様の放った妖弾がまともに当たる。
「っがぁ!?」
橙の身体が紙のように吹き飛ばされ、そのままピクリとも動かなくなる。
紫様がスキマを開き、焼き切られた傘を放る。
一瞬後、スキマから新しい日傘が吐き出され、正しく紫様の手に収まった。
「勝者! 八雲紫!」
私の声にカーテンコールを持って応える紫様。
私は尻尾でリボンを解き、腕の中のウリボウを地面に下ろす。
ヤツは足が地面に付くや否や、紫様に向って駆けていく。
腕がだるくなるまで抱いていてやったというのに、恩知らずなヤツである。
紫様は足元に纏わり着いたウリボウを抱き上げる。
同時に、私は手の中の花束を紫様に投げ渡す。
「副賞です」
「うぶ!?」
両手に傘とウリボウを抱えた紫様に、こいつを受け取る術はない。
どうやら顔面で受けたようだが、ひとまず保留。
私は橙に駆け寄ると、その身体に手を当てる。
呼吸と脈、そして体動を確かめる。
どうやら気絶しただけのようである。
思わずため息が漏れる。
頭を打った様子も無いので、私は橙を抱き上げた。
「無事かしら?」
背後から掛けられた声に振り向く。
鼻の先がやや赤い紫様が、橙の顔を覗き込む。
「はい。気を失ってるだけのようです」
「それは僥倖。ところで藍?」
「はい」
「アレが、貴女の導く答なの?」
「ええ。上を見れば限がありませんが、とりあえずは正解です」
橙が使った炎の爪。
というより、術に形を与えて武器にすること。
これは私自身、八雲藍の完成形。
「手甲は両手を開けて使える武装、武器と相性の悪い私が最終的に行き着く所です。橙に最初に持たせた本当の理由も、そこに在る」
「その上で貴女の力を使えば、橙は自然と最高の貴女に辿り着くと……」
その通り。
それが最終試験の、私の狙い。
私の本当の姿に辿り着いて欲しかった。
橙はいつか気づくだろう。
今日の自分の進化形こそ、八雲藍の力だと。
そしてその時には……
こいつは私の背中も見えているはずである。
「紫様が相手をしてくれるなら、自分で気づいて貰おうと思いまして」
「鬼ね。そのくらい教えてやってもいいでしょうに」
「鬼結構。橙にはなるべく自分で強くなって欲しいので」
「父性か……私には出せない味だわ」
「……」
腕の中で眠る橙を、私は軽く抱きしめる。
なんとなく、紫様に言い当てられるのは癪だった。
「さて、それでは我が家に帰りましょうか?」
「一ヶ月ぶりですね? 妖夢に管理を頼んできましたから、多分すぐにでも眠れますよ」
「さすがよ藍。橙ったら粘るものだから、私も随分疲れたわー」
「息一つ乱さずに何を……?」
私はこのとき、ようやく紫様の変化に気づいた。
二、三歩寄って、紫様の正面に立つ。
きょとんと小首をかしげ、私を見上げる紫様。
あ、やっぱり。
「失礼」
「っきゃ!?」
私は紫様の頬に口付ける。
身を硬くするも、離れはしない紫様。
紫様が逃げないのを良いことに、私は紫様の頬を舐め続ける。
「ちょ!? 藍……なに……?」
「いえ、赤くなってたものですから」
「嘘!?」
「ほんと」
事実、紫様の右頬はうっすらと赤い筋が滲んでいる。
殆ど判らないほどに淡いが、それは明らかに橙が刻んだ勲章だろう。
紫様は眉を顰めて息をつく。
「足の速い子だこと……」
「実(げ)に眩しきは伸び盛りかな」
「若いって羨ましいわ」
「全くですね」
私達は顔を見合わせ、苦笑した。
「ま、いいわ。行きましょ」
「はい」
紫様はスキマを開くと飛び込んだ。
私も橙を抱えて空間を渡る。
一瞬後、私達は懐かしの我が家の前にいた。
『ただいま帰りました』
私と紫様の声がハモる。
紫様が懐から鍵を取り出し、玄関の鍵を開けている。
その背を見ながら、私は橙の額に接吻した。
―――お疲れ様
橙の出稽古はこれでおしまい。
明日から、また日常の中で橙の修行を考えなければならない。
それは私にとって、非常に遣り甲斐のある日課だった。
【エピローグ】
橙が床から起き出せたのは、出稽古終了から一週間後。
その間、あいつはずっと布団の中で呻いていた。
何のことは無い、ただの筋肉痛である。
橙の筋力で私と同じ力を使ったのだから、それも当然のこと。
「ぐぐぐぅ……」
「ぜんっぜん駄目。もっと強く」
「ぐぎぃ……」
「やる気あるのぉ~?」
「ふんぬー!」
居間から聞こえる妙な声に、私は思わずため息を吐く。
現在『賭け』の精算中。
善戦したとは言え完敗の橙は、紫様の気が済むまで腰を揉んでいるのだ。
たかが腰、されど腰。
紫様の腰揉みは、コツを知らないものには重労働なのだ。
私は襖を開けると、居間に入る。
紫様はウリボウを枕にうつ伏せに臥せっている。
橙はその腰に跨り、顔を赤くして必死に腰を押している。
「頑張ってる?」
「あ、藍さま! 紫様すっごく凝ってるんですよー。何したらこんなに硬くなるんです!?」
「これは常日頃の苦労というものよ? 貴女達の日々の安寧のため、私は影で努力してるのよー」
「それは! 真に! お疲れ! 様で! ございました~!」
「あーそこそこ……良いわぁ……だいぶ気合が入ってきたじゃない」
「いえ、日頃の感謝というヤツです」
殊勝な橙の言葉に、私の目頭が熱くなる。
それと同時に、紫様の妄言にも腹が立ってくる。
「騙されんなよ、橙。紫様の凝りは八割方、寝過ぎが原因なんだから」
「違うもん!」
「では年ですか?」
笑う私の顔面に、ウリボウが投げつけられる。
両手で受け止め、畳の上に胡坐をかく私。
背中を掻いてやると、気持ちよさそうに目を閉じている。
良いご身分だよ全く。
「代わろうか? 橙」
「いえ、これは私の罰ですから」
「でも腕が吊ったら元も子もないよ? 少し休みなさい」
「はーい」
紫様に乗ったまま、両手を軽く振る橙。
「ハァ……勝てば今頃、藍さまと甘い一時だったのになぁ……」
「本気で言ってるの橙?」
「もちろんです。勝つ気でいる、って言ったじゃないですか」
そう言ってため息を吐く橙。
紫様は呆れたように肩を竦める。
「前にちょっと聞いたんです。外の世界じゃ、リングを送って告白するんだって」
「最近じゃそうみたいだね。人間の風習だけど」
「実は私も用意してたんですよ」
「へぇ?」
「これを機に……って思ったんだけどな」
嬉しいことを言ってくれるじゃないか橙。
子どもが「パパのお嫁さんになる」と言っているようなものにせよ。
「……ん? もう用意してた?」
「……はぃ」
顔を赤らめ、消え入りそうな声で呟く橙。
これは……ポイント高いぞ!
「ねぇ、橙? 見せてもらっていいか?」
「……見るだけですか?」
「失礼。えっと……それじゃ、着けてくれる?」
「はい!」
満面の笑みで応える橙。
なにやら帽子を脱ぐと、ごそごそと漁る橙。
そんな所に隠してたのか?
「それでは……あの……目、閉じてもらえます?」
「ん」
「人の頭の上で愛の告白しないでよぉ」
不満げな紫様を無視して、私達も盛り上がる。
しかし……妙だった。
何時までたっても手を取られる感じがしない。
橙が弄ってるのは私の首。
……首!?
「出来ました!」
「待てコラ」
「く、首輪!? ア、ハハハ! いいわ橙! ナイスよ」
目を開けると、心底嬉しそうな橙がいる。
紫様は顔を伏せ、畳を叩いて笑ってやがる。
こいつらの笑顔を見ると、『まぁいいか』と思ってしまう自分が嫌だ。
「なんで此処で首輪なんだ!?」
「え? 何か間違ってます?」
「ウ……負フフフブ!?」
笑い方が可笑しい紫様を、とりあえず踏んで黙らせる。
「あのな、橙……一体誰に聞いた? コレ」
「はぁ……幽々子様がおっしゃってたんですが」
幽々子!
今幽々子って言ったのか?
「……なんて言ってたの……こう……正確に言ってみ?」
「『藍ちゃんの金色の毛並みには深紅の首輪が良く映える!』だそうですが……」
「そうか、あいつか……アノヤロウ……」
「藍さま?」
「橙、お前騙されてるよ」
「え?」
「外の世界で流行ってるのは指輪。首輪じゃないよ」
「そ、そうだったんですか」
肩を落とす橙の頭を撫でる。
「そ、だから、コレはこいつにやろうね」
私は自身の首輪を外し、ウリボウの首に着けてやる。
私はまだ……平静だ。
「さてと橙? 私はこれから幽っ子をブチ殺……じゃない、橙にいろいろ教えてくれたお礼を死に逝くから」
「ハイ」
橙の口調がいつもと違った気がしたが、まぁ気のせいだろう。
引きつった表情で小さく震えていたのも、きっと気のせいに違いない。
幽鬼の表情で立ち上がる私。
えーっと……攻城兵器をしまってある蔵は何番だったかな……
敵は西行寺にあり。
私の天使に余計なことを吹き込んだ馬鹿を抹消しなければ。
居間を出るとき、私は自然と呟いていた。
―――ユルセナイ……
あと、本気で藍様をゲットしようとしている橙が微笑ましいと言うか何と言うか。
良い話でした~
格好良いよ藍様!強いよゆかりん!!よくがんばったね橙~!!!
文化帖でもアリ・パチェ押さえての大健闘だし…
うり坊の名前…茗(めい、茶の木・遅摘みの茶葉の意)ってのはどーでしょ?
幽々子vs藍様は、どうせ妖夢が一番ワリを喰らう破目になるんでしょうね。
弄られキャラはつらいョ(待宵反射衛星斬)
スピーディでスタイリッシュな殺陣を味あわせていただきました。
おやつさんのところの藍さまと幽々子さまはトムとジェリーみたいな。
橙を主体としたSSもあんまりないのでその点でも面白かったです。
あと、ゆゆ様超逃げて~~~~!!
藍様スキーにはおやつさんのSSは堪りませんわ。
うりぼうの名前、ゆかりんのペットで、なおかつ金魚の変わりに
出てきた訳だから、ここはひとつ間を取ってゆあk(膝蹴り
しかし、「ユルセナイ…」って、例の日記ネタwww
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
久々の氏の藍さまはやはり一味もふた味も違う。
察するところついに課題に取り組まれたと見ましたが…面白かったですよ。
家族ってこういうもんですよねぇ。
厳しく、でもどうしようもなく甘くて。子供を寄り添いあって見守り育てていく。
橙もがんばってる、いろいろがんばってる。ほんと健気な子だ……
作中若いっていいなぁとか藍さまが言ってましたが、存外彼女もまだまだ若い部分があるように見受けられたり。きっと紫さまにはそれがわかっていて、藍さまも自覚はあるんでしょうが……その辺りもいつかは語られるのでしょうか。
いつか素顔でみんなと笑ってほしいですね、藍さまには。
しかしやっぱり登場しなくても存在感あるなぁ、ゆゆ様(汗
そしてこの二人のとばっちりを受けるであろう妖夢に合掌。
格好よくて優しくて、最高でした!
本編で満足させ、落としで妄想を掻き立てる! ヴァー! 隙が無い!
この後は当然泡ローション仕込んだチェーンソーが大活躍ですね!
あと服が透明になる魔法。あれ?
ところで、金魚はどこへ……ゆっこか!ゆっこに食わせるのか!(違)
そうだよなーあの天狐の式だもん、その潜在能力は推して知るべしという事か。
このまま修行を続けて、藍を超えるくらい強くなった橙を見てみたい。
もちろんその傍らには、うりぼうを連れてね。
ひょっとしたら、首輪で繋がれて涙目の藍様がいるかもしれませんがw
わが子のために萌えと燃えの境界で揺れ動く彼女がたまらないです!
・・・てか最後の一行がアレでよかったのだろうか(ガクガクブルブル
いいお話でした!
おやつさんの書く藍さまこそがオレの中の理想・・・(ぇ
あああ!藍様最高!
妖夢にも首輪がついていたりしませんですか?
八雲ファミリーは良いですね。
橙が浮いちゃうそのお気持ち、痛いほどに理解できます。私の中で橙はバックストーリーが完全に白紙なので、将来性の高さにかえって唖然としてしまうのです。
決まってそういう時は、『花野嵯峨猫魔稿』や浪曲『鍋島化け猫』を思い出します。
嗚呼、オリジナリティが弱い私(涙
端から見るとエロいですだよ?
ウリボウ可愛いなウリボウ
ガブリエも一発だぜ